著者
佐居 由美 松谷 美和子 山崎 好美 中山 久子 大久保 暢子 石本 亜希子 三森 寧子 多田 敦子 印東 桂子 瀬戸山 陽子 村松 純子 小山 敦子 岩辺 京子 森 明子 有森 直子 今井 敏子 原 瑞恵 菱沼 典子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
聖路加看護学会誌 (ISSN:13441922)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.116-124, 2007-06

本稿は,聖路加看護大学21世紀COEプログラムの一環である『第7回COE国際駅伝シンポジウム『子どもと学ぼう,からだのしくみ』の概要を記述し,その運営実施過程を分析評価することにより,People-centered Careの構成要素について考察することを目的とする。第7回駅伝シンポジウムは,5歳児がからだを学べる方法を提示し一般市民と有意義な意見交換を行うことを目的とし,5歳児と両親,保育士や幼稚園教諭,看護師・養護教諭など5歳児にかかわる専門家を対象として開催された。シンポジウムの企画運営は市民との協働で行われた。シンポジウムは,(1)子どもが「からだを学ぶ」ための教材としてのテーマソング「からだフ・シ・ギ」の歌と踊り,(2)人間の消化機能を解説した紙芝居「リンゴがウンチになるまで」の上演,(3)子どもとからだのしくみを学ぶことについてのシンポジウム「子どもと学ぼう,からだのしくみ」から構成された。プログラムは,1プログラム20分以内とし,紙芝居・歌・踊りなどを取り入れ,子どもが飽きない工夫を行った。シンポジウムの運営実施における市民との協働過程においては,これまでのCOE活動から得られたPeople-centered Careの要素〔役立つ健康情報の生成〕〔異なる視線でのつながり〕等が確認され,「コミュニティに潜伏しているニードを湧きあがらせ(互いに確認し)顕在化させ,活動を専門家との協働へと移行し発展させる」過程を経験し,新たに〔互いに確認する過程〕という要素を見いだした。また,駅伝シンポジウムにおいて,当初,模索されていた市民との協働(2004年)が,湧きあがったコミュニティとの協働(2005年)へと視点を移し,さらに,協働が進行しているコミュニティと専門家が活動のさらなる展開を共に模索するシンポジウム(2006年)へと,市民との協働のプロセスが発展していることが確認された。コミュニティとのさらなる協働のあり様,「5歳児がからだを学べる方法」の具体的評価方法,などが,今後の課題として再確認された。
著者
萱間 真美 木下 康仁 小松 浩子 グレッグ 美鈴 麻原 きよみ 青木 裕見 高妻 美樹 福島 鏡 青本 さとみ 根本 友見 石井 歩 松井 芽衣子 瀬戸屋 希 野中 幸子 海老原 樹恵 早坂 弘子 前田 紗奈 三河 聡子 木戸 芳史 佐々木 美麗 山田 蕗子 古賀 郁衣 奥 裕美 三浦 友理子 松谷 美和子
出版者
聖路加国際大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

質的研究方法は、医療を受ける人や携わる人の経験を当事者の言葉を生かして説明することができる可能性を持つ。統計を用いた量的な研究と比べると経験者が少なく、論文を出版する際に査読ができる査読者や、この方法を理解している編集委員も少ない。よい論文を出版することができるためには、論文の出版に携わる人たちへのガイドラインの提供が必要である。本研究は海外での調査、研修や国内でのセミナー開催を通じてこの課題に取り組んだ。多くの査読委員、編集委員が研修に参加し、知識を共有することができた。
著者
光永 悠彦 柳井 晴夫 西川 浩昭 佐伯 圭一郎 亀井 智子 松谷 美和子 奥 裕美 村木 英治
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.17-34, 2014 (Released:2015-03-10)
参考文献数
20

Background: As Japanese nursing colleges increasingly require common criteria for assessing practical nursing ability prior to entering clinical hospital practice, it is important to construct a test item bank that can facilitate the evaluation of multiple domains. However, ordinal IRT models, such as the 2 parameter logistic model (2PL), operate under the assumption of unidimensionality, preventing application to comprehensive testing of multiple domains. Method: We conducted a computer-based test with items from 20 domains, classified into three areas: (1) basic medicine, (2) basic nursing, and (3) clinical nursing. About 780 students answered items, which were applied to common-item design and calibrated item parameters using two strategies; the first strategy assumed one-factor model for each area, the second strategy assumed unidimensionality by domain. Conclusion: For constructing an item bank, estimating item parameters by domain results in larger test information and more appropriate parameter estimates than estimating parameters by area.
著者
長松 康子 田代 順子 菱沼 典子 松谷 美和子 及川 郁子 麻原 きよみ 平林 優子 大森 純子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
聖路加看護学会誌 (ISSN:13441922)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.62-67, 2007-06

ボランティア活動の一領域である海外ボランティアに焦点をあて,サービスラーニングカリキュラム作成に必要な情報と支援策について資料を得るため,タイ国でのボランティア活動に参加する看護学生が直面する困難と,その解決のために有効な情報や支援,および,海外ボランティア受け入れ担当者が望む情報・支援について調査を行った。調査は,タイ国ボランティア活動に参加したA看護大学4年生8名に対し,活動終了後にフォーカスグループディスカッションを,タイ国B大学看護学担当教員4名に英語によるアンケートを実施した。ボランティア活動は,タイ中心部のスラム地区の小学校スクールナース活動,在宅ケア,デング熱キャンペーン,ナースクリニック,孤児院で実施された。事前準備として,タイの文化・習慣・宗教,ヘルスシステムや健康問題,基本的なタイ語挨拶などを実施し,それらは概ね役立った。しかし,それでも学生は(1)文化・言語:道に放置されるゴミや野犬,スタッフの説明が理解できない,(2)ボランティアとしての参加の仕方:見学だけか,ケアしてもよいのか,(3)心理面:孤児との別れの辛さ,異文化生活における精神的疲労,(4)看護ケア:日本と異なる方法,などの困難を経験していた。これらに対しては現地で,日々の振り返り,学生同士のディスカッション,教員やスタッフによるスーパーバイズなどの支援を行い,有効であった。一方,現地担当者は,スケジュールや食事に対する学生の要望や学生の看護知識・技術についての情報を求めていた。さらに,事前学習の指導や現地での学生の支援を日本の教員に期待していた。これらは,サービスラーニングで提供する海外ボランティア活動の情報に反映することが可能であると考える。
著者
柳井 晴夫 亀井 智子 中山 和弘 松谷 美和子 岩本 幹子 佐伯 圭一郎 副島 和彦 中野 正孝 中山 洋子 西田 みゆき 藤本 栄子 安ヶ平 伸枝 井上 智子 麻原 きよみ 井部 俊子 及川 郁子 大久保 暢子 小口 江美子 片岡 弥恵子 萱間 真美 鶴若 麻理 林 直子 廣瀬 清人 森 明子 奥 裕美 外崎 明子 伊藤 圭 荘島 宏二郎 植田 喜久子 太田 喜久子 中村 洋一 菅田 勝也 島津 明人 金城 芳秀 小林 康江 小山 眞理子 鶴田 恵子 佐藤 千史 志自岐 康子 鈴木 美和 高木 廣文 西川 浩昭 西山 悦子 野嶋 佐由美 水野 敏子 山本 武志 大熊 恵子 留目 宏美 石井 秀宗 大久保 智也 加納 尚美 工藤 真由美 佐々木 幾美 本田 彰子 隆 朋也 中村 知靖 吉田 千史 西出 りつ子 宮武 陽子 西崎 祐史 山野 泰彦 牛山 杏子 小泉 麗 大西 淳子 松本 文奈 鶴見 紘子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

近年、看護系大学の急増と医療の高度化に伴い、卒業までに取得すべき看護実践能力の評価の重要性が増加している。その一環として、臨地実習に入る直前の段階までに看護学生が取得すべき知識・能力を正しく評価しておくことは看護実習の適正化のための急務の課題である。このような状況に鑑み、申請者は、2008~2010年に科学研究費補助金を受け、看護系大学の学生が臨地実習以前に必要とされる知識・能力の有無を検証することを目的として、看護学18領域から約1500の多肢選択式形式の設問を作成し、730名の学生に紙筆形式のモニター試験、および、220名の学生に対するコンピュータ試験(CBT:Computer Based Testing)を実施し、その結果を比較し、全国看護系大学共用のコンピュータ試験の有用性を確認した。