- 著者
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渋谷 恒司
菅野 重樹
加藤 一郎
- 出版者
- Japan Ergonomics Society
- 雑誌
- 人間工学 (ISSN:05494974)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, no.6, pp.395-403, 1994-12-15 (Released:2010-03-11)
- 参考文献数
- 6
- 被引用文献数
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人間は指と腕を協調させることによって巧みな作業を行うことができる. 本研究の目的は, この指-腕協調による巧みさ (スキル) を, 人間の動作を分析することによって明らかにすることである. 本研究では巧みな動作の一例としてバイオリン演奏をとりあげ, その演奏動作を分析した. 被験者は, 職業演奏家, 音楽大学学生, 未経験者各2名の計6名とした. 実験では, バイオリン演奏において最も基本的な演奏法である全弓下げ弓を用いることとし, 被験者に弓圧および弓速を3段階に変化させて演奏してもらった. 上肢およびバイオリンの動作は三次元動態計測装置を用いて計測し, 弓圧は弓に貼ったひずみゲージを用いて計測した. 分析の結果, 未経験者は指, 腕を効果的に使えないこと, また職業演奏家のほうが音楽大学学生より, ボーイングの変化に対する動作の変化が大きいことが明らかとなった.