著者
坂井 丈泰
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.158-164, 2017 (Released:2019-10-01)

GPS(全地球測位システム)は,地球上のどこでも自分の現在位置を知るためのシステムである.周 知のとおり,いまや社会インフラともいえるほど広く利用されており,交通システムにおける利用も進 められている.ただし,GPS は人工衛星からの電波を使用するので,他システムからの電波干渉や意図 的な妨害により利用不能となり得ることに注意が必要である.さらに,GPS の信号を記録・再生するこ とによる攻撃や,GPS と同一の信号を生成することで GPS 受信機に誤った位置を出力させることも考え られている.本解説は,こうした GPS におけるセキュリティの問題について述べるとともに,現在考え られている対策を紹介する.
著者
坂井 丈泰
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第50回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.112, 2007 (Released:2008-12-11)

従来の民間航空機の航法には地上ベースの航行援助施設が利用されてきたが、世界的には衛星航法システムの導入が進められている。我が国においてもGPSが利用可能であり、最近はさらにMSASが導入されて飛行経路の大部分について航法手段を提供することとなった。民間航空機用航法システムとしてのGPSおよびMSASについて、概要および導入の経緯、性能を述べる。
著者
坂井 丈泰 惟村 和宣 長岡 栄 高橋 美登里 天井 治
出版者
公益社団法人 日本航海学会
雑誌
日本航海学会論文集 (ISSN:03887405)
巻号頁・発行日
vol.98, pp.33-41, 1998
参考文献数
9
被引用文献数
2 1

For a precision approach and landing system of aircraft using GPS, it is nessessary to improve the system performance such as positioning accuracy, integrity, continuity and availability. A possible way for improving the performance may be to use pseudolites (pseudo-satellites) located on the ground near airport in addition to ordinally GPS satellites. In this paper, a qualitative simulation was carried out for evaluating positioning accuracy for the approaching aircraft using pseudolites together with the existing GPS satellites. Flight experimental data and artificial data on ranging measurement were used for the simulation. The result shows that while the positioning accuracy strongly depends on relative location of pseudolites, GPS satellites and the aircraft, the accuracy can be improved by the utilization of pseudolites.
著者
坂井 丈泰 武市 昇 福島 荘之介 工藤 正博 藤井 直樹 山本 哲士 行木 宏一 宮津 義廣 福田 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.169, pp.7-12, 2008-07-18

航空機の航法には衛星航法システム(GNSS)の導入が進められているが,特に進入着陸フェーズにおいては垂直誘導を伴う精密進入を可能とする誘導システムの研究開発が行われている.GNSSを導入した場合のメリットの一つとして,小規模空港への精密進入方式の設定による欠航やダイバートの減少が考えられるが,定量的に評価した例はない.現実にどの程度の効果があるかを知るため,空港気象情報に基づいて定量的評価を試みた例を報告する.
著者
坂井 丈泰 澤地 利明 松本 隆
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.783-786, 1996-06-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
14

画像入力の高レート化をめざす技術のひとつとして, ビジョンチップと呼ばれる, 光センサ埋蔵型並列アナログ信号処理ともいえるパラダイムがある.Weak stringフィルタは画像中の輪郭成分を保存しつつ雑音成分を取り除くことができるが, resistive fuseと呼ばれる非線形抵抗素子を必要とする.本速報ではそのνMOSトランジスタを用いた実装法について述べ, 初期的実験結果を示す.バイアス電圧によりI-V特性を変化できる点が, 提案回路の特徴のひとつである.
著者
坂井 丈泰 永井 宏昌 国島 貴志 松本 隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路
巻号頁・発行日
vol.97, no.230, pp.79-85, 1997-08-22
被引用文献数
1

高速な画像処理のためのアプローチのひとつに、センサ・アレイと並列演算回路を一体化し、画像の入力と演算処理を同時に実行することを狙ったインテリジェント・センサあるいはビジョンチップなどと呼ばれるアーキテクチャがある。このための演算回路はコンパクトかつ低消費電力であることが要求されるが、我々はフローティングゲートを持つ差動増幅器を用いた方式を検討しており、本演算方式によりDCT演算回路を構成すれば画像圧縮センサの実現も考えられることを示した。本報告では、このフローティングゲート付差動増幅器について動作原理およびアプリケーションを概説し、さらに試作中のプロトタイプ・チップについてレイアウト作業の概況を報告する。
著者
坂井 丈泰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.88, no.12, pp.2382-2389, 2005-12-01
被引用文献数
4

電離層遅延は衛星航法システムの主要な誤差要因であるが, 逆に位置があらかじめ分かっている受信機を利用すれば電離層の観測が可能となる.最近は国内外のGPS観測ネットワークが整備されていることからGPSは電離層観測の有力な一手段となってきており, レーダ等による観測に対して電離層全電子数の空間的・時間的分布を知ることができる特徴がある.二周波GPS受信機による電離層観測では観測データに含まれる周波数間バイアスを推定・除去する必要があるが, 本論文はこのための手法について述べる.バイアス推定処理で用いる電離層モデルの比較も試みたところ, 2層以上の電離層を仮定するモデルが有効であることが分かった.
著者
古賀 禎 田嶋 裕久 小瀬木 滋 坂井 丈泰 塩見 格一 白川 昌之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.222, pp.23-26, 2003-07-18
被引用文献数
2

本稿では、ACAS(航空機衝突防止装置)から送信される信号を用いた新しい航空機測位方式を紹介する。本方式は、航空機からのACAS信号を複数箇所で受信し、それらの到着時間差を求め、GPSの電波伝搬方向を逆にした測位計算を行い航空機の位置を求める。本方式の特長としては、航空機側に新たな装備を必要としない、高精度の測位が期待できる、航空機の識別符号が容易に行えるなどが挙げられる。電波無響室、羽田空港および当研究所グラウンドで実施した測位実験の結果を紹介し、本方式の測位精度、空港面における測位誤差等について述べる。