著者
伊藤 英之 吉田 真理夫 長山 孝彦 脇山 勘治 原田 憲邦 南里 智之
出版者
公益社団法人 砂防学会
雑誌
砂防学会誌 (ISSN:02868385)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.47-53, 2012-05-15 (Released:2015-08-03)
参考文献数
18
被引用文献数
3

Snowmelt-type mudflow is often observed when a pyroclastic flow, surge, blast or a hot-debris avalanche moves over a snow-covered slope. We constructed the experimental equipment to simulate snowmelt due to high-temperature rock fragments moving over a snow-covered channel. The experiments were carried out for nine different cases, changing the parameters of temperature, rock particle diameter, and snow density. On comparing the hydrographs of these nine cases, we found that the following conditions lead to rapid snowmelt and large peak flow : (1) the temperature of the pyroclastic material is sufficiently high ; (2) the snow density is remarkably high, as in the case of solid ice ; and (3) snow is saturated with liquid water, as in the case of slush. The results indicate that the volume of the snowmelt-type mudflow particularly depends on the snow density and the temperature of the pyroclastic materials.
著者
尾関 伸哉 立松 典篤 三石 知佳 石田 亮 吉田 真理 杉浦 英志
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.271-279, 2021 (Released:2021-09-16)
参考文献数
31

【目的】在宅緩和ケアを受けるがん患者の訪問リハビリテーション(以下,訪問リハビリ)開始から4週後までの身体的Quality of Life(QOL)およびActivities of Daily Living(ADL)の変化とその特徴を明らかにすること.【方法】対象は在宅がん患者35例とした.身体的QOL評価はQLQ-C15のPhysical Functioning(PF),ADL評価はBarthel Index(BI)およびFIM運動項目(Motor FIM)を用いた.リハビリテーション(以下,リハビリ)開始時から4週後までのPFおよびADLスコアの経時的変化,PFスコア維持・改善群と悪化群でのADLスコアの変化と特徴について検討した.【結果】PFスコアは4週後で有意な改善を認め,PFスコア維持・改善群において4週後でMotor FIMスコアの有意な改善を認めた.【結論】在宅がん患者の身体的QOLは,リハビリ開始時に比べ4週後で維持・改善がみられ,在宅で実際に行っているADL(しているADL)能力を維持することは,身体的QOLの維持・改善につながる可能性が示唆された.
著者
深見 祐樹 岡田 弘明 吉田 真理 山口 啓二
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.8, pp.436-440, 2017 (Released:2017-08-31)
参考文献数
12
被引用文献数
1 4

症例は78歳女性である.亜急性に進行する意識障害で入院となった.頭部MRI T2強調画像で皮質,白質に多発する高信号病変を認めた.免疫介在性脳炎を疑い,ステロイドパルス療法施行で一旦改善を認めたが,難治性てんかん重積状態で再入院となった.脳生検では非特異的な血管周囲のリンパ球浸潤を認めた.後日,血清抗gamma aminobutyric acid (GABA)A受容体抗体陽性であったことから,抗GABAA受容体抗体陽性脳炎と診断した.抗GABAA受容体抗体陽性脳炎は極めて稀であるため報告する.
著者
吉田 真理子
出版者
英米文化学会
雑誌
英米文化 (ISSN:09173536)
巻号頁・発行日
no.36, pp.89-110, 2006-03-31

In Making Mark Twain Work in the Classroom, Twain's scholars and educators introduce different ways of promoting the students' motivations to approach Twain's works. However, they do not discuss how the students' experience of watching the dramatized versions of his works on stage would affect the students' interest in reading his works. In his interview on the significance of children's appreciation of theatre as the audience, Asaya Fujita, a playwright and director, points out that children's seeing plays on stage is crucial to their human development. "Watching a play helps you find out about yourself," Fujita says. In this paper, I would like to examine the Deaf West Theatre production of Big River, a muscial adaptation of Twain's Adventures of Huckleberry Finn, first performed in October, 2002. I would discuss how their theatrical work would inspire the students' imagination on Twain's literary world and would enhance students' better understanding of art, literature and intercultural communication.
著者
吉田 真理子 内田 広夫 川嶋 寛 五藤 周 佐藤 かおり 菊地 陽 岸本 宏志 北野 良博
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.759-764, 2010

症例は4か月男児.腹部腫瘤を主訴に紹介され,エコー上肝内に径5.7cm大の多房性嚢胞性腫瘤を認め,当初は間葉系過誤腫が疑われた.1週間後の腹部造影CTでは充実性成分を伴う多発性肝腫瘤と肝門部・後腹膜リンパ節腫大を認め,悪性腫瘍が強く疑われた.早期診断および治療のために緊急入院し,経皮針生検を行った.ラブドイド腫瘍と診断され,ICE療法を開始したが,治療に全く反応せず,腫瘍は急速に増大した.入院直後より全身状態も急速に悪化し,人工呼吸管理,持続血液透析濾過を含む集中治療を行ったが改善を得られず,初診から約1か月後に死亡した.肝ラブドイド腫瘍は非常に稀で,著しく予後不良な悪性腫瘍である.現在までの報告例は検索しえた範囲で33例のみであり,文献的考察を加えて報告する.
著者
吉田 真理子
出版者
武蔵大学経済学会
雑誌
武蔵大学論集 = The journal of Musashi University (ISSN:02871181)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.21-27, 2020-03

経済学部70周年記念論文集論文
著者
西村 裕一 宮地 直道 吉田 真理夫 村田 泰輔 中川 光弘
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.451-460, 2000-10-01 (Released:2009-08-21)
参考文献数
31
被引用文献数
11 10

北海道東部の霧多布湿原において,湿原堆積物の掘削調査から泥炭層中に連続する層厚3cm以下の砂層を発見した.この砂層は,海側から内陸側に向かって層厚や粒径を減じ,比較的層厚の大きな地点では級化構造を呈する.また,乾燥化や塩分濃度の低下に伴って発生する珪藻化石を産出することから,この砂層を津波堆積物と認定した.砂層の下位には泥炭層を挾み,1739年の樽前a火山灰(Ta-a)と1694年の駒ヶ岳C2火山灰(Ko-c2)の2層の火山灰層が確認された.これらの火山灰層の年代をもとに泥炭の堆積速度を求めたところ,この砂層の年代はおよそ1810~50年代と推定された.1843年に,北海道東部の厚岸を中心に46名の犠牲者を出した北海道南東岸沖地震津波の歴史記録があり,この津波の前後に規模の大きな津波が霧多布湿原一帯に押し寄せた記録はないことから,本砂層は1843年の津波によりもたらされた堆積物と考えられる.
著者
吉田 真理子 内田 広夫 川嶋 寛 五藤 周 佐藤 かおり 菊地 陽 岸本 宏志 北野 良博
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.759-764, 2010-06-20 (Released:2017-01-01)
参考文献数
26

症例は4か月男児.腹部腫瘤を主訴に紹介され,エコー上肝内に径5.7cm大の多房性嚢胞性腫瘤を認め,当初は間葉系過誤腫が疑われた.1週間後の腹部造影CTでは充実性成分を伴う多発性肝腫瘤と肝門部・後腹膜リンパ節腫大を認め,悪性腫瘍が強く疑われた.早期診断および治療のために緊急入院し,経皮針生検を行った.ラブドイド腫瘍と診断され,ICE療法を開始したが,治療に全く反応せず,腫瘍は急速に増大した.入院直後より全身状態も急速に悪化し,人工呼吸管理,持続血液透析濾過を含む集中治療を行ったが改善を得られず,初診から約1か月後に死亡した.肝ラブドイド腫瘍は非常に稀で,著しく予後不良な悪性腫瘍である.現在までの報告例は検索しえた範囲で33例のみであり,文献的考察を加えて報告する.
著者
宮地 直道 中川 光弘 吉田 真理夫
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.75-85, 2000-05-10
被引用文献数
8

Recent eruptive episodes since the last 2200 years of Rausudake volcano, east Hokkaido, are revealed by tephrochronology, geological survey of volcanic edifice and petrology of eruptive products. Eruptive ages of these episodes are estimated by ^<14>C age dating, presence of wide spread tephras, Ma-b from Mashu volcano (about 1 ka) and Ta-a from Tarumai volcano (AD 1739), and thickness of soil between tephra. We identify three major eruption episodes occurring in ca. 2200, ca. 1400 and 500-700 y. B. P. In each episode, plinian eruption associated with generation of pyroclastic flows and possibly with effusion of lava flows and domes had occurred from the summit area. Volcanic explosive index (VEI) of each eruption is 2-4. Tephra identified as the deposits of ca. 1400 y. B. P, eruption had spread widely and has been found in Kunashiri Island which locates about 60 km east of Rausudake volcano. In Shiretoko Peninsula, east Hokkaido, Mt. Shiretoko-Iouzan has been recognized to be an active volcano. We should note that Mt. Rausudake is also active volcano that repeated its magmatic eruptions at intervals of ca. 800 years.
著者
吉田 真理子 竹村 真菜 西尾 美沙子 上廣 真希
出版者
三重大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

保育現場の観察および実験より、現段階では次のことが示唆された。(1)保育現場における過去に関する子ども同士の会話は、次の3つのカテゴリに分類された。①自己の過去(自分の過去について、それを知らないであろう他者に報告する)、②自他間で共有した過去(自分と他者が共有した過去について、他者に確認・同意を求める。)③他者の過去(自分が知らない他者の過去について質問する。)。(2)過去に対して事実レベルの違いをすり合わせるようなNegotiationは4歳児以降にしかみられなかった。(3)2~3歳児では、設定された未来の目的に対して言及しながら協力することは困難であった。
著者
吉田 真理子
出版者
一般社団法人日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.44-54, 2011-03-20

本研究は,実験とインタビューを通して,幼児における未来の自己の状態を予測する能力を調べた。特に,「起こるかもしれない」未来の自己の状態を予測しはじめる時期を特定するため,実験では,不確実に生起しうる未来で必要となるアイテムを前もって準備するか否か,インタビューでは,実際の未来の行事に対して自覚的に心配を抱いているか否かを検討した。対象児は幼児36名(3歳児11名,4歳児12名,5歳児13名)であった。その結果,(1)4歳頃から不確実に生起しうる未来に必要なアイテムを準備するようになること,(2)4歳頃から未来の行事に対して心配があると答えるようになること,(3)アイテムの準備と心配の有無には関連がみられること,(4)未来の複数の可能性を予測する際にはそれらの生起確率を考慮する必要があることが明らかとなった。以上の結果から,子どもは4歳頃から,未来の自己の状態を,複数の可能性があるものとして予測するようになることが示唆された。
著者
井庭 崇 深見 嘉明 吉田 真理子 山下 耕平 斉藤優
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.43, pp.45-48, 2007-05-17
被引用文献数
2

本論文では、書籍販売市場の実データを解析し、販売冊数-順位の関係が、月間・年間のどちらの場合も「べき乗分布」になっていることを示す。さらに、順位が上位 1.5%のタイトルに注目し、その区間におけるべき指数と市場シェアの時系列変化を調べる。その結果、本論文で対象とした 2005年度においては、べき指数も市場シェアも上昇傾向にあり、「売れるものがますます売れる」という傾向があることが示唆された。In this paper, we analyze the real sales data in the book sale market in Japan. As a result, the relation between sale and rank follows power law in both of monthly and annual data. In addition, we focus on the books in the top 1.5% of sales, and analyze the exponent and the market share on the time series. We find that the both of the exponent and the market share are increasing in the fiscal year 2005, which shows that the books in top sales are getting to be sold more and more.