著者
山本 景子 長沼 大樹 油井 俊哉 原田 誠史 福谷 和芳 堀 修生 福澤 貴之
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.313-323, 2019-09-30 (Released:2019-09-30)
参考文献数
56

"Astral Body" is an art installation for viewers to reveal the origin of life by showing the sense of life. A dead body and an artificial sign of life with dead matter are presented so that the viewers could think of relationship of the two. Astral Body has a kinetic surface made with ferromagnetic powder to present creature-like movements and human interaction. We have expressed the movements by using an automatic running robot with a magnet. Through the exhibitions, we have collected reactions and opinions from the attendees, and observed them. In this paper, we will conclude the overview, concept, design, implementation, and outcomes from the exhibitions.
著者
石川 亮太郎 小堀 修 中川 彰子 清水 栄司
出版者
日本不安障害学会
雑誌
不安障害研究 (ISSN:18835619)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.54-60, 2013-08-31 (Released:2014-01-31)
参考文献数
16

曝露反応妨害法を用いた認知行動療法は,強迫性障害に対して有効な治療法とされている。一方,行動実験(Behavioural Experiments)とは,対象者の不合理な信念の妥当性を実験的手法によって検証する技法であり,強迫性障害に対して有効であると指摘されている。われわれは,複数の加害恐怖に関する症状を持つ,強迫性障害の1症例に対して曝露反応妨害法と行動実験を用いた,全12セッションからなる認知行動療法を行った。その結果,強迫性障害の症状得点(Obsessive Compulsive Inventory)はセッションを経るごとに減少し,本症例に対する認知行動療法の有効性が示唆された。特に行動実験は,脅威的状況に曝露することなく,強迫性障害を維持させる信念を変容させるのに有効であったと考察された。
著者
岩堀 修明
出版者
一般社団法人 日本耳科学会
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.51-54, 2013 (Released:2015-04-16)

魚類から、陸棲動物を経て、水棲に戻ったクジラ類に到るまでの聴覚器の変遷を概観した。内耳の耳石器の中に、振動に反応する有毛細胞が分化し、やがてラゲナや球形嚢などの耳石器が魚類の聴覚器に進化していった。陸棲動物になると、エネルギーの小さい空気の振動を受容するため、中耳、外リンパ嚢、基底乳頭などが形成された。陸に棲息していたクジラ類が水中で生活するようになると、鼓膜を保護するために外耳道を閉鎖し、オトガイ孔と下顎管が音波の取り入れ口となった。
著者
堀 修 三田 雄志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.8, pp.1800-1808, 2001-08-01
被引用文献数
24

本論文では,映像中に現れるテロップの文字部をOCRで判読できるように,精度良く切り出す方法を提案する.従来の研究では,映像中のテロップを背景から切り出す方法としてテロップの輝度が背景に比べて高いことを利用し,しきい値を決めて2値化する方法がとられていた.しきい値の決め方として,背景と文字の二つの輝度の分布を仮定した大津の方法や大津の方法を局所ブロックに用いた塩の方法がある.しかし,映像のように背景に様々な輝度を含むものでは,必ずしも仮定が成り立たず,良いしきい値が得られないという問題があった.また,実際には,影付け,縁取り及び信号変換処理の影響で文字の周辺で必ずしも輝度が高くなく,OCRで判読可能な十分な精度で文字を切り出すことができなかった.そこで,文字部の輝度分布をロバストに推定し,文字部として信頼度の高い領域を最初に抽出し,推定された分布に基づいて領域拡張を行い,文字部のみを切り出す方法を提案する.実,験の結果,従来手法より精度良く文字部を検出できOCR判読率が向上することを示す.
著者
岩堀 修一 崎山 亮三 高橋 和彦
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.197-204, 1963 (Released:2007-05-31)
参考文献数
9
被引用文献数
2 3

1. トマト福寿2号を用いて, 6段階の苗齢のそれぞれについて, 30(対照区), 35, 40, 45°Cの高温処理を1日3時間ずつ連続5日間行ない, その後の生育, 着果を調べた。2. 苗齢VI(本葉14~15枚)の45°C区を除いて生育障害はなかつた。3. 本葉5枚までの苗は高温処理で着果率は減少しなかつた。しかし, 本葉8, 11, 14~15枚の苗は高温により着果率, 収量ともに減少し, その程度は処理温度が高いほど, また苗齢が進んでいるものほど著しかつた。本葉8枚の苗は第1花房, 11枚の苗は第1, 2花房, 14~15枚の苗は第1~3花房までが障害をうけた。4. 発育のステージを異にする花蕾に対する高温の影響をみると, 開花15日前~開花9日後ごろの花蕾が高温の影響をうけ, とくに開花5日前ごろと開花1日後は着果率の減少がはなはだしかつた。5. 開花中または開花後高温をうけた花からは小粒果が出現した。それ以外の奇型果の出現はみられなかつた。
著者
市川 清人 三田 雄志 堀 修 小林 隆夫
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.419-427, 2008-07-25 (Released:2011-08-25)
参考文献数
15

顔全体および顔パーツを個別に識別することで, 隠れを含んだ顔でも識別できる頑健な顔検出手法を提案する. 従来法の多くは顔全体の情報による手法であるため 隠れを含む顔の検出が難しかった. 提案手法は, AdaBoostに基づいて学習した 各識別器の出力を線形判別分析および決定木を利用して 統合し顔か非顔かを判定する. 決定木を利用することで識別器の利用を制御し, 隠れのある顔でも検出できる手法である. 隠れを含む顔および隠れを含まない顔の識別実験において, 過剰検出率が0.1%のときの正検出率は, 顔全体だけの識別器を用いた場合の31%, 決定木を用いないですべての識別器を統合した場合の48%に対して, 提案手法は88%という結果となり, 隠れを含む顔を検出するために, 効果的な手法であることを実証した.
著者
岩堀 修一 高橋 和彦
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.299-302, 1963 (Released:2007-05-31)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

1. トマト福寿2号苗を用いて, 第1花房第1花が開花のとき, 40および45°Cそれぞれ1, 3, 6, 15時間高温処理を行なつた。2. 収量からみると40°C 1時間区は対照区と差がなかつた。それ以外の区では減収し, その程度は処理温度が高いほど, また処理時間が長いほど著しかつた。3. 人工発芽床による花粉の発芽試験の結果, 成熟花粉の発芽は, 40°C 1時間区でも非常に不良であつた。4. おのおのの蕾への高温の影響をみると, 開花8~9日前ごろの蕾が高温に対して最も弱く, 40°C 1時間でも障害をうけた。これと花粉発芽試験の結果から, 40°C 1時間程度の処理でも高温障害が現われると思われる。
著者
服部 剛志 堀 修
出版者
大阪大学大学院 大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合小児発達学研究科
雑誌
子どものこころと脳の発達 (ISSN:21851417)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.34-40, 2021 (Released:2021-10-14)
参考文献数
24

自閉症病態の研究においては,主に神経細胞の異常が注目されてきたが,近年,グリア細胞(脳における神経以外の細胞)の関与が明らかとなってきた.我々は,自閉症病態におけるグリア細胞の役割を明らかにする為に,グリア細胞における自閉症関連分子CD38の機能解析を行っている.本稿では,CD38がグリア細胞の1種であるアストロサイトに強く発現し,グリア細胞の発達に関与するだけでなく,脳の中の炎症である神経炎症にも重要な役割を持つことを紹介する.
著者
小堀 修 丹野 義彦
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.34-43, 2004 (Released:2004-11-25)
参考文献数
33
被引用文献数
22 21

本研究は,完全主義の認知を「自己志向的完全主義がセルフ・スキーマとして活性化した結果,意識化された思考であり,できごとの解釈や注意に影響を与えるもの」と定義し,その認知を多次元で測定するための尺度(Multidimensional Perfectionism Cognition Inventory: MPCI)を作成した.研究1では,MPCIの因子構造が明らかとなり,高目標設置,ミスへのとらわれ,完全性の追求の下位次元が特定され,これらの下位次元は十分な信頼性を示した.研究2では,MPCIの構成概念妥当性と基準連関妥当性が明らかとなった.
著者
長谷川 昭 堀内 茂木 植木 貞人 西澤 あずさ 松澤 暢 海野 徳仁 堀 修一郎 稲盛 隆穂 松本 聡 浜口 博之 高木 章雄 田中 和夫 鈴木 将之 末広 潔
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.161-169, 1989-06-24 (Released:2010-03-11)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

A seismic refraction experment was carried out around the Bandai volcanic area, the southern part of the Tohoku District, by using a large capacity (9 liter air chamber) marine airgun. Shallow crustal structure (down to about a 4km depth) obtained along the 30km-length profile shows the swelling of the second layer with P-wave velocity more than about 4.0km/s just beneath Bandai volcano in parallel to the surface topography. The swelling of the second layer by about 1km is in good agreement with that of the basement estimated from the Bouguer anomaly.Seismic signals from the surrounding telemetered stations of Tohoku University at epicentral distances from 10km to 230km, are continuously recorded during the airgun experiments. In the stacked records we can detect the clear first P arrivals from the airgun shots at the stations with distances ranging up to 150km, which shows the usefullness of the marine airgun for studying the crustal structure on land. Anomalously late P arrivals or unclear P arrivals are observed for the ray paths which cross active volcanoes. This result and the shallow crustal structure obtained along the refraction profile suggest the existence of the anomalous zone beneath Bandai volcano at depths deeper than about 4km.
著者
杉森 伸吉 安藤 寿康 安藤 典明 青柳 肇 黒沢 香 木島 伸彦 松岡 陽子 小堀 修
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.90-105, 2004-03-24
被引用文献数
1

心理学における研究者倫理への関心が高まる中,日本パーソナリティ心理学会では研究倫理ガイドライン検討特別小委員会を設け,性格心理学研究者倫理の問題を検討した.その中で,目本パーソナリティ心理学会員および他の関連諸学会員の合計262名と心理学専攻の学部生59名を対象に研究倫理観に関するアンケート調査を行った.研究倫理観は基本的に相対的なものであるという認識にもとづき,心理学研究者と学部学生を対象に52項目の倫理的問題に関する許容度判断を求め,その意見分布を示した.全体のうち半数近くの項目で研究者と学生の間に許容度判断の有意差が見られ,いずれも研究者のほうが寛容という傾向であった.また,主たる専門や研究法による倫理判断の相違,性差,研究年数による相違,ならびに基本的倫理観と個別の倫理判断の関連性分析,52の倫理問題に関する許容度判断の主成分分析と主成分ごとの許容度判断などについて検討した.基本的には,各人が研究を行う上で必要な事柄に関しては倫理的判断が寛容になり,研究を行う上で必要性が低い事柄については厳格になる傾向が見られた.本研究の結果は,日本パーソナリティ心理学会員をふくむ心理学者一般について,個別の倫理判断をする上でのひとつの判断基準を提供するものと考える.
著者
岩堀 修一 菅谷 純子 小塩 海平 坂本 知昭
出版者
東京農業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

マンゴー果実をエチレン吸着袋で貯蔵すると、貯蔵期間が延長され、袋内の果実は呼吸、エチレン発生ともに抑えられた。果実を20Cと13Cで貯蔵すると、ACC合成酵素、ACC酸化酵素ともにまず遺伝子の発現が上昇し、ついで、酵素活性が増加、その後にエチレン発生が増加した。8C貯蔵で低温障害が認められ、完熟果より緑熟果のほうが早く出現した。緑熟果ではACC合成酵素、ACC酸化酵素ともに遺伝子の発現が著しく高くなった。
著者
岩堀 修一 米山 三夫 大畑 徳輔
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿兒島大學農學部學術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.43-48, 1979-03-19

ニンポーキンカンの着色を促進し, 早期収量を増加させるためのエスレル(2-chloroethylphosphonic acid)の最適散布時期と濃度をきめるために, 加世田市の栽培者の園で3年間実験を行なった.第1実験ではエスレル0ppm, 200ppm, 400ppmを11月4日に散布した.エスレルは着色を促進し, その効果は濃度の高い方が著しく, 特に赤色の発現が顕著であった.第2実験ではエスレル0ppm, 200ppm, 400ppmを早期(10月18日), 中期(10月28日), 晩期(11月9日)に散布した.エスレルの着色促進効果は, 濃度は高い方が, 時期は早いほど著しかった.しかし400ppmの早期散布では50%の落果が, 中期散布では20%の落果があった.第3実験では2年間にわたりエスレル400ppm散布区と対照区の早期収量を調べた.散布は初年度は10月30日に, 2年目は11月2日に行なった.2年間ともエスレル散布によって早期収量は著しく増加し, 1月まで残る果実はほとんどなかった.落葉・落果, あるいは樹体への悪影響は認められなかった.第4実験では, 1.無処理, 2.10月18日200ppm散布, 3.10月18日と11月2日の2回200ppm散布, 4.11月2日300ppm散布の4処理の収量を比較した.300ppm散布で早期収量は著しく増加した.しかし200ppm1回と2回散布の間には差はなく, ともに対照区より早期収量は高い傾向にあったものの, 有意差は認められなかった.以上の結果から10月下旬〜11月上旬の300〜400ppmのエスレル散布が落葉・落果をほとんどおこすことなく, キンカンの着色促進, 早期収量増に有効であると思われた.
著者
岩堀 修一 大畑 徳輔 イワホリ シュウイチ オオハタ IWAHORI Shuichi OOHATA J.T
出版者
鹿児島大学
雑誌
南海研紀要 (ISSN:03895351)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.67-73, 1981-11-10

Two experiments were conducted to evaluate the alleviative effects of calciumacetate on defoliation and fruit drop induced by the spray of Ethephon (2-chloro-ethylphosphonic acid)solution which is used to accelerate the degreening of ponkan, Citrus reticulata Blanco, fruit. The effect of Figaron (Ethyl 5-chloro-1 H-3-indazolyl acetate) on degreening was also investigated.In experiment 1, a split-plot design was employed where the main plots consistedof three levels of Ethephon concentration (0, 200, 400, ppm) and six replicates, whilethe sub-plots consisted of four limbs designated to four levels of calcium acetateadded (0, 0.2, 1.5%). The spray treatment was done on November 1, and Ethephonand calcium acetate were mixed just before the spray application.Ethephon substantially increased defoliation and fruit drop, however, this wasalmost completely prevented by the addition of calcium acetate. Ethephon markedlyincreased the coloration of ponkan fruit. The addition of calcium acetate slightlydecreased the color acceleration, but the color was still considerably increased whencompared with the unsprayed control group.In experiment 2,200 ppm Ethephon with 1% calcium acetate and 200 ppmFigaron treatments were compared as a factorial combination consisting of fourtreatments. Figaron was sprayed on September 9, and Ethephon on November 4.No defoliation and fruit drop were observed in any treatment plots. Ethephonwith calcium acetate remarkably accelerated degreening and coloration of ponkanfruit. Figaron also appreciably improved fruit color but no additive effects ofEthephon and Figaron treatments were observed over Ethephon treatment alone.It is suggested that spraying 200 ppm Ethephon mixed with 1% calcium acetatein early November accelerates degreening and coloration without defoliation andfruit drop, and the method is commercially feasible.ポンカン(Citrus reticulata Blanco)果実の着色促進にエスレル(2-chloroethylphosphonic acid)を散布する際の,酢酸カルシウム混用による落葉・落果防止効果を検討した。またフィガロン(Ethyl 5-chloro-1 H-3-indazolylacetate)の着色促進効果も試験した。実験1では分割区法でエスレル濃度(0, 200, 400ppm)と酢酸カルシウム濃度(0, 0.2, 1, 5%)を組みあわせ,11月1日に散布した。高濃度のエスレルで落葉・落果が増加したが,酢酸カルシウムの混用により,落葉・落果が抑制された。エスレルによる着色は著しく促進されたが,酢酸カルシウムの混用はいく分その効果を弱めた。実験2では要因配置法で1%酢酸カルシウム混用200ppmエスレル散布,無散布と,200ppmフィガロン散布,無散布をくみあわせ,4処理の試験を行なった。フィガロンは9月9日,エスレルは11月4日に散布した。どの区でも落葉・落果はほとんど認められなかった。エスレルは着色を著しく促進した。フィガロンも着色を促進したがエスレルには劣った。エスレル,フィガロンともに果実中の糖やクエン酸含量に影響を及ぼさなかった。1%酢酸カルシウム混用200ppmエスレルの11月上旬散布がポンカンの着色促進のため実用化できると考えられる。
著者
谷川 智秀 堀 修
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.215-216, 1993-03-01

既存の図面を計算機で有効に利用するために、スキャナから光学的に読みとった二値画像データをCADシステム等で扱えるグラフィッタデータ(ベクトルデータ)に自動的に変換するラスタ・ベクタ変換手法が種々提案されてきた。高品位なラスタベクタ変換を行なうためには、直線、円・円弧等の基本図形の効率的な抽出が重要となる。従来、円を抽出する方法としてHough変換を利用した方法をはじめ、種々の方法が提案されている。しかし、これらの方法には抽出する円の大きさの範囲が限定されていたり、メモリ・計算量が非常に大きくなったりするものや円弧抽出には適さないものがある。図形の交点で実際は一つの図形要素であるはずの円や円弧が途切れて複数の図形に分割されるといった問題もあった。今回、次のような特徴を持った円・円弧抽出手法について報告する。・抽出する円・円弧の大きさに制限がない。・図形の交差部において途切れない。本手法では、線図形の連続性を保存する細線情報と線図形の形を保存する輪郭線情報の両方を用いている。これにより接触・交差部においても安定して円弧を抽出することが可能になった。
著者
堀 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.74, pp.107-112, 2006-05-18

本稿では,映像中の人物の顔や身体の検出,追跡,認証および姿勢推定などの人物画像処理技術とその応用について述べる.人物は,コンピュータビジョン領域における画像監視システムやTV番組検索において,映像の中で最も関心の高いもののひとつである.よって,古くから数多くの人物画像処理に関する研究が行われてきた.顔の検出や認証は1990年代から世界で精力的に研究が進められ,近年では,歩行者の検出や認証へ関心が高まっている.我々も1995年頃から人物に関する研究をはじめ,顔位置検出・顔認証をはじめ多くの成果をあげてきた.それらの研究の軌跡をたどりながら,技術的課題と今後の方向性を考察する.