著者
前田 博 進士 五十八 Hiroshi MAEDA SHINJI Isoya 東京農業大学大学院農学研究科環境共生学専攻 東京農業大学地域環境科学部造園科学科 Specialize of Environment Symbiosis Department of Agriculture Tokyo University of Agriculture Department of Landscape Architecture Science Faculty of Regional Environment Science Tokyo University of Agriculture
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.274-282,

平成15年の地方自治法の改正によって公の施設に関して「指定管理者制度」が導入されることとなり,地方公共団体の所有する各種の施設と並んで都市公園もその対象となった。導入時のいきさつから招かれざるものとして公園管理者に受け止められた制度であるが,施行から2年を経過した現在比較的好印象で迎えられているように感じられる。そこで,都市公園管理史の観点から「指定管理者制度」の導入が都市公園の管理行政にどのような意味を持つかを検証した。考察の結果,「指定管理者制度」の導入は太政官布達第16号以来の都市公園管理史における転換期の特徴である外圧性と偶然性を持ち,近年の都市公園管理行政の閉塞感を打破する可能性,むしろ将来的に市民利用本位の公園管理のあり方を示唆する主要方策のひとつであることがわかった。具体的には ○1公園管理を再点検 ○2正確な数量把握による予算確保 ○3評価のための利用者意向把握等の動きが見られ,財政悪化時代を迎え危機的状況にあった公園管理行政の転換点となった。
著者
渡邉 裕之 松下 泰之 渡辺 篤 前田 敏郎 温井 一彦 小川 嘉正 澤 淳悟 前田 博
出版者
日本計量生物学会
雑誌
計量生物学 (ISSN:09184430)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.37-60, 2004-06-30 (Released:2012-02-08)
参考文献数
35
被引用文献数
6 20

It is very important to provide safety information of new drugs to physicians and patients as soon as possible after the early postmarketing period. For that purpose, it is important to appropriately collect and analyze the spontaneous reports accumulated in databases of companies and regulatory agencies. This paper reviews the analytical methods to assess spontaneous reports. Bate et al. (1998) presented Bayesian Confidence Propagation Neural Network (BCPNN) Method used by Uppsala Monitoring Centre (UMC) of the World Health Organization (WHO). DuMouchel (1999) presented Gamma-Poisson Shrinker (GPS) Program of U. S. Food and Drug Administration (FDA), and Evans et al. (2001) presented Proportional Reporting Ratios (PRR) of the Medicines Control Agency (MCA). Furthermore, DuMouchel and Pregibon (2001) extended the GPS Program, proposing the Multi-Item Gamma Poisson Shrinker (MGPS) Program, which then became the standard method for the FDA. This report also reviews the practical problems (e.g. database, duplication cases, code of Medical Dictionary for Regulatory Activities (MedDRA)) encountered in Japan.
著者
冨川 和哉 岩本 義博 大江 丙午 新井 英雄 山本 直史 前田 博史 高柴 正悟
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.193-202, 2012-03-28 (Released:2013-04-24)
参考文献数
19

歯周病に対する感受性が高い侵襲性歯周炎患者の治療においては,徹底した感染コントロールを行い,疾患活動性を抑制する事が要求される。近年,歯周病原細菌の感染量や歯周炎の活動性を評価するために,PCR 法を応用した細菌 DNA 検査や血清抗体価検査が活用されるようになってきた。今回報告するのは,好中球貪食能が低下傾向であった広汎型侵襲性歯周炎患者の症例である。患者は 25 歳の女性であり,歯周 基本治療,歯周組織再生療法を含む歯周外科治療,そして最終補綴治療を経て SPT に移行し,初診から 15 年間にわたって,臨床計測値の変化および歯周病原細菌に対する血清 IgG 抗体価の変動をモニタリングしている。これによって,SPT 期間中に歯周組織の破壊が進行した 26 の臨床所見と血清 IgG 抗体価の変動を捉えることができた。26 以外の歯周組織は SPT 期間を通して安定した状態を示していたが,血清 IgG 抗体価は 26 の組織破壊の進行と連動して高値を示した。本症例においては局所的な歯周炎の活動性が血清 IgG 抗体価検査によって評価できたと考える。日本歯周病学会会誌(日歯病誌)54(2):193-202, 2012
著者
前田 博司
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.3-8, 2007-01-15
参考文献数
9
被引用文献数
2

平成17年12月から平成18年2月にかけて,富山・石川・福井の北陸3県において発生した豪雪による被害について調査し,その要因と背景となった高齢者問題を検討した.この地域では,人的被害は死者24人・重傷91人・軽傷197人,住家被害は全壊2棟・半壊4棟・一部破損65棟・床上浸水1棟・床下浸水14棟,非住家被害は公共施設2棟・その他98棟であった.被害を受けた建物はすべて木造であり,この地方の木造建物の耐雪性が検討された.死者の内に占める高齢者の割合は67%に達し,その多くは屋根雪下ろしなどの除雪作業中に死亡したものであった.この背景には多雪地における社会の急速な高齢化があり,高齢者のみの世帯の屋根雪下ろし等に対する支援が今後の課題である.
著者
前田 博 進士 五十八 Hiroshi MAEDA SHINJI Isoya
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.274-282, 2008-12

平成15年の地方自治法の改正によって公の施設に関して「指定管理者制度」が導入されることとなり、地方公共団体の所有する各種の施設と並んで都市公園もその対象となった。導入時のいきさつから招かれざるものとして公園管理者に受け止められた制度であるが、施行から2年を経過した現在比較的好印象で迎えられているように感じられる。そこで、都市公園管理史の観点から「指定管理者制度」の導入が都市公園の管理行政にどのような意味を持つかを検証した。考察の結果、「指定管理者制度」の導入は太政官布達第16号以来の都市公園管理史における転換期の特徴である外圧性と偶然性を持ち、近年の都市公園管理行政の閉塞感を打破する可能性、むしろ将来的に市民利用本位の公園管理のあり方を示唆する主要方策のひとつであることがわかった。具体的には(1)公園管理を再点検(2)正確な数量把握による予算確保(3)評価のための利用者意向把握等の動きが見られ、財政悪化時代を迎え危機的状況にあった公園管理行政の転換点となった。
著者
前田 博 石飛 康浩
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.108-119, 1991-02-15
被引用文献数
6

本論文は, ファジィ表現を許容した自然言語によるデータベースのファジィ検索について述べたものである.これを実現するためには, 3種類のあいまいさに対処しなければならない.第1は, 「給料の良い会社」といった検索条件のあいまいさ, 第2,第3は, 自然言語処理に関するあいまいさであり, 前者は問い合わせ文の解釈に関するあいまいさ, 後者は, 例えば, 給料, 賃金, 給与, といった同一検索項目に対する表現の多様性に依存するあいまいさである.第1については, ファジィ集合理論を適用する.第2については, 問い合わせ文中の平仮名のみを検索する平仮名検索辞書と, 0-1計画法という最適モデルを組み合わせた自然言語問い合わせ文解析手法を提案する.これは, 平仮名検索のみから問い合わせ文の意味解釈を幾通りか推定し, 最適モデルによって一つを確定するという方式である.第3については, すでに提案したシソーラス, 語の部分マッチング, ファジィ推論を総合した未登録語の推定手法を適用する.
著者
前田 博子
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.86_2, 2018

<p> 日本の女子サッカーは、2011年のFIFAワールドカップ優勝により、急激に知名度が高まった。このような競技成績によって急激に注目が集まった結果、少し成績が落ちた現状では、試合の集客やメディアによる情報量も減少している。しかし、女性が競技としてサッカーをプレーすることは、違和感なく受け入れられるようになったと言える。</p><p> 国際的な競技活動を行うためには、国内を統一した競技組織が必要となる。現在、女子サッカーは男子サッカーと同じく、日本サッカー協会の傘下にある。しかし、国内で定期的、継続的に女子の試合が行われるようになった当初は、異なった組織が統括していた時期もある。</p><p> そこで、本研究の目的は、1979年から1989年までの10年間、日本の女子サッカーを統括する役割を担った日本女子サッカー連盟の設立と解散の経緯を明らかにすることである。</p>
著者
木塲 亮介 折居 英章 河野 英昭 前田 博 生駒 哲一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第27回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.293, 2011 (Released:2012-02-15)

近年,デジタルカメラの顔認識や車載モニタ等に物体認識技術が広く応用されている.このようなシステムには,画像中に存在する複数の物体それぞれについて,その種類を認識することが求められる. 物体認識の従来手法の1つに局所特徴を用いたBag-of-Keypointsという手法がある.Bag-of-Keypointsは画像中における局所特徴の頻度値を用いて物体の照合を行う手法である.しかし,この手法を複数物体認識に応用した場合,物体ごとの特徴量の分離が難しく,各物体を個別に認識することが困難である.そこで本研究では,多次元尺度構成法(Supervised Multidimensional Scaling)を用いたBag-of-Keypointsによる新しい物体認識手法を提案する.提案手法では,複数の物体から抽出された局所特徴に多次元尺度構成法を用いることにより,画像の画素単位で行われる領域分割処理を特徴空間上で実現している.実験では,様々な画像に対して提案手法を適用しその有効性を示す.