著者
加藤 正嗣
出版者
Japan Society of Material Cycles and Waste Management
雑誌
廃棄物学会誌 (ISSN:09170855)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.161-167, 2002-05-31
被引用文献数
1 2

20世紀最後の2年間で, 名古屋市民はごみ量を23%, 埋立量を47%削減した。次期最終処分場計画の断念を契機に, ごみ非常事態宣言, そして容器包装リサイクルに取り組んだ成果だ。文字通りの背水の陣で, 市は矢継ぎ早に新ルールを提起した。市民は, 一方的となりがちな進め方に不満を持ちつつも, 危機感を共有したがゆえに積極的に協力した。「成功させなくては」という市民の思いが強かった分だけ, 容器包装リサイクル法の不備による混乱も大きかった。われわれも「苦情こそ最大の情報源」と受け止め, 不行き届きながらも誠意をもって臨んだ。真剣なぶつかり合いの中で, 市民と市の距離は縮まった。成果を踏まえ, (1) 分別・リサイクルから発生抑制へ, (2) 本音で持続させる取り組みへそのための (3) 率直でオープンなごみ行政 (市民と行政の合意形成) , (4) 市民相互の合意形成, (5) 市民と事業者の合意形成という課題と, 正面から向き合うべき段階に入った。
著者
加藤 正平
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.96-98, 2000 (Released:2010-02-25)
被引用文献数
1
著者
伊藤 優子 三浦 覚 加藤 正樹 吉永 秀一郎
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.275-278, 2004-08-16
被引用文献数
12

関東(一部東北を含む)・中部地方の1都12県において80地域,270地点の森林流域における渓流水のNO_3^-濃度を測定した。これらの調査地点におけるNO_3^-濃度は0.00〜8.45mg L^<-1>の範囲で,中央値は1.06mg L^<-1>であった。渓流水中のNO_3^-濃度は,関東平野周辺部において濃度の高い地点が分布する地理的な偏りが認められた。このような分布傾向は,従来から関東地方のいくつかの小流域でNO_3^-濃度が高いことが指摘されていることと調和的である。また,関東平野周辺部以外の愛知県でも局所的にNO_3^-濃度の高い地点が認められた。これらの地点は幹線道路や都市域周辺近傍に位置する。これらの結果から気候要因,地形的要因などの非人為的要因に加えて,大都市圏から排出される汚染大気の移流による森林流域への窒素の高負荷という人為的要因により,森林からのNO_3^-流出が増大していると考えられる。
著者
矢作 榮一郎 赤坂 江美子 加藤 正幸 生駒 憲広 馬渕 智生 田宮 紫穂 小澤 明
出版者
Western Division of Japanese Dermatological Association
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.599-603, 2012
被引用文献数
1

症例 1 : 62 歳,女性。1990 年頃から顔面,前胸部に皮疹が出現した。臨床および病理組織学的所見から,汗管腫と診断した。サリチル酸ワセリン,活性型ビタミン D<sub>3</sub> 誘導体,アダパレンのそれぞれの外用により臨床的治療効果を比較した。そのうち,アダパレン外用部位では,約 4 週間後に皮疹の平坦化と個疹の減数を認めた。症例 2 : 70 歳,女性。2009 年頃から外陰部に皮疹が出現した。徐々に個疹は増数し,疼痛が出現した。臨床および病理組織学的所見から,汗管腫と診断した。ステロイド外用療法では改善がなく,アダパレンの外用療法を試みた。その結果,皮疹の平坦化と疼痛の改善を認めた。両症例で外用療法開始約 1 ヵ月後に再度生検を施行したところ,病理組織学的に管腔構造の減少を認めた。汗管腫に対する治療の一つとして,アダパレン外用療法の臨床的有用性が示唆された。
著者
福岡 義和 田中 啓一 野口 雅志 酒井 晃 萩中 隆博 中村 武夫 田近 栄司 神田 静人 加藤 正博 長谷川 真常
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.150-157, 1986

新しく開発された経口セフェム系抗生剤T-2588 (T-2525として100mg力価) を健常成人4例および種々の程度の腎機能障害者14例に経口投与し, その抗菌活性物質であるT-2525の体内動態を検討した。腎機能の指標としては24時間内因性クレアチニンクリアランス (Ccr) を用い, 薬動力学的解析は吸収に遅れがあるとしたone-compartment open modelを用いた。<BR>T-2525の最高血清中濃度は腎機能に影響されることなく投与後4時間に得られたが, Ccr20~30ml/minの腎機能障害者では正常者に比べ高値を示す傾向がみられた。血清中濃度半減期 (t<SUB>1/2</SUB>) は腎機能正常者で0.83±0.02時間と計算され, 腎機能の低下に伴い延長した。排泄速度定数KelはCcrと良く相関し (r=0.739, p<0.005), 一次回帰式Kel=-0.053+0.0113Cer (Ccr: 20~80) が得られた。<BR>腎機能正常者におけるT-2525の投与後8時間までの尿中回収率は平均22.2±1.9%で, 腎機能の低下に伴い低値を示した。<BR>Ccr40~70ml/minの軽度腎障害者では本剤100mg1日3回の連続投与によってもほとんど体内蓄積の可能性はないが, Ccr20~30ml/minの腎障害者では連続投与によりC<SUB>max∞</SUB>およびC<SUB>min∞</SUB>が上昇することが推定された。
著者
加藤 正二
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.121-127, 1973-02-05

われわれの銀河系は, アンドロメダ星雲などと同じように, 渦状(スパイラル)構造をした銀河の一つであることが知られています. この渦状構造は何なのでしょうか. また, それはどのようにして出来, かつ維持されているのでしょうか.
著者
吉田 忠雄 加藤 正大 大竹 宏直 加藤 健 寺西 正明 片山 直美 中島 務
出版者
Japan Society for Equilibrium Research
雑誌
Equilibrium research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.247-253, 2013-08-01
被引用文献数
3

Development of 3-tesla enhanced magnetic resonance imaging (MRI) provides a tool for the visualization of endolymphatic hydrops (EH). This technique was first developed in animal experiments and adapted in patients with inner ear diseases including Menieres disease (MD). Up to the present, we have demonstrated EH in many MD patients. Recently, we have succeeded in obtaining a 3D-real IR-like image even after intravenous standard-dose gadolinium administration. This type of image was named the HYDROPS (HYbriD of Reversed image Of Positive endolymph Signal and native image of positive perilymph signal). The relationship between unilateral MD and EH has not yet been explored. We studied 76 patients with unilateral MD who were evaluated using MRI. The mean age of the subjects was 53.4 years (range 17 to 80 years). Forty-two were women and 34 were men. Symptomatic and non-symptomatic ears were categorized into 4 groups (healthy, 76; possible, 48; Probable, 13; and definite, 15) based on AAO-HNS definitions. MRI was performed 4 hours after intravenous gadolinium administration. Overall, 152 ears were evaluated. EH in the cochlea was present in 57 of 76 symptomatic ears (73.7%) and 34 of 76 (44.7%) non symptomatic ears. Ears with definite MD had EH more frequently in the cochlea than ears in the healthy ears groups. Furthermore, EH in the vestibule with definite MD was larger than ears in any of the other groups. Our reports showed for the first time that there was Ba relationship between the degrees of EH and the stage of MD. Moreover, in fewer than half of unilateral MD patients EH was seen in the cochlea with non-symptomatic ears. EH in healthy ears may be an indicator of bilateral MD. Using MRI to identify this covert EH in asymptomatic patients may offer the possibility of early detection or prevention of MD.