著者
市川 裕介 田中 明通 川村 亨 中村 俊郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.30, pp.99-104, 2005-03-18
参考文献数
8
被引用文献数
1

我々は独自開発した自動レコメンド手法によるレコメンドエンジン"AwarenessNet"をオンラインショッピングサイトbk1に導入し、レコメンドサービスについての実証実験を行った。従来、レコメンドエンジンのアルゴリズムの有効性はシミュレーションによる予測精度の評価やサンプルユーザへのアンケート調査によって評価される。しかし、その評価結果から実際のオンラインショッピングサイトへ導入した際の導入効果を見極めることは困難である。本報告では、実運用サイトでのレコメンドシステムの実証実験を行うことにより、従来の評価手法では評価することができなかった、レコメンドエンジンのビジネス面での導入効果についてその事例を示す。We introduced the recommender system "AwarenessNet" by the automatic recommendation technique for developing originally into online shopping site bk1, and did the demonstration of the recommendation service. The effectiveness of the recommender system is evaluated by the evaluation of the predictive accuracy by the simulation and the questionnaire survey to the sample user so far. However, it is difficult to ascertain the introduction effect when introducing it from the evaluation result to an actual online shopping site. This research shows the case about the introduction effect on the business side of the recommender system where the recognition cannot have been done by doing the demonstration of the recommender system in the real operation site in a past evaluation technique.
著者
篠原 徹 市川 裕平 箕輪 勇紀 荻原 淳 嶋崎 剛志 油井 信明 古武 昌幸 田中 啓司 岡田 邦彦
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.64-68, 2019-02-28 (Released:2019-02-28)
参考文献数
10

患者は60代の男性。自宅にて強直間代性の痙攣と意識障害が出現し,佐久総合病院佐久医療センター(以下,当院)に救急搬送された。来院時検査で,肝胆道系酵素と血清アンモニア濃度の著明な上昇を認めた。また,プロトロンビン時間が40%以下に低下し,昏睡Ⅱ度の肝性脳症が認められたことから劇症肝炎と診断された。ステロイドパルス療法および血漿交換,持続的血液濾過透析により血液検査所見は改善した。一般用医薬品の竜胆瀉肝湯を服用していたことが第3病日に明らかとなり,劇症肝炎の原因である可能性が考えられた。 DDW-J 2004薬物性肝障害ワークショップのスコアリングにおいて竜胆瀉肝湯は6点となり,薬物性肝障害の「可能性が高い」に分類された。一般用医薬品としても使用されている竜胆瀉肝湯については,劇症肝炎の原因薬物となり得る可能性があることに留意する必要があると考えられた。
著者
市川 裕介 小林 透
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.1195-1203, 2011-03-15

我々は,レコメンデーションなどでの利用を目的としたサイコグラフィック属性として,ユーザの多様性受容度をユーザ個々のWebアクセス履歴のべき乗則を利用して推定する手法の提案を行った.実履歴を用いた検証の結果,ユーザ個々のサイトアクセス傾向がべき乗分布を示すこと,べき指数が観測期間によらずユーザ固有の特性値であること,べき指数がユーザの多様性受容度に相関があることから,提案手法が有効であることを示した.
著者
亀岡 嵩幸 宮上 昌大 浅井 晴貴 高木 省吾 荒生 太一 市川 裕駿 日下 雅博 大下 雅昭
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.70-73, 2018-09-06

失禁体験装置はバルーンによる下腹部への圧迫、お湯を流すことによる内股への温感の提示により尿失禁感覚を提示する。また、首筋への冷却ファンによる冷感、振動子による振動の提示を行うことで排尿時の悪寒を再現し、より尿失禁感を感じさせることができる。尿失禁は誰しもが経験し得る体験であり、感覚の再現は一定の需要があると考えられる。本稿においては失禁体験装置の構成と展示の様子について述べる。
著者
池澤 優 近藤 光博 藤原 聖子 島薗 進 市川 裕 矢野 秀武 川瀬 貴也 高橋 原 塩尻 和子 大久保 教宏 鈴木 健郎 鶴岡 賀雄 久保田 浩 林 淳 伊達 聖伸 奥山 倫明 江川 純一 星野 靖二 住家 正芳 井上 まどか 冨澤 かな
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、欧米において成立した近代的宗教概念とそれに基づく宗教研究が、世界各地、特に非欧米社会においてそのまま受容されたのか、それとも各地域独自の宗教伝統に基づく宗教概念と宗教研究が存在しているのかをサーヴェイし、従来宗教学の名で呼ばれてきた普遍的視座とは異なる形態の知が可能であるかどうかを考察した。対象国・地域は日本、中国、韓国、インド、東南アジア、中東イスラーム圏、イスラエル、北米、中南米、ヨーロッパである。
著者
市川 裕 佐藤 研 桑原 久男 細田 あや子 高井 啓介 月本 昭男 高橋 英海 菊地 達也 長谷川 修一 葛西 康徳 江添 誠 牧野 久実 小堀 馨子 鎌田 繁 中西 恭子 土居 由美 嶋田 英晴 志田 雅宏 櫻井 丈 小野 塚拓造 山野 貴彦 アヴィアム モルデハイ
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

ユダヤ教の歴史を調べていくと、のちに出現する二つの一神教、キリスト教とイスラーム、を生み出す基盤になっていることがわかる。宗教学の歴史は信仰を基盤とする西欧のキリスト教を宗教の一般モデルとしたため、このモデルから外れる諸要素は関心から外れた。しかし、イスラームとラビ・ユダヤ教はそれぞれ、シャリーアとハラハーを特徴とする啓示法の宗教であり、預言者に啓示された神の意志は、日常生活の行動様式を詳細に規定している。これら一神教の二つの異なる類型がともに古代ユダヤ社会に起源を有することを示して、一神教の歴史全体を動態的に理解する道筋を示すことは、人類の宗教史を考察する上で文明史的意義を持つものである。
著者
市川 裕 佐藤 研 桑原 久男 細田 あや子 上村 静 高井 啓介 月本 昭男 土居 由美 勝又 悦子 長谷川 修一 葛西 康徳 江添 誠 牧野 久実 高久 恭子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2017-04-01

今年度の主たる実績は、以下の三つに分けられる。第1に、2017年8月に、イスラエルのテル・レヘシュ遺跡で、シナゴーグの全容を解明する発掘調査を実施した。これによって、本シナゴーグは、モーセ五書の巻物を置く台座と思われた石は、天井を支える支柱の礎石であることが判明し、全体は簡素な矩形の部屋に過ぎないことが明らかとなった。ここから、シナゴーグの用途を、安息日のトーラー朗読にのみ限定して考える必要がないものと想定された。第2に、出土した西暦1世紀のシナゴーグの発見がもたらす意義に関して、同時代的、宗教史的、比較宗教学的視点から、研究成果を持ち寄って、公開シンポジウムを実施した。シンポジウムの全体テーマは、「イスラエル新出土シナゴーグから 一神教の宗教史を見直す」である。( 2018年3月2日(金) 13時-18時 東京大学本郷キャンパス 法文1号館 113教室。)第3に、シナゴーグがユダヤ社会において果たした役割の変遷を、古代から中世にかけて考察するシンポジウムを実施した。シンポジウムの全体テーマは「ユダヤ共同体とその指導者たち -古代から中世へ-」である。(2018年1月21日(日)13:00-18:00 東京大学本郷キャンパス法文1号館113教室。)カイロで発見されたゲニザ文書から推定される、中世旧カイロ市(フスタート)のシナゴーグと共同体の関係について、イスラエル人の専門家の知見を得られたことは、歴史的変遷を明らかにするうえで非常に有益であった。
著者
市川 裕
出版者
東京大学文学部宗教学研究室
雑誌
東京大学宗教学年報 (ISSN:02896400)
巻号頁・発行日
vol.30, no.特別号, pp.89-101, 2013-03

2010~2012年度文部科学省科学研究費補助金基盤研究 (B) 「宗教概念ならびに宗教研究の普遍性と地域性の相関・相克に関する総合的研究」 (研究代表者 : 池澤優) 課題番号 : 22320016 報告書
著者
市川 裕
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.293-317, 2011-09-30

本論文は、ユダヤ教共同体が一五〇〇年間、社会的にパーリアの状態にあった共同体の内部において形成したユダヤ法の精神文化の意義を考察する。古代ユダヤ社会は、西暦一世紀から二世紀にかけて、ローマ帝国からの独立を目指して二度の大戦争を交え、神殿の崩壊、社会の壊滅、エルサレムからの追放といった一連の苦難を受けた。そののち彼らは、政治的自立と独立の夢を放棄し、唯一神の教えの徹底的な学習と実践を自らの生きる道と定めることを決断した。そこから導かれるタルムードの学問は、神への愛に基づいて、徹底した討論によって理性的に相手を説得する方法であった。それは、ユダヤ賢者が預言者の伝統である偶像崇拝との闘いを継承したことによって達成された。その具体例をタルムードにおけるラビたちの思惟方法と討論における論証法の中から抽出したい。ここでいう偶像崇拝とは、社会的権威への盲従や、先入見に無批判な知的怠慢に対する批判的態度であって、ラビたちが新たな形式での偶像崇拝批判を宗教的人格形成の根幹にすえたのである。
著者
市川 裕
出版者
京都ユダヤ思想学会
雑誌
京都ユダヤ思想 (ISSN:21862273)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.S33-S52, 2015-03-31 (Released:2022-11-03)

This paper concerns the historical realities of the Talmudic sages reflected in their midrashic interpretation on the meaning of the Biblical passages in the tractate Shabbat 88 a-b of the Babylonian Talmud. Summarizing the characteristics of the Talmudic discussions in four points following the approaches of E. Levinas, we assume that the sages were deeply concerned with the question whether the Torah was given forcefully by God or was accepted with the total commitment by the Israelites. This question, regarded as the difficult freedom by Levinas, was derived from the two Biblical passages opposing to each other in the Book of Exodus. It was seriously considered by two groups of the sages, firstly by R. Yohanan and the second generation of Palestinian Amoraim and then by Rava and the fourth generation of Babylonian Amoraim. It is highly probable that the attribute of total devotion of Moses was in reality recovered in Rava's commitment to the Torah and that the exegetical response of Rava was substantiated by his existential concern.
著者
市川 裕介 林 阿希子 美原 義行 清水 健太郎 手塚 博久
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:21888744)
巻号頁・発行日
vol.2019-GN-106, no.31, pp.1-6, 2019-01-17

訪日外国人の増加に伴い,空港,駅,など公共施設の混雑機会も増えている.混雑状態は施設の安全性,快適性を損なうことから,施設利用者を誘導し,動きを制御することで,混雑を緩和するシステムの導入が重要となる.我々は,刻々と変化する施設内の混雑状況を計測し,空いているルートを動的に案内する動的案内サインシステムを構築し,実際に羽田空港国際線旅客ターミナルにおいて評価した.本稿では,混雑度の表示による誘導効果計測の結果について報告する.
著者
市川 裕介 林 阿希子 美原 義行 清水 健太郎 峰野 博史
雑誌
情報処理学会論文誌コンシューマ・デバイス&システム(CDS) (ISSN:21865728)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.50-57, 2020-02-26

訪日外国人の増加にともない,空港,駅,等公共施設の混雑機会も増えている.混雑状態は施設の安全性,快適性を損なうことから,施設利用者を誘導し,動きを制御することで,混雑を緩和するシステムの導入が重要となる.我々は,刻々と変化する施設内の混雑状況を計測し,空いているルートを動的に案内する動的案内サインシステムを構築し,実際に羽田空港国際線旅客ターミナルにおいて評価した.本稿では,混雑度の表示による誘導効果計測の結果について報告する.