著者
菅原 正則 松田 圭大 木幡 行宏 畑山 良二 川端 伸一郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E1(舗装工学) (ISSN:21856559)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.I_274-I_282, 2023 (Released:2023-02-22)
参考文献数
17

ガラス発泡軽量材は廃ガラスを原料とするリサイクル軽量材である.寒冷地においてガラス発泡軽量材を地盤材料として使用する際は,凍上性や凍結融解抵抗性の確認が必要であるが,それらを検討した事例は非常に少ない.本研究は,ガラス発泡軽量材に対して凍上試験や熱伝導解析を行い寒冷地での適用性を検討したものである.軽量材は,非凍上性材料であり,凍結融解後のCBR値の低下もみられない良質な材料であった.また,粒子内に多くの間隙が存在することが確認され,その効果により一般的な砕石と比較して優位な熱的性質であることを示した.さらに,車道舗装の凍上抑制層や路盤に軽量材を用いたモデルを作成し,凍結深さの抑制効果を熱伝導解析によって明らかにした.
著者
馬嶋 健一郎 藤原 正則 和田 亮一 村木 洋介 光島 徹
出版者
一般社団法人 日本消化器がん検診学会
雑誌
日本消化器がん検診学会雑誌 (ISSN:18807666)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.120-129, 2018 (Released:2018-03-17)
参考文献数
32

便潜血検査(fecal occult blood test:FOBT)陽性者に施行した大腸CT検査の診断精度を全大腸内視鏡検査を標準として検証した。当施設の任意型検診において, FOBT陽性者に対し同日に大腸CT検査と全大腸内視鏡検査を施行した120名を対象とした。前処置法は3%となるようにガストログラフイン®を混合したニフレック®液を使用した。大腸CT検査における患者ごとの感度, 特異度は, 6mm以上の病変で感度85.7%(30/35), 特異度95.3%(81/85), 10mm以上の病変で感度100%(17/17), 特異度98.1%(101/103)であった。FOBT陽性者に対する精密検査として大腸CT検査の精度は良好であり, 精検法となり得ると考えられる。
著者
藤川 光利 吉野 博 高木 理恵 奥山 博康 林 基哉 菅原 正則
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.75, no.652, pp.499-508, 2010-06-30 (Released:2010-08-26)
参考文献数
19
被引用文献数
4 5

The aim of this study is to develop the measurement method of multi-zonal airflow rates via human expiration (CO2). The adopted method measures multi-zonal airflow rates based on system identification theory. Also, it is a simple and cost effective method that is suitable to apply in domestic places. In addition, the method will only have minimal interference in the daily life of the residents concerned. As a step toward the practical use of this measurement method, several experimental studies were carried out in a full-scale test house and an existing house in order to investigate the accuracy.
著者
茂木 智洋 永田 浩一 藤原 正則 村岡 勝美 飯田 直央 那須 智子 増田 典子 小倉 直子 島本 武嗣 光島 徹
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.22-28, 2013 (Released:2013-09-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1

目的:大腸3D-CTを異なる一定線量あるいは自動露出機構で撮影し,適正撮影条件を被ばく線量と画質から比較検討した.方法:任意型検診として大腸3D-CTを受診した836名を対象とした.64列CTの撮影条件を一定線量のA群:50mAs,B群:75mAs,C群:100mAs,そして自動露出機構のD群:Volume EC,SD20の4群とし,各群の平均被ばく線量を算出した.各群をさらにBMI(20未満,20以上25未満,25以上30未満,30以上)別に分けて平均被ばく線量と線量不足による画質劣化の有無を評価した.結果:各群の平均被ばく線量はA群で10.7mSv,B群で16.0mSv,C群で20.7mSv,D群で5.4mSvとなり,撮影線量を一定線量としたA~C群よりも自動露出機構のD群で平均被ばく線量が低かった.A~C群の各群では,BMIが高くなるにつれ撮影範囲が長くなることにより平均被ばく線量が高くなる傾向にあった.D群ではさらに体厚に合わせて線量が自動調整されるためBMIの違いによる変化が大きくなった.線量不足による画質劣化のために読影不能となる症例は全群で認めなかった.結論:自動露出機構群は一定線量群と比べると,読影に支障を来すことなく個人に適した線量が自動調整されることにより,平均被ばく線量を抑えることができた.適切な自動露出機構を設定し撮影することは臨床上有用であると考えられた.
著者
菅原 正則 梅干野 晁 佐藤 絵里 作間 秀樹
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.62, no.499, pp.43-48, 1997
参考文献数
8
被引用文献数
8 4

We proposed a "Breathing Wall," a climate-conscious architectural member with multi-airlayered body constructed of aluminum foil sheets having many fine circular perforating holes installed in the wood panel, in order to be used in a passive ventilation system designed for a temperate and humid climate region. One-dimensional numerical simulation model of the horizontally situated "Breathing Wall" was constructed considering simultaneous transfer of heat, air, and moisture, based on available/obtained data. The numerical simulation, obtaining the result fitting our experimental data, was found to reproduce characteristic phenomena in a steady state inside the "Breathing Wall."
著者
松岡 久和 木南 敦 潮見 佳男 藤原 正則 平田 健治 川角 由和 中田 邦博 森山 浩江 多治川 卓郎 油納 健一 渡邊 力 山岡 真治 廣峰 正子 吉永 一行 瀧久 範 村田 大樹
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

各人がおびただしい数の関連業績を研究成果として挙げ、それを基礎に共同研究として、民商法雑誌に2度の特集を組んだほか、ヨーロッパにおける不当利得法の比較の概観につき飜訳を発表した。こうした比較法の動向の研究をふまえ、日本私法学会第75回大会において、シンポジウム『不当利得法の現状と展望』において、成果を学会に問う形でまとめた。
著者
原 正則 柳原 俊雄 高田 恒郎 山本 格 川崎 克俊 木原 達
出版者
The Japanese Society for Pediatric Nephrology
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌 (ISSN:09152245)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.71-77, 1996
被引用文献数
1 2

糸球体上皮細胞 (GEC) は非常に機能分化した細胞であるためにCytokinesisを伴う細胞増殖を起こしにくいとされている。また糸球体硬化につながる管外性病変の形成に重要な役割を演じていると考えられている。これらのことより我々は"尿中に剥離脱落したGECを算定すれば管外性病変や硬化性病変の進行を予測できる"という仮説を設定した。本研究ではこの仮説の妥当性を実験的半月体形成腎炎および小児期IgA腎症で検討した。ラットの腎不全に陥るような100%半月体形成腎炎では多数のGECが尿中に出現していた。経過中の全GEC数を算定すると60万個にもなり,これはラットの糸球体の総GEC数1,000万個の約6%に相当した。小児期IgA腎症患児では種々の程度に尿中にGECが出現していた。このうち2症例で経時的腎生検施行期間中の尿中GEC数を算定した。症例1では1,350万個のGECが脱落し,これは人の糸球体の総GEC数6億の約2%に相当した。さらにこの症例では管外性病変が進行しており,尿中GEC数より病変の進行を予測できた。一方,管外性病変の見られなかった症例2は尿中剥離数も少数であった。以上,小児期IgA腎症例,実験腎炎における尿中に剥離脱落したGECを算定し,管外性病変形成および進行についての我々の仮説の妥当性を検討した結果,経時的に尿中剥離GEC数を算定すれば糸球体硬化を予知できる可能性があるという結論に達した。