著者
木村 勇太 伊藤 毅志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回 (2018)
巻号頁・発行日
pp.1H1OS13a03, 2018 (Released:2018-07-30)

従来の人狼AIでは、役職の推定は製作者によりヒューリスティックに決められてきた.本研究では既存エージェントの推定部分に機械学習の一つであるSVR(Support Vector Regression)を導入しその有効性を検証した.その結果,中盤以降で従来の手法を上回る推定率を実現することが出来た.また,序盤では従来の手法,中盤以降では提案手法を用いるエージェントを構築することで,従来のエージェントを有意に上回る勝率を実現することが出来た.
著者
前川 篤志 伊藤 毅志 古郡 延治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.218-219, 1997-09-24

近年, 計算機の高速化, 記憶容量の大型化に伴い, 言語現象を経験的, 統計的に捉えようとする傾向にある。特に, 単語の意味的曖昧性の解消においては, 大規模コーパスから抽出した相互情報量, 機械可読の辞書やシソーラスをもとに, その文脈に沿った単語の意味を同定するという手法が主流となっている。しかし, 次々と新出単語や新出概念が現われる今日において, 既存の辞書やシソーラスに載っていない単語や概念が文脈中に現れることは, しばしば起こり得ることである。本研究では, 既存の辞書やシソーラスを使うことなく, コーパスのみから得られる情報をもとに, 文脈に沿った単語の意味を獲得する手法を提案する。例として動詞「開く」を用いて実験を行い, 得られた結果に考察を加えた。
著者
柿沼 秀和 伊藤 毅志 古郡 廷治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.275-276, 1995-09-20

本稿の目的は,作文の添削システムを開発することである.作文の添削には多大の労力と時間を必要とする.形式的な間違いを指摘したり,訂正するだけでも,教師の負担は大きい.文章を書く能力の未発達な生徒は,作文上でいくつかの基本的な「誤り」をおかす.その誤りには,明白な「間違い表現」と,「不適切表現」とがある.教師は添削の過程で,前者の誤りは訂正し,後者の誤りは指摘した上で,書き換えを促すか,訂正案を示す.本稿で述べる作文添削システム,TENSAKUは,この教師の役目を果たすものである.
著者
杉山 卓弥 小幡 拓弥 斎藤 博昭 保木 邦仁 伊藤 毅志
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2009論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, no.12, pp.59-65, 2009-11-06

コンピュータ将棋において,複数のクライアントの意見から1 つの指し手を選択する合議アルゴリズムが注目されている.非常にシンプルな手法ながら,この合議アルゴリズムによって,思考エンジンの性能改善が報告されている.本研究では,各クライアントの指し手に加えて,局面の優劣評価の値も利用する新しい合議法について報告する.正規乱数を用いて局面評価値を修正し生成された複数クライアントから,最大の評価値を付けたクライアントの意見を採用する楽観的合議法を提案し,その有効性と仕組みについて議論する.
著者
伊藤 毅志 保木 邦仁 西野 哲朗 棟方 渚 片寄 晴弘 池田 心
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、ゲームにおける人間のミスに着目し、人間らしいミスを犯すゲームAIの構築を目指し、以下の研究成果を得た。1)ゲームにおける人間の犯すミスの原因に着目した分類。2)人間の生物学的成約を考慮したモデルを持ったゲームAIの構築。3)ゲームにおける技量を自動的に調整して良い勝負を演出できるゲームAIの提案と評価。4)人間の思考の特徴である「流れ」を持たせ、人間らしいプレイを実現するゲームAIの提案。これらの研究の成果は、人間と対戦するゲームAIに「強さ」という方向性以外の新しい評価基準をもたらし、多様なゲームAIの指針となると考えられる。
著者
澤 宣成 伊藤 毅志
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2012論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.6, pp.183-186, 2012-11-09

将棋におけるプレイスタイルである棋風に着目し,人間がどういった特徴要素に対してそれを感じているかを棋譜から抽出した特徴要素の統計的分析によって明らかにすることを試みた.その結果、いくつかの特徴を発見した.
著者
伊藤 毅志
雑誌
人工知能
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, 2016-09-01
著者
佐藤 裕紀 伊藤 毅志
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.59(2008-GI-020), pp.37-43, 2008-06-20

カードゲーム「大貧民」では、ローカルルールに応じて、プレースタイルのバリエーションが増える。本研究では、電気通信大学で開催されている UECda2007 の基本的なローカルルールをもとに、考えうるプレースタイルを想定したプログラムを作成し、それぞれのプレースタイル間の相性を詳細に調べた。その結果、階段処理を行い、単体とペアを最弱縛りで縛るのが最も強いアルゴリズムであることが明らかになった。
著者
伊藤 毅志
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.9, pp.1-7, 2010-03-01
参考文献数
6

3回目となるUEC杯5五将棋大会が2009年10月に開催された。COM部門、人間部門が行われ、最後にCOM部門優勝プログラムと人間部門優勝者によるエキシビション対戦が行われ、COMが勝利した。ここでは、各部門の5五将棋大会の棋譜を紹介して、5五将棋の現状について報告する。The 3rd UEC-cup 5x5 shogi tournament was held in October, 2009. It was carried out by dividing each section; "COM section" and "HUMAN section". After these tournaments, an exhibition match by the COM champion and the HUMAN champion. COM program defeated HUMAN champion. In this report, I introduce these game records and discuss the contemporary 5x5 shogi.
著者
伊藤 毅志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.28, pp.9-16, 2008-03-12
被引用文献数
1

第1回 UEC 杯5五将棋大会が 2007 年 11 月に開催された。COM 部門、人間部門、KIDS 部門が行われ、最後に COM 部門優勝プログラムと人間部門優勝者によるエキシビション対戦も行われた。本報告では、研究対象としての5五将棋を位置づけ、それぞれの部門の結果をもとに5五将棋の研究について概観する。The 1st UEC-cup 5x5 shogi tournament was held in November, 2007. It was carried out by dividing each section; "COM section", "HUMAN section", and "KIDS section". After these tournaments, an exhibition match by the COM section championship program and a human section champion was also performed. In this report, I try to position 5x5 shogi as a target in game research. After that, I discuss about research of 5x5 shogi based on the result of each section.
著者
山本 雅人 伊藤 毅志 桝井 文人 松原 仁
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.500-504, 2018-05-15

スポーツのカーリングを対象とした,ディジタルカーリングと戦術支援を行うためのカーリングAIの開発について解説を行う.カーリングAI「じりつくん」は,任意の局面に対して,そのエンド終了時の期待得点分布を予測することができ,それに基づいた勝率最大化となるプレイを出力することが可能である.平昌オリンピックでの試合を例にカーリングAIで分析した結果は多くの反響を呼び,カーリングAIが見積もる勝率などの情報は,観戦者の助けとなったり,試合における一進一退の攻防の魅力を伝えたりする有効な手段の1つとなりうることを示した.本稿では,特に「じりつくん」の概要と分析結果を中心に今後の方向性を含めて解説する.
著者
長岡 俊男 伊藤 毅志
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.182-187, 2013-09-27

概要:本研究では,Kinect で取得した身体データから特異値分解で技ごとの特徴量を抽出してデータベース化し,それを用いて技判定を行うシステムを提案した.扱う関節数を増やす,類似度の計算法を変えるなどの実験を行い,判定率の変化について考察した.また特異値分解の有無による判定率の違いや,判定時間に関する実験も行った.
著者
杵渕 哲彦 伊藤 毅志
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

コンピュータ将棋はプロ棋士に迫るレベルになっているが,アマチュアにとっては将棋を楽しむ為の対局相手でもある.既存の棋力調整方法では,人間が手に不自然さを感じるという問題点が指摘されている.この問題に対し,コンピュータに人間らしいミスを犯させるという手法が考えられる.本研究ではこれを実現する為の基礎研究として,ミスを犯した際の思考についてインタビューを行い,人間がミスを犯す際の認知モデルを提案した.
著者
伊藤 毅志
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.4, pp.1-4, 2011-06-24
被引用文献数
1

三人寄れば文殊の知恵は本当か?~人間の合議実験からの考察~It is pointed out that computer Shogi programs improve by using consultation. If human players play by using same consultation, what will happen? This report discusses the thought process of human's group from a cognitive experiment which examines a thinking process in playing shogi by using consultation.
著者
伊藤 毅志
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.1184-1185, 2016-11-15
著者
杵渕 哲彦 伊藤 毅志
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.119-122, 2016-10-28

自然な指し手を選択する将棋AI実現のために,人間が用いる思考方法である流れに着目する.遷移確率を流れを表現するものとし,指し手選択の際に,既存のAIが考慮している評価値に加え,遷移確率も考慮することで,自然な指し手の選択を行う,ランキング学習を用いた手法を提案する.評価実験として,最善でない選択が一定数含まれる中級者の棋譜と提案手法の指し手の一致率を測定し,既存手法に比べて一致率の向上が確認された.