著者
中村 剛也 渡邊 琴文 石川 可奈子 熊谷 道夫 宮原 裕一 犬塚 良平 横田 憲治 小熊 惠二 朴 虎東
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.153-165, 2013 (Released:2013-11-21)
参考文献数
46
被引用文献数
1

2007年の8月から9月に琵琶湖北湖に位置する磯漁港で飼育していたアイガモ30羽のうち22羽が斃死亡した.鳥類斃死の要因として鳥ボツリヌス症も検討したが,ボツリヌス毒素の急性毒性は確認できなかった.磯漁港の水試料からMC-RR,LRが確認され,アイガモ肝臓組織から560 ng g-1 DW(178 ng g-1 FW)という高濃度のMC-LRが検出された.MC-LRは藍藻毒素の中でも特に毒性が高く,肝臓組織含有量は先行研究と比較して高いことから,アイガモの斃死に藍藻毒素MC-LRの高濃度の蓄積が関わっていたことが推察された.本研究は日本において斃死した水鳥遺骸から藍藻毒素MCの蓄積量を示した最初の研究である.
著者
兼岩 尭希 中村 剛士 加納 政芳 山田 晃嗣
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.907-911, 2020-10-15 (Released:2020-10-15)
参考文献数
5
被引用文献数
1

擬音語・擬態語の総称であるオノマトペは,音象徴性を持つとされる.音象徴とは,特定の音が特定のイメージを喚起する事象であり,類似した特定の音は類似した特定のイメージを喚起できると考えられる.浦田らは,この音象徴性に基づいて,オノマトペの意味の類似関係をオートエンコーダの中間層によって可視化するオノマトペ・シソーラス・マップを提案した.このマップ上の局所的な位置関係は,オノマトペ間の意味的な類似関係を概略的に表すことができると報告されているが,音象徴の可視化に関して評価が十分なされたとは言い難い.本研究では,音象徴に関する言語学的知見を元に仮説を設定し,マップの可視化能力について検証を行った.検証実験の結果,マップは仮説をある程度支持するものの,一部については仮説と異なる結果が得られた.
著者
杉浦 友紀 奥平 裕 中村 剛士 伊藤 英則
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.595-602, 2009-02-28 (Released:2016-01-25)
参考文献数
10
被引用文献数
1 2

Healing music and Musicotherapy attract attentions recently. They are beginning to be used in the medical treatment. On the other hand there are little practical utilization to relax with video images compared with music. Visual information is said to occupy about the whole of 80% humans receive from five senses. Therefore it has some potential that visual information affects human's mental and physical state as well as aural information does. This paper attempts to investigate the relation between characteristics of video images and mental relaxation. The one of characteristics we focus is motion speed of video images. It is considered that it might correspond to tempo of music. This paper investigates the relaxation effect by using the index calculated by heart rate variability analysis. The experimental results and analysis confirmed that viewing video images might have higher effect of reducing stress than eyes closed state and the relaxation effect might depend on motion speed.
著者
前田 光泰 蟹井 瞳 加納 政芳 中村 剛士
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.28, pp.713-714, 2012

本稿では、マリオの行動則を、進化計算によって獲得する手法について検討する。
著者
YANG KAI 中村 剛士 加納 政芳 山田 晃嗣
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.1K1OS2a04, 2018 (Released:2018-07-30)

日本のコミックにはオノマトペがよく現れる.また,新しいオノマトペは日々創造され,コミックに登場している.当然ながら,造語された新しいオノマトペは日本語辞書では見つけることができない.そのため,中国語を母国語とする人にとっては,その新しいオノマトペの意味や印象を理解することは難しい.そこで,本稿では,日本語オノマトペから中国語オノマトペへの機械翻訳を提案する.提案する翻訳システムは音象徴性仮説に基づくものである.この翻訳システムは現在構築中である.本稿では,システムの構成要素について述べ,それらの実現可能性について議論する.
著者
中村 剛
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.5-17, 2010-11-30 (Released:2018-07-20)

「貧困は自己責任」といった自己責任論が広がっている.そして,このような考えが,社会的排除を助長している.本稿の目的は,「新たな公的責任」という概念を提起し,それが「自己責任論」を超克する福祉思想であることを論証することにある.まず,先行研究から「新たな公的責任」を形成していくうえで必要不可欠な観点を学ぶ.次に,「公」と「責任」概念の意味を確認し,分析したうえで,両者を止揚する概念として「新たな公的責任」という概念を提起する.続いて,責任の有無を区別する基準,自己責任論の問題点,自己責任論を超克する思想について確認する.そのうえで,「新たな公的責任」が責任の有無にかかわらず,支援が必要な人に支援すべき根拠となる理由を述べる.最後に,「新たな公的責任」の構造を明らかにするとともに,「新たな公的責任」は福祉思想の水準でなければ成り立たないことを説明する.
著者
中村 剛
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 42 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.269-272, 2018 (Released:2019-06-15)
参考文献数
8

本研究は,高等学校数学科の授業において,深い学びがなされている状態を把握するために,単元の体系的理解の様相を捉える授業実践とその分析を行ったものである。その際,ICE モデル(Sue,2013)に照らし合わせた振り返りシートを用いた。また,単元の最後には,日々の授業がどのように結びついているかを表現する体系化シートによって,生徒の体系的理解の様相を捉えるという活動を取り入れた。単元終了後に客観評価テスト及び質問紙調査を行った結果,学習者が単元内の学習事項を体系的につなげる事ができている方が,客観評価テストにおいても良い結果が得られたが,質問紙調査においてはつながりを意識していない学習者が多かった。これを受けて,単元の体系的な見通しや,つながりを意識させる工夫について考察した。
著者
奥村明徳 中村剛士 加納政芳 山田晃嗣 村川賀彦
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.117-118, 2013-03-06

HRIでは,人とロボット間のインタラクションで得られる情報を元に,ロボットの疑似感情を生成・振舞として表出することがよく行われる.本研究では,RSNPを利用し,外部環境から情報をクラウド経由で獲得し,ロボットのマインドの生成・振舞表現に活用することを提案・実装する.これにより,より人と人の間のインタラクションに近い自然なコミュニケーションの実現を目指す.先行研究では,特定の環境下で生成したロボットマインドに基づくロボットの振舞にたいし,人がその振舞に同調する可能性について調査を行い,ある程度可能であるとの見込みを得た.そこで,本稿では多様な気候の外部環境下において,ロボットが人に同調できるか確認を行い,提案手法の有用性を確認する.
著者
ジメネス フェリックス 吉川 大弘 古橋 武 加納 政芳 中村 剛士
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回全国大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.2N21, 2017 (Released:2018-07-30)

近年,教育を支援する教育支援ロボットが注目され,定型発達児を対象に研究が進められている.一方,学校の通常学級において,発達障害児の在学割合は年々増加している.そのため,発達障害児を対象とした教育支援の必要性は高まると考えられる.しかしながら,発達障害児を対象とした研究事例は少ない.そこで本稿では,発達障害児と教育支援ロボットとの一対一における共同学習による学習効果について報告する.
著者
ジメネス フェリックス 吉川 大弘 古橋 武 加納 政芳 中村 剛士
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
JSAI大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.2N21, 2018-07-30

<p>近年,教育を支援する教育支援ロボットが注目され,定型発達児を対象に研究が進められている.一方,学校の通常学級において,発達障害児の在学割合は年々増加している.そのため,発達障害児を対象とした教育支援の必要性は高まると考えられる.しかしながら,発達障害児を対象とした研究事例は少ない.そこで本稿では,発達障害児と教育支援ロボットとの一対一における共同学習による学習効果について報告する.</p>
著者
加納 政芳 遠藤 和也 中村 剛士
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

本稿では,入力された手書き文字をオノマトペによって変形する手法を提案する.本手法を用いることで,ユーザが手書き文字に対して付与したいイメージをオノマトペとして入力するだけで手書き文字が変化するため,直感的に文字表現を漫画の制作活動に活用することができる.
著者
中村 剛 内田 臣一
出版者
愛知工業大学
雑誌
愛知工業大学研究報告. B, 専門関係論文集 (ISSN:03870812)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.127-134, 2003-03-31

Amounts of the gravel transport during a flood in September 2000 were estimated in the upper and middle reaches of the Yahagi River, central Honshu, Japan, from the change of sediment deposition n 5 reservoirs on the main stem, and from the observation of particle size of the sediments. The estimated amounts at influxes into the reservoirs are 17,000, 3,200, 41,000, 400, and 460,000 m^3 respectively from lower to upper reservoirs, and each amount deposited probably all in the reservoir. The transport below the lowest reservoir was also estimated at 5,000 m^3 by the change of riverbed cross sections. These amounts of gravel transport tend to be negatively correlated to the biomass of benthic invertebrates and the richness of riparian vegetation after the flood; i.e., a mass of gravel transport above the uppermost reservoir greatly destroyed the riparian vegetation and the benthic invertebrates, especially net-spinning caddis larvae, whereas both were well preserved even after the flood in the middle reaches. The amounts are positively correlated to the sediment yield in the tributaries estimated by previous studies. It suggests that the gravel transport in the main stem of the Yahagi River depends on the sediments from tributaries because the transport through the main stem is interrupted by the reservoirs.