著者
北川 隆司
出版者
The Clay Science Society of Japan
雑誌
粘土科学 (ISSN:04706455)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.37-44, 1999-06-30 (Released:2011-09-20)
参考文献数
56
被引用文献数
3
著者
北川 隆吉 北島 滋 岩城 完之 帯刀 治 板倉 達文 柴田 弘捷
出版者
専修大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1996

本研究は、グロバリゼーション、イノベーション、インフォメーション・システム、コミュニティ・ストラクチャーの4方面から、我が国の社会変動を調査検討し、事態の展開の根本に存在する社会的ダイナミズムをあきらかにすることを目的とした。調査は、以下の二つの対象地域-東京圏と東海圏-を設定し進められた。〈東京圏〉(1) 東京都臨海副都心と周辺区(2) 千葉県・茨城県南「開発」地区(3) 埼玉県(県央)人口急増地域(4) 八王子を中心とする広域開発地域(5) 神奈川県央・新型工業都市の形成地域〈東海圏〉(1) 名古屋市と中部新国際空港地区(2) 豊橋市を中心とする「開発地区」(3) 岐阜県中濃人口急増地区(4) 浜松市を中心とする広域開発地域(5) 大垣市の新型工業都市への転換以上10地域を選んで、それぞれのうち二つを((1)-(1),(2)-(2)といった形)一対の対象地域として選定し、第1年度は東京圏、第2年度は東海圏を、そして最終年次の今年度は両者の追跡、補充調査をおこなった。その結果、本研究による知見は以下のとおりである。(1) 当初意図していた〈東京圏〉と〈東海圏〉の比較は、不可能との結論に達し、あらためて〈東京一極集中〉のもつ意味の重要さがあきらかにされた。(2) 比較が不可能なことは人口量、都市規模の違いだけでなく、産業・工業構造の根本的差異への着目を必要とさせ、いずれの地域にあって変動の直中にあり、本研究では、まさに変動過程の実態があきらかにされている。(3) こうしたことから、21世紀-おそらく2010年まで-に新しい変動が生まれつつあり、その中で都市・都市間連関、地域社会そのものの存立が問われようとしている。この点で、東京圏との対比でいえば、「東海」の分解・分極化の方向を見せ始めている。(4) なお、本研究では、上述の変動と、地域内における諸集団や個々人へのインパクト、また政治、行政、経済の諸機構・内部構造・リーダーシップ、イデオロギーといったものの変動との結びつきについては必ずしも十分でない。この点は今後の研究課題としたい。
著者
渡邉 克晃 北川 隆司
出版者
Japan Association of Mineralogical Sciences
雑誌
日本鉱物学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.77, 2004 (Released:2005-03-10)

はじめに 露出している岩石表面にはしばしば地衣類の生育が観察される。地衣‐岩石接触面では地衣類による物理的・化学的変質作用が起こっており、一次鉱物の微小片や、粘土鉱物および鉄の酸化物・水酸化物などの二次生成鉱物が接触面に沿って保持されることが知られている(Banfield et al., 1999)。そしてこれらの生成物に地衣体の遺骸が加わることで、土壌前駆物質としてのはたらきを有することになり、こうした現象は初生的な土壌生成作用であるとみなすことが出来る(大羽・永塚,1988)。 近年の急速な都市化によって天然の岩石・土壌は様々な人工基物で覆われるようになり、それに伴い人工基物表面にも地衣類の生育が観察されるようになった。ただしその種類数、個体数は著しく貧弱である。代表的な人工基物であるアスファルトおよびコンクリートは、その主成分が破砕岩石片であるにもかかわらず、天然の岩石表面と比べて地衣類の生育が制限されている。人工基物と地衣類との間ではどのような作用が起こっているのか、地衣‐花崗岩接触面での現象と比較した結果を報告する。試料採取および実験方法 人工基物(アスファルトおよびコンクリート)表面に生育する地衣類のサンプルとして、固着地衣類Porpidiaを広島県東広島市の市街地から採取した。また、花崗岩表面に生育する地衣類のサンプルとして、同じく固着地衣類Porpidiaを広島県本郷町から採取した。 採取したそれぞれの試料の薄片試料を作成し、偏光顕微鏡観察とEPMAによる化学分析を実施した。結果 花崗岩‐地衣接触面では、花崗岩構成鉱物である黒雲母と地衣類との間で物理的破壊現象および化学的変質現象が認められた。しかし、他の構成鉱物である石英および長石類との接触面でははっきりとこれらの現象を確認できなかった。一方、人工基物‐地衣接触面では、構成鉱物と地衣類との間に明瞭な相互作用を見出すことができなかった。文献・ 大羽裕・永塚鎮男(1988)土壌生成分類学,122-126.・ Banfield et al. (1999) Biological impact on mineral dissolution. Pro. Natl. Acad. Sci., USA. 96, 3404-3411.
著者
北川 隆洋 風早 竜之介 谷口 無我 篠原 宏志 福岡管区気象台 大分地方気象台
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.113-123, 2022-03-31 (Released:2022-04-26)
参考文献数
21

Volcanic gas composition provides us a crucial clue to investigate magma plumbing and geothermal systems. Sensor-based instruments named Multi-GAS have been used for monitoring the volcanic gas compositions at volcanoes. A sensitivity of sensors changes with time caused by deterioration, masking volcanic signals especially during long-term monitoring. Frequent calibration of the sensors is desirable for precise monitoring; however, that is pragmatically not easy because a location of a targeted volcano is remote and rural in general. Sophisticated evaluation of the long-term changes in the sensor sensitivity has not been made yet. In this study, we examined the sensitivity change of the chemical sensors within the Multi-GAS during long-term observations by comparing with other methods such as gas detector tubes and gas sampling. The volcanic gas compositions were monitored using Multi-GAS at Kusatsu-Shirane volcano and Kuju volcano, Japan. Intermittent gas composition measurements using gas detector tubes and gas sampling were conducted at fumaroles around where the Multi-GAS stations are installed. Some disagreements of the CO2/H2S ratios are observed between those measured using the Multi-GAS from those measured using other methods. In such cases, large decreases of the H2S sensor sensitivity were found by the sensor calibration after the monitoring. We found a roughly linear behavior of the H2S sensor sensitivity changes with time based on a long-term sensor sensitivity monitoring in a laboratory and propose a simple linear sensitivity correction of the H2S sensors using the calibration results obtained before and after the monitoring. The corrected Multi-GAS results agree well with the results of other methods. Our results open up a possibility for extraction of volcanic signals from the long-term volcanic gas data streams monitored using the Multi-GAS that are masked by the changes in the sensitivity of the sensors.
著者
小林 誠 北川 隆夫 藤下 雅敏 吉本 静雄 久保西 一郎 新谷 憲治 田口 博国 三好 勇夫 園部 宏
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.72, no.10, pp.1384-1390, 1983
被引用文献数
2

Pneumocystis carinii(Pc)肺炎は専ら免疫不全状態にある患者に発症する.最近CMV感染あるいは麻薬の常用が,同性愛の男性の免疫不全の原因となる可能性が指摘されている.我々は異常な性習慣や麻薬歴のない健康成人女性に発症したPc肺炎の1例を報告する.症例は37才の女性で,主訴は労作時呼吸困難.両側性びまん性胸部陰影の精査のため入院した.患者は10年間縫製業に従事しており,入院5ヵ月前の胸部X線像は正常であつた.入院第10病日に高熱が出没するようになり,次第に低酸素血症と胸部陰影が増強したため,経気管支肺生検を施行した.メテナミン銀染色で肺胞腔内に充満するPcの虫体を認めたので, TMP-SMZの内服を開始した.投与後5日目に下熱し,その後8週間で胸部陰影は全く消失し, Po<sub>2</sub>も正常化した.入院後間もなく患者は腋窩部と下腹部を中心に疥癬に罹患していることが判明し,皮膚病変は成人ではまれとされる皮下トンネルの形成が著明であつた.血清学的にCMVに対する抗体は陰性で,末梢血リンパ球数, T細胞数, B細胞数, PHAとPWMに対するリンパ球幼若化反応,末梢血単球と好中球の貧食能,免疫globulin値はすべて正常であつたが, PPD皮内反応は陰性であつた.細胞性ならびに液性免疫能が正常でかつ基礎疾患のない婦人にPc肺炎が発症した理由は明らかでないが,トンネル形成が著明な疥癬が合併したことを考えると,本例に何らかの免疫不全が存在したことは否定できない.
著者
原田 一道 横田 欽一 相馬 光宏 北川 隆 北守 茂 柴田 好 梶 厳 水島 和雄 岡村 毅与志 並木 正義
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.23, no.7, pp.961-967_1, 1981-07-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
32

胃結核は稀な疾患であるが,われわれは最近の5年間に3例の胃結核を経験した. 第1例は46歳の男性で胃体上部後壁に不整形で,潰瘍底が凹凸不整の大きな潰瘍をみた.内視鏡直視下胃生検による組織像でラングハンス巨細胞と類上皮結節の所見を得,結核による潰瘍性病変と診断した. この病変にストレプトマイシン(SM100mg/ml)3~5mlの局注療法を行い,約3ヵ月後に潰瘍の疲痕をみた.第2例は67歳の男性で,胃前庭部にIIa+IIcの早期胃癌を,また胃体上部前壁に粘膜下腫瘍をみとめた.この腫瘍が術後の組織学的検討で結核性病変と診断し得た.第3例は66歳の女性で噴門直下に不整形の潰瘍性病変を伴う腫瘤があり,内視鏡直視下生検による組織学的所見から結核性病変と診断し,抗結核剤(PAS,KM,INAH)の投与と共にSMの局注療法を試みた.その結果約4ヵ月後に腫瘤はほぼ消失し,潰瘍性病変は瘢痕化した.胃結核が内科的治療で治癒した例は極めて稀で,抗結核剤の局注療法を試みたものは過去にないので報告する.
著者
Hwang Jin Yeon 北川 隆司 鈴木 盛久 林 武広 山崎 博史 地下 まゆみ 鳥居 赳志
出版者
日本粘土学会
雑誌
粘土科学 (ISSN:04706455)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.197-205, 2004-05-26
参考文献数
25
被引用文献数
2

Typhoon "Rusa" (No.0215) attacked the Republic of Korea from August 31 to September 1, 2002. Depended on this typhoon, the heavy rainfall was brought through the Korean Peninsula. In Particularly, 100mm of hourly precipitation and 870mm of one day precipitation were recorded on August 31 in Kangnung where is located in the north-east of Korea. The accumulated precipitation at Kangnung amounted to 898mm from August 30 to September 1. During heavy rainfall, many slope failures occurred. The one failured slope was investigated in this study to make clear the mechanism of slope failure with special attention to clay veins developed on it by means of X-ray diffraction, optical microscope, scanning electron microscope, transmission electron microscope and computer simulation.