著者
原 祐輔 赤松 隆
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.I_611-I_620, 2014 (Released:2015-05-18)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

本研究はNetwork GEVモデルを用いた確率的利用者均衡配分(SUE)モデルを提案する.Logit型SUEは重複経路の選択肢間相関によって,経路負荷が不自然となる問題が存在する.経路相関を扱う既存の経路選択モデルは経路列挙を必要とし,大規模ネットワークへの適用が困難であった.本研究は道路ネットワーク構造を直接的に用いて経路間の相関構造を表現するNetwork GEVモデルを提案し,終点別リンク交通量を用いたリンク・ノード表現によるNetwork GEV型SUEの等価最適化問題を定式化する.この表現はノードごとに分解した推移確率であるため,マルコフ連鎖配分やDialのアルゴリズムをNetwork GEVモデルに容易に拡張可能である.最後に,Logit型SUEとNetwork GEV型SUEを数値計算により比較し,IIA特性が緩和可能であることを示す.
著者
原 祐輔
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.315-334, 2013-06-14 (Released:2013-09-14)
参考文献数
15
被引用文献数
1 3

本論文では東日本大震災発生時に首都圏で引き起こされた帰宅困難者問題の発生要因や通勤者の帰宅意思決定行動に対して,Twitter における各ユーザーの発言内容をもとにその要因を明らかにする.まず,発言データから行動データを抽出することを目的として,Twitter の発言内容から,各ユーザーの帰宅行動をサポートベクターマシンを用いて識別する.次に,ジオタグデータを用いて職場・自宅間距離等を作成するとともに,ツイートデータを用いて外的要因や心理的説明要因を作成する.当日の帰宅意思決定行動をこれらの要因を用いて離散選択モデルによりモデル化する.このモデル化によるシナリオシミュレーションを行った結果,避難所施設・一時滞在場所の有無が待機・宿泊行動を促進すること,地震発生後の家族間の安否確認の可否が徒歩帰宅行動に影響を与える可能性が示された.以上より,今後の災害時における帰宅困難者問題への対策を考察する.
著者
塚井 誠人 原 祐輔 山口 敬太 大西 正光
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.I_349-I_358, 2018 (Released:2019-01-10)
参考文献数
10

2016年に50周年を迎えた土木計画学研究委員会では,これまでの歩みの検証と,今後の展望を議論するための幹事団が設けられた.そのミッションは,2016年春大会から開催された4回のイベントを通じて,今後の土木計画学研究委員会について,議論を深めることであった.本稿では,土木計画学の研究トピックスの変遷の分析(第54回研究発表会,長崎大学で報告)を,この間の幹事団の議論とともに記録することを目的とする.1985年~2015年までの約30年間の土木計画学研究・論文集に基づくデータベースにトピックモデルを適用して,研究トピックスを定量的に抽出した.その結果,基礎研究を終えた多くの研究テーマが,社会で活用されながらも,新たな課題とともに再び学術的な研究テーマとなるサイクルの一端が窺えた.
著者
小原 祐輔
出版者
九州工業大学
巻号頁・発行日
2017

九州工業大学博士学位論文(要旨)学位記番号:情工博甲第321号 学位授与年月日:平成29年3月24日
著者
川崎 洋輔 原 祐輔 桑原 雅夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.I_949-I_959, 2017 (Released:2017-12-27)
参考文献数
16
被引用文献数
1

本研究では,状態空間モデルによる経路選択を考慮した二次元ネットワークの交通状態推定手法を提案する.交通管制においては,二次元ネットワーク全体の交通状態をモニタリングすることが重要である.二次元ネットワークでは,利用者の経路選択行動により渋滞状況が変化する.そこで,本研究では,経路選択モデルを内包したCTMをベースに,観測密度,観測分岐台数を用いた2種類の状態空間モデルを構築した.モデル検証の結果,観測分岐台数は,モデルの経路選択改善に寄与すること,観測密度で交通状態を更新する方が観測分岐台数を用いるよりも渋滞推定精度がよいことがわかった.
著者
稲田 脩二 梶原 祐輔 島川 博光
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.135, no.9, pp.1149-1150, 2015-09-01 (Released:2015-09-01)
参考文献数
3

The evaluation of past processes of production from farming records enables job-changing middle or advanced farmer to work more effectively. The paper proposes a method to discriminate farm works from viewpoint videos, reducing the load of farmers. In this method, farmers wear a camera embedded in a glasses to acquire viewpoint videos during their farm works. To confirm the effectiveness of the method, it is applied to the discrimination of watering, plowing, adding fertilizer, disbudding, and seeding. As a result, the method has discriminated watering and plowing with high accuracy using routing information of farm works. In addition, this paper has discussed important factor for farm-works discrimination and the problem of viewpoint video.
著者
植村 喜弘 梶原 祐輔 島川 博光
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.2358-2369, 2015-12-15

近年,おもてなしの提供が求められている.おもてなしの提供には,ユーザの状態やパーソナリティを把握する必要がある.本論文では,おもてなしの提供のために,Radio Frequency Identifier(RFID)技術で取得される足取りの特徴から,ユーザの状態やパーソナリティを推定する手法を提案する.15名の被験者における6種のユーザ状態での歩行データを取得した実験で,パーソナリティごとの足取りの特性を本手法で識別できることが分かった.パーソナリティが現れたクラスタごとに機械学習することで,クラスタリングしない場合と比較し,ユーザ状態を把握する精度が4.3%向上した.本論文では,識別結果および足取りの解析から,パーソナリティを考慮することによる精度向上に影響を与える成分について議論する.
著者
長 秀雄 竹本 幹男 西野 秀郎 塚原 祐輔 佐藤 倬暢 佐藤 治道 中野 禅 山中 一司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波
巻号頁・発行日
vol.96, no.28, pp.41-47, 1996-04-26

レーザー干渉縞の位相速度走査法により励起した弾性表面波を用いて多孔質シリコン層の位相速度分散を30-90 MHz範囲で、また異方性を非破壊・非接触で測定した。音速測定誤差は1%以下と良好であった。位相速度は空孔率の増加とともに低下し、単結晶シリコンの1/2-1/3と極めて低かった。また、音速の伝播方向依存性を測定したところ90度の周期の異方性が測定され、周波数の上昇とともに最大・最小の音速差は小さくなり、空孔率0.500場合60MHzでは約30m/s程度であった。さらに、逆問題解析によって3個の弾性定数(C_<11>,C_<12>,C_<44>)と膜厚を独立した4つの未知数として推定した。その結果,空孔率の大きい多孔質シリコンはほぼ等方性であり、非晶質的であると思われる。
著者
佐藤 夏雄 山岸 久雄 宮岡 宏 門倉 昭 岡田 雅樹 小野 高幸 細川 敬祐 江尻 全機 田口 真 岡野 章一 元場 哲郎 田口 真 海老原 祐輔 利根川 豊 岡野 章一
出版者
国立極地研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

オーロラは南北両半球の極域で起こっているが、その形が似ている場合や全く異なる場合がある。南極昭和基地と北極域アイスランドは1 本の磁力線で結ばれた共役点ペアの位置関係にある。この利点を最大限活用してのオーロラの形状や動きを同時観測し、南北半球間の対称性・非対称性の特性を研究してきた。特に、爆発的オーロラ現象のオーロラ・ブレイクアップとその回復期に出現する点滅型の脈動オーロラに注目して観測研究を行なった。交付額
著者
中川 道夫 海老原 祐輔 江尻 全機 福田 真実 平田 憲司 門倉 昭 籠谷 正則 松坂 幸彦 村上 浩之 中村 智一 中村 康範 並木 道義 小野 孝 斎藤 芳隆 佐藤 夏雄 鈴木 裕武 友淵 義人 綱脇 恵章 内田 正美 山上 隆正 山岸 久雄 山本 幹生 山内 誠
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.75-90, 2009-02

オーロラX線イベントの2 次元イメージを得ることと,30keV から778keV の領域でエネルギースペクトルを得ることを目的として,大気球を編隊飛行させ観測を行うバルーンクラスター計画の下に,2003 年1 月13 日にPPB8 号機とPPB10 号機の2機が南極の昭和基地より放球された.両機は大気深さ9-12 g / cm^2を保ち,磁気緯度55°.5-66°.4 の範囲を飛翔し南極大陸を半周した.両機はフライト中に多くのオーロラX線イベントを観測した.特に,1月22 日から1 月25 日には,数例のイベントが両機で同じ時間帯に観測されている.2003 年1 月23 日には,始めに10 号機,218sec. の間隔をあけて8 号機でイベントが観測された.このとき8 号機は10 号機の西650km に位置していた.このことはオーロラX線源が速さ約3.0km / sec.で西に向かって移動していたことを示唆している.本論文では同じ時間帯に観測された,オーロラX線イベントについてその描像を述べる.