著者
黄瀬 浩一 大町 真一郎 内田 誠一 岩村 雅一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.742, pp.85-90, 2005-03-11
参考文献数
49
被引用文献数
16

デジタルカメラの小型化, 高解像度化, 一般化に伴い, これを入力手段として用いた文字認識・文書画像解析への期待が高まりつつある.本稿では, デジタルカメラを用いた文字認識・文書画像解析について現在の代表的な技術を俯瞰するとともに, バーコードなどの関連技術との比較によって, 文字認識, 文書画像解析の立場や将来への課題を浮き彫りにする.また, 将来に向けた試みの一つとして, 著者らが「バーコードリーダ並みに手軽で高精度な文字認識」を目指して行っている研究「複比を用いた文字への情報埋め込み」の一端についても紹介する.
著者
岡田 二郎 本木 和幸 中川 哲 杉村 東陽 藤崎 顕彰 内田 誠一
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、動物集団がしばしば示す同期的行動として、干潟で高密度に群生する短尾甲殻類チゴガニのウェービング(オスがハサミを繰り返し振上げる求愛行動)に注目した。近隣個体間におけるウェービング同期のメカニズムを明らかにするために、任意のタイミングで動作可能なウェービング模倣ロボットを開発し、実験室内でカニの行動とロボットの動作との時間的関係を調べた。個々のカニは対面するロボットに対して先行するようにウェービングを行うこと、カニ集団中におけるロボットの稼働はウェービングの同期の程度を変容させることを明らかにした。さらにウェービング遂行中のカニのハサミ運動筋から電気活動を記録することに成功した。
著者
内田 誠一 Seiichi Uchida
出版者
安田女子大学大学院
雑誌
安田女子大学大学院紀要 = The journal of the Graduate School, Yasuda Women's University (ISSN:24323772)
巻号頁・発行日
no.24, pp.91-98, 2019-03-31

久邇宮朝彦親王が広島御謫居中に揮毫された新出の和歌短冊について紹介し、短冊の内容について分析・考察する。和歌の内容から、親王が広島にまず御到着になられたのが宮島であったこと、宮島から浅野家の別邸である古江の翠江園にお入りになった可能性が高いことを論じた。また、京都御還住以後に揮毫された、これまた新出の和歌短冊を紹介し、通行の親王歌集と文字の異同があることを指摘した。
著者
阿部 耕太郎 内田 誠一
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 平成27年度電気・情報関係学会九州支部連合大会(第68回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.517, 2015-09-10 (Released:2018-02-16)

フォントネットワークとは,大量の既存のフォントを用いて,その類似度に基づいて作成したネットワークである.本研究は,フォントネットワークの経路上のフォント列が互いに似ていることに注目し,それらを使って新たなフォントを合成することを目的としている.
著者
福冨 正弘 内田 誠一
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 平成20年度電気関係学会九州支部連合大会(第61回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.66, 2008 (Released:2010-04-01)

時系列パターン認識の方法として,各フレームで認識すなわちラベリングを行い,最終的にクラスラベル数の多数決によってクラスを確定する方法が考えられる.これは各フレームでセグメンテーションを行っていると見ることができる.セグメンテーションの問題は,エネルギー最小化の問題と捉えることができ,エネルギー最小化の手法として,グラフの最小切断(グラフカット)アルゴリズムが注目されている.そこで本稿では,グラフカットを用いた時系列パターンの認識手法を提案する.本手法の検証のため,時系列パターンとしてオンライン文字パターンを使った実験を行い,その有効性を示した.
著者
吉岡 大貴 横山 諒平 劉 傅軍 小野寺 武 内田 誠一 中野 幸二 林 健司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.409, pp.53-56, 2014-01-17

匂いは目に見えないが,危険信号として重要な情報を持つ.匂いは気体であるため,匂い情報として匂い物質の種類,濃度,空間分布が考えられる.本研究では匂い物質を可視化するために蛍光物質を混ぜたアガロースゲルフィルムを蛍光プローブとして用い,匂い情報を蛍光変化として取り出している.本稿では,蛍光物質を複数用いたマルチ蛍光プローブを用いてマルチスペクトルイメージングを行い,匂い物質の識別を行っている.また,混合匂いに対するマルチ蛍光プローブの反応は各匂い物質毎の各単一蛍光プローブの反応に分割できるため,混合匂いを含めた匂い濃度の空間分布を識別することができる.
著者
吉田 龍生 フォン ヤオカイ 内田 誠一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.357, pp.55-60, 2012-12-06

本研究の目的は,プロジェクタから投影されたスクリーン上でタッチスクリーン操作を実現することである.その一つの手段として,スクリーンのタッチパネル化が考えられる.しかし,タッチパネルの大型化にはコスト面での課題が残る.そこで,カメラ・プロジェクタシステムを用いることを考える.カメラ・プロジェクタシステムとは,既存のプロジェクタシステムにカメラを備えつけ,そのカメラから得られる情報とプロジェクタの特性を活かし,構築するシステムである.本研究において,構築するシステムに用いるカメラは,web カメラ1 台と限定する.そうすることで,タッチパネルの大型化に残るコスト面での課題を克服することが可能である.カメラ・プロジェクタシステムによるタッチスクリーン操作の実現には,指領域の検出,スクリーンへの接触検知,トラッキングが必要となる.本稿では,まず指領域の検出及びスクリーンへの接触検知の方法について述べる.そして,トラッキングの手法を提示し,その手法による実験を行ない,タッチスクリーン実現への検証を行なう.
著者
内田 誠一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.428, pp.31-36, 2006-12-07
被引用文献数
51

弾性マッチングの一種であるDPマッチングは,開発されて既に30年以上経った現在でも,パターン認識・画像処理の基本技術として多用されている.本稿では,1次元パターン間のDPマッチング,1次元と2次パターンのDPマッチング,2次元パターン間のDPマッチングを述べた後,いくつかの高速化手法,ならびに学習理論との組み合わせについて紹介する.
著者
鈴木 昌和 内田 誠一 岡本 正行 玉利 文和 藤本 光史 金堀 利洋 山口 雄仁 藤芳 明生
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

科学技術文書のスキャン画像を検索や音声や点字などのアクセシブルなデータに変換可能な電子データに変換するシステム構築に不可欠な数式認識と、数式を含んだ文書のレイアウト解析の高精度化に関する研究を行った。特に大量の頁の文書の電子化に有効な適合型認識システムのアルゴリズムを文字認識、数式構造解析、レイアウト解析の各レベルで開発し実装を行った。また、類似記号が多い数式の文字認識精度向上のため、サポートベクターマシンを用いた類似数学記号識別の評価テストも行った。
著者
小田 幸弘 廣瀬 信之 内田 誠一 森 周司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.60, pp.121-125, 2011-05-16

サッカーのペナルティキック時のゴールキーパーは,キッカーのボールを蹴る動作の違いに基づいて,シュートのコースを予測していると考えられている.本研究では,GKがPK動作中のどの時点,どの身体部位の情報をコースの予測に使用しているか調べるために,PKを想定したキッカーの動作をDPマッチングにより解析した.解析の結果,ボールを蹴る直前の軸足,腰などの動きがコースによって異なることが分かった.
著者
近野 恵 岩田 和将 黄瀬 浩一 岩村 雅一 内田 誠一 大町 真一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理
巻号頁・発行日
vol.109, no.471, pp.507-512, 2010-03-08

本稿では,我々が開発中のカメラペンシステムで使用する,文書画像検索の精度向上法を提案する.カメラペンシステムとは,カメラを取り付けたペンで書いた印刷文書への筆跡を,デジタルデータとして復元するシステムである.文書画像検索はデータベースから撮影画像の対応範囲を検索することで,筆跡を求める役割を担っており,高精度での検索が必要不可欠である.しかし現状では,撮影画像に生じる射影歪みの影響で検索精度が低下している.そこで,この問題を解決するために,検索に用いる特徴量の改良,および射影歪みを発生させた画像を生成し,データベースを拡張する手法と,撮影画像を基にクエリを拡張して検索する手法の3つを提案する.有効性を検証するため,改良した特徴量と拡張手法をそれぞれ組み合わせ,改良前の従来手法と比較実験を行った.その結果,改良した特徴量を用い,クエリを拡張した手法を用いたときに,最も精度が向上した.
著者
大町 真一郎 岩村 雅一 内田 誠一 黄瀬 浩一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.613, pp.67-72, 2006-02-17

環境中の文字をディジタルカメラを入力デバイスとして高精度に認識するために,文字画像と同時に認識補助のための付加情報を提示する方法が検討されている.付加情報は,幾何学的変換に対してロバストに抽出できることが要求される.本報告では,面積比を利用した付加情報提示手法を提案する.面積比はアフィン変換に不変であり,アフィン変換を受けた環境においても誤りなく抽出されることが期待される.実際に付加情報を埋め込んだ文字パターンを作成し,提案手法の有効性と可能性について議論する.
著者
内田 誠一 Liwicki Marcus 岩村 雅一 大町 真一郎 黄瀬 浩一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMM, マルチメディア情報ハイディング・エンリッチメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.74, pp.17-22, 2011-05-23

手書きは,人類のコミュニケーション手段として古来から広く利用されている.そして現代,タブレットやアノトペンといった技術進歩により,計算機への入力手段としても手書きは普遍的なものとなった.しかし,日常的な「紙の上の手書き」は,依然「紙の上の手書き」のままであり,それ以上の価値を持つに至っていない.これに対し,筆者らによるユニバーサルパターンプロジェクトでは,「情報埋め込みペン」を開発した.これは,情報埋め込み技術により,手書きに新たな価値を付与しようという試みである.このペンでは,ペン先のインクジェットにより,筆記時にリアルタイムに筆記者情報や筆記日時などの任意情報を埋め込むことができる.埋め込んだ情報は画像処理により復元できる.すなわち,紙の上の手書きに,計算機可読な様々な情報を埋め込むことができる.実験により,5cmの筆記に32ビット程度の情報を誤りなく埋め込めることを確認している.
著者
岩村 雅一 古谷 嘉男 黄瀬 浩一 大町 真一郎 内田 誠一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.93, no.5, pp.579-587, 2010-05-01
被引用文献数
1

特徴量のみでは本質的に避けることができない誤認識を回避するために,付加情報を用いるパターン認識という枠組みが提案されている.この方式では,パターン認識を行う際に,付加情報と呼ばれるクラスの決定を補助する少量の情報を特徴量と同時に用いて認議性能の改善を目指す.付加情報は自由に設定でき,通常は誤認識率が最小になるように設定する.ここで問題となるのは,誤認識率が最小になる付加情報の設定方法である.常に正しい付加情報が得られるいう理想的な条件においては既に問題が定式化され,付加情報の割当方法が導かれている.しかし,実環境での使用を考えると,付加情報に生じる観測誤差を考慮した割当方法が求められる.そこで本論文では付加情報の観測誤差を考慮に入れて,問題を新たに定式化する.これは付加情報が誤らない場合にも有効な一般的なものである.本論文で導いた割当方法が有効に機能することをマハラノビス距離を用いた実験で例示する.
著者
黄瀬 浩一 岩村 雅一 大町 真一郎 内田 誠一
出版者
大阪府立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

人間が外界とやりとりをする重要な情報の多くは,読む・書くという行為による.本研究では,このうち書く行為に焦点をあて,そのすべてをライティング・ライフ・ログとして記録することに挑戦する.記録は単なる画像データとしてではなく,どの文書のどの位置に何を書いているのかを認識する処理による.これにより,書く行為を元にした様々な処理,例えば,学習支援やユーザの興味推定が可能となる.この挑戦を可能とするため,本研究では,ペンに取り付けたカメラから得た時系列画像を用いて筆跡を復元する処理,それを文書の正しい位置に配置する処理の2つを考案,改善した.その結果,高い精度で筆跡が復元可能であることがわかった.