著者
児玉 涼次 中村 剛士 加納 政芳 山田 晃嗣
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

画像生成手法としてニューラルネットワークの生成モデルが注目されている.本研究ではイラスト画像に着目し,GANの課題の一つであるcollapseの発生を抑える手法を提案する.一般的な画像生成のように,イラストの自動生成が可能になれば,創作支援やエンターテイメント等様々な産業応用が期待できる.我々は,GANによって生成した出力イラストについて,collapse抑制に関する定量的評価を行い,その有用性を確認した.
著者
中村 剛之
出版者
一般社団法人 日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.132-137, 2017-07-05 (Released:2019-07-05)
参考文献数
9

エタノールなどの中で保存された液浸標本は時間の経過とともに体や翅が軟弱化したり,退色したりするため,長期保存のためには乾燥標本とすることが望ましい.しかし,すでに保存液中で長期間保存された標本はそのまま乾燥させたのでは体や翅が萎れるなどの変形がおこり,良い状態で乾燥標本とすることが困難であった.体が軟弱化した標本ではなおさらである.このような標本を整形しながら乾燥させる方法として,水を弾く性質がある剥離紙の上で保存液に濡れたまま展翅する方法を紹介した.この方法は双翅目,毛翅目,長翅目,脈翅目類,セキ翅目,咀顎目では有効であった.鱗粉が剥がれやすい鱗翅目,翅がこわばる膜翅目,一部の双翅目ではこの方法で展翅することが難しく,展翅法の更なる工夫が必要と考えられた.
著者
中村 剛治郎
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.275-298, 2012-12-30 (Released:2017-05-19)
被引用文献数
1

現代においては,既存の経済活動を維持することが難しくなり,経済発展を牽引する革新的な経済活動を創出すること,そのための制度的な環境を準備することが重要になっている.結果としての経済地理を描くだけでなく,経済発展のための制度的環境を創り出して,経済と地理の新しい結びつきを生みだすことが,経済地理研究の現代的課題になっている.筆者は,経済と地理の間に,経済発展のための制度的環境としての地域(地域社会・文化・政治・環境・経済)という概念を入れて,地域における諸アクターの関係性の蓄積が作りだす地域の制度や制度的構造が経済発展にどのような影響を与えるか,それらを部分的に変えようとする制度的設計,地域的制度的仕掛けが新たな経済発展の経路を拓けるかを検討する方法が必要と考える.筆者は地域政治経済学的アプローチを,主体重視の発展論的で動態的な比較地域制度アプローチとして展開しつつある.本稿は,この視点から,筆者のこれまでの事例研究のうちのいくつかを整理し直して紹介し,現代の経済地理あるいは地域経済の抱える構造的問題と政策研究の課題を明らかにしようとするものである.はじめに,筆者の動態的比較地域制度アプローチに言及した上で,内発的発展という地域の論理をもちえずに外発的成長の国民的論理に翻弄された山間地域,地域の論理をもちながら国民的論理に組み込まれた大都市地域,国民的制度構造のもとで独自の内発的発展をしてきた地方都市,東京一極集中の問題性,外発的成長から内発的知識経済に変わった米国の都市,辺境の分工場経済から内発的知識経済に発展した北欧の都市を取り上げ,最後に震災復興の地域産業政策に言及する.
著者
ジメネス フェリックス 吉川 大弘 古橋 武 加納 政芳 中村 剛士
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.A-H11_1-11, 2017-09-01 (Released:2017-09-01)
参考文献数
19
被引用文献数
1

The growth of robot technology has prompted growing interest in educational-support robots that assist in learning. Most of these studies report on collaborative learning between educational-support robots and healthy children. Meanwhile, the number of children in primary schools with diagnosed developmental disabilities (gray zone children) has increased in Japan. Gray zone children may have difficulty learning over long time periods. Moreover, gray zone children tend to receive peer teaching from healthy children in the school environment. Other symptoms of autism in children are low self-esteem and possibly depression. We expect that gray zone children will learn best by teaching another learner. Learning-by-teaching promotes self-esteem and improves the learning time. In a previous study, a robot that answered a question incorrectly and uttered “Please teach me” or similar statements provided a collaborative learning environment for the learning-by-teaching method. However, whether collaborative learning with this robot increases the learning time of gray zone children was not investigated. Therefore, the present study investigates whether gray zone children can improve their learning time in collaborative learning with a robot that prompts learning-by-teaching. The robot is designed to answer questions incorrectly and utter statements such as “Please teach me.” The robot is also designed to have learning capability. For example, the robot learns the methods of problem-solving from its human partner. Thus, when presented with a question that can be solved by a previously learned method, the robot can answer the question correctly. The experimental results suggested that the learning enhancement was driven by the robot’s initial incapacity to answer a question, and its requests for assistance by the gray zone child. Gray zone children engaged in collaborative learning with our robot spent more time learning than those working alone. Moreover, the gray zone children enjoyed the collaborative learning with our robot than the robot which always solves questions correctly and never solves questions correctly.
著者
真野 淳治 中村 剛士 世木 博久 伊藤 英則
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.806-814, 1997-04-15

計算機を用いて毛筆文字を出力する際,文字入力するユーザの筆速や筆圧などの個性に応じてかすれやにじみを付加して表現する方法は出力文字の多様性を図るうえで興味深い.我々は,フラクタル計算法を用いたかすれ表現と,ファジィ計算法を用いたにじみ表現を行うシステムについて報告した.本稿では,くりこみ群計算法を用いた新たなかすれとにじみの表現方法を提案する.この方法ではかすれとにじみを同一方法で表現できる特徴を有する.すなわち,筆内部での墨量の変化に着目し,墨が筆先に染み込む様子をくりこみ群を用いて表現し筆モデルを作成する.次に,このモデルを用いて筆内部の墨量の変化と紙に染み出す墨量を表現し,ユーザが入力機器として用いる電子ペンの筆速と墨量によりかすれとにじみを疑似的に表現するシステムを試作した.また,かすれ具合の1つの評価としてフラクタル次元の解析により実際の毛筆文字のかすれ具合とフラクタル計算法を用いた毛筆文字のかすれ具合との比較評価の結果を示す.
著者
中村 剛士 真野 淳治 世木 博久 伊藤 英則
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.1008-1015, 1997-05-15

本論文では,TrueTypeなどの既存の毛筆フォントを処理し,疑似的な掠れまたは滲みのある毛筆フォントに変換出力する手法について述べ,本手法により作成した掠れ・滲み毛筆フォントを例示する.本システムでは,まず,毛筆フォントを入力し,これを2値画像に変換する.次に,2値画像フォーマットに変換した毛筆フォントを細線化し,毛筆フォントの文字骨格を獲得する.さらに,文字骨格を構成する各画素上に,筆触カーソルと呼ぶドットパターンを配置していく.以上の処理を実行し,入力毛筆フォントを疑似的な掠れまたは滲みのある毛筆フォントに変換出力する.なお,掠れおよび滲みの変化については,それぞれパラメータを設定することで多彩に表現することが可能である.

2 0 0 0 OA 狂女の正体

著者
中村 剛
出版者
富山大学
雑誌
学園の臨床研究 (ISSN:13464213)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.13-22, 2002-03-20
著者
中村 剛
出版者
関西福祉大学社会福祉学部研究会
雑誌
関西福祉大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:1883566X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.83-90, 2012-09

ノーマライゼーションの理念が普及して以来,入所施設で暮らしている知的障害者の地域生活移行は障害者福祉における大きな課題となっている.本報告では,この課題に対して顕著な実績をあげている西駒郷地域生活支援センターを訪問し,そこで得た地域生活移行に関するスキルを,ソーシャルワークのスキルという観点にまとめ報告する.
著者
世良 耕一郎 村尾 智 中村 剛 川辺 能成
出版者
岩手医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

バングラデッシュ・モンゴルにおいて種々の食品・水・住民の毛髪等を採取・分析し有害元素濃度を測定した。また汚染の拡散状況を把握、曝露経路を同定した。毛髪分析により住民の曝露状況を把握、さらに住民の食生活を考慮した総合摂取量を推定した。その結果、有害元素総摂取量の管理が可能となった。また農作物中の有害元素動態を観察する目的で、「専用大気PIXEニ検出器同時分析システム」を構築、全元素の同時定量分析法が確立された。それに伴い、軽元素検出用Si(Li)に装着する「先端キャップ」を開発し、軽元素に対する感度を二桁向上させた。さらに同法を用いた「生きた植物に対する定量分析法」を開発、有害元素の植物内動態観察が初めて可能となった。
著者
瀬川 修一 高瀬 貴仁 高澄 耕次 小杉 隆之 中村 剛
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.111, no.2, pp.107-116, 2016 (Released:2018-05-28)
参考文献数
15

1)マウスの肝臓を用いたALDH酵素活性評価において,清酒由来の成分に阻害活性が認められた。2)清酒からALDH阻害活性を有する物質を疎水性吸着樹脂,陽イオン交換樹脂,ODSカラム,NH2カラムにより分離・精製後,LC/TOF-MSによる精密分子量測定を行った結果,α-GGが同定された。3)マルトースとグリセロールからα-グルコシダーゼを用いて合成したα-GGはALDH阻害活性を示した。4)市販の清酒に含まれるα-GGを測定した結果,約4~19 mg/mlの濃度であり,醸造アルコールを添加した清酒では低値の傾向が認められた。
著者
中村 剛
出版者
関西福祉大学社会福祉学部研究会
雑誌
関西福祉大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:1883566X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.37-44, 2012-03

社会福祉は本来,ケアの1 つであるにもかからず,法制度化された社会福祉の思想においては,ケアの倫理ではなく自立,権利(生存権),正義(公正)といった正義の倫理が語られる.しかし,ケアの倫理は正義の倫理の言葉では語られていない福祉思想を補い,福祉思想の明確化と体系化に寄与することができると考える.このような問題意識のもと本稿の目的は,ケアの倫理は正義の倫理の言葉では語られていない福祉思想の重要な側面を言い表していることを示すことである.考察の結果,ケアの倫理は,①自立イデオロギーからの覚醒,②正義の外部の者への眼差し,③〈選びえない〉現実への眼差しといった,正義の倫理に対する批判的機能を有すること,および,ケアの倫理には正義の倫理にはない「傷つき易い人間存在を気づかい,その人の呼びかけ(ニーズ)に応える」といった内容を有していることを明らかにしている.
著者
中村 剛
出版者
埼玉大学教育学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教育学部 = Journal of Saitama University. Faculty of Education (ISSN:18815146)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.245-259, 2007

Das Bewegungslernen beginnt daraus, dass der Lernende die Bewegungsaufgabe kennt. Deshalb muss zunachst der Lehrer ihm sie mitteilen. Aber das ist ein grosses Problem, dass man daruber denkt, das Mitteilen der Bewegungsaufgabe mit dem Versuchen der Bewegung direkt zu verbinden. Trotzdem haben bis heute die meiste Lehrer keine Interesse am Lernprozess vor dem Versuchen der Bewegung. KANEKO hat die Tatigkeit des Lernenden im Horizont passiver Synthesis als Voraussetzung fur bewusstes Bewegungslernen in seiner Betrachtung uber die Phasen der Bewegungsbildung aufgeklart. Der Zweck dieser Betrachtung besteht darin, dass die Merkmale des Lernprozesses vor dem Versuchen der Bewegungsaufgabe aufgrund Phasen theorie KANEKOs ins klare gebracht werden sollen. Dann soll es angedeutet werden, dass die Tatigkeit des Lernenden im Horizont passiver Synthesis die Voraussetzung di ses Prozesses des Bewegungslernens ist. Danach soll es auch ins klare gebracht werden, dass der Lernende uber diese Tatigkeit stolpert, der die Bewegungsaufgabe nicht versuchen kann, trotzdem sie vom Lehrer mitgeteilt wird. In der letzten Unterrichtsmethode des Schulsports wird die mittelbare Leitung einen grossen Wert gelegt, so konzentriert sich die Interesse der Lehrer auf das Management des Unterrichts. Daher ist die obengenannte Storung des Lernenden vor dem Versuchen ubersehen worden. Der Lernende, der die Bewegungsaufgabe nicht versuchen kann, ubt nur eine andere leichte Bewegungsaufgabe oder versucht nur diese Bewegungsaufgabe aus Zwang. In dieser Situation wird der Sportunterricht in der Schule mit dem sogenannten "Tanoshii-Tajj/w" nicht verbunden. Um den Sportunterricht mit Spass zu realisieren, ist es notwendig, dass der Lehrer sich direkt in die Tatigkeit des Lernenden im Horizont passiver Synthesis als Voraussetzung fur bewusstes Bewegungslernen einmischen muss.
著者
大屋 周期 山崎 嘉孝 中村 剛之 森重 聡 山口 真紀 青山 一利 関 律子 毛利 文彦 大崎 浩一 内藤 嘉紀 大島 孝一 長藤 宏司
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.1605-1610, 2020 (Released:2020-12-08)
参考文献数
15

多中心性キャッスルマン病は,リンパ節病理像によって特徴づけられるリンパ増殖性疾患でIL-6高値を特徴としている。症例は17歳の日本人男性,発熱,頭痛,倦怠感,体重減少を伴っていたが,血圧は正常であった。臍下部に可動性良好な腫瘤を触知し,血液検査所見は小球性貧血,低アルブミン血症,IL-6高値,sIL-2R高値,VEGF高値を示した。造影CT検査で55 mm大の骨盤内腫瘤と腸間膜周囲のリンパ節腫大を認め,多中心性キャッスルマン病を疑い骨盤内腫瘍を摘出した。術後,血圧が緩徐に上昇し可逆性後頭葉白質脳症による痙攣を発症した。高血圧の精査で,術前の血中ノルアドレナリン,ノルメタネフリン高値が判明し,摘出標本でIL-6およびクロモグラニンAが陽性であることから,IL-6産生パラガングリオーマと診断した。多中心性キャッスルマン病に類似した発熱,貧血などを来す病態の鑑別診断として,血圧上昇を伴わない症例でもIL-6産生褐色細胞腫・パラガングリオーマを考慮する必要がある。
著者
中村 剛
出版者
The Japan Society of Applied Electromagnetics and Mechanics
雑誌
日本AEM学会誌 (ISSN:09194452)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.14-18, 2020 (Released:2020-04-04)
参考文献数
15

Consider the role of familiar home appliances concretely and deepen their understanding. Furthermore, we explain the features of the latest home appliances and support the realization of a rich life.
著者
小井土 正亮 原仲 碧 中村 剛
出版者
日本スポーツ運動学会
雑誌
スポーツ運動学研究 (ISSN:24345636)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.29-43, 2017 (Released:2020-05-08)
参考文献数
16

The aim of this study, as a case study of college football short-term tournament, was to clarify the practical wisdom related to member selections in team sports. The participant is a head coach of a men’s university football team in Japan. After the short-term tournament, a dialogue was held by the second author with head coach. Group interviews consisted of focus group basis for 5-6 players. Audio data obtained by the interviews were converted to the text. This was followed by discussions among the head coach and co-authors for phenomenological reflection. The results highlighted two practical wisdoms in the coaching scene that are “management for players’ motivation” and “maintenance of team functionality”.
著者
大谷 修一 仲田 直樹 石本 歩 秋枝 周子 風早 範彦 西森 靖高 中村 剛 依岡 幸広 立神 達朗 岩田 奉文 瀬古 弘 横田 祥
出版者
公益社団法人 日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.141-160, 2019 (Released:2019-03-31)
参考文献数
33

大雨の解析にアンサンブル予報解析システムを用いると,アンサンブルによる複数の再現結果から大雨と環境との相関や感度など,決定論的予測では得られない多くの知見が得られると期待できる.本論文では,広島県南部で観測史上1位を記録した2014年8月19~20日の大雨についてアンサンブル予報解析システムを用いて大雨の再現を行った.得られた20メンバーの中から再現性の良いメンバーと悪いメンバーとを選び比較することで,下層インフローなどの環境と降水量の環境を調べた.その結果,①湿った南風域が伊予灘から広島県南部に到達して大雨になった,②南風が強い場合に明瞭な線状降水帯が形成され降水量も大きくなった,③ストームに相対的なヘリシティーが大きい時に広島湾の下層水蒸気輸送量と広島の雨水混合比との間に正の相関がみられ,移流時間を考慮するとさらに相関が強くなる,④この事例では不安定指数(CAPEなど)と降水量の相関は弱く位置や時刻で大きく変動するため,不安定指数のみを用いた大雨の議論は注意が必要であることが分かった.
著者
宮木 稜司 吉田 行宏 中村 剛士 加納 政芳 山田 晃嗣
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 (ISSN:18820212)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.288-291, 2018

<p>近年、家庭やオフィスにRoombaに代表されるような掃除ロボットが普及されている。掃除ロボットは掃除作業を実行するロボットであるが、作業の妨げになるような障害物がある場合は人からの支援が必要となる。このとき、ロボットから人に対して支援を必要とする旨の意図伝達を行い、支援行動を喚起することができれば、タスクがよりスムーズに遂行できる。ロボットからの意図伝達を試みた研究に聴導犬ロボットAcToRの研究があり、接触を行うことで緊急性に関する意図を人に伝えられることが報告されている。本研究では、接触を行う対象を人だけでなく第3の物体にも適用することを提案する。ペットの犬はドアを開けてほしいときにドアを引っかくなどの動作を行うことがある。ロボットも同様の動作を行うことで意図伝達と行動喚起に効果があるのではないかと推測する。本実験では、実験室の外に出たいという意図の伝達と実験室のドアを開けてもらう行動の喚起の方法として「接触有り」と「接触無し」の2条件でそれぞれ実験を行い比較する。</p>