著者
串山 寿 三浦 洋子
出版者
千葉経済大学
雑誌
千葉経済論叢 = CHIBA KEIZAI RONSO (ISSN:21876320)
巻号頁・発行日
no.65, pp.95-112, 2021-12-01

新型コロナウイルス拡大の影響で、本学では一定数以上の受講者がいる授業については、オンデマンド授業を実施せざるをえなくなり、さらに今後こうした授業形態は長期間継続していくと予想される。もちろん教育分野に情報化が浸透していることは数年前から顕著であったが、本学は旧態然とした授業形態を採用していて、その波に乗り切れていなかった。しかし、絶好の機会が、新型コロナウイルス拡大とともに到来した。ここで大学のオンデマンド授業をどのように展開していくべきか、教員と学生との間での様々なやりとりを通して試行錯誤を繰り返すことにより、将来、情報化を土台にした大学教育をどのように実施すればよいか、そうした課題に一つの答えを導くことができるだろう。すなわち、本稿は、大学教育の将来を見据えながら、オンデマンド授業の実施方法を、暗中模索の中で、著者らが具体的に行った記録である。 本稿では、本学学生のオンデマンド授業を開講するうえで、学生の利用環境を調査するとともに、本学学生を対象にMicrosoft Forms(以下、Forms)を利用した出席管理についてその方法を提示し、学生のアンケートデータも加味して、その有用性や課題を分析した。 さらに、Microsoft Teams(以下、Teams)を利用したオンデマンド授業を行う上で、授業資料の掲載方法について提案した。ここでは、オンデマンド授業の資料提示について、Power Automateⅲを利用して指定した時間に自動的に掲載する方法を提案する。 また、テスト方法については、Formsを利用して行うことにしたが、以前から行っていた選択式に加え、計算した値を答えさせる作問方法を紹介する。
著者
三浦 麻子 小林 哲郎 清水 裕士
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

本研究の目的は,様々な社会的行動・態度の個人差を説明する新たな価値観概念として「常民性」―民主主義やキリスト教といった現代欧米社会に深く根ざす思想の呪縛を受けない,システム正当化,生活保守主義,個人幸福志向などが複合した概念―を探究し,妥当性と信頼性の高い測定尺度を開発することである.(a)質的面接調査,(b)Web調査,(c)尺度開発の3プロジェクトが遂行される.一般的な質問紙調査ではリーチできない層を対象とする丹念な質的データ収集にもとづいて概念の精緻化を試みる点,尺度開発に統計モデリングを活用する点に学術的独自性と創造性がある.
著者
三浦 弘
出版者
専修大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

イングランド北部の数地点とマン島において、英語の各地域方言発音を現地にて録音し、音声特徴の現状を社会音声学的な手法で記録し分析した。社会音声学的な手法というのは、地域的な相違のみならず、被験者の社会的階級や年齢などを考慮して方言発音の変異を分類し、音響的な音声分析の結果に基づいて音韻体系を考察するものである。調査はマージサイド州リバプールとマン島(平成29年度)、ランカシャー州プレストンとヨークシャー州ブラッドフォード(平成30年度)、及びランカシャー州ランカスター(令和元年度)にて実施した。
著者
米安 実 三浦 芳助
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.41-47, 1981-01-15 (Released:2010-03-08)
参考文献数
21
被引用文献数
2 2

3℃で冷蔵した大豆(新大豆)と,40℃,RH 75%で30日間貯蔵した大豆(古大豆)を試料として,電解還元処理が大豆の豆腐加工適性に及ぼす影響を検討し,つぎの結果を得た。(1) 古大豆のNSIは,新大豆に比べてかなり低いが,攪拌抽出時に電解還元処理を施すことによって,新大豆に近い値まで向上することが認められた。(2) 脱脂した古大豆の水抽出液のSH基は,新大豆に比べて少ないが,同抽出液を電解還元処理することによって,新大豆よりも多くなることが認められた。(3) 脱脂した古大豆の水抽出液の7S成分に対する11S成分の比率は,新大豆に比べて小さいが,同抽出液を電解還元処理することによって,かなり復元されることが認められた。(4) 古大豆で製造した絹ごし豆腐は,新大豆で製造したものに比べて,水分が多く,タンパク質と遊離アミノ酸が少ない,やわらかい豆腐になる傾向があったが,浸漬中に電解還元処理を施した古大豆で製造した絹ごし豆腐は,新大豆で製造したものにほぼ近いことが認められた。(5) 絹ごし豆腐中のタンパク質含量がほぼ等しい場合には,古大豆で製造したものよりも,浸漬中に電解還元処理を施した古大豆で製造したもののほうが,かたいことが認められた。
著者
三浦 直 小田 由香里 志澤 泰彦 塚越 絵里
出版者
東京歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

歯科の研究領域では、現在のところサツマイモを材料とした研究はない。ヒトに対するう蝕予防効果や歯周病の発生を予防でき、低コストで、人体に対して無害で使用回数にも制限がないような天然物由来の物質が、口腔ケア組成物として望まれている。そこで本研究課題では、普段の食生活で利用している国産サツマイモに着目し、口腔ケアとりわけ歯周病予防の応用につながる物質を探索し、その成分を特定することを目的としている。現段階では歯周病原菌に対する増殖抑制の効果を示す、活性成分を探索し、これを特定することを目標としている。
著者
橋本 純次 坂田 邦子 三浦 伸也 鈴木 優香理 久保田 彩乃
雑誌
社会構想研究 = Journal of Social Design (ISSN:2433670X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.57-66, 2023-03-31

新型コロナウイルス(COVID―19)に関するテレビ報道は,「災害の影響が特定の地域に限定されない」,「災害現場が特定できない」,「専門家の知見への依存度が高い」,「対応策の『正解』が日々更新される」といった点で従来の自然災害報道とは一線を画すものであった。本稿では,2020 年1月以降に国内のテレビ放送事業者が直面した困難とその解決策について「リスク・コミュニケーション」の概念を端緒として考察する。本稿では,全国のテレビ局を対象としたアンケート調査と6 社9名を対象としたインデプスインタビュー調査を実施し,「不確実性」の高い災害においてテレビ局によるリスク・コミュニケーションの促進がいかなる条件のもと可能か検討した。調査により得られた知見から,「視聴者ニーズ把握の困難」と「科学的根拠の検証能力の不足による専門家依存」というテレビ局の直面する課題を解決するため,「災害報道に関するメタ知識の提供」,「災害/科学技術担当記者の役割の見直し」,「記者のリカレント教育の強化」の3 点を提言した。
著者
渡辺 徹 稲田 厚 三浦 克己 吉田 暁 田中 敏春
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.523-527, 2018-06-30 (Released:2018-06-30)
参考文献数
6

急性左心不全による心原性肺水腫に対して救急隊員が実施可能な処置は,酸素投与とバッグバルブマスク(BVM)による補助呼吸である。今回,病院前救護においてBVMを用いて1名が両手でマスクを顔面に保持密着させ,もう1名がバッグを圧迫し換気を行う二人法補助呼吸によりSpO2値の改善を認めた疾患例を経験した。心原性肺水腫では呼気終末の気道内圧を高めることで低酸素血症を改善させることができるため,近年医療機関ではNPPVが実施されるようになっている。BVMのマスクを顔面に確実に密着させることができる二人法補助呼吸は,適切に実施すればNPPVに近い効果が期待できる。また,起坐呼吸や不穏状態の傷病者にも有効な換気が可能になる。病院前救護で呼吸困難感を訴え急性左心不全が疑われる例において,高流量酸素投与でもSpO2値が改善しない場合,呼吸原性心停止への移行を予防するためにBVMを用いた二人法補助呼吸を考慮してよいと思われる。
著者
中島 利博 川原 幸一 西 順一郎 三浦 直樹
出版者
東京医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016

キルギスではRheumatic fever : (以下、RF)が未だに猛威を奮っている。さらに、顕在化しないRFの後遺症も含めたRheumatic heart diseases(以下、RHD)が食生活(肉食、ウオッカ)、環境因子(低酸素)と併せて当該地域での死因の過半数を占める60歳までの心不全の潜在的リスクファクターであることを報告していた。10年を超える継続的な医療支援によりキルギスのほぼ全土を網羅する詳細なフィールド調査を行い、RF/RHDの有無、心エコーなど理学的所見、溶連菌など細菌感染症の頻度、家族歴など2000人を超える住民から100を超える項目に関する調査を完遂していた。その結果より、溶連菌以外の細菌感染の陽性率も高く、その一因に未だに主流であるバイオマス燃料による粘膜免疫の低下が考えられることを見出した。呼吸器分野の専門家を加え、感染の遷延化・慢性化に対する宿主因子の探索を行った。さらに細菌感染に対する啓蒙活動を行いその効果を検討した。キルギスの食生活について循環器疾患や免疫に対する影響を検討するため生理活性を測定した。その結果キルギスの特産として知られるある食物が本国のものと比較して血管内皮細胞に対して高い抗酸化作用を有していることが示唆された。上記の成分を分析しRF/RHDの予防として活用できるのではないかと期待できる。啓蒙活動についてはロシア語に加えてもう一つの公用語であるキルギス語の母子手帳を作成し、現地JICAを通して国民に配布を開始した。また名誉領事会議において本活動の重要性をキルギス政府に対しても働きかけを行った。既に配布済みであるロシア語が広く使われている都市部においてはRF/RHDの減少が認められることからその効果が期待される。
著者
三浦 信行
出版者
国士舘大学
巻号頁・発行日
1972

博士論文
著者
加古原 彩 三浦 雄一郎 福島 秀晃 布谷 美樹 田中 伸幸 近藤 克征
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.137-143, 2006 (Released:2007-01-30)
参考文献数
7

In this article, we describe physical therapy for a case of decline in muscular strength caused by axillary nervous paralysis with a dislocation of the shoulder joint. This case was characterized by difficulty in flexional movement in the scapulothoracic joint in primary flexion of the shoulder joint because of the adduction and lift of the scapula. We defined the alignment on the several phases that the specific movement of scapula appears. We practiced scapula alignment and performed electromyographic assessment. In this case, in addition to a decline of muscular activity in the deltoid muscle, the upper, middle and lower fibers of the trapezius muscle started to move before the anterior fibers of the deltoid muscle. So, we supposed that this phenomenon caused the disorder, the specific movement of the scapula. We observed the start of activity of the deltoid and trapezius muscles and administered a pendular movement as a therapeutic exercise. Improvement in both excursion of flexion and in patterns of muscular activity in the deltoid and trapezius muscles were confirmed. Furthermore, with repetition of kinesiatrics in the sitting position on the edge of a bed following results was acquired; an increase in muscular activation in the anterior fibers of the deltoid muscle and a muscle activation with same order. This lead to improvement of stability of the scapula because of a decrease in adduction and lift of the scapula in the start position. From the above, we suggest that choice of the method of kinesic therapy, paying attention to the posture of patients and paying attention to the stability of scapulothoracic joint is important.
著者
菅沼 悠介 三浦 英樹 奥野 淳一 Yusuke Suganuma Hideki Miura Jun'ichi Okuno
雑誌
南極資料 = Antarctic Record (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.85-90, 2012-07-31

宇宙線生成核種を用いた表面露出年代測定法は,地球表層における様々な現象を理解するために非常に重要な年代測定法である.この年代測定法には,年代決定精度が試料形状に依存するという特徴があり,試料採取の際に試料の厚さと形を高精度で測定することが必要となる.しかし,ハンマーやタガネを用いた従来の手法では,このような要求を満たす試料採取は時として困難であった.そこで本研究では,新たに携帯型電動カッターを用いた試料採取手法を提案する.この手法は,迅速かつ精密な試料採取および形状測定を可能とすることから,結果として年代測定精度の向上につながるものである.簡単な理論計算に基づき不完全な試料形状に起因する年代差を求めたところ,試料の採取深度が大きくなるにしたがって年代差が大きくなることが分かり,表面露出年代測定法における精密な試料形状測定の重要性が示された.
著者
三浦直正著
出版者
小池商店
巻号頁・発行日
1906
著者
岳本 秀人 工藤 謙 丸山 記美雄 三浦 宏 笠原 篤
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E (ISSN:18806066)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.274-285, 2006 (Released:2006-03-30)
参考文献数
13

日本で初めてのアスファルト舗装の大規模機械化施工が行われたのは1953年に開通した北海道の国道36号札幌~千歳間 34.5 km であった.本報告では,この区間(通称:弾丸道路)が施工されるに至った経緯や,当時の最新技術として,また寒冷地対策工として用いられた各種工法,材料について解説している.また,この50年を経過した舗装体から現位置試験や供試体の採取を行い,性状,支持力や強度,組成分などの観点から,その劣化の程度を評価した.その結果,構造的に小規模な破壊を呈している箇所や材料の劣化傾向が見受けられたが,現在の規格を満足する性状も多く,今でも供用に耐えられていることが確認された.
著者
川久保 尚徳 三浦 紫津 高橋 由紀子 財前 善雄
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.1008-1011, 2013-08-20 (Released:2013-08-20)
参考文献数
17

Mallory-Weiss 症候群は腹腔内圧の急激な上昇が原因となり食道胃接合部に裂創をきたす症候群である.今回,急性胃腸炎に伴う嘔吐で発症した本症の1 例を経験したので報告する.症例は6歳男児,頻回の嘔吐後の吐血を主訴に受診した.上部消化管出血を疑い,緊急で全身麻酔下に上部消化管内視鏡検査を行った.胃・十二指腸には病変を認めず,食道胃接合部に2 条の裂創を認め,Mallory-Weiss 症候群と診断した.検査終了後に発熱と多量の下痢便を認め,嘔吐の原因は急性胃腸炎であったと考えられた.保存的治療により軽快し,4 病日に退院となった.小児におけるMallory-Weiss 症候群の報告は少なく,若干の文献的考察を加えて報告する.
著者
安藤 昭 佐々木 栄洋 赤谷 隆一 三浦 剛史
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.639, pp.1-11, 2000-01-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
20
被引用文献数
4 1

今日, 我が国の津波防災に関する研究は, 国際的にも高い評価を受けている. しかし, それぞれの研究成果は, 関連性がないままになっており, これまでに講じられてきた津波防災対策を全般的にオーソライズし, 評価する体制は十分とはいえない.そこで, 本研究では, 津波常襲地域である岩手県沿岸域14市町村を対象に, 津波被害史, 津波対策史, 被災復興史という3つの観点から津波防災に関する情報を収集し, 津波防災に関するデータベースを構築した. そして, データベースにおいて制約, 結合といったデータ操作による分析を行い, 津波防災の変遷を明らかにし, 岩手県沿岸域における津波防災上の共通課題を探索した.
著者
三浦 一浩
出版者
日本協同組合学会
雑誌
協同組合研究 (ISSN:02861348)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.65-72, 2015 (Released:2023-02-03)

Are there any energy cooperatives in Japan? Some studies show cooperatives play a significant role in the German energy transition. This paper attempts to reveal energy cooperatives also exist in Japan. This study addresses two cases. One is Sakae Gas Cooperative, a gas consumer cooperative in Niigata Prefecture. The other is Anbo Electric Cooperative, an electric cooperative in Yakushima- Island, Kagoshima Prefecture. Both are community-embedded and have a meaningful contribution to the local economy. From the two case studies, it is argued energy cooperatives also exist in Japan and have possibility to play some role in energy transition.
著者
三浦 一浩
出版者
日本協同組合学会
雑誌
協同組合研究 (ISSN:02861348)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.45-52, 2018 (Released:2023-02-03)

Even after the World War II, the electric power company did not take electricity supply in so- called remote areas, and the electric power business was widely done by agricultural cooperatives etc. in remote islands and mountainous areas of Japan. This study reveals, however, the electric power projects were also done by consumers’ co-ops in various places. In postwar Japan, there were at least more than 10 consumers’ electric co-ops and actually supplied electricity to local members. In this paper, we examine several cases closely, and clarify the significance of consumers’ electric co-ops in the Japanese cooperative history.