著者
内田 瑛 折田 明子 國上 真章 寺野 隆雄 吉川 厚
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

実践的な知識の使い方を学ばせる学習の一つに、登場人物の立場に強く引き込む教材学習があるが、学習者によって学びが異なったり、教授者のねらい通りでないことが多い。また学習者の気づきの変化を検出する手法は確立されていない。そこで、教材の登場人物の立場から他の登場人物を評価させ、その評価視点の変化を統計的手法を用いて容易に測る手法を提唱する。今回は本手法を用いた測定分析結果と、従来の手法とを比較する。
著者
寺野 隆雄
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 = [O]perations research as a management science [r]esearch (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.661-666, 2008-12-01
参考文献数
23
被引用文献数
1

本稿では,エージェント指向の社会シミュレーションの新しい手法として,複雑二重ネットワークモデルの概念を紹介する.複雑二重ネットワークモデルでは,個々の個体のもつ知識をエージェント内のネットワークで表現し,個体間の関係を社会ネットワークで表現する.これによって,社会ネットワーク上のエージェント間のインタラクションから生ずる個々のエージェント内の知識の変化ならびに社会ネットワークそのものの変化を動的に分析し,新しい知見を得ようとする.本稿では,最近の研究成果の例として貨幣概念の創発メカニズムの分析を述べるとともに,このような研究アプローチの今後について考察する.
著者
山下 泰央 高橋 大志 寺野 隆雄
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.23, 2009

近年,ファイナンス理論の理解を深めるための手法が必要とされている.本研究では,ビジネスゲーム手法を利用した投資選択と資本構成決定に関するファイナンス理論の学習を目的とした分析を実施した.分析の結果,投資プロジェクト選択法を理解し株主資本価値を高める資本構成の決定法について理解が進むなど,興味深い現象がみられた.これらの結果はファイナンス理論の学習へのビジネスゲーム手法の有効性を示すものである.
著者
齋藤耕一 大幢 勝利 櫻井 成一朗 寺野 隆雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.42, pp.17-24, 2005-05-19

安全を守る為の安全対策でもWeb上のリスクコミュニケーションが、盛んに行われている。しかし、Web上で参加者は、共通の認識がかけている場合があり、共通の危険に直面したときでも人それぞれの対応を示す。対応によっては、大きな事故の発生の要因になる。本文では、共通認識を前提としないメッセージの意図をくみ取るためのコンピュータによるリスクコミュニケーションの支援の方法を提案する。支援の方法の一つは、コミュニケーションのテキスト文をキーワードで表すことである。しかし、立場によってキーワードの意味が異なる。この問題を解決するために、共通認識の前提としない人の関わり合いの対話をモデル化し、この対話モデルによる分類学習を提案しここで現れた、メッセージの優先順序を立場の違いを表すメッセージの意図をとする。実験によってこの方法の有効性を示す。The conventional Risk Communication on web is a well-known method for creating safety programs、 and it is widely used for safety plans. We usually require a construction site to use a safety plan、 but problems usually arise in the application of the conventional Risk Communication on web to the safety plan due to various factors such as the difference in constructers' perceptions of the cause of construction accidents. This paper describes an idea for the execution of a safety plan by introducing various perspectives、 which are added to the background model of interest based on the empathic recognition with covering. The background models based on the empathic recognition with covering、 which is defined by the difference in constructers' perceptions of Risk recognition、 are explained on the basis of a machine learning method for classification learning. These models are assigned to each perspective. The safety plan can be determined even by an unskilled supervisor using the models obtained in this study.
著者
齋藤耕一 大幢 勝利 櫻井 成一朗 寺野 隆雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.42, pp.17-24, 2005-05-19

安全を守る為の安全対策でもWeb上のリスクコミュニケーションが、盛んに行われている。しかし、Web上で参加者は、共通の認識がかけている場合があり、共通の危険に直面したときでも人それぞれの対応を示す。対応によっては、大きな事故の発生の要因になる。本文では、共通認識を前提としないメッセージの意図をくみ取るためのコンピュータによるリスクコミュニケーションの支援の方法を提案する。支援の方法の一つは、コミュニケーションのテキスト文をキーワードで表すことである。しかし、立場によってキーワードの意味が異なる。この問題を解決するために、共通認識の前提としない人の関わり合いの対話をモデル化し、この対話モデルによる分類学習を提案しここで現れた、メッセージの優先順序を立場の違いを表すメッセージの意図をとする。実験によってこの方法の有効性を示す。The conventional Risk Communication on web is a well-known method for creating safety programs、 and it is widely used for safety plans. We usually require a construction site to use a safety plan、 but problems usually arise in the application of the conventional Risk Communication on web to the safety plan due to various factors such as the difference in constructers' perceptions of the cause of construction accidents. This paper describes an idea for the execution of a safety plan by introducing various perspectives、 which are added to the background model of interest based on the empathic recognition with covering. The background models based on the empathic recognition with covering、 which is defined by the difference in constructers' perceptions of Risk recognition、 are explained on the basis of a machine learning method for classification learning. These models are assigned to each perspective. The safety plan can be determined even by an unskilled supervisor using the models obtained in this study.
著者
高玉 圭樹 中須賀 真一 寺野 隆雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.81, no.5, pp.514-522, 1998-05-25
被引用文献数
13

本論文では, 個々のエージェントが各々の判断基準(局所評価関数)を変更しながら行動する組織学習指向型分類子システム, および, そのシステムのための新たなマルチエージェント強化学習法を提案し, これらをCADの分野におけるプリント基板配置問題に適用した結果を報告する.以前からプリント基板配置問題では, 設計期間や生産コストを下げるために大域的に最適化を行う方法が数多く提案されているが, これらの方法は与えられた部品を専門家よりも効果的に配置できず, 最終的に残った本質的な部分を専門家にゆだねなければならない場合が多い.そこで, 本システムは大域的な視点で部品配置を決定する方法ではなく, エージェント(部品)間の局所的なインタラクションにより, エージェント自らが自分の部品位置を決定する方法を取り入れる.本システムを実規模のプリント基板に応用した結果, 次の知見が得られた.1)我々のシステムは専門家と同等の実行可能解を見出した.2)従来の強化学習よりも我々のシステムの方が, 試行回数と総配線長の観点において, ともに優れている.
著者
寺野 隆雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理
巻号頁・発行日
vol.98, no.499, pp.23-24, 1999-01-12

計算組織論は、組織科学・計算機科学双方の研究者に、記号処理に基づくモデルや技法、応用分野を与えるものである。本講演では、人間同志またはソフトウェアエージェント間の社会的インタラクションや組織行動などのマルチエージェントシステムの研究を、計算組織論の立場から実施する場合の問題点について議論する。現在のアプローチには3つの欠点がある:モデルが単純すぎること;人為的なパラメタ調整が必要なこと;現実の問題との関連が希薄なこと。このような問題に対処する視点から、我々は、組織学習指向型分類子システム(OCS)と社会的インタラクションのシミュレータ(TRURL)の開発を行ってきた。本講演では、これらの概要を紹介するとともに、エージェントの理論と実問題の双方を扱う新しい枠組としての組織計算のありかたについて考察する。
著者
石川 泰志 寺野 隆雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.3, pp.65-72, 2000-01-12
被引用文献数
7

本稿では、学習分類子システムを用いたエージェント指向の社会シミュレーションについて報告する。本エージェントは、(1)多目的問題を処理し、(2)多様な問題解決行動を行い、(3)同一環境に異種のエージェントが共存し、(4)エージェントが依拠する環境が複数存在する、という特徴を持つ。エージェントの学習手段として、同一種エージェント間の進化を促進する「行動の模倣」と「行動規範の模倣」の2つの組織学習方法および、異種エージェントクラス間の共進化をもたらす「行動への介入」の組織学習方法について提案し、その効果について示す。本システムの適用分野は、環境マーケティングである。This paper proposes an agent-based social simulation system with Organizational-Learning Oriented Classifier System. The system is characterized by the agents that (1) solve multi-objective problems, (2) pursue different goals, (3) form classes to behave and/or learn and (4) live in multiple environments. We report three organizational learning techniques, "Copy of other's actions" and "Copy of other's rules", that accelerate the evolution of intra-class agents, and "Intervention to other's actions" that accelerates co-evolution between different kinds of agents. We implement the system applied to "Ecological Marketing", which reveals interesting agent behaviors on the domain.
著者
寺野 隆雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.244, pp.31-36, 2003-07-25

コンピュータ技術の進歩によって,シミュレーション研究を通じて社会・経済システムを分析することが可能になった.その中でも,エージェントベースモデリングは有望である.これらを含む計算社会科学(Computational Social Sciences)は,従来の社会科学研究を,計算機シミュレーションによって,操作的であり,伝達可能であり,かつ実験的なものに変革する可能性をもつようになった.本論文では社会・経済・組織科学分野における複雑適応系に対するエージェントベースアプローチの現状について考察する.このアプローチは,個別の内部モデルをもつソフトウェアエージェント;与えられた環境内でのエージェントのインタラクション;個々のエージェントのふるまいと社会現象との間のミクロ・マクロリンクによって特徴付けられる.エージェントに基づくシミュレーションを使用して,我々は,他のアプローチでは分析が難しい現実世界の複雑な現象を理解することが可能になる.この論文では,この分野の代表的な文献を参照しながら;我々の最近の研究を紹介することで,エージェントモデリングの手法の特性を伝統的な手法と対比させることを目的とする.