著者
三浦 光彦
出版者
日本映像学会
雑誌
映像学 (ISSN:02860279)
巻号頁・発行日
vol.109, pp.27-48, 2023-02-25 (Released:2023-03-25)
参考文献数
25

本稿では、ロベール・ブレッソンの1951年の作品『田舎司祭の日記』に関して、物語論と演技論の観点から分析を行う。『田舎司祭の日記』において物語がどのように語られているか、物語と演技がいかに結びついているかを精査した上で、テクスト外の現実の作者であるブレッソンとテクスト内の語り手とがどのような関係を結んでいるのかを明らかにすることが本稿の目的である。まず、テクスト外の現実がテクスト内のフィクションに作用する次元を物語論的観点から論じているエドワード・ブラニガンの理論の有用性を示した上で、映画公開当時、ブレッソンがどのような社会的・歴史的状況に置かれていたかを概観し、それが物語理解にいかに作用するかを考究する。次いで、一見、司祭の一人称による語りに見えるこの映画が実際には、司祭とは別のもう一人の語り手を想定する必要があること、そして、司祭による語りと別の語り手による語りが混同していることを、テクスト分析を通じて明らかにする。その上で、こうした語りの構造が映画における役者たちの発声の仕方と結びついていること、さらに、演技指導を通じてブレッソンという現実の作者がテクスト内の語り手に限りなく接近していることを詳らかにする。最終的に、ブレッソンという現実の作者が『田舎司祭の日記』において、「不可視の語り手」としてあたかも映画全体を語っているかのようにテクスト全体を構造化していると結論づける。
著者
三浦 沙織 行田 正晃 山本 格 五十嵐 正徳 平 英彰
出版者
一般社団法人 日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.93, no.1, pp.1-7, 2011 (Released:2011-04-16)
参考文献数
23
被引用文献数
8 12

四分子期に異常が発生するスギ雄性不稔4系統 (福島不稔1号, 福島不稔2号, 新大不稔11号, 新大不稔12号) の発現過程を明らかにするため, 光学顕微鏡, 蛍光顕微鏡, 走査型電子顕微鏡, 透過型電子顕微鏡を用いてそれらの雄花の内部微細構造の観察を行った。小胞子形成過程において, 4系統はすべて正常個体と同様に四分子を形成した。しかし, カロース分解後小胞子に遊離せず, 花粉飛散期には塊状となって花粉は全く飛散しなかった。これらの雄性不稔では, カロースに囲まれている間に形成される外膜の初期外膜内層が発達せず, 小胞子同士が部分的に癒着していた。カロースの分解後, タペート組織からユービッシュ体の放出は認められず, 半透明の無定型物質が放出されそれが増加していった。4系統のスギ雄性不稔性が発現する原因は, 小胞子細胞質とタペート組織が, 花粉壁の外膜を構成する物質を正常に供給せず, 異常な活動を行うためであると考えられた。
著者
石橋 陽子 松薗 絵美 合田 智宏 横山 文明 菅井 望 関 英幸 三浦 淳彦 藤田 淳 鈴木 潤一 鈴木 昭 深澤 雄一郎
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.108, no.5, pp.759-768, 2011 (Released:2011-05-11)
参考文献数
24
被引用文献数
2

急性壊死性食道炎の4例を経験した.4例とも初発症状は吐血で,上部消化管内視鏡検査では特徴的な黒色食道を呈した.発症時の基礎疾患は,3例がケトアシドーシス,2例が糖尿病であった.3例は保存的に軽快し,死亡例を1例認めたが死因は急性壊死性食道炎によるものではなく,基礎疾患である敗血症が予後を規定した.急性壊死性食道炎はまれな疾患ではあるが,緊急内視鏡における鑑別診断として念頭に置くべきであると考える.
著者
市場 大亮 三浦 貴大 坂尻 正次 大西 淳児 小野 束
雑誌
研究報告アクセシビリティ(AAC) (ISSN:24322431)
巻号頁・発行日
vol.2016-AAC-2, no.13, pp.1-4, 2016-11-25

コンピュータゲーム内の視覚 ・ 聴覚 ・ 触覚など多感覚コンテンツの充実に伴い,視覚障害があっても結果的に遊べるゲームが増加している.しかし,視覚的な提示情報を把握可能な弱視者であっても,時にプレイが困難になるケースが多々あり,アクセシビリティの不十分さを感じざるを得ない.また,ゲームにおけるアクセシビリティは再検討される課題となっているが,弱視者に焦点を当ててアクセシビリティ上の問題を詳らかにした例は少ない.このため,本研究の目的を,弱視者が現在のコンピュータゲームをプレイする上での問題点を明らかにすることと設定した.特に本論文では,弱視者に対してコンピュータゲームのプレイ状況等について小規模ながらアンケート調査を行い,彼らの抱えている問題点をまとめた.結果より,弱視者の多くがプレイするジャンルや,プレイしやすい要因,ゲーム改善要望がまとめられた.また,視覚的不便さに対する方策についても明らかにした.
著者
三浦 雅展 江村 伯夫 秋永 晴子 柳田 益造
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.203-212, 2010-05-01 (Released:2017-06-02)
参考文献数
17

ピアノを用いた1オクターブの上下行長音階演奏に対する自動評価について述べている。音階演奏の客観的な評価基準を求めるために,種々の音階演奏の5名の専門家による適切性の主観評価とその演奏のMIDI記録の関係を求めている。記録されたピアノ演奏に含まれる打鍵タイミング,打鍵強度(ヴェロシティ),及び押鍵時間長について,音階演奏に含まれる逸脱のスプライン補間曲線を求め,得られた曲線の特徴から,当該演奏の特徴を15のパラメータで表している。補間曲線は鍵盤に対する奏者の手指交差に基づいて求められている。得られた主観評価スコアはその適切性をLeave-one-out法によってオープンテストするために用いられている。評価データに対する評価スコアは,KL展開によって次元縮小を行った後にk近傍法によって求められている。音楽の専門家による評価値に基づいて,提案手法が音階演奏の適切性に関する主観スコアを適切に予測していることを確認している。
著者
三浦 正勝 出口 明 武内 洋 細田 英雄 鈴木 智 平間 利昌
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
燃料協会誌 (ISSN:03693775)
巻号頁・発行日
vol.66, no.8, pp.726-733, 1987-08-20 (Released:2010-06-28)
参考文献数
5

To recover fuel oil from oily sludge, experimental studies were performed using a fluidized sand bed pyrolyzer. The heat energy for the pyrolysis of sludge was supplied from the heat of a partial combustion of sludge. It was revealed that the yield of recovered oil decreased with increasing bed temperature within the range of from 500 to 600°C. The viscosity of recovered oil decreased with the increase of the oxygen concentration in fluidized gas. The properties of the recovered oil ranked with those of the fuel oil. Moreover, the sulfur content in recovered oil was reduced to 70%, as compared with that in sludge. When lime-Stone or natural zeolite were used as the fluidized particles, relatively low viscous oil could be produced, but its yield value was small compared with the use of silica sand. The estimated value of heat con-sumption for pyrolysis was ranged from 390 to 530 kcal/kg.
著者
三浦 弘之 泉本 勝利 三上 正幸
出版者
帯広畜産大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

と殺後の家畜の枝肉を早期に冷却することによって食肉の品質劣化を防ぐいわゆるコールドチェーンは流通上のメリットとして一応は定着したが、一方においては急速に冷却されることによって食肉の熟成に関与する様々な酵素系が抑制され、例えばATPの分解が遅れるために死後硬直の最中に食肉を流通させるところから肉が"かたい"とか"うまみに欠けている"とかの評価を受ける様になって来た。本研究ではと殺後の家畜に低電圧電気刺激を行って種々の酵素系を活性化させ、いわゆる熟成を人為的にコントロールしようというものである。昭和61年度においては羊を供試動物とし、直接電圧で3.2〜3.8Vの低電圧で30秒、60秒、90秒、180秒の電気刺激を行って生化学的変化を調べることで肉質変換の機構を明らかにした。昭和62年度においては同様のことを3.2〜3.8V、13.8Hzで30秒、60秒、90秒、電気刺激を加えたホルスタイン肥育牛について生化学変化的変化を調べることで肉質変換の機構を明らかにした。昭和63年度においては最終まとめの年にあたるため研究もれの事項をホルスタイン肥育牛とホルスタイン経産牛をつかって精査し、特に電気刺激によって変換する肉質のうちタンパク質画分、ペプチド画分、アミノ産画分の変化について明らかにした。この3年間の研究成果によって、低電圧電気刺激によって起こる生化学的変化は、食肉色調の鮮明化、肉の軟化、トロポニンTの早期消失、3万、3.2万、3.3万ダルトンバンの出現による食肉の熟成などがみられ、肉質の変換が起こることを明らかにし、低電圧電気刺激は60秒間の刺激時間が最適であることを証明した。
著者
三浦 励一 小林 央往 草薙 得一
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.271-278, 1996-02-09 (Released:2009-12-17)
参考文献数
19
被引用文献数
2 2

京都付近では畑雑草コハコベは春から秋にかけて耕起のたびに発生するが, 人里植物であるミドリハコベは秋期にのみ発生する (前報)。このような発生消長の差異をもたらす種子休眠性および発芽特性の差異を知るため, 両種の種子を7月から野外地表, 野外土中, 実験室内の恒温乾燥 (10,20,30℃) および恒温土中 (10, 20, 30℃) の各条件下で保存し, 定期的に発芽試験を行った。発芽試験は通常15℃明・暗条件で行い, 実験開始時と2ヵ月間保存後 (9月; 発生始期に相当) には温度の影響を調べるため5~30℃のそれぞれ明・暗条件で行った。1) 実験開始時にはコハコベ, ミドリハコベとも全く発芽せず, 一次休眠の状態にあることが示された。2) 野外地表区のコハコベ種子では休眠覚醒が遅く, 光発芽性は顕著でなかった (Figs. 2, 4)。地表で夏から冬まで経過したときの累積発芽率は30%以下であった (Fig. 3)。野外埋土区では速やかに休眠覚醒して著しい光発芽性を示し, 発芽適温域は5~25℃と広かった (Figs. 2, 4)。3) ミドリハコベ種子は野外地表区・埋土区のいずれにおいても比較的速やかに休眠から覚醒したが, 発芽適温域は5~20℃とやや狭かった (Figs. 2, 4)。野外地表区の種子は秋期にその場で発芽し, 累積発芽率は82%となった (Fig. 3)。4) コハコベ種子の室内の恒温乾燥区における休眠覚醒はきわめて遅く, 光発芽性は認められなかった (Figs. 5, 6)。恒温埋土区では速やかに休眠覚醒して著しい光発芽性を示した (Figs. 5, 6)。5) ミドリハコベ種子の室内の恒温乾燥区および埋土区における休眠覚醒の様相は後者でやや光発芽性が認められたほかはよく似ており, いずれも高温 (30℃) で促進され, 低温 (10℃) では遅かった (Figs. 5, 6)。
著者
野本 保夫 川口 良人 酒井 信治 平野 宏 久保 仁 大平 整爾 本間 寿美子 山縣 邦弘 三浦 靖彦 木村 靖夫 栗山 哲 原 茂子 浜田 千江子 佐中 孜 中尾 俊之 本田 雅敬 横田 眞二 須賀 孝夫 森 典子 下村 旭 金 昌雄 今田 聰雄 田中 良治 川西 秀樹 枝国 節雄 福井 博義 中本 雅彦 黒川 清
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.303-311, 1998-04-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
24
被引用文献数
25 25

硬化性被嚢性腹膜炎 (sclerosing encapsulating peritonitis, SEP) はCAPD療法における最も重篤な合併症の1つである. 平成7-9年度にわたり, 厚生省長期慢性疾患総合研究事業慢性腎不全研究班に参加した『CAPD療法の評価と適応に関する研究班』にてこの病態に焦点をあてSEPの診断基準, 治療のガイドラインを作成し検討を重ねてきた. 今回平成7-8年度の成果を土台に1年間経験を各施設より持ち寄りその実際的な問題点を明らかにし, 改訂するべき事項があればさらに検討を続けることを目的として叡知をあつめ, 平成9年度硬化性被嚢性腹膜炎コンセンサス会議を開催した.今回は主に診断指針の見直しおよび治療および中止基準の妥当性に焦点をあて検討し改訂案を作成した. 診断基準に関しては昨年度に提示した定義に根本的な変更点はなかった. しかし, 治療法に関し若干の手直しを行った. 栄養補給は経静脈的高カロリー輸液 (TPN) を主体に行うが, 具体的投与量を提示した. 一部症例にステロイド薬 (含パルス療法) がSEP発症直後の症例に著効を示した症例に加えて, 一方不幸な転帰をとった症例も報告された. また, 外科的腸管剥離についても再検討を行った. 中止基準に関しては一部の手直しと小児症例に関するガイドラインも新たに加えた.以上当研究班で3年余にわたる作業を行ってきたが, 現時点での諸家のコンセンサスを得たSEP診断治療指針 (案) を上梓することができた. しかしながら本病態の多様性, 治療に対する反応性の相違から基本的な治療方針の提示にとどめた. 今後さらに中止基準を含んだSEP予防法の確立や生体適合性の良い透析液の開発が重要であることはいうまでもない.
著者
三浦 詩乃
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.22-00048, 2023 (Released:2023-02-20)
参考文献数
58

本研究は,都市のリバビリティ向上に資する街路デザイン施策の普及における,基礎自治体イニシアチブの意義と課題を明らかにすることを目的として,近年世界的に会員を広げる全米都市交通担当者協会およびGlobal Designing Cities Initiativeを対象とした.資料調査,ヒアリングおよび交通統計データ集計からイニシアチブの特性と普及実施成果を明らかにし,会員都市のアウトカム達成状況から問題点を提示した.また,連携拡大の要因として,欧州の環境ガバナンス施策の普及を担うTMNとの類似点を示した.得られた知見を総括し,街路デザイン担当部局のキャパシティ向上の観点からのイニシアチブの意義とともに,普及内容実践による会員都市における交通環境への効果を高めるために,近隣自治体の参画促進といった課題が残ることを導出した.
著者
飯田 智哉 伊藤 和 岡村 直香 飯田 道夫 和田 吉生 安藤 なつ美 三浦 光舞 吉崎 秀夫 門脇 睦子 山崎 なな 長岡 健太郎
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.55-60, 2023 (Released:2023-02-17)
参考文献数
7

コロナ禍が終末期の在宅療養に与えた影響や遺族満足度などについて検討することを本活動の目的とした.当院で訪問診療を受けていた居宅終末期がん患者のうち,在宅で看取った100名の遺族を対象にアンケート調査を行い,コロナ禍が在宅療養に与えた影響,遺族満足度などについて検討した.回答率は72.0%で,52.8%の遺族が在宅療養の選択にコロナ禍が影響したと回答した.遺族満足度は98.6%であり,当院でコロナ禍に在宅療養を選択した終末期がん患者に対しても,高い遺族満足度が達成できていた.
著者
榎 裕美 苅部 康子 谷中 景子 堤 亮介 長谷川 未帆子 田中 和美 髙田 健人 古明地 夕佳 岡本 節子 遠又 靖丈 長瀬 香織 加藤 すみ子 大原 里子 小山 秀夫 杉山 みち子 三浦 公嗣
出版者
一般社団法人 日本健康・栄養システム学会
雑誌
日本健康・栄養システム学会誌 (ISSN:24323438)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.31-42, 2023 (Released:2023-02-14)
参考文献数
16

目的:栄養マネジメント強化加算による栄養ケア・マネジメントの体制と取り組み、併設の通所サービスおよ び認知症グループホームにおける管理栄養士の関わり等について、インタビュー調査を実施し、今後の栄養ケ ア・マネジメントの推進および質の向上についての課題の整理を行うことを目的とした。 方法:対象は、良好な栄養ケア・マネジメントの取り組みが為されている特別養護老人ホーム5施設、老人保 健施設5施設に所属する常勤の管理栄養士(責任者)とした。インタビューガイドを用いたWEB インタビュー を行い、逐語録から概要表を作成した。 結果:栄養マネジメント強化加算は、経営面および実務を担う管理栄養士から高く評価され、多職種による週 3 回以上のミールラウンドは、多職種間の連携が強化されていた。認知症グループホームにおける栄養管理体 制加算算定は、職員の意識付けとなっていた。見えてきた課題として、介護支援専門員との連携不足、介護保 険サービスにおける管理栄養士の人材確保および人材育成が挙げられた。 結論:令和3年度介護報酬改定は、あらゆる側面で、栄養ケア・マネジメントの向上に寄与していた一方で、 人材育成などの喫緊の課題も明らかとなった。
著者
牧田 憲二 濱本 泰 長﨑 慧 神﨑 博充 三浦 耕資 成本 勝広
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.43-48, 2023 (Released:2023-02-13)
参考文献数
12

当院では,2021年9月より緩和ケアカンファレンスに放射線治療科医が参加するようになった.放射線治療科医参加の有用性を検討した.2022年8月までに,同カンファレンスで検討した341例中26例(7.6%)に緩和照射を提案した.そのうち11例(3.2%)(乳がん潰瘍形成/出血:2,転移性脊髄圧迫予防:1,再照射:6,播種:1,全肝照射:1)で緩和照射実施に至った.放射線治療科医の参加は再照射の可否や全身薬物療法中の症例における適切な放射線治療の介入時期の判断などに役立ったと思われた.
著者
和田 毅 三浦 航太
出版者
ラテン・アメリカ政経学会
雑誌
ラテン・アメリカ論集 (ISSN:0286004X)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.35-65, 2022-12-23 (Released:2022-12-23)
参考文献数
46

This article explores the conditions under which conflicts over water resources are resolved in a sustainable, democratic, and participatory manner. Water conflicts often get intense because the meaning and values of water differ considerably depending on the actors in conflict. Water can be considered as an essential component of the natural environment and biodiversity, as indispensable public goods supporting people’s everyday lives, as a precious source of energy and economic development, or as a fountain of communal identities and cultures. How to resolve water conflicts through dialogue rather than force while ensuring the democratic participation of diverse actors with conflicting values and interests? Using Global Atlas of Environmental Justice (EJAtlas), a database of environmental disputes, we extract 26 water conflicts in Latin America between 1991 and 2021 and apply a fuzzy-set qualitative comparative analysis to identify the conditions or causal pathways leading to sustainable and democratic outcomes. The result indicates that the existence of “brokers” capable of encouraging dialogues between opposing forces (e.g., between economic developers and local residents)—is an essential, if not sufficient, condition. We also discuss the implications of the findings and future tasks.
著者
斎藤 諒 三浦 純
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集 2021 (ISSN:24243124)
巻号頁・発行日
pp.1P2-G03, 2021 (Released:2021-12-25)

Recently, many public facilities have been promoted to be barrier-free. In such a situation, an accessibility map that indicates areas that are drivable and areas that are not drivable, such as steps and slopes is very effective for wheelchairs and strollers. This research focuses on viewpoint planning for autonomous 3D measurement by a mobile robot in order to create an accessibility map. For efficient 3D measurements, the viewpoint planning should be done to reduce the size of unknown regions. We plan viewpoints based on the frontier, which is the boundary between the known and the unknown regions. We verify the effectiveness of the proposed method in simulation and by a real robot environment.
著者
岡田 啓司 菊地 薫 三浦 潔 佐藤 利博 森田 靖 田高 恵 荻野 朋子 金田 義宏
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.74-79, 1997-02-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
19
被引用文献数
4 3

生後1-6週齢の白痢発症黒毛和種子牛とその母牛16組および健康な母子牛5組について, 白痢発症とアルコール不安定性母乳との関連を検討した.発症子牛16頭の母乳はアルコール試験陽性9頭 (56.3%)(A群), 陰性7頭 (B群) であった.血液所見から発症子牛の母牛は非発症健康対照群 (C群) に比べて低エネルギー状態にあることが示唆され, 子牛は低脂質血症を示した.またA群母牛はB群に比べて血中アンモニア濃度は高値を, 乳清中グルコース (GLU), カルシウムは低値を示し, 子牛の血中トリグリセライドは高値であった.A群母牛にメンブトン5gを2日間経口投与したところ, アルコール不安定乳は全頭で改善され, 子牛7頭の白痢は治癒した.メンブトン投与後母牛乳清中GLUは増加した.以上から母牛のエネルギー不足がアルコール不安定乳と子牛の白痢の誘因と考えられた.