著者
池田 光雪 佐藤 翔 常川 真央 佐浦 敬之
巻号頁・発行日
2010-10-27

ALIS勉強会『岡崎市立図書館のlibrahack事件を踏まえて』; 筑波大学, つくば, 2010-10-27, 図書館情報学若手の会(ALIS)
著者
佐藤 翔
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.414-424, 2013-10-01 (Released:2013-10-01)
参考文献数
40
被引用文献数
5 3

本稿ではオープンアクセス(OA)運動の背景から現在までの流れを概観し,現在のOA運動における争点を整理する。現在,Gold OAはビジネスとして成立することを示し,Green OAは機関リポジトリ等においては成功しているとは言えないが,助成機関によるOA義務化を伴うことで成功例が現れている。そして公的助成研究に対するOA義務化の方針は確実に広がりつつある。商業出版者もOAを受け入れ,OA運動における主導権をめぐって図書館と対立するようになっている。その中で問題となっているのが再利用可能性とエンバーゴである。
著者
佐藤 翔 吉田 光男
出版者
(株)化学同人
雑誌
化学 = Chemistry (ISSN:04511964)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.23-28, 2016-02

従来のピア・レビューや被引用数の問題点や限界が指摘されるなか、TwitterやFaceboookなどのソーシャルメディアで言及された指標をもとに評価する「オルトメトリクス」が登場し、注目されている。新たな指標から何がわかるのか、これまでの指標にとって代わるのか、その可能性を探ってみよう。
著者
佐藤 翔 永井 裕子 古賀 崇 三隅 健一 逸村 裕
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.383-402, 2011-12
被引用文献数
2

本研究では機関リポジトリへの論文登録がその論文の被引用数と電子ジャーナルのアクセス数に与える影響を明らかにするために,『Zoological Science』掲載論文を2つの機関リポジトリに登録し,被引用数と電子ジャーナルアクセス数への影響を観察する実験を行った.実験は2008-2010年にかけ行い,実験前後の機関リポジトリ登録論文の電子ジャーナルアクセス数,被引用数の変化を,登録しなかった論文と比較した.また,機関リポジトリ登録論文の利用状況を分析するとともに,機関リポジトリ利用者と電子ジャーナル利用者をIPアドレスに基づき比較した.その結果,機関リポジトリへの登録により電子ジャーナルアクセス数が減ることはなく,新たな利用者を獲得できていた.しかし論文の被引用数を増やす効果はなかった.機関リポジトリ利用者の多くが動物学研究者ではなく,他分野の研究者や一般市民であったためと考えられる.To evaluate how the deposition of journal articles in Institutional Repositories (IRs) affects the number of citations and e-journal usage, we placed some articles published in Zoological Science in two Japanese IRs and collected their usage data in IRs and e-journals, as well as with the number of resulting citations. The experiment was started in 2008 and we compared the number of e-journal usage and citations of articles deposited in IRs before and after the experiment with those were not. In addition, we analyzed users' behaviour in IRs and compared user groups in IRs with those in e-journals based on users' IP addresses. The results revealed that deposition in IRs did not reduce e-journal usage. Moreover, whereas the journals gained new readers, this did not have an effect on the number of citations because most of new readers may be not researchers in Zoology but those in other fields or lay people.
著者
佐藤 翔
出版者
同志社大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では利用者に新たな発見を促す排架法の構築を目的に、1)実験用書架閲覧時の視線軌跡と注視行動分析、2)実際の公共図書館における利用者の注視行動分析を行ってきた。結果から、1)実験用書架閲覧時、十分な時間があれば、人は最上段から順に全ての図書を確認しようとする。段によって視線の移動方向は左右反転する。2)タイトルがゴシック体の図書は有意に注視時間が長い。カバーが黒・暗紫色の図書は有意に注視時間が短い。書架上の中央に置かれている図書は注視時間が長い傾向がある。3)公共図書館において、書架上の垂直位置が注視時間と有意に関係し、1-4段目で全注視時間の80%を占める、ことがわかった。
著者
佐藤 翔 サトウ ショウ
出版者
情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.51-56, 2013

電子ジャーナル等の電子リソースの普及に伴い,そのアクセスログに基づいた研究が増えている。本文へのアクセス状況を包括的に示すアクセスログの分析は利用者行動を知る際に役立つものであるが,その目的や意図はログからはわからないため,その他の手法と組み合わせることが有益である。また,引用データとは異なる傾向を示すものとしてビブリオメトリクスの中でも注目されているが,研究評価に用いるには水増しが容易である等の問題もある。日本においては,海外で行なわれているような電子ジャーナルの大規模ログ分析が未だ行なわれていないことが課題である。
著者
佐藤 翔 大向 一輝 関戸 麻衣 逸村 裕 Sato Sho Itsumura Hiroshi
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
2012年日本図書館情報学会春季研究集会発表要綱
巻号頁・発行日
pp.73-76, 2012-05-12

本研究ではCiNii のアクセスログに基づき、1) CiNii から連携する各本文提供サービスの利用の推移、2) 論文書誌データへのアクセスと、その後の各サービスへのリンクのクリック状況を分析した。その目的はCiNii と連携する各サービスがどのような文献需要に応えているかを明らかにすることである。結果から、本文提供元として最も利用されていたのはNII-ELS であるが、徐々に機関リポジトリの利用が増えていた。特に本文が利用される割合が高い一方、NII-ELS による文献提供数の少ない人社系・紀要論文の提供に機関リポジトリが大きな役割を果たしていた。
著者
辻 慶太 黒尾 恵梨香 佐藤 翔 池内 有為 池内 淳 芳鐘 冬樹 逸村 裕
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.176-189, 2012-09-01

本研究では(1)T大学附属図書館の貸出履歴約5年分を用いた協調フィルタリング, (2)同データを用いたアソシエーションルール, (3)Amazon,の3つによって被験者33名に図書を推薦し,それぞれの有効性を比較検証した。結果, (3)>(2)>(1)の順に推薦パフォーマンスが高いことを確認した。貸出履歴を用いて図書推薦を行うならば,協調フィルタリングよりも,プライバシー漏洩の可能性が低く計算コストも少ないアソシエーションルールを用いた方が有効であること,さらにAmazonの利用・併用も検討に値することが言えた。
著者
佐藤 翔
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.53, no.7, pp.359-369, 2010 (Released:2010-10-01)
参考文献数
24

2009年1月,英国情報システム合同委員会(JISC)が『代替学術出版モデルの経済的影響:費用と便益調査』(『EI-ASPM』)と題した報告書を発表した。これはオープンアクセス雑誌,機関リポジトリ等のオープンアクセス出版の費用と便益が従来の購読出版モデルよりも優れているとするものである。本稿では『EI-ASPM』作成の背景と報告書の概要,発表後の議論の展開を紹介するとともに,『EI-ASPM』の意義と問題点を検討した。『EI-ASPM』は出版モデルの費用と便益を検討する枠組を提供した一方,分析結果は多くの仮定に基づいており,その内容をもとに政策提言を行うには慎重な取り扱いを要する。
著者
佐藤 翔
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.2-8, 2023-01-01 (Released:2023-01-01)

現代の学術情報流通は,「登録」,「保存」,「認証」,「報知」の4つの機能を担う査読誌を中心に成り立っている。学術情報流通の多様化とはこの4機能の実現方法の多様化にほかならない。より詳細には,従来とは異なる対象を4機能で扱う,一部の機能の実行方法を変える,一部の機能を独立させる・実施順序を入れ替える,と言った試みが行われるようになってきている。一方で,4機能自体の見直しを図ることは,提案はされても普及はしていない。本稿ではそれぞれ具体例を見つつ,学術情報流通の多様化の現状を捉えることを試みる。
著者
佐藤 翔 吉田 光男 安蒜 孝政 逸村 裕
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.157-162, 2010-05-28 (Released:2011-06-25)
被引用文献数
1

本研究では情報探索行動の起点としてのWikipediaの有効性について検討することを目的に,日本語版Wikipediaの外部リンク約119万件について,URLの詳細やアクセス障害・リンク切れの状況について調査した.結果から,1)日本語版Wikipediaからのリンクの11%程度でアクセスに障害がある,2) edu,co.jp,go.jpドメインの外部リンクでアクセス障害が多い,3) 新聞社が運営するニュースサイトで特にアクセス障害が多いこと等を明らかにした.
著者
今村 文彦 佐藤 翔輔 柴山 明寛
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.241-252, 2012-07-01 (Released:2012-07-01)
参考文献数
8
被引用文献数
2 1

東北大学災害科学国際研究所では,総務省,国立国会図書館,文部科学省,科学技術振興機構,全国および東北企業,海外などの80を超える機関と連携して,東日本大震災に関するあらゆる記憶,記録,事例,知見を収集し,国内外や未来に共有する東日本大震災アーカイブプロジェクト「みちのく震録伝」を展開している。本プロジェクトは,今回の震災の被災地を中心にして,歴史的な災害から東日本大震災について分野横断的な研究を展開し,東日本大震災の実態の解明や復興に資する知見の提供を進めていく。これらの取り組みは,低頻度巨大災害の対策・管理の学問を進展し,今後発生が懸念される東海・東南海・南海地震への対策に活用する。本稿では,産学官民の連携を通した活動の事例について紹介する。