著者
中島 大輔 住友 伸一 松本 和也 松岡 勝成 倉橋 康典 三崎 伯幸 中島 成泰
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.599-602, 2007-05-15 (Released:2008-11-17)
参考文献数
8

症例は30歳代,男性.拳銃で両側胸部,右上腕の3ヵ所を撃たれ,ショック状態で当院へ搬入された.胸部CT上,左胸背部の皮下組織と右胸腔に銃弾を認め,左胸腔に大量の血液が貯留していた.血胸による出血性ショック状態であり,左胸部は緊急開胸術を施行した.右胸部は銃弾の穿通路から肺,縦隔,横隔膜の損傷が疑われ,観察と銃弾摘出の目的で胸腔鏡下手術を施行した.術後CT上,銃弾貫通による肺裂傷を認めたが,合併症はなく,術後10日目に退院した.
著者
佐藤 晋治 武藤 崇 松岡 勝彦 馬場 傑 若井 広太郎
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.36-47, 2002-03-30 (Released:2017-06-28)

(1)研究の目的 点字ブロック付近に置かれた迷惑車両に対する警告だけでなく、適切な場所へ駐輪するというルールに従う行動に対する強化も焦点化したポスターを掲示することの効果を検討した。(2)研究計画 場面間多層ベースライン・デザインを用い、ベースライン、介入、プローブを実施した。(3)場面 A大学図書館、講義棟付近の点字ブロック周辺。(4)対象者 主に上記の場所を利用する学生、職員。(5)介入 不適切駐輪の定義とその防止を呼びかける内容のポスターと、1週間ごとの不適切駐輪台数のグラフとその増減に対するフィードバックを付したポスターを上記の地点に掲示した。(6)行動の指標 点字ブロック付近に置かれた迷惑駐輪車両の台数。(7)結果 介入を実施した5地点のうち4地点では、不適切駐輪台数は減少した。しかし、残りの1地点ではむしろ増加傾向にあった。また、駐輪スペースの利用者に対する事後調査の結果から、介入方法や結果の社会的妥当性が示された。(8)結論 不適切駐輪台数の増減に対するフィードバックを表示したポスター掲示は不適切駐輪台数を軽減させたが、その効果は明確なものではなかった。今後はより効果的な介入方略の検討とともに、物理的環境の整備も必要である。
著者
吉岡 勝廣 飯田 孝夫
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.53-62, 2007 (Released:2010-08-05)
参考文献数
39
被引用文献数
2 4

We compared the periodic characteristics of the atmospheric radon concentration on the land and ocean, using data simultaneously measured at Oki Island in the Sea of Japan and Matsue, which is located 70km south of the island and on the Shimane peninsula. The radon concentration was the highest in the fall at Matsue and in the winter at Oki Island and the lowest during the summer at both locations. The frequency distributions and the annual periodic variations of the arriving pathways of the air masses and these radon concentrations at Matsue and Oki Island showed the same tendency. At Matsue, the monthly average of diurnal minimum of the radon concentration was highest in the winter that was three month late from the maximum season of the monthly average of all measurements. The monthly average of radon concentration at Matsue showed the positive correlation between the monthly occurrence times of temperature inversion. The annual periodic variation of the radon concentration at Oki Island depends on the long-term variation of the distribution of arriving pathways of the air masses.
著者
稲岡 勝
出版者
日本出版学会
雑誌
出版研究 (ISSN:03853659)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.167-180, 2012-03-20 (Released:2019-03-31)
参考文献数
10

清末民初の大変動時代に,上海の商務印書館を東洋一の大出版社に導いた文人が張元済 (1867–1959) である.この偉大な編訳人は1908年,静養のため初めて日本を訪れ多くの見聞を深めた.そのうちで日本の書誌学者たちとの交流の一齣を,日中の史料を用いて明らかにする.
著者
松岡 勝彦
出版者
新潟大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本年度は、青年期の自閉症生徒(公立高等学校3年生男子1名)を対象に、他者とのコミュニケーション場面における問題点を明らかにし、適切な対人スキルの獲得に必要な訓練方法や般化について検討した。家庭や訓練室におけるアセスメントの結果から、他者の情報提供(例えば,「昨日は東京でも雪が降ったらしいよ」など)に対する、文脈に応じた応答(例えば,「へえー」「そうですか」など)が標的行動とされた。当該スキルの獲得訓練は大学内の訓練室が使用され、ビデオ教材を用いた条件性弁別訓練と直接訓練が導入された。ビデオ訓練においては適切な応答をしている人を選択させる訓練、その人がどのように応答しているのかを答えさせる訓練などが行われた。また、直接訓練では訓練スタッフとの実際のコミュニケーション場面において、「ビデオではどうだった?」などとビデオ訓練と実際の場面を結びつけるような訓練を導入した。その結果、対象生徒は、ビデオによる条件性弁別訓練のみでは標的行動を生起しなかったが、直接訓練を合わせて行ったところ、標的行動を獲得し、家庭場面においても般化が見られた。アセスメント時の家庭におけるやり取りは、家族が情報提供を行っても、対象生徒は無応答や自分の好きな話をするなど、文脈に応じた適切な応答は見られなかった。そのため、家族はそれ以上会話を継続することがなかった。しかし、直接訓練後においては、家族が情報提供を行った直後に、対象生徒からの適切な応答が増えた。また、直後に応答がない場合でも、家族が情報提供を再度行えば、適切な応答が見られた。
著者
松岡 勝彦 小林 重雄
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.1-12, 2000-01-30 (Released:2017-07-28)
被引用文献数
1 1

本研究では、自閉症児者が不得意であるといわれてきた、「他者意図」の理解に関して、行動分析学の立場から、「他者意図」と表現されるものに対応するための適切な刺激設定はどういうものであるかを明確にし(Sidman,1971参照)、どのような環境設定を行えば、これを理解可能になるかを検討することを目的とした。ここでは、他者に対する援助行動という社会的行動の形成の中で、他者の言語行動を「字義通り」に解釈する条件と、環境設定との組み合わせで「言外の意味」を理解する条件とを設定した。訓練では、これらを弁別するためにビデオ弁別訓練が行われた。その結果、対象児は上記の2条件に応じた行動が可能となった。このことから、「心の理論」の欠如(「他者意図」の理解困難)といった抽象的に表現される対象を詳細かつ機能的に分析し、「他者意図」に対応する弁別訓練を行うことにより、他者の「心的状態」の理解を可能とする方略が導き出されるのではないかと考えられた。
著者
松岡 勝彦 野呂 文行
出版者
筑波大学心身障害学系
雑誌
心身障害学研究 (ISSN:02851318)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.1-12, 2001-03

本研究では、2名の発達障害者(S1,S2)を対象に、援助行動の形成という文脈の中で、以前の被援助経験が対象者の反応にどのような影響を与えるのかについて検討した。研究1では、S1が作業中であるとき、常に援助してくれた他者(他者A)、あるいは援助をしてくれなかった他者(他者B)に対して、逆に他者が作業中であるときに、S1がどういう反応を示すかを測定し、他者Aを援助する反応が生起するための環境条件を検討した。その結果、2名の他者がS1の目前で同時に作業をしている条件においては、明確な援助要請がなくても、S1は他者Aを援助した。研究2では、2名の他者が同時に作業をしている条件においても、いわゆる位置への「こだわり」によって、援助する他者を選択していたS2を対象とした。そして、常にS2を援助してくれた他者Aを選択する反応が生起するために必要な訓練変数について検討した。その結果、S2に自分を援助してくれた人は誰であったかを尋ね、応答させることにより、このことは可能となった。
著者
井内 祥人 岡 勝 寺本 行芳
出版者
森林利用学会
雑誌
森林利用学会誌 (ISSN:13423134)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.45-54, 2016-01-31

奄美大島では1960年から鹿児島県により林道が建設されているが,梅雨,台風などの大雨により毎年,林道災害を受けている。特に2010年10月に記録的大雨が発生し,24路線58か所の林道災害が発生し道路やライフラインに甚大な被害を与えた(2010奄美豪雨)。奄美大島における過去に開設された林道の施設災害状況を調査するとともに,2010奄美豪雨による災害状況を分析した。その結果,1)施設災害の80%以上が切土法面の災害であること,2)林道開設終了年から約15年経過した1995年付近で林道施設の災害頻度に大きな変化が見られることを見出した。その要因として,林道施設の設計変更の影響が示唆された。次に,崩壊土量に及ぼす諸要因の影響を数量化I類で分析した結果,地質,集水面積,斜面形状,縦断勾配,斜面方位の順に高い影響を及ぼすことが判明した。2012年6月から9月にかけて奄美大島で発生した豪雨災害に適用した結果,高い有意性が明らかとなった。
著者
松岡 勝彦 佐藤 晋治 武藤 崇 馬場 傑
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.25-34, 2000-09-25 (Released:2017-06-28)

研究の目的 行動コミュニティ心理学による身体障害者用駐車スペースの違法駐車の軽減を実証的に取り扱った研究知見を応用し、点字ブロックに近接して置かれた迷惑車両(自転車とバイク)に対して、注意を促すポスターを掲示することの効果を検討することを目的とした。研究計画 場面間マルチ・ベースライン・デザインを用い、ベースライン、介入、プローブを実施した。場面 A大学図書館、講義棟、研究棟駐輪場付近の点字ブロック周辺であった。対象者 主に上記の場所を利用する学生、職員(教官含む)であった。介入 不適切駐輪の定義とその防止を呼びかける内容のポスターを、図書館と講義棟に掲示した。図書館では北側入口ドアおよび南側入口ドアの2か所に、講義棟では南側入口ドアおよび西側入口ドアの2か所に掲示した。ただし、研究棟(統制用)には掲示しなかった。行動の指標 点字ブロックに近接して置かれた迷惑車両(台数)を従属変数とした。結果 講義棟では、ベースラインにおける不適切駐輪台数は、平均11.6台であった。ポスターを掲示した介入条件での平均台数は7.3台となり、プローブでのそれは平均3.8台であった。介入を行わなかった研究棟(統制条件)では、全期間での平均不適切駐輪台数は4.3台であった。ポスターを掲示した2か所(図書館と講義棟)のうち、講義棟については効果が見られたが、図書館については、さほど効果は見られなかった。結論 不適切駐輪の防止を呼びかけるポスターを掲示することにより、不適切な駐輪台数が減少した。ただし、このことはポスターを貼付した場所(建造物の機能)によって効果が異なっており、今後はより効果的な介入方略について検討する必要がある。
著者
久保 博尚 長瀬 通昭 板谷 芳樹 大森 丈治 吉岡 勝
出版者
The Japan Institute of Marine Engineering
雑誌
日本舶用機関学会誌 (ISSN:03883051)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.263-270, 1987
被引用文献数
1

Various attentions have been paid to improvement of propeller efficiency. Among these devices, the free rotating propeller (vane wheel) to be fitted additionally behind conventional main propeller is the most attractive one. However the design method, blade strength, etc. of the free rotating propeller are not specified.<BR>The authors designed the free rotating propeller for the ship by applying the momentum theory and the blade element theory that are used for designing the hydraulic machineries. In this report, the design accuracy is compared with full-scale measurements and as the results, the following conclusions are obtained.<BR>(1) The calculated revolutions and energy saving rate of the free rotating propeller show a similarity to those of measurements.<BR>(2) Measured energy saving rate is 6-8.5% at same speed condition.<BR>(3) The mean blade stress is 2.6kgf/mm<SUP>2</SUP> {25 MPa} and the fluctuation of blade stress for a rotation is 8.8kgf/mm<SUP>2</SUP> {86 MPa} in peak-to-peak value.<BR>(4) The pressure fluctuation caused by main propeller is reduced by 20% at the blade frequency components.