著者
佐藤 一光 斉藤 崇 吉弘 憲介 徐 一睿 澤田 英司 山川 俊和
出版者
東京経済大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は空間、地域、政策に焦点を当てて「木質バイオマス経済」の持続可能性について検討を行うものである。「木質バイオマス経済」とは林業によって木材を生産し、それを燃焼させることによって発生させる熱を利用して地域の給湯需要や暖房需要、電力需要をまかなう分散型の再生可能エネルギー利用とそれに伴う経済の地域的循環のことである。「木質バイオマス経済」においては燃料となる木材を輸送する距離や熱・電力を供給する距離などの[空間的条件]、林業や地域の木材産業等との綿密な連携を維持するためには人的ネットワークなどの[地域的条件]が、資源・エネルギー・経済の循環を維持させるためには[政策的条件]が重要となる。
著者
佐竹 正夫 大東 一郎 東田 啓作 柳瀬 明彦 斉藤 崇 松八重 一代
出版者
東北大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

本年度は最終年度であるので、各自の研究成果の公開とこの課題に関心を持っている若手研究者との交流を目的として、以下のような活動を行った。1. 公開シンポジウム平成20年9月16日(東北大学)発表者東田啓作"The Determinants of International Trade in Recyclable Materials and the Effects on Welfare-Theory and Evidence-"斉藤崇「国際資源循環と国内廃棄物処理・リサイクル制度」中谷隼*「使用済ペットボトルの国内リサイクルと日中間リサイクルの比較分析」*東京大学工学研究科助教2. 研究会平成21年2月2日(明治大学)この課題に関心を有している若手研究者*を招いて、特に理論の面での研究会を開催した。*栗田郁真(京都大学大学院生)、赤石秀之(法政大学大学院生)、南部和音(明治大学非常勤講師)、菊地徹(神戸大学准教授)、山重芳子(成城大学准教授)3. 成果発表会平成21年3月13日(東北大学)新熊隆嘉関西大学教授を招いて、公開の研究会を中に入れて、最終の成果報告会を開いた。研究成果は5月に報告書を発刊する予定である。4. 研究会、シンポジウムなどへの参加この課題はまだ結論が出るような問題ではないので、引き続き他の研究機関が開催する研究会などに積極的に参加すると同時に自治体や企業への聴き取りを行った。参加したシンポジウムは次のようなものである。・廃棄物処理等科研費研究班主催「PETボトルのリサイクル効果に関する公開セミナー」・国立環境研究所研究会主催「適正な国際資源循環を構築するための枠組みについて」・廃棄物学会主催「資源確保競争下での国際資源循環のあり方を考える」
著者
斉藤 崇 長谷川 仁志 鬼平 聡 阿部 豊彦
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

1)ラットintermediate conductance型Ca-activated K channel(lmK)の構造配列決定と機能解析:BKチャネルとともに内皮依存性血管過分極因子の標的分子とされるlmKチャネルの心血管病態における発現修飾を検討するため、種々の心血管病態モデルの作成が容易な実験動物であるラットのlmKチャネルのcloningを行った(GenBankへ登録:AF149250)。本遺伝子のcoding regionは1278塩基対で、翻訳蛋白産物は425アミノ酸からなり、ヒトおよびマウスと塩基配列で88%、95%、アミノ酸配列で各々ほぼ98%の相同性を示した。6個の膜貫通部位を有し、S5とS6間には本チャネルの特異的阻害物質とされるcharybdotoxin感受性aspartate residueが、またcarboxy-terminal側には細胞内Ca sensorの役割を担うcalmodulin-binding domainおよびtyrosin phosphorylation consensus sequenceがあり、またpromotor領域にはNFkB、heat shock protein、AP2などでregulationされる部位が存在した。これらの事実から本チャネルの発現調節とその活性化が細胞増殖刺激と密接に関連することが確実となった。さらに、本遺伝子をHEK細胞に発現させ、その細胞電気生理学的特性を解析し、本チャネルは細胞内Ca濃度上昇により活性化され、charybdotoxinにより抑制されるなど、これまで生理学的に予測されていたlmKの特性が再現された。2)心血管病態におけるKCaチャネル発現の変化:ラット心筋梗塞モデルを用いて、KCaチャネルの分子種5種類(BK、lmK、SK1、SK2、SK3)のmessenger RNAの発現をRT-PCR法、RNase Protection Assay法により経時的に追跡し、BKおよびlmKの発現は梗塞後1〜3日をピークとする初期増強と7日以降再度upregulationを示す後期増強相からなる2峰性ピークを形成することを見いだした。また、in situ hybridizationおよびラットlmKに対する特異抗体を用いた免疫組織染色の結果、lmKはmRNAレベルのみならず、翻訳蛋白発現のレベルでもその発現が亢進することが確認された。さらに組織内局在について検討すると、lmKは対照時には主として血管内皮細胞および血管平滑筋に局在するが、梗塞心では単核白血球、繊維芽細胞などの浸潤細胞にも著明な発現が見られ、初期上昇相はこれら細胞浸潤により特徴づけられる炎症反応に、後期上昇相は梗塞巣内の血管リモデリングに一致することが明らかとなった。この所見は、これまで生理学的、薬理学的に示されてきた病態での過分極-弛緩連関の代償性増強現象をKCa発現修飾の面から説明するはじめての所見と考えられる。また、以上のlmK発現の増強は、アンギオテンシンllのl型受容体拮抗薬の投与によりほぼ完全に抑制されることなどが明らかとなり、lmK発現調節の細胞内情報伝達系にMEK/ERK系の関与が示唆された。さらに、NO生合成長期抑制モデルにおいても同様なlmK発現の増強を見いだしており、lmKは心血管病態時における血管リモデリングの共通なkey moleculeである可能性が高まってきた。これらの成果は、平成13年3月31日よりアメリカ合衆国フロリダ州オーランドで開催されるExperimental Biology 2001におけるアメリカ生理学会主催の血管系カリウムチャネルに関するシンポジウムにおいて招待講演として発表するとともに、Journal of Clinical and Experimental Pharmacology and Physiologyに公表予定である。
著者
阿部 豊彦 鬼平 聡 斉藤 崇 三浦 傅
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

これまで冠動脈の短時間閉塞・再灌流後に心臓交感神経に一過性機能障害を生じ、これにはadenosineなど虚血性代謝因子が重要であること、神経成長因子(NGF)や副腎皮質ホルモンが保護作用を有することを報告してきた。中枢神経系においてはtumor necrosis factor-α(TNF-α)の神経保護作用が報告されているが、心臓交感神経においては不明であり、本研究ではこの点に関して検討をおこなった。成犬を麻酔、開胸、両側迷走神経を切断、propranorolを投与。suction-cup式のDoppler probe装着により左前下降枝(LAD)と回旋枝の冠動脈血流速度を測定し、両側胸部交感神経を電気刺激時の交感神経性冠動脈収縮反応を冠動脈抵抗の変化率(%ΔCVR)を算出することにより評価した。LAD内に生食(対照群1、n=5)ないし抗TNF-α250pg/kg/min(TNF-α群、n=6)を投与下に15分同枝閉塞・再灌流を行った。また、生食(対照群2、n=5)ないしTNF-α抗体60nl/kg/min(抗TNF-α抗体群,n=6)を投与下に7分同枝閉塞・再灌流を施行した。再灌流前後のSS及びNE時%ΔCVRの推移を評価した。1) 対照群1ではLADの15分閉塞・再灌流後、同枝の%ΔCVRが有意に減弱したが、TNF-α群では保持された。2) 対照群2ではLADの7分閉塞・再灌流前後に%ΔCVRの変化を認めなかったが、抗TNF-α抗体群では有意に低下した。各群ともNEに対する%ΔCVRは不変だった。3) 左室壁長変化率(%SL)は15分冠閉塞中、両群とも同等に低下したが、再灌流後、TNF-α群で速やかな回復を示した。また、7分冠閉塞にて低下した%SLは対照群2に比し、抗TNF-α抗体群で遷延した。以上より、TNF-αは虚血性の心臓交感神経および心筋の機能障害に対して保護作用を有することが示された。