著者
小野 一晃 土井 りえ 安藤 陽子 大塚 佳代子 柴田 穣 尾関 由姫恵 佐藤 秀美 増谷 寿彦 小林 留美子 柳川 敬子
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 = Japanese journal of food microbiology (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.151-155, 2004-07-31
参考文献数
21
被引用文献数
3

2003年3月8日に埼玉県内の焼き鳥屋で喫食した友人4名全員が11日夕方 (16時頃) から12日朝 (8時頃) にかけて, 下痢・腹痛・発熱などの食中毒様症状を呈した.当初の検査で患者からすべて異なる血清型菌が分離されたことから, 5℃ 保存便について繰り返し検査したところ, 分離菌株の型 (血清型・PFGE型) に変化がみられた.一方, 患者から分離された<I>C.jejuni</I>および<I>C.coli</I>の5℃ 保存生理食塩液中での生存性に差はみられなかった.<BR>また, 本事例では食品から患者と同じ型のカンピロバクターも分離されたが, 同一検体でも直接法とMPN法で分離菌株の型が異なる場合がみられたことから, 両法の併用により菌分離を行うことが望ましいと考えられ
著者
山下 利春 黄倉 真恵 菊地 梨沙 佐藤 牧人 高田 知明 小野 一郎 神保 孝一
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.408-413, 2007

Polymerase chain reaction(PCR)を用いると帯状疱疹患者の末梢血リンパ球からも水痘帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus: VZV)核酸が検出される。本研究では,札幌医大附属病院皮膚科に入院しビダラビン(アラセナ<SUP>&reg;</SUP>A)600mg/日を5日間投与された帯状疱疹患者10例よりリンパ球を調製し,PCRによって末梢血リンパ球のVZV gene 29およびgene 62のDNAおよびRNAの検出を行った。検討した10例のうち基礎疾患のある重症帯状疱疹の3例と中等症の1例は補体結合反応値が128倍と高値を示し,さらにPCRによりVZV DNAおよびRNAが検出された。しかし,これら4症例とも入院7~10日後(第14病日)には末梢血リンパ球からウイルス核酸は検出されなかった。他の中等症の1例と軽症5例の末梢血リンパ球からはVZV gene 29あるいは62のDNAとRNAは検出されなかった。患部皮疹が潰瘍化した重症の1例を除き,いずれの症例も3週間以内に上皮化し2~4週間後の帯状疱疹関連神経痛はVASスコアで0/5あるいは1/5まで低下した。これらの結果より,重症例ではウイルス抗体価が上昇し末梢血リンパ球にVZV遺伝子が検出され少なくとも一部のウイルス遺伝子が発現しているが,ビダラビン600mg/日,5日間の投与によって発症2週間後には末梢血よりウイルスが駆逐されると考えられた。
著者
龍居 竹之介 小野 一成
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.5-8, 1958-08-10

Mr. Kinsaku Nakane published a thesis titled "The Ruins of the Pond-Garden that once existed in the Ryoanji Temple and the Age when its Rock-Garden was built" on the Journal of the Japanese Institute of Lanpscape Architects (March, 1958, Vol.21, No.4), and wherein he presumed, based on an on-the-spot survey of the ruins and study of the literatures concerned, that the Rock-Garden was built during the Kan-ei Era (1624-1644) and named Kotaro and Seijiro as the builders thereof. However, in the said thesis, many defects have been found in the dealing of the historical materials and remarkable leap in the logic as well has been noticed on the determination of the age in which the Rock-Garden was built and the names of the builders thereof. Therefore, desiring that the future study by Mr. Nakane on the subject matter may be continued on the basis of justifiable historical materials as well as reasonable logic, we have hereinbefore pointed out the faults in the method of study noticed in his thesis.
著者
小野 一良
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:00471798)
巻号頁・発行日
vol.1957, no.47, pp.52-59, 1957-08-31 (Released:2010-08-24)
参考文献数
14

This paper deals with estimations and experiments on the lateral forces imposed on the turnout curve by 2-10-4 type locomotive. These estimations and experiments show that(a) the pony truck (when the locomotive is running forwards) or the bogie truck (when running backwards) takes the extreme position of its side play, (b) the flange of the leading wheel is in contact with the outer rail of the turnout curve and the great lateral force acts on the rail head, (c) when running forwards, the wheel load of the pony truck on the inner rail is reduced by the lateral force, and the wheel is in risk of derailment when it runs against guard rail of the turnout, (d) when running backwards, the leading wheel of the bogie truck is in risk of derailment by rolling over the outer rail of the turnout curve, (e) the flange of the driving wheel near the centre of friction is in contact with the inner rail and the great lateral force is imposed on the rail.
著者
齋藤 豊 菊地 研 鍛 良之 大西 俊彦 魚住 翠子 菊池 仁 正和 泰斗 越路 暢生 和氣 晃司 小野 一之
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.21, no.5, pp.685-688, 2018-10-31 (Released:2018-10-31)
参考文献数
8

症例は62歳男性。車の運転中に突然の前胸部灼熱感を自覚し,救急要請となった。救急指令員は救急車の出動に続いてドクターヘリの出動も要請した。救急隊(EMS)は現場で12誘導心電図(12-lead ECG)を記録し,当院へ伝送を行った。そのECGでST上昇を示し,フライトドクターが現場で行った心エコーでECG所見に一致した壁運動低下を認めた。ST上昇型心筋梗塞の診断で,硝酸イソソルビドとアスピリンの投与後に当院へ搬送し,緊急冠動脈造影で左前下行枝に99%狭窄を認め,同部位にカテーテル治療を行って,再灌流に成功した。入院後のCKの最高値は正常域内で心筋障害はほぼ認めなかった。発症からEMSの接触まで28分,door-to-balloon 時間は38分,EMS-to-balloon 時間は78分,発症から再灌流までの時間は106分であった。本症例は,救急車での搬送に40分以上を要する地域でありながら,伝送ECGとドクターヘリを組み合わせることで,発症から再灌流までの時間を120分以内に短縮でき,心筋障害を最小限にすることができた。
著者
小野 一郎
出版者
大分県立芸術文化短期大学
雑誌
大分県立芸術短期大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.2, pp.79-89, 1963-10-05

哥麿筆・版画「婦人泊り客之図」3枚続きの浮世絵のうち、中央の図の女性坐像と、それと似たposeをしている「髪結い」との腰部に着目、2人のformeが重なつている場合の後部(女性)のdeformationについて研究したものである。そして本themaの場合は後部女性の腰部が前部女性によつてcutきれたために、普通の場合よりも延びて表現きれている点について考察を行つたものである。
著者
小野 一良
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:00471798)
巻号頁・発行日
vol.1956, no.33, pp.23-30, 1956 (Released:2010-11-29)
参考文献数
7

種々の構造物に関してその基準振動の形を求める方法は従来多く発表されているが, この振動振幅は外力の性質ならびに初期条件によつて異り, かつその計算が煩雑なるためあまり求められていない。本文においては Lagrange の運動方程式をいくらか変形して一つの公式を導いたが, この公式を使えば構造物が衝撃を受けたときに, この構造物に発生する各種の運動についてその運動速度または振動振幅を容易に決定でぎる。この公式に重畳の原理を適用することによつて種種の型式の外力が作用する場合にも拡張することができる。
著者
高原 章 内田 裕久 今田 智之 堂本 英樹 吉元 良太 小森 美幸 森岡 朋子 小野 一郎 高田 芳伸 加藤 仁
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.106, no.4, pp.279-287, 1995-10-01
参考文献数
19
被引用文献数
1 4

新規カルシウム拮抗薬(シルニジピン)を2KlC型腎性高血圧犬に連続経ロ投与し,その抗高血圧作用を二力ルジピンのそれと比較検討した.投与初日,シルニジピン(3mg/kg)および二力ルジピン(3mg/kg)の経ロ投与は投与後1時間目に収縮期および拡張期血圧を著明に低下させた.このシルニジピンの降圧作用は二力ルジピンより持続的であった.両薬剤とも心拍数と血漿レニン活性の上昇を引き起こした.投与開始8日目および15日目もシルニジピンとニカルジピンは投与初日とほぼ同程度の血圧低下作用を引き起こした.投薬中止48および72時間後に血圧のリバウンド現象は認められなかった.血圧測定時間毎に採血して血漿中薬物濃度を測定したところ,シルニジピンおよび二力ルジピンの血圧低下作用はそれぞれの時点での血漿中薬物濃度と有意に相関した(シルニジピン;r=-0.598,ニカルジピン;r=-0.594).以上の結果より,シルニジピンは二力ルジピンに比較してより持続的な抗高血圧作用を示し,連続経ロ投与による再現性のある抗高血圧作用は血漿中薬物濃度に相関して認められた.
著者
野村 秀明 柳田 潤一郎 上野 理恵 井村 聡子 小野 一男 酒井 ひろ子 木村 憲司 Shiba Kumar RAI Hideaki NOMURA Junichiro YANAGIDA Rie UENO Satoko IMURA Kazuo ONO Hiroko SAKAI Kenji KIMURA Shiba Kumar RAI 神戸常盤大学保健科学部医療検査科(教育イノベーション機構) 神戸常盤大学保健科学部医療検査学科 神戸常盤大学保健科学部看護学科 神戸常盤大学保健科学部医療検査学科(元) 神戸常盤大学保健科学部医療検査学科非常勤 森ノ宮医療大学 神戸大学医学部保健学科 ネパール医科大学 微生物学 /
出版者
神戸常盤大学 ; 2009-
雑誌
神戸常盤大学紀要 = Bulletin of Kobe Tokiwa University (ISSN:21884781)
巻号頁・発行日
no.8, pp.77-84, 2015-03-31

【目的】世界辺境地区の一つであるネパール山間地方の住民の摂取栄養と健康状態について解析した。【方法】神戸常盤大学を中心に共同調査プロジェクト(JICA 草の根事業)を編成し、ネパールデタール村でのフィールドワークを行った。住民208名(年齢5~82歳、男女比82:126)の健康調査を施行し、身体計測とBIA法を用いた体構成成分測定、および血液検査(TP、Albumin、GPT、BUN、Ca)を行った。また住民の内科診療を行い、下痢などの消化管疾患の有無を調査した。さらに、一般家庭における日々の食事内容をデジタルカメラに撮影し、摂取熱量、摂取栄養素を計測すると同時に、村の採水所30ヵ所での飲水を含めた生活用水の細菌学的検査を行った。【結果】身体計測上、BMI<18.5の比率が50%を超え、12歳以下の子供では80%近くに及んだ。体構成成分測定では、特に子供で体内脂肪、筋肉量の減少と、体内水分量の増加が見られた。また一見肥満体系であっても、栄養障害による浮腫や、筋肉量の減少による下腹部の突出(クワシオルコル)を示す症例も、12歳以下の子供で見られた。血液検査は、血清総タンパク、アルブミンの低下以外は、ほぼ正常値内であった。食事は、ネパール特有のダル・バート・タルカリという炭水化物が中心の料理で、摂取栄養素の80%を占めた。1日2食が標準である現地人の平均摂取熱量は800~1000kcal程度と推計された。飲料水の細菌学的検査では、大腸菌、及び大腸菌群が80~100%の頻度で検出された。【結論】未だカースト制度の現存するネパールの山間地方における栄養状態と衛生環境は劣悪であったが、これは過去に先進国が経た道であり、自らの事として手を差しのべる必要があると考えられた。The research team jointed with Kobe Tokiwa University, Kobe University, and Nepal Medical College has been organized to implement the fieldwork at Dithal Village in Nepalese mountainous area for JICA Kusanone Project. In the fieldwork, the nutritional and health state of 208 village inhabitants (5 to 82 years old : 82 of male and 126 of female) were investigated, and their daily dietary foods were analyzed intake of calories and nutrients. The state of hygiene was also studied including of checking the contamination of drinking water microbiologically. The results showed that the high presence of over 50% of thinness, which is defined as less than 18.5 of BMI, was estimated in all age-groups, however among the age group under 12 years, the rate was much higher up to 75~80%. In body component analysis, the decreased fat and muscle volume and increased body water volume were manifested in children. Some of the children showed the distended abdomen, which is the typical sign of Kwashiorkor type malnutrition. The average calorie intake of daily diet was estimated about 800~1000kcal, and the content of it was 80% of carbohydrate, 10% each of fat and protein. The contaminations of Coliform bacilli and E. coli could be detected 80 to 100% of drinking water at 30 water places. The internal medical check revealed the prevalence of water-borne digestive diseases with abdominal pain, vomiting, and diarrhea. The deteriorated nutritional and public health state in Nepalese mountainous area could be disclosed in this study, but these are the similar paths on which the advanced countries have gone through in their past. We are entrusted to give our hands to them.