著者
豊田 和弘 池田 聡子 森川 淳一 稲垣 善茂 一瀬 勇規 山本 幹博 白石 友紀
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, 2003-02-25

エンドウ褐紋病菌Mycosphaerella pinodesのマメ科植物に対する病原性が調べられた結果,本菌は自然宿主であるエンドウの他に,赤クローバー,ナツフジ,キハギ,アルファルファに感染する.これら植物における感染は,同菌の生産するサプレッサーによるナシ黒斑病菌に対する受容性誘導の程度と一致し,サプレッサーが本菌の宿主範囲を決定する因子であることをすでに報告した(Oku et al.,1980).ここでは,植物疾病の分子機構の解明に向けた新たなモデルシステムの開発を目的として,アルファルファに近縁であるMedicago truncatulaに対する褐紋病菌の病原性について調べた.この結果,各国より集められた18種のエコタイプの全てに感染し病斑が誘導されたが,うち2種では柄子殻の形成が認められた.M.truncatulaは,ゲノムサイズが小さく,遺伝子地図・ESTの充実,形質転換の容易さなどから,近年,マメ科のモデルとして選定されている.M.truncatula-M.pinodesの相互作用のモデル化は,病原性・共生といった多様な微生物との相互作用の理解につながる格好のモデルになるものと考えられる.
著者
吉田 光男 乾 孝司 山本 幹雄
雑誌
楽天研究開発シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.7-10, 2009-11

近年のWeb ページの増加により,Web ページのコンテンツを利用するサービスや研究が盛んになってきている.本論文では,Web ページ集合を用いる事により,CSS セレクタで表現されたコンテンツ抽出ルールを自動的に獲得する手法を提案する.また,本手法のアルゴリズムを実装したソフトウェアを用いて実験を行い,日本語ブログサイトに対して適切な抽出ルールが獲得できた事を示す.
著者
筒井 達大 浦林 宏行 山本 幹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.448, pp.545-550, 2011-02-24
被引用文献数
3

ネットワーク内に配置されたキャッシュを自律的に協調させる方法として,コンテンツの存在方向を示す足跡情報(インネットワーク誘導)をルータに残すBreadcrumbs方式が提案されている.コンテンツ要求は当初ロケーションIDにより転送されるが,所望コンテンツの足跡にヒットすると,その足跡方向に誘導される.この誘導により,サーバへの経路上にキャッシュがなくても適切な方向のキャッシュからコンテンツを取得することが可能である.本稿では,このBreadcrumbs方式が部分普及した状況での,サーバダウンロード低減効果を評価した.その結果,単なる部分普及時には非対応ルータにおける誘導経路の分断により,足跡情報の無効化が多く発生し,サーバダウンロードがそれほど低減されないことを明らかにする.また,その解決手法の一つであるオーバレイによる手法の評価も行い,その有効性を明らかにする.
著者
小久保 秀之 高木 治 小山 悟史 山本 幹男
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.236-249, 2010-09-01

白いぼキュウリ(Cucumis sativus'white spin type')を生体センサとして使うガス測定法にて、ヒーリング中のヒーラーの周囲に広がるヒーリングパワーのポテンシャルの空間分布(X-Y平面)の測定を試みた。ヒーラーは特異能力者として知られるW003(女,41歳)。ヒーラーは座位にて、高さ67cmの机上に設置されたキュウリ切片(実験試料2皿)に対し、30分間、キュウリの香が強くなるよう非接触で手かざしヒーリングした。さらにヒーラーの周囲のポテンシャル分布を測定するために、ヒーラーの前後左右に50cm間隔で4点ずつ、斜め方向約2.5mの4か所にキュウリ切片を設置した(計20点。いずれも床面から70cm)。ヒーリング試行は15分の休憩をはさんで2回実施した。ヒーリング中、対照試料となるキュウリ切片は別室に保管した(ヒーラーから対照試料までの直線距離は12m)。24時間後、各試料のガス濃度を酢酸エチル検知管141L(ガステック社)で測定し、各点のJ値(実験試料と対照試料のガス濃度の比の自然対数)を求めた。結果、ヒーリング中のヒーラーの周囲にはクーロンポテンシャルとは異なる特異な形のポテンシャルが形成されていること、ヒーラーの体の前後方向と左右方向とで異方性があることが示唆された。
著者
川原 一真 山本 幹雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.21-22, 1997-03-12
被引用文献数
2

ワードプロセッサ等を用いて作成された日本語文書に含まれる各種の表記誤りを、計算機により校正するために様々な手法が提案されている。誤り検出ルールを用いた手法では、誤り検出ルールを人手によって作成しなくてはならず、手間がかかる。また、辞書を用いた形態素解析システムを使って、入力文を形態素解析した結果と準備しておいた形態素辞書とを比較する手法では、使用した形態素解析システムが誤った文を無理矢理正しい形態素の連続としてしまう可能性が強い。そこで我々は、文に対して辞書を用いない方法で分割位置を与えるシステムを用いて、正しい文から成ると考えられるコーパスから単語辞書を構築し、その辞書との比較によって表記誤りを検出する手法を提案する。一定の基準で入力文を分割するシステムを用いるため、英文スペルチェッカーで実用化されている手法が流用できるのではないかという期待ができる。また、正しい文からなるコーパスを用いれば、誤り検出用の辞書が自動で得られるというのも利点である。なお今回の実験で、本手法によってミスタイプとかな漢字変換誤りの一部を検出できるということが確かめられた。
著者
パルホムチュク デミトリV. 山本 幹男
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.413-417, 2000-09-01

In this paper we review the experimental results of biophoton delayed luminescence(DL)research and propose a model based on properties of multiphonon energy transfer that explains nearly all known features of DL. Typically, DL is a long(from seconds to hours contrary to the well know luminescence from simple compounds which takes only nanoseconds)decay of intensity after initial light irradiation, and in most cases has very close to hyperbolical law dependence. We proposed the scheme for DL imaging and state that DL has a high diagnostic value, since it differs significantly for damaged tissues.
著者
山本 幹之助
出版者
造船協會
雑誌
造船協會會報
巻号頁・発行日
no.60, pp.15-18, 1937
著者
角田 孝昭 吉田 光男 津川 翔 山本 幹雄
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

自動車販売台数の推移は、季節成分を伴った典型的な経済時系列である。また、高額商品であるため購入者はインターネット上で事前調査を念入りに行う傾向が高い。本論文では、状態空間モデルによる販売数の時系列分析に、ユーザの注目度を反映したデータを加えた予測手法を提案する。評価実験ではGoogle TrendsまたはWikipediaのページビューデータを統合することにより、予測の精度が改善できることを示す。
著者
貞光 九月 三品 拓也 山本 幹雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.9, pp.1771-1779, 2005-09-01
被引用文献数
6

混合ディリクレ分布を多項分布パラメータの事前分布とした(合成分布は混合Polya分布), 生成文書モデルを提案し, 統計的言語モデルへの応用という面で高い性能をもつことを示す. 本論文では, 混合ディリクレ分布のパラメータ推定法及び適応時に必要な事後分布の期待値推定法をいくつか述べた後に, 二つの代表的な従来の文書モデルと比較する. 一つ目の従来モデルは, 統計的言語モデルにトピックを取り込むときによく使われるMixture of Unigramsである. 二つ目は代表的な生成文書モデルであるLDA(Latent Dirichlet Allocation)である. 新聞記事を用いた文書確率及び動的に適応するngramモデルを用いた実験で, 提案モデルは従来の二つのモデルと比べて低い混合数で低いパープレキシティを達成できることを示す.
著者
山口 誠 山本 幹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.670, pp.313-320, 2001-03-09
参考文献数
13
被引用文献数
2

特定多数の受信ノードに対し信頼性を維持しながら同一情報を転送する信頼性マルチキャストでは,一般的にエンド-エンド間での制御によってスループットが最も低い受信ノードに合わせて情報の転送が行われる.最も低い受信ノードにあわせた場合,同一マルチキャストグループに属する他の受信ノードにおいて,自らが受信できる限界よりかなり低いスループットしか得られないという状況が生じる.これは,各受信ノードの輻輳状況が異なることが一般的にみられる,マルチキャスト通信特有の問題である.この観点からみた受信ノード間の公平性は,Intra-session Fairnessと呼ばれる.信頼性マルチキャストにおいて,エンド-エンド間での制御だけでIntra-session Fairnessを実現するのは不可能である.本稿では,Intra-session Fairnessを実現するため,ネットワーク内にサーバを配置しネットワーク支援を通用することによりサーバが独自にダウンリンクに対して輻輳制御を行う方式を提案し,シミュレーションにより評価を行った.
著者
小久保 秀之 山本 幹男 河野 貴美子
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.30-39, 2007-03-01

手かざしや祈りになどの非接触ヒーリングの作用を、極微弱生物光で評価する方法を研究した。超高感度カメラにて植物切片(白いぼきゅうり)の試料対(実験試料と対照試料)を18時間測定し、実験試料から生じる生物光の発光強度を対照試料の発光強度と比較した。測定は、実験試料に全く処理を行わない無処理群、手かざし等を行うヒーリング群、40℃の熱源にさらす熱処理群について行った。結果、無処理群と熱処理群では実験試料と対照試料の発光強度に差は無く、ヒーリング群でのみ実験試料と対照試料の発光強度に有意差が見られた(p=0.002,両側,paired t-test)。また、実験試料と対照試料の発光強度の比の対数を効果量の指標とすることで、非接触ヒーリング作用の定量的評価が可能となった。
著者
吉田 光男 山本 幹雄
出版者
日本データベース学会
雑誌
日本データベース学会論文誌 (ISSN:18831060)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.29-34, 2009-06
被引用文献数
3

近年のCMS の普及によりWeb ページにメニューや広告、著作権表示などが過剰に付加され、ページに占めるコンテンツ(主要部分)は縮小している。本論文では、事前に教師情報を準備する必要のない単純なアルゴリズムでWeb ページ群からコンテンツを抽出する手法を提案する。本手法は、Web ページをブロック(コンテンツ及び不要部分の最小単位)の集合であると考え、ある特定のページにのみ出現するブロックはコンテンツであるという単純なアイデアが基になっている。また、本手法のアルゴリズムを実装したソフトウェアを用いて実験を行い、Web 上に存在する日英のニュースページに対して高いコンテンツ抽出性能があることを示す。
著者
吉田 光男 乾 孝司 山本 幹雄
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.2502-2512, 2013-12-15

ブログページには,Web検索エンジンなど機械的にページを処理するシステムにおいてノイズになる部分が含まれる.そのため,ブログのコンテンツを利用するためには,コンテンツの抽出処理が必要になる.さらに,ブログのコンテンツは,ポストと呼ばれるブログの書き手によるコンテンツと,コメントと呼ばれるブログの読み手によるコンテンツに二分できる.ポストとコメントの存在はブログの特性の1つであり,ブログの特性を活用するシステムや研究では,ポストおよびコメントを別々に抽出できていることが望ましい.本論文では,ブログページ集合を用いることにより,ポストとコメントを自動的に分離抽出する手法を提案する.複数のブログ記事ページを含むあるブログサイトにおいて,ポストはすべての記事ページに出現するが,コメントはいずれかの記事ページにしか出現しないという点に着目し考案した.また,本手法のアルゴリズムを実装したソフトウェアを用いて実験を行い,日本語ブログサイトに対しての有効性を検証し,コンテンツをポストおよびコメントに分離できることを確認した.
著者
小久保 秀之 世一 秀雄 山本 幹男
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.294-301, 2004

いわゆる遠当てと呼ばれる武道の技を研究した。遠当ては、離れた相手に対する非接触の攻撃技と言われている。1回の実験で、武道熟練者6ペア(日本の武道3ペア、中国の武術系気功3ペア)、対照として非訓練者6ペアを用いた。各ペアの被験者は別室に入り、通常の情報伝達経路を遮断した。そして、送信者が受信者に向かって信号伝達動作を行ったときの受信者の応答を測定した。受信者は静電遮蔽室に座り、2重盲験・無作為の条件下で、送信者は1試行80秒間に1回だけ送信動作を行った。送信者・受信者はそれぞれスイッチボタンを持ち、そのボタン動作の記録が生理データとともに記録された。実験の結果、送信時刻前後における受信者の左手労宮の皮膚表面温度の異常な変化は見られなかった。受信動作・送信動作の時間一致性について、有効データ797を解析した結果、全体としては顕著な時間一致性は見られなかった。中国の武術系気功ペア2組において、+11秒の時点に統計的有意なピークが見られた(p<0.05, one-tail)が、この遅延ピークが遠当てによるものであるなら、その理由は送信動作が比較的長めだったためと考えられた。
著者
山本 幹男 町 好雄 伊藤 正敏 河野 貴美子 木戸 眞美 菅野 久信 小久保 秀之 世一 秀雄 劉 超
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.60-69, 2002-03-01

近年、米国では補完代替医療の予算が急増し、研究の活発化が著しい。筆者らは2001年11月末から約1週間ハワイを訪問し、ハワイ大学の視察、スピリチュアルヒーリングの科学国際会議への参加・発表、ハワイ遠隔視能力者組合の視察を行い、東洋と西洋との研究交流の促進を図った。ハワイ大学では、2005年までに代替医療学部を設立する計画が進行していた。また、ハワイ遠隔視能力者組合では、インターネットによる実験・教育訓練が行われていた。スピリチュアルヒーリングの科学国際会議では、微細エネルギー研究、特殊生体機能、伝統中国医学と西洋医学、瞑想と精神的体験の誘導と神経生理学的測定、意識の生物学、非局所的連結の神経生理学的測定、自由応答型サイ実験、直観診断などをテーマとする約40件の発表・講演があった。研究テーマには各国とも共通するものが多かったが、その一方で、欧米の研究と比較して日本・中国・台湾の研究は、研究対象の個別性を重視する傾向がみられた。
著者
中村 広隆 原口 鈴恵 陳 偉中 田中 昌孝 小久保 秀之 張 トウ 古角 智子 河野 貴美子 相馬 隆朗 山本 幹男
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.159-163, 2001-03-01

著者らは生物フォトンと温度変化の測定から意識集中時に指先の温度低下の場合を以前報告している。本研究では、この意識集中による皮膚表面温度変化に着目し、意識と生体機能の特性を解明するため、ヒトの手から発する放射赤外線による皮膚表面温度の測定を行った。その結果、今回の実験の例でも、手の意識集中時において皮膚表面温度の低下、リラックス時には上昇が観察された。
著者
吉田 光男 乾 孝司 山本 幹雄
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. データベース・システム研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009-DBS-149, no.20, pp.1-8, 2009-11

近年のブログの普及により,ブログのコンテンツを利用するサービスや研究が盛んになってきている.ブログのコンテンツは,ポストと呼ばれるブログの書き手によるコンテンツと,コメントと呼ばれるブログの読者によるコンテンツに大分する事ができる.ブログのコンテンツを利用する場合は,それらが別々に抽出できている事が望ましい.本論文では,ブログ記事集合を用いる事により,ポストとコメントを自動的に分離抽出する手法を提案する.本手法は,ポストはブログ記事集合全てのブログ記事に出現するが,コメントはいずれかのブログ記事にしか出現しないというアイデアが基になっている.また,本手法のアルゴリズムを実装したソフトウェアを用いて実験を行い,日本語ブログサイトに対しての有効性を示す.