著者
板倉 和治 中村 勝洋
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.474-480, 1983-07-15

Rivestらが発表した公開鍵暗号方式は 公開鍵機能と署名磯能を備えたすぐれた方式である.しかし 査閲署名 承認署名のように一つの文書に多重に署名をする際に 異なる法(modulo)による演算を多重に実行すると演算のたびにメッセージ長が増加し 演算単位であるブロックの数が増えていくという好ましくない点がある.本論文ではオフィス内の下の地位の人間から順に署名をする限り 多重に署名を行ってもメッセージ長やブロック数が増えることなく かつ地位の変動があったとしても公開されている公開鍵には影響を与えないで 変動のあった個人のもっている非公開鍵のみの容易な変更で済むシステムを検討し 提案している.このシステムではRivestらの方法を直接的に拡張し オフィスシステムに適合した多重署名機能を有する形で用いているが パラメータの大きさ等を考慮に入れれば実際のシステムに適用しても十分実用可能であると考えられる.
著者
矢動丸 琴子 中村 勝 岩崎 寛
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.86-91, 2017 (Released:2018-03-15)
参考文献数
7
被引用文献数
2

近年,ストレスチェック制度が義務化され,職場におけるストレス対策が重要となってきている。その対策の1つとして,オフィス緑化が注目されている。そこで,本研究では,オフィス緑化が勤務者の心理に与える影響について,業種や職種の違いにより効果に差が見られるのか検証を試みた。その結果,業種や職種のみでは,効果に目立った差は見られなかったが,業種と職種を組み合わせた場合には一部で「仕事・職場に対する評価」や「気分・感情状態に対する評価」に異なる傾向が見られた。また,植物設置に対する反応も異なる傾向が見られた。その要因として,仕事内容に加え,植物に対する印象やストレスの種類等が考えられた。
著者
中村 勝之 野尻 亘
出版者
桃山学院大学総合研究所
雑誌
桃山学院大学経済経営論集 (ISSN:02869721)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.183-211, 2019-10

Wide-ranging discussions have taken place, in fields including bothregulation theory and economic geography, concerning the impact of Justin-Time(hereafter JIT)production on industrial location.In particular, the series of analyses by McCann, based on partialequilibrium theory, offer an important theoretical approach for the locationmodel in relation to the adoption of JIT. To the concepts of transportationcosts and distance found in conventional location theory models, McCannadded the concepts of commodity procurement and inventory control costs,to create a logistical cost model. His approach revealed that differences inthe optimal size of transportation lots for the adoption of JIT clearly affectboth location clustering and dispersal.This paper takes up Harrigan and Venables(2006)as a location modelrelated to JIT in spatial economics based on a general equilibrium model.Through a close reading of their analysis, we seek to clarify the manner inwhich their analysis approached the constituent causes of industrialclustering following the adoption of JIT.Our reading revealed that, according to Harrigan and Venables(2006),the following points contribute to the clustering of parts suppliers followingthe adoption of JIT.First, despite high transportation costs, clustering of parts suppliers didnot occur since parts could be punctually delivered when the product wasin its final assembly stage. In other words, the clustering of parts suppliersin the vicinity of the production point occurs only under uncertain deliveryconditions.Second, agglomeration of parts suppliers occurs when there is a risk ofdeliveries being delayed thanks to their having to be procured fromelsewhere, to prevent increases in production costs and consequent declinein demand for the product.We conclude that, if effective communication systems can be employedto cope with sudden changes in order quantity and to eliminate theproblems of defective parts and excess inventory, transactions involvingJIT will be possible even with parts suppliers located far from theproduction point.
著者
中村 勝己
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.497-502, 2008-10-01 (Released:2009-04-20)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

1999年に都立広尾病院の点滴への消毒液混入事件,横浜市立大学附属病院の患者取り違え事件が起こって以降,現在に至るまで,医療裁判にとってこの10年は激動の10年であった。そして,医療の崩壊が顕在化してきた10年でもあった。この10年を医療裁判という観点から振り返る。そして,医療の不確実性の理解が,今後10年間の医師・患者関係のキーワードになっていくように思われる。
著者
岡本 裕之 太田 誠一 川守田 龍 坂本 昌隆 中村 哲志 西岡 史絵 株木 重人 正井 範尚 水野 統文 古谷 智久 山本 鋭二郎 飯島 康太郎 伊藤 芳紀 勝田 昭一 黒岡 将彦 川村 愼二 橘 英伸 遠山 尚紀 中村 勝 峯村 俊行 中山 優子
出版者
公益社団法人 日本医学物理学会
雑誌
医学物理 (ISSN:13455354)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.28-34, 2020-03-31 (Released:2020-03-31)
参考文献数
2

In 2016, the American Association of Physicists in Medicine (AAPM) has published a report of task group (TG) 100 with a completely new concept, entitled “application of risk analysis methods to radiation therapy quality management.” TG-100 proposed implementation of risk analysis in radiotherapy to prevent harmful radiotherapy accidents. In addition, it enables us to conduct efficient and effective quality management in not only advanced radiotherapy such as intensity-modulated radiotherapy and image-guided radiotherapy but also new technology in radiotherapy. It should be noted that treatment process in modern radiotherapy is absolutely more complex and it needs skillful staff and adequate resources. TG-100 methodology could identify weakness in radiotherapy procedure through assessment of failure modes that could occur in overall treatment processes. All staff in radiotherapy have to explore quality management in radiotherapy safety.
著者
竹内 明禅 中村 勝徳 中村 裕樹 屋部 大輔 北 義一 迫田 馨 久米田 高宏 八反丸 健二
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A0181, 2004 (Released:2004-04-23)

【はじめに】 これまで足関節運動時における遠位脛腓関節(以下、遠位関節)についての文献はみられるが、近位脛腓関節(以下、近位関節)における足関節肢位の変化に伴う矢状・水平面での腓骨変位を定量的に分析しているものは少ない。 今回、健常人の足関節自動底背屈運動に伴う近位関節に着目し、CTを用い上下・前後・水平方向の腓骨変位を定量的に計測し、若干の知見を得たので報告する。【対象・方法】 下腿及び足関節周囲に既往のない健常人男性15名、検肢右側9肢・左側6肢、平均年齢25.8±2.99歳を対象とした。 1)CTは東芝社製X-VISION TSX-002Aを用い被験者を撮影台に背臥位にして膝関節完全伸展位で行った。そして、スポンジで大腿部を固定し、我々が作製した固定器具で下腿の回旋の防止に配慮した。尚、被験者にはあらかじめ被爆による身体への影響を説明し、承諾を得た。また、撮影に関しては当院の診療放射線技師が実施した。2)足関節の肢位は、最大自動背屈(以下、背屈11.3±5.6度)・中間位・最大自動底屈(以下、底屈48.8±9.3度)とし、腓骨変位量の計測は、中間位を基準とし、a上下方向:外側顆間結節を結ぶ水平線―腓骨頭尖距離b前後方向:脛骨粗面―腓骨頭尖距離c水平方向:内・外側顆後縁を結ぶ線に対しての腓骨頭隆起部と腓骨後面隆起部を結ぶ角度をPC上で行った。【結果】 1)腓骨上下方向の変位は全体の85.7%において底背屈共に上方へ移動し、変位量は上方方向を正とした場合、背屈0.29±0.77mm、底屈0.77±0.59mmとなった。2)腓骨前後方向の変位は92.9%において背屈時には後方へ、底屈時には前方へ移動し、変位量は前方方向を正とした場合、背屈-1.68±1.56mm、底屈1.89±1.43mmとなった。3)腓骨回旋方向の変位は85.7%において背屈時に外旋、底屈時には内旋方向へ移動し、変位量は内旋方向を正とした場合、背屈-1.95±4.2度、底屈3.97±3.33度となった。【考察】 今回、近位関節における足関節自動運動での腓骨変位方向及び変位量が判明した。上下方向では、底背屈時に腓骨が上方変位する傾向として、大腿二頭筋の収縮作用又は遠位関節の形状による突き上げ作用によるものか判断出来なかった。また、前後の移動が必然的に腓骨の転がりをも生じるというKelikianの報告と同様の結果となり水平方向と深い関連があることが分かった。次にJendによる遠位関節での腓骨変位量より近位関節の変位量が大きくなった要因として、腓骨の形状から考慮すると遠位部よりも近位部のほうが骨・関節面が小さい為だと考える。このことから足関節自動底背屈の際には近位関節にも付随した運動が生じ、この関節は足関節と機構的に連結していることが実証された。今後、足関節の疾患に対して遠位関節のみでなく、骨運動的に近位関節も考慮し運動療法を進めていく必要があると考える。
著者
細木 大輔 中村 勝衛 亀山 章
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.474-483, 2007 (Released:2008-09-05)
参考文献数
22
被引用文献数
5 4

本研究では,栃木県の岩盤切土法面において周辺植生から侵入する植物体で法面を緑化する自然侵入促進工を実験的に施工した。ネットの違い,及び施肥の有無を条件として設定し,植物の侵入・定着に関して5 年間調査を行って効果を検証した。被覆率は,施工後1 年目から施肥した実験区で高く,無施肥の実験区および無施工区との差は大きかった。施工後5 年目の値は,施肥した実験区で40% 以上であるのに対して,それ以外では10% 前後であった。この結果から,施肥した実験区のみが緑化されたと言え,自然侵入促進工では施肥が必要であることが明らかとなった。最も良く被覆された区画は,目合い12.0 mm×20.0 mm のネットを張り,肥料袋を用いて施肥した区画であり,この方法が最も有効であると結論づけられた。施工後5 年目のこの実験区の被覆率は62±15%,群落高は1.0 m,出現種数は29 種/5m2,木本個体数は21.6 個体/m2であり,ススキ,リョウブ,ノキシノブなどの積算優占度が高かった。一方,シダ植物は,施肥した実験区では4~8 種が確認されたのに対して,それ以外ではまったく確認されなかったことから,緑化後初期におけるシダ植物の出現には施肥が有効であることが示唆された。
著者
矢動 丸琴子 大塚 芳嵩 中村 勝 岩崎 寛
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.56-61, 2016 (Released:2017-01-30)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2

近年,ストレス対策を目的としたオフィス緑化が注目されているが,業種別の差異について検討されているものはない。そこで,本研究では,仕事・職場に対する評価としてVASを気分状態に対する評価としてPOMSを用いて,さまざまな業種を対象として現地実験を行い,実際のオフィス空間において,植物設置前後での勤務者の感情状態を測定した。その結果,植物を設置することで,勤務者の負の感情状態が改善されること及び業種・職種ごとの特徴や社内の雰囲気などにより結果に差が見られるということが示唆された。また,一度植物を撤去し,再設置した際には,同一の植物ではなく異なる植物を設置した対象者において,より高い効果が得られた。
著者
中村 勝範 玉井 清
出版者
慶應義塾大学
雑誌
法學研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.1-35, 1988

論説序章第一章 好意的中立戦略を支えた原の政局観(I) : 寺内内閣支持回避の理由第二章 好意的中立戦略を支えた原の政局観(II) : 寺内内閣不支持回避の理由第三章 解散に向けての好意的中立戦略の展開第四章 総選挙に向けての好意的中立戦略の展開結語
著者
中村 勝吾
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.251-259, 1969-11-30 (Released:2010-09-30)
参考文献数
39
著者
大谷 靖 川瀬 勝凡 林 敬一郎 龝本 晃 平山 宏 中村 勝一 小倉 勲
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
薬学雑誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.89, no.8, pp.1115-1118, 1969-08

Formation of azulene from hydronaphthalene by the application of Lang's method was observed when using decalin as the starting material, with single metal such as iron and Raney nickel or activated carbon as a catalyst, and the amount of the product was greater when using trans-decalin rather than cis-decalin. This is considered to be due to the difference in the distance between hydrogen atoms at 5- and 9-positions. A part of the cis isomer was found to change into the trans type when heated. There was no formation of azulene when using tetralin as the starting material. The spectra of azulene solution after irradiation of ultraviolet or γ-rays showed smaller change in absorption intensity than that of guaiazulene. Irradiation of γ-rays on azulene solution was found to produce reduction and polymerization, as in the case of guaiazulene, from the result of gas chromatographic analysis. In the case of oxygen-containing compounds, irradiation with ultraviolet or γ-rays was found to produce turbidity but isolation and identification of this product were not possible due to the minute amount formed. These irradiation experiments indicated that azulenes without a side chain were more stable than guaiazulenes.
著者
井口 智之 杉浦 茂樹 松澤 茂 宮寺 庸造 中村 勝一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.632, pp.75-80, 2006-02-25

情報検索は,一度の検索で目的を達成することができるタイプ(専門用語の意味を調べるような検索)と,同じテーマについて継続的に検索を必要のあるタイプ(ある研究トピックについて,その動向を継続的に調査するような検索)に大別することができる.既存の検索エンジンは,前者に対しては有効な場合が多いが,情報検索の継続性を考慮していないため後者に対しては必ずしも有効ではない.そこで本研究では,情報検索の継続性を考慮した情報収集支援システムの提案を行う.具体的には,継続的検索,既知ドキュメントの更新状況追跡,自動アーカイビングの自動化を実現し,検索要求管理や検索結果・アーカイブ管理までを統括的に考慮した支援システムを開発する.アンケート調査の結果から,継続的な情報収集に関する問題点,支援ニーズ,開発した支援システムの特徴について考察する.
著者
中村 勝範
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法学研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.p9-43, 1993-01

米津昭子教授退職記念号一、問題の所在二、黎明会第七回講演会の背景三、福田徳三が危惧した労働者の急進化四、北沢新次郎における思想の二重構造五、三辺金蔵の英国的自由論からの立論六、麻生久のマルクス主義的革命論の立場七、吉野作造の普選論とそれにまつわる穿鑿八、結語