著者
乳原 彩香 石川 信一
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.1-14, 2020-01-31 (Released:2020-10-23)
参考文献数
30

不眠症状に対する認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy for Insomnia: CBT-I)は、その有効性が確認されているものの、改善メカニズムは明らかではない。本稿では、不眠症状の改善に寄与する認知行動的要因を取り上げ、その研究動向の整理と今後の展望を行うことを目的とした。国内外の複数のデータベースにて、英語と日本語にて「insomnia」「CBT-I」「mechanism」「mediator」にあたる検索語を用いて検索を行い、6編の研究を採択した。そのうち4編の研究が媒介分析を実施していた。その結果、睡眠に関する非機能的信念、安全確保行動、入床時間の変動性、身体的・認知的過覚醒がInsomnia Severity Indexによって測定される不眠症状の改善に媒介することが示された。最後に、現在までの研究動向を踏まえ、不眠症状の改善に媒介する認知行動的要因に関する研究展望が論じられた。
著者
小野原 彩香 谷岡 健資 土山 玄 大森 崇 オノハラ アヤカ タニオカ ケンスケ ツチヤマ ゲン オオモリ タカシ Onohara Ayaka Tanioka Kensuke Tsuchiyama Gen Omori Takashi
出版者
同志社大学文化情報学会
雑誌
文化情報学 (ISSN:18808603)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.1-11, 2013-03

研究論文本報告では、統計教育大学間連携ネットワーク連携校6校で行われている統計関連科目のシラバスを分析し、文化情報学部における統計教育の時間数の多さと内容の多様性が明らかとなった。また、文化情報学部にて開講されているデータサイエンス科目を受講する学生に対し、授業評価アンケートを行った結果、グループ活動の重要さと理系・文系出身者での授業に対する印象の違いが明らかとなり、今後の授業作りに示唆を与える結果となった。In this research, we analyzed syllabuses of subjects about statistics which had been taught in six universities which belong to the organization about statistics education. In result from analyses, it was revealed that Faculty of Culture and Information Science has most statistics classes and various contents in six universities. On the other hand, we surveyed assessments of data science's classes by their students, and we got suggestions about the direction of class through facts that is importance of group work and the difference of idea between the arts students and sciences students.
著者
小野原 彩香
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2012-CH-94, no.4, pp.1-6, 2012-05-19

本研究では,揖斐川上流域における基礎語彙の調査結果を元に系統推定を行い,徳山村の村落が他の集落と系統上で隔絶されることが確認できた.また,ランダムフォレストを用いて,集落ごとの特徴語彙を抽出した.
著者
岩崎 亘典 小野原 彩香 安達 はるか 野村 英樹
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2023年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.133, 2023 (Released:2023-04-06)

2022年度より高等学校で必修となった地理総合では,地理情報システムの活用が一つの柱であり,教科書では地理院地図やひなたGIS等が紹介されているが。しかしこれらのツールでは,投影法や統計情報活用にあたり,独自データを用いた実習が困難である。また,新型コロナ感染マップや人流マップのように,データサイエンスでの地理学の重要性も高まっている。本発表では,地理総合でのGIS利用促進と地理分野でのデータサイエンス活用のための,Pythonを使用した地理学習コンテンツについて報告する。 実習のための環境は,ブラウザ上でPythonのプログラムの入力,実行が可能なGoogle Colaboratory(以下,Colab)を用いた。学習コンテンツの内容は,地理総合の教科書を参考とし,以下のリストの内容を予定している。 ・Pythonを用いた地図作成および投影法 ・APIを用いた統計情報の取得と得階級区分図の作成 ・気象メッシュとグラフの重ね合わせ地図・防災のための地形図の3D表示作成したコンテンツは,CQ出版社が発刊するインターフェイス誌上で連載記事として公表している。2022年3月までに3回目の記事までが公表される予定である。 紙媒体で発行する特性を活かし,コードや作成した地図に解説を加え,理解しやすいように努めた。コードを変更することで図法の違い等を実習できることがPythonの利点である。また,コードで地図を扱うため再現性を高い点が,データサイエンス的視点から有効である。本コンテンツは,学校教育に活用してもらいたい観点から,教員は電子版を無償入手可能である。ご興味のある方は,お問い合わせ頂きたい。
著者
UBARA Ayaka SUMI Yukiyoshi ITO Kazuki MATSUDA Arichika MATSUO Masahiro MIYAMOTO Towa KADOTANI Hiroshi 乳原 彩香 角 幸頼 伊藤 一樹 松田 有史 松尾 雅博 宮本 都和 角谷 寛
出版者
MDPI AG
雑誌
International Journal of Environmental Research and Public Health
巻号頁・発行日
vol.17, no.23, pp.8971, 2020-12-02
被引用文献数
11

We aimed to analyze (a) the changes in depression, sleepiness, insomnia, and sleep habits in relation to the degree of self-isolation and (b) the effects of changes in sleep habits and social interactions on depression, insomnia, and sleepiness during the coronavirus disease 2019 (COVID-19) pandemic. We enrolled 164 patients who visited the sleep outpatient clinic in Shiga University of Medical Science Hospital. We compared the sleep habits, depression (Patient Health Questionnaire-9: PHQ-9), insomnia (Athens Insomnia Scale: AIS), and sleepiness (Epworth Sleepiness Scale: ESS) of patients during the period from April to July 2019 vs. May 2020 (a period of self-isolation due to COVID-19). A Wilcoxon signed-rank test indicated no significant differences in PHQ-9, ESS, and AIS scores between 2019 and 2020 within both the strong self-isolation group and no/little self-isolation group. With respect to sleep habits, earlier bedtime (p = 0.006) and increased sleep duration (p = 0.014) were found in the strong self-isolation group. The former (p = 0.009) was also found in the no/little self-isolation group, but we found significant differences in sleep duration between the no/little self-isolation group and the strong self-isolation group (p = 0.047). Therefore, self-isolation due to COVID-19 had relatively small one-year effects on depression, sleepiness, and insomnia in a clinical population.
著者
川上 優太 原 彩香 川瀬 遵 黒崎 守人 角森 ヨシエ 林 芙海 村上 佳子
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.160-165, 2016-09-30 (Released:2017-01-20)
参考文献数
17

2010年に発生したサルモネラO4群による集団食中毒2事例の患者および元施設従事者由来株について,詳細な解析をしたところ,STのmonophasic variantであるSalmonella serovar 4,[5],12 : i : – であることが判明した.2事例の疫学調査からウズラ卵が原因食品と推定されたため,県内に流通するウズラ卵のサルモネラによる汚染実態を調査した.その結果,ウズラ卵からSalmonella serovar 4,[5],12 : i : – は分離されなかったが,ウズラ卵のサルモネラによる汚染が確認されたことから,ウズラ卵の取扱いは注意する必要がある.
著者
相原 彩⾹ ⾕村 厚⼦
出版者
日本保健科学学会
雑誌
日本保健科学学会誌 (ISSN:18800211)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.24, 2018

【⽬的】回復期病院に⼊院中の脳卒中患者を対象に⾯接を実施し,退院後⽣活に関する認識の要因を検討した1 事例を取り上げ報告する.【⽅法】回復期病院に⼊院し,⾃宅退院予定の50 歳代男性の初発脳卒中患者に対し,退院後⽣活の認識について半構造化⾯接を3 回実施した.データ分析には複線経路等⾄性モデル(Trajectory Equifinality model:以下TEM)を⽤い、退院後⽣活の認識を等⾄点として描いた.得られたデータを試作的なTEM 図として描き可視化し,2 回⽬以降の⾯接で対象者に呈⽰した.筆頭筆者の解釈に誤りがないか,不明確な内容や疑問点を対象者と確認・修正することでデータの信頼性を担保し,TEM 図を完成させた.【結果】対象者の語りから,Ⅰ期「社会と距離を置く」Ⅱ期「⼀度は改善を実感するが復職への不安が募る」Ⅲ期「外泊により退院後⽣活のイメージが具体的に湧く」Ⅳ期「障害を受け⼊れ付き合っていく」のⅠ〜Ⅳに区分されたTEM図が描けた.【考察】脳卒中患者の退院後⽣活の認識に関わる要因をTEM図で描くことで,⼼⾝機能の回復だけを⽬的とした⽀援を提案するのではなく,その⼈の社会との関わりや思いの変化の時期を理解し捉えた上で⽀援を提供する重要性,さらにその⼈が経験する出来事の気持ちの変化や受け⽌め⽅を捉え働きかけることが,退院後⽣活の認識を促進し,障害と向き合うことに繋がると考えられた.
著者
松原 彩香 池添 冬芽
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.823-827, 2013 (Released:2014-01-21)
参考文献数
20
被引用文献数
1 2

〔目的〕本研究は若年女性を対象に骨盤底筋トレーニングおよび腹横筋トレーニングを実施し,骨盤底筋・腹横筋機能におよぼす影響を明らかにすることを目的とした.〔対象〕健常若年女性31名を対象とした.〔方法〕対象者を骨盤底筋トレーニング群,腹横筋トレーニング群,コントロール群に分類した.超音波診断装置を用いて骨盤底筋機能および腹横筋機能を測定した.〔結果〕背臥位での骨盤底挙上量の変化量はコントロール群と比較して骨盤底筋トレーニング群および腹横筋トレーニング群において有意に大きい値を示したが,両群間には有意差がみられなかった.〔結語〕骨盤底筋トレーニングと腹横筋トレーニングはいずれも骨盤底筋機能を向上させる効果があり,両トレーニング法に効果の違いはみられないことが示唆された.
著者
小野原 彩香
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は言語変化の微細な動態を明らかにするために、地域性、社会構造の異なる複数の小規模な地域を対象として、言語形式と言語外的要因との関係を定量的に明らかにし、言語動態を把握することを目的としている。以上の目的を達成するために最終年度(2016年4月1日~2016年9月30日)には、次のような調査・研究を行った。前年度に、はびろネット(滋賀県米原市柏原の市民グループ)と共同で行った米原市及び岐阜県関ヶ原町の語彙と文法に関するアンケート調査では行わなかったアクセント調査を行った。これは、当初予定していた通り、網羅的にデータを収集し、各側面の変化や伝播の違いを明らかにするためである。この調査では、昨年度行ったアンケート調査の地域と同一地域において、調査を行い、現在も継続中である。被調査者も前回のアンケート調査で対象とした祖父母世代、親世代、中学生世代の各世代を対象とし、調査内容は、名詞、形容詞、動詞、付属語アクセントである。また、前述の米原市及び岐阜県関ヶ原町の語彙と文法に関するアンケート調査のデータを用いて、言語変化と変化の要因についての定量的な分析を行った。このアンケート調査では、中学生、親世代、祖父母世代の3世代の言語使用状況について調査を行ったが、そのうち、祖父母世代から中学生世代への各質問項目の使用率の増減を言語変化率として利用した。この言語変化率と関連する要素として、先行研究で取り扱われてきた人口に関する要素、面積、年齢構成(高齢化率、15歳未満率)と、新たに土地の利用割合を選択し、言語変化率を目的変数、各言語外的要因を説明変数として、一般化線形混合モデルへの当てはめを行った。
著者
小野原 彩香
雑誌
じんもんこん2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.8, pp.219-224, 2011-12-03

言語現象とは,ポイントデータであり,仮にポイント同士の情報に相関が見られたとしても,それは偶然による一致であるのか,何らかのコミュニケーションの成立による一致なのかを知ることは困難である.そこで,本研究では,ポイントデータ同士をつなぐエッジの情報を言語外現実[1]である交通状況のデータに求めるとともに,ネットワーク分析を用いて両者の定量的な関係性を探った.
著者
岩崎 亘典 藤田 直子 SPRAGUE David 寺元 郁博 山口 欧志 小野原 彩香
出版者
国立研究開発法人 農業環境技術研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、明治時代初期に作成された迅速測図を元に、高解像度・高位置精度のラスタデータを作成するとともに、このデータを元に100mグリッドでの明治時代初期土地利用データベースを構築、公開した。次に、視図,断面図などの図郭外図についてデジタル化と位置の特定を行い、KML形式とCesiumを使ったWebページで公開した。視図が描かれた地点のうち、27地点において高解像度パノラマ写真を撮影し、現在の景観と比較が可能なデータベースを構築、公開した。さらに、国土数値情報との比較により過去130年間の土地地利用・被覆変化を類型化した。これらのコンテンツはライセンスは、CC BY 4.0 国際とした。