著者
金 大祐 高橋 裕樹 中嶋 正之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.57, pp.65-70, 2002-05-10

本報告では,デジタルカメラで撮影した画像中のハングル文字領域の抽出,認識を行う手法について検討を行う.ハングル文字の構造特徴を利用し,輪郭特徴と色特徴から段階的にハングルを構成する字素を抽出することによって,情景画像からハングル文字列を抽出する手法を提案する.輪郭画像からは,ハングルの字素の構造の単純さを利用して,テクスチャやノイズを多く含む領域を削除し,字素としての形状の簡単な条件を用いて字素輪郭候補の抽出を行う.次に,字素輪郭候補に対する外接矩形を探索領域とする局所的な画像情報を用いて,字素を構成する領域である字素領域候補の抽出を行った後,文字列が同一の色から構成されているという特徴を用いて,色空間でのクラスタリングとハングルの字素の配置パターンによって文字列領域の抽出を行う.さらに,ハングルの字素の構造特徴を用いて,対象パターンの端点,交点の数と位置から字素を認識する手法を提案する.任意の条件で撮影した画像100枚に対して,ハングル文字列を抽出した結果,85.97%の文字抽出率が得られた.また,ハングルを構成する字素が連結していない理想的なハングルを対象に.字素認識を行った結果,71.96%の認識率が得られた.
著者
金子 満 中嶋 正之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.18, no.41, pp.57-64, 1994-07-08

コンピュータによるセルアニメ表現の新しい手拡について述べる. セルアニメは, 映画の基本的な表現方法の一つとして, ほぼ100年間にわたって大きな技術的変雄を経ずに使われてきた. しかしセルアニメの基本は,手作業により一枚一枚絵を描き, 色を塗り, 組み合わせてカメラで撮影するという作業が必要であるため, 手工業の域を脱し得なかった. そのため, 1970年代にはまずアメリカにおいて制作産業そのものが空洞化し, 1980年代には日本でも同じ現象が始まった. これに対応するために, セルアニメ制作工程の内で, 色塗りと撮影の部分をコンピュータ化した, ディジタルインクアンドペイントシステムが実用化され, 産業界での利用が始まったが, コンピュータが代替できる工程が少なく, 日本では利用するメリットが少ないと考えられる. 本研究は, デザイン段階からコンピュータを利用し, 動画, 色塗り, 撮影, 編集迄を3DCG技術を利用し省力化, 自動化し, マルチメディア時代の到来と共に増大することが予測されるセルアニメタッチの映像制作をリストラクチャしようとするものである.
著者
アブディラー アグス バニ 橋本 直己 高橋 裕樹 中嶋 正之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.201, pp.73-80, 2001-07-12

従来は, 高価なグラフィクスワークステーションが主体であったコンテンツ制作の分野においても, 高性能かつ安価になった, パーソナルコンピュータが使用されるようになり, それを百台規模で結合した, PCクラスターは今後有望な映像制作システムとなると考えられる.本報告では, オープンソースであるLINUXおよびBMRTを組み合わせて, 安価なCG映像制作のためのシステムを紹介する.特に4台のPCを同時に使用して, 9枚のテスト画像およびアニメーションテストデータに対して, 高速にレンダリング処理を行った効果について述べる.特に, 画像を2×2, 4×2, 4×3, 4×4に分割した場合の4台のPCによるクラスターを用いた分割レンダリング処理時間の比較結果について示し, PCクラスターがCGプロダクションに有効であることを示す.
著者
中嶋 正之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎
巻号頁・発行日
vol.99, no.385, pp.7-14, 1999-10-22

今年で26回目となるSIGGRAPH'99は,8月8日(日)から13日(金)まで,アメリカ合衆国Los Angelsのダウンタウンに程近いコンベンションセンタで行われた。SIGGRAPHはACMに属する一つの研究会であり、CG(Computer Graphics)やInteractive技術に関する国際会議であり、最新のVirtual RealityやMultimediaに関する最新の試みなどが発表される。本研究会ではチュートリアルとしてSIGGRAPH'99の報告を行う。
著者
中嶋 正之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.96, no.383, pp.39-46, 1996-11-22

今夏, アメリカニューオリンズで, 8月3日から9日までに開催されたCG, ディジタル映像およびインターラクティブテクノロジーの祭典であるSIGGRAPH'96の概要の報告を行う. 今年も, 例年通り, ハリウッドを中心とした最新の映画におけるディジタル映像が華やかな話題を集めていた. また今年はエレクトロニックシアター, 展示会, 論文, パネル討論, アート展以外にも新たにディジタルバイユー, アニメーションスケッチ等多くの催しも加わり大変盛りだくさんかつ有意義な一週間であった.
著者
中嶋 正之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.20, no.64, pp.39-46, 1996-11-22

今夏, アメリカニューオリンズで, 8月3日から9日までに開催されたCG, ディジタル映像およびインターラクティブテクノロジの祭典であるSIGGRAPH'96の概要の報告を行う.今年も, 例年通り, ハリウッドを中心とした最新の映画におけるディジタル映像が華やかな話題を集めていた.また今年はエレクトロニックシアター, 展示会, 論文, パネル討論, アート展以外にも新たにディジタルバイユー, アニメーションスケッチ等多くの催しも加わり大変盛りだくさんかつ有意義な一週間であった.
著者
安田 浩志 齋藤 豪 中嶋 正之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.92, no.2, pp.255-261, 2009-02-01

工業製品の評価及び映画を含むエンターテイメント分野において,実際の人間による実現が困難な場面でのシミュレーションを行うため,計算機上で人体機構を再現する手法への需要が高まっている.本論文では特に人体のもつ機構特性の一つである関節可動域に注目し,簡略化された球関節人体モデルにおいて関節可動域のもつ解剖学的特性を再現する手法を提案する.多関節筋による影響から,一部の関節可動域は完全に独立ではなく隣接する関節の状態に大きく影響を受ける.しかし,関節ごとを独立に扱う従来の可動域表現ではこの変化を再現することができない.提案手法では,モーションキャプチャ装置を用いて混合正規分布による確率密度関数として関節可動域を決定する.まず,自己組織化マップにより非均一である計測データからの安定した関節可動域推定を実現し,次に正規分布間の共起関係により,複雑な筋骨格モデルを用いることなく多関節筋による影響の近似を可能にした.
著者
角 文雄 中嶋 正之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.27, no.9, pp.181-186, 2003-02-04

セルアニメーション制作における時間と労力の効率化のために,再利用可能なアニメーションクリップをデータベースとして提供するシステムを構築した.本論文では,セルアニメーションの中でもリミテッド・アニメーションに焦点をあて,アニメータが効率よく動画を生成できるデータベース環境及び支援ツールをについて提案する.標準モデルを特定するモデルデータ,人間や動物の体全体の動き(歩く,走るなど)や,顔の表情のアニメーション(笑う,泣くなど),自然現象(火,水,雨,雪,風など)といった再利用し易いあるいは,動きの標準として参考になる素材アニメーションをデータベースとして提供している.アニメータが既存素材を再利用して,望む動画を効率よく生成するための汎用的な基礎技術及び応用技術,アニメータが使い易いユーザインターフェイスを検討し,その成果を反映したシステムとした.
著者
べユンジョン 高橋 裕樹 中嶋 正之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.77, pp.55-60, 2002-08-08

近年CGアニメーション制作において作業効率を上げるために様々な研究が行われている.しかしながら,伝統的なセルアニメーションの制作は相変わらず多大な時間と労力を必要としている.本稿では既存のセルアニメーションにおけるキャラクタの動作を分析してデータベースを構築し,その動きデータを再利用することによって,セルアニメーション制作をより効率的に行える事を目的とする.本稿では,キャラクタの動きを分類するための第1段階として第1報で提案したセルアニメーションのショット変化検出手法,Pixel間比較とHistogram比較の2つの手法を統合することによって,それぞれの結果より良い結果を期待する.その上,今まで手動で決めていたショット変化検出のパラメータをGAを用いて自動的に決める手法について提案する.In recent years, a lot of research has been conducted, aimed at raising the efficiency of producing the CG animation. However, producing the traditional cel animation is still very time consuming and requires a lot of manual work. In this research, by analysing the existing cel animation, we create the database of character movements, with the objective to make the character movement data reusable and thus improve the efficiency of producing the cell animation. In our previous work, we have proposed two shot change detection methods, as a first stage of analysing the character movements. In this work, we integrate the proposed two methods, in order to improve the shot change detection performance. Furthermore, we propose a GA-based method for automatically setting the parameters of the proposed integrated method, which had to be done manually in the original two methods.
著者
金子 満 中嶋 正之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.1288-1295, 1995-10-20
被引用文献数
7 1

コンピュータによる, セルアニメタッチの映像表現を行うための新しい手法について述べる.セルアニメは, 映画の基本的な表現方法のひとつとして幅広く使われており, その人気は高い.セルアニメ制作は, 手作業により1枚1枚絵を描き, 色を塗り, カメラで撮影する.そのため1970年代には, まずアメリカにおいて制作産業そのものが空洞化し, 80年代には日本でも同じ現象が始まった.これに対応するために, 色塗りと撮影の部分をコンピュータ化した, ディジタルインクアンドペイントシステムが実用化された.しかし, コンピュータが代替できる工程が少ないため, 日本ではあまり利用されていない.本論文では, セルアニメ制作の基幹部分である原画および動画制作のコンピュータ化に, 3次元コンピュータグラフィックス技術を利用するアルゴリズムについて提案する.これまで, 2次元CG技術のみの利用にとどまっていたセルアニメタッチ映像制作を大きく変革させるものであるが, 本論文では, 3次元CG技術を2次元アニメ制作に利用する際に必要なアルゴリズムを考察し, 次世代アニメ制作システムの構築の第1段階としたい.
著者
齋藤豪 中嶋 正之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.70, pp.79-84, 1999-08-23
被引用文献数
4

従来のペイントツールでは円盤を筆の接地面とするストロークか,もしくはエアブラシのような効果を発生させるストロークがほとんどであり,実際の筆のような表現力の高いストロークを描画することができていない.ストロークの表現力を高めようとする研究も行われているが,実際の筆での描画と比較した場合,それらストロークの制御法は,実際の筆の操作と異なり,不自由さが存在する.そこで,本稿では,タブレット型ポインテイングデバイスを入力として,実際の筆と同様な操作により,表現力の高いストローク入力の可能な筆の物理モデルの提案を行う.Strokes drawn by current paint tools' brushes are almost based on disc tracks or an air brush. These have a limit their expression comparing with real brushes in the world which can draw subtly and variously. These are studies to develop the expression. However their stroke controlling methods are not same as in the real world and are not easy. This paper describes a novel three dimensional physics based brush model which is controllable intuitely by natural operations with pen tablet device and which allows high expressive strokes.
著者
中嶋 正之 竹田 繁 高橋 裕樹
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.1-2, 1995-03-15
被引用文献数
2

近年,交通計測の自動化がすすめられている中で,一つの情報源である車種認識が注目を集めている.車種認識の主な用途としては,次のような例があげられる.1.車種別の断面交通流計測2.有料道路および駐車場等での課金の自動化3.犯罪捜査への情報補完現在,有料道路等で実用化されている方式は,車番情報等から車種を租分類するというものである.今後は,それらの情報だけでなく,車両の形状特徴や表面特徴なども用いることで,車種認識の詳細化を図る必要がある.本稿では,簡単かつ高速に処理できるよう,車両の側面画像から得られるいくつかの形状特徴を用いて,車種認識をおこなう方法を提案する.
著者
バスタンファルド アザム カラム ホッセン 高橋 裕樹 中嶋 正之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.64, pp.65-70, 2001-10-18

フェイシャルエージングは歳月の経過による顔の老化の様子をシミュレーションしたものであり, アニメーション, 自動顔認識, エンターテーメント, 失踪者の捜索, そして医療分野における顔の再構成など幅広い分野において応用される技術である.本論文ではリアルなフェイシャルエイジングを実現するために医療情報に基づく手法を提案する.そのため, 人体測定学に基づき, 顔の老化の様子を再現し, また顔のリアルな老化を表現するために照明を考慮した皺の表現手法を提案する.本提案手法では入力画像として一枚の画像のみを必要とし, また老化の様子を再現するための処理を局所的に施しているため, 計算時間を短縮することが可能である.
著者
中嶋 正之 柴 広有
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.17, no.42, pp.7-12, 1993-07-15

近年、仮想現実世界を構築するための新しいマンマシンインタフェースとして、手の動きをそのまま入力する研究が行なわれている。中でも機器を装着しないで、画像処理技術だけを使用する手法は関心が高く、また多くの手法が検討されている。筆者らは、指の動きに着目し、実時間でかつインタラクティブな処理が可能な検出法を考察している。本稿では、まず、色テープを指先と指の付け根に貼り、画像中から三次元位置座標の値を検出する処理を簡易にして検出処理時間を短縮する手法を提案する。そして、コンピュータ内に予め指の骨格線モデルと形状決定ルールを作製し、モデルに与える情報を指先と指の付け根の座標値の2つだけにして、余分なデータのやりとりを極力抑えそ手法を考察する。さらに,実世界での指の動きに合わせてコンピュータ内のモデルを逐一動かしていくモデルマッチング手法を検討する。
著者
新保 達也 橋本 直己 高橋 裕樹 中嶋 正之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.85, pp.13-18, 2001-12-14

3次元物体の衝突検出アルゴリズムとして, 衝突する可能性を持つ面を絞り, 最後に面ペアの衝突検出をする方法がこれまでに提案されている.この衝突検出アルゴリズムでは, 最後の面ペアの衝突検出処理が全体の大半を占めている.そこで本研究は, 分散メモリ型PCクラスタを用いて, 面の衝突検出を並列化する実験をおこなった.その際, マスタノードから各クライアントノードに面ペアを送り, 並列処理を行う手法を用いた.8台のクライアントを用いて, 実験を行った結果, 逐次処理を行う場合の16%の実行時間で衝突検出を行うことができた.
著者
角 文雄 中嶋 正之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.202, pp.161-166, 2001-07-11
被引用文献数
1

キャラクターアニメーションの制作に於いては、登場するキャラクターの動きは、重要な演出上の要素である。アニメータは、ある特定の意図した動きを、キャラクターに振り付ける必要がある。しかしこの作業は、アニメータの経験、ノウハウ、技能に大きく依存すると共に時間を要する。本稿では、キャラクターへのポーズ付け作業を行なう上で、全身のポーズ付けを一回の操作で関連する関節が、同時に動いてポーズが決定できるように、運動力学計算を行いながら実施できる新しいインターフェイスについて述べる。さらに、決定されたキーフレーム間の補間と力学的最適化を、より滑らかで自然な動きとなるように緩和係数を導入し、順動力学計算と逆動力学計算を連続的に実施して、動きを生成する方法について述べる。
著者
平川 裕樹 齋藤 豪 高橋 裕樹 中嶋 正之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.116, pp.67-72, 2005-11-18

開扉動作は,扉という可動対象物があることで動作開始位置に依存してその後の動作が全く異なる点や,移動をしながら扉を操作する複合動作である点から日常生活の動作の中でも複雑な動作の一つである.それに対して,本稿では,時系列データを扱うのに適した連続HMMを用い,腰軌跡のみを入力として与えることで開扉動作の生成を動的かつ容易に生成することを試み,自然な開扉動作のアニメーション生成結果を得ることができたので報告する.Opening a door and going through it is a trivial action in ordinary life. For a virtual CG character, however, motions such as approaching the door knob from an arbitrary position, pulling it and following the door movement, have to be taken into account to generate the actions. In this paper, we adopt HMMs to synthesizing the animation of the action. A prepared hip trajectory of a character is applied to the HMMs, and result that an open-door-action which consist of parallel and serial motions.