著者
中島 秀之
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.180-186, 1984-03-15

Prolog/KR は知識表現用言語として フレーム理論と述語論理を統合し 統一的な視点のもとに見なおすために設計・開発した言語である.また 総合的なプログラミング・システムとしての機能も備えている.フレーム理論に基づいた言語は 知識表現に必要なさまざまの概念を実現する機能をもっている反面 手続き的記述の面が弱い.一方 述語論理に基づいたPrologは 後者は申し分ない(セマンティクスが述語論理で与えられている)が 前者の機能に欠ける.Prolog/KR は Prologを基本とし その弱点を補強するとともに フレームを実現する機能として多重世界を導入した.これにより 概念の階層構造やそれらの間の述語の引き継ぎ等が記述できるようになった.
著者
伊藤 日出男 林 新 中田 豊久 中村 嘉志 西村 拓一 山本 吉伸 國藤 進 中島 秀之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. UBI, [ユビキタスコンピューティングシステム] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.115, pp.105-110, 2003-11-18
参考文献数
21

我々は低消費電力携帯通信情報端末(マイボタン)を用いた,近距離測位通信システムによる情報サービスの研究を進めている.このシステムでは,端末局は反射率変調による低消費電力情報送信を行い,基地局である測位通信装置は,端末の位置や方向を取得し,赤外空間光通信でサービス情報の送受を行う.本報告では,液晶ディスプレイの背面の散乱板を再帰光反射板に交換した小型PDAを用いた,反射率変調による空間光通信の実装について述べる.
著者
Wing Jeannette M. 中島 秀之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.584-587, 2015-06

このエッセイはコンピュータ科学者だけではなく,すべての人が学び,そして使いたいと考えるに違いない一般的な態度とスキルに関するものである.
著者
松原 仁 佐藤 理史 赤石 美奈 角 薫 迎山 和司 中島 秀之 瀬名 秀明 村井 源 大塚 裕子
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

人工知能の新しいグランドチャレンジとしてコンピュータに星新一のようなショートショートを創作させるプロジェクトを開始した。知性を理性と感性とに分けるとこれまでの人工知能はもっぱら理性を対象としていたが、ある程度理性はコンピュータに扱えるようになってきた。芸術作品の創作ができればコンピュータにも感性が扱えると示せたことになると考える。ここでは本プロジェクトの概要について述べる。
著者
中島 秀之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.180-186, 1984-03-15
被引用文献数
2

Prolog/KR は知識表現用言語として フレーム理論と述語論理を統合し 統一的な視点のもとに見なおすために設計・開発した言語である.また 総合的なプログラミング・システムとしての機能も備えている.フレーム理論に基づいた言語は 知識表現に必要なさまざまの概念を実現する機能をもっている反面 手続き的記述の面が弱い.一方 述語論理に基づいたPrologは 後者は申し分ない(セマンティクスが述語論理で与えられている)が 前者の機能に欠ける.Prolog/KR は Prologを基本とし その弱点を補強するとともに フレームを実現する機能として多重世界を導入した.これにより 概念の階層構造やそれらの間の述語の引き継ぎ等が記述できるようになった.
著者
中島 秀之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.67, pp.71-79, 1994-07-21

我々は"新ソフトウェア構造化モデル"プロジェクトにおいて,柔軟に協調的動作を行なうプログラムを構築する方法論を研究している.本論文ではこれらを満たすプログラミング像として,有機的プログラミングの考え方を提案し,その上のマルチ・エージェントシステムの実現に関して述べる.We are developing a new software methodology for building large, complicated systems out of simple units. The emphasis is on the architecture (called cooperative architecture) which is used to combine the units, rather than on the intelligence of individual units. We named the methodology "organic programming" after the flexibility of organic systems such as plants and animals. This paper describes how to implement "agents" and communication among agents on Gaea.
著者
中島 秀之 上田 和紀 戸村 哲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.745-753, 1983-11-15

Prologに代表される述語論理型言語は プログラムを その仕様に近い形で記述できることを大きな特徴とする.しかし入出力に関しては 命令型言語と同様 副作用を通じて行うことが多かった.本論文では 述語ではなく変数を通じた 副作用によらないPrologの入出力を論じる.また従来の多くの言語の入出力は データの転送と 内外部表現間の変換を まとまった機能として提供していた.本論文では 入出力はたんなる文字列の転送ととらえ 変換操作は 言語に文字列操作機能を用意し それを用いて記述するようにした.これらの工夫により 入出力の概念が単純でわかりやすいものになり しかもその扱いが柔軟になったと考える.順アクセス媒体との入出力は たんなる文字列変数を通じて行えばよいが データ構造の工夫により 窓構造をもったディスプレイヘの出力も扱える.文字列操作は Prologのパターンマッチング機能を用いて簡潔に記述できる.実行可能パターンの考え方をとりいれてパターンと述語とを統一的に扱うので 文字列に導入した基本操作が連結のみであるにもかかわらず パターンの記述能力は強力である.提案する機能はProIog/KR上に作成中であるが さらに効率のよい作成技法にもふれる.残された課題には 複雑なパターンマッチングにおけるバックトラックの制御などがある.
著者
中村 嘉志 西村 拓一 伊藤 日出男 中島 秀之
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.2670-2680, 2003-11-15

本論文では,赤外線タグを無電源で駆動する情報端末CHOBIT(Card type Hyper Optical Battery-less Information Terminal)と,そのタグ検出器について述べる.我々は,位置に基づいてユーザを支援するCoBIT(Compact Battery-less Information Terminal)システムの研究開発を行っている.CoBITは,環境やユーザが提供するエネルギーのみで情報の送受信を実現するインタラクティブな情報端末であり,CoBITシステムは,CoBITを利用した情報支援システムである.これまでのCoBITには数mの到達距離を持つユーザ属性の発信器が装着されていなかったため,その属性に基づいた個人対応の情報支援をCoBITシステムで実現することが困難であった.そこで,本論文では,CoBITの無電源性を損なわずに赤外線タグを駆動する手法を提案する.さらに,プロトタイプの実装および評価からこの手法の有効性について述べる.
著者
中島 秀之
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能 (ISSN:21882266)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.367-374, 1987-09-01 (Released:2020-09-29)

Uranus is a programming system designed for knowledge representation. The multiple world mechanism of Uranus makes it possible to represent conceptual space and time sequence. In this paper, we examine commonsense reasoning with this mechanism. By commonsense reasoning, we mean reasoning with rules which have exceptions. The results must fit our intuition. To do so requires ordering among rules. Non-monotonic logic is too weak for this purpose. We show that the multiple world mechanism of Uranus provides the natural ordering among rules, and thus it is suitable for commonsense reasoning.
著者
中島 秀之 野田 五十樹 松原 仁 平田 圭二 田柳 恵美子 白石 陽 佐野 渉二 小柴 等 金森 亮
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.I_875-I_888, 2015 (Released:2015-12-21)
参考文献数
22
被引用文献数
4 5

バスとタクシーの区別を無くした,主として都市部を対象とした新しい公共交通システム(Smart Access Vehicle System)の概念を示す.これは,コンピューターにより全ての車輛の位置と経路を管理し,固定路線やダイヤを持たず,乗合いで,デマンドに即時対応するシステムである.これを交通サービスのクラウド化と呼ぶ.タクシーの利便性とバスの経済性を併せ持つことが可能である上に,渋滞,事故,天候変化,災害などに柔軟に対応できる.筆者らは函館市内において小規模な実験を行い,数日間の完全自動配車に成功している.

1 0 0 0 OA 主体と環世界

著者
中島 秀之
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第26回 (2012)
巻号頁・発行日
pp.3E2OS169, 2012 (Released:2018-07-30)

知は環境との相互作用の上に成立しており,その相互作用こそが身体性だ.いや,そもそもこの主体と環境という分離がいけない.「境」などどこにも存在していないのだから.実は,この考え方は古来より様々な分野において異なる言葉で表現され,繰り返し主張されて来た.本発表ではそれらを概観し,知の本質に近づきたい.
著者
田柳 恵美子 中島 秀之 松原 仁
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第27回 (2013)
巻号頁・発行日
pp.2J4OS13a1, 2013 (Released:2018-07-30)

今後の都市の在り方を見直したときに、交通網の再編成は重要課題である.現在,日本を含む世界各地でデマンド交通の試みが始まっている.しかし,これらはすべて低人口密度地域を想定した試みである.我々はコンピュータ集中制御による高人口密度都市部を想定した大規模公共交通システム(スマートアクセスビークルシステム)をデザイン中である.この仕組みと実装計画について述べる.
著者
中島 秀之 小柴 等 佐野 渉二 落合 純一 白石 陽 平田 圭二 野田 五十樹 松原 仁
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.1290-1302, 2016-04-15

筆者らは,デマンド応答型公共交通の一種であるSmart Access Vehicle System(SAVS)の社会実装を目指して,これまでにシミュレーション実験による利便性評価を行う中でその効率性を確認してきた.本論文では,SAVSの実装,実証実験,およびシミュレーション評価実験について述べる.2回にわたる実証実験において,SAVSが実際に稼働することを確認した.フルデマンド型乗合車輛複数台のリアルタイム自動配車は筆者らの知る限り世界初であり,このシステムを全自動で稼働できたことは,Smart Access Vehicleサービスの社会実装を行ううえで有用な成果であると考えている.
著者
中島 秀之 小柴 等 佐野 渉二 落合 純一 白石 陽 平田 圭二 野田 五十樹 松原 仁
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.1290-1302, 2016-04-15

筆者らは,デマンド応答型公共交通の一種であるSmart Access Vehicle System(SAVS)の社会実装を目指して,これまでにシミュレーション実験による利便性評価を行う中でその効率性を確認してきた.本論文では,SAVSの実装,実証実験,およびシミュレーション評価実験について述べる.2回にわたる実証実験において,SAVSが実際に稼働することを確認した.フルデマンド型乗合車輛複数台のリアルタイム自動配車は筆者らの知る限り世界初であり,このシステムを全自動で稼働できたことは,Smart Access Vehicleサービスの社会実装を行ううえで有用な成果であると考えている.