著者
西岡 大輔 富田 詩織 高岡 沙知 田中 雅之
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.220-223, 2019-12-20 (Released:2019-12-27)
参考文献数
16

筆者らは,2018年10月,第5回日英プライマリ・ケア交換留学プログラムに参加した.本報告書では「家庭医の労働環境」と「家庭医療指導医の要件」に注目し,一部日英比較を交え紹介する.それにより,日本プライマリ・ケア連合学会が参考にできる点をまとめる.提案として,学会内の多職種による意見交換の機会を持つことや,指導医養成のプログラムの充実,指導医が備えるべきコンピテンシー項目の作成を提案する.
著者
小鷲 宏昭 西岡 大輔 山口 咲子 安達 恵利香 松岡 久美子 林 孝雄
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.231-237, 2017

<p><b>【目的】</b>色覚検査において正常と診断されても色弁別能が弱いものは、Low normal color visionと呼ばれる。今回我々は、色覚検査では正常色覚と診断できるが、アノマロスコープにて混色等色域の拡大がみられる、Low normal color visionと考えられた父娘例を経験したので報告する。</p><p><b>【症例】</b>17歳、女子。母親に色覚異常を指摘され来院した。今まで色覚検査を受けたことはなく、私生活においても不便さを感じていなかった。石原色覚検査表Ⅱで誤読3表、Panel D-15はminor errorsであった。アノマロスコープでは正常Rayleighにて混色30-40へ等色範囲の広がりがみられたが、1型・2型Rayleighでは等色は起こらなかった。日常生活では赤と茶、青と緑を誤認することがあった。後日、両親に色覚検査を施行し、母親は全検査において正常であった。父親は石原色覚検査表Ⅱにて誤読1表、Panel D-15はno errors、アノマロスコープにて混色35-40へ等色範囲の軽度な広がりがみられたが、色誤認の経験はなかった。</p><p><b>【結論】</b>父娘ともアノマロスコープにて等色域の拡大がみられたことから、Low normal color vision と考えられた。石原色覚検査表やPanel D-15においておおむね正常と判定されても、僅かな誤りがある場合はアノマロスコープで精査することが重要である。</p>
著者
広井 満 高岡 大輔
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1974, no.4, pp.762-765, 1974
被引用文献数
2

樟の一品種セスキテルペン樟の葉から不揮発牲セスキテルペノイドとして,9-オキソネロリドール〔1〕,cis- およびtrans-3, 7, 11-トリメチルドデカ-1,7,10-トリエン-3-オール-9-オン〔2〕,〔8〕,9-ナキソファルネゾール〔4〕および酢酸9-オキソファルネジル〔5〕を単離,同定した。このうち〔1〕は主成分で,その絶対配置は(+)-ネロリドールとの関連で決定した。構造決定は,物理的,化学的手段で行ない,単離は主として吸着クロマトグラフィーによって行なった。
著者
平間 淳司 松岡 大輔 松井 良雄 西堀 耕三
出版者
日本生物環境工学会
雑誌
植物環境工学 (ISSN:18802028)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.90-97, 2008-06-01 (Released:2009-09-04)
参考文献数
7
被引用文献数
3 7

本研究ではマイタケ子実体の生体電位信号をモニタリングし,信号中の概周期的な生体リズム成分より,光照射のタイミングを制御する方法を考案した.すなわち,子実体をバイオセンサとして用いることで,生体電位の自発性リズム変動に連動させた光照射を用いる新たな栽培技術を提案した.約1時間分析区間長毎の生体電位の上昇や下降の変動特性に応じて,光源装置の点灯あるいは消灯タイミングを試行的に設定した.その結果,12L12D(12時間Light,12時間Dark)の間欠照射あるいは連続照射に比べて,生体電位のリズム変動に連動させた光源制御の方が菌傘の展開が発達したり,新鮮重が増加する傾向となり,茸工場内での生産性向上が見込まれる結果を得た.このように,本研究では特定の個体をバイオセンサとして生体電位信号のリズム変動を計測して,その信号に連動させて茸工場全体の光源を制御するシステムの基盤が構築できたと考えている.なお,本研究成果の一部は文部科学省科学研究費(基盤研究(C):課題番号16560420)の助成による.
著者
太田 勝巳 武田 栄治郎 吉岡 大輔 浅尾 俊樹 細木 高志
出版者
日本生物環境工学会
雑誌
植物工場学会誌 (ISSN:09186638)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.22-25, 1999-03-01 (Released:2011-03-02)
参考文献数
8

ミニトマトと大型トマトを供試して, 高温期と低温期において水耕培養液濃度を変えて栽培することによって, 尻腐れ果発生の差異を比較するとともに, 尻腐れ果発生初期の小果柄の離層部周辺の維管束の様子を観察した.1.ミニトマトでは低温期には尻腐れ果が全く発生しなかったが, 高温期には16~18%の発生が見られた.大型トマトでは低温期, 高温期いずれも高濃度培養液で栽培すると多くの尻腐れ果が発生した.2.ミニトマトの果実縦径当たりの果実生長量は栽培時の気温や培養液濃度によって変化しなかったが, 大型トマトのそれは高温期において高濃度より低濃度の培養液で栽培するとやや大きかった.3.尻腐れ果発生初期の小果柄の離層部周辺の維管束を正常果のそれと比較した.ミニトマトでは両者に大きな差異はみられなかったが, 大型トマトでは維管束数が減少し, かつ導管の径が小さくなっていた.
著者
貴志 真也 森北 育宏 片岡 大輔 木村 侑史 吉田 隆紀 小林 啓晋 鈴木 俊明
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.C3O3042-C3O3042, 2010

【目的】<BR> 剣道活動中の傷害発生率は他のスポーツに比べて低いものの、剣道を継続しているものには腰痛症が多く認められる点が剣道競技におけるスポーツ障害の特徴である(和久1991)。そこで今回、その要因を検討するための指標を得る目的に、剣道選手の脊柱Alignmentと脊柱筋の特徴について調査した。<BR>【方法】<BR> 立位姿勢と踏み込み動作姿勢の脊柱側面像のX-P撮影を行い、腰椎前弯度をL1椎体上縁とL5椎体下縁とのなす角をCobb法に準じて測定し、立位姿勢と踏み込み動作姿勢の比較と腰痛群と非腰痛群の2群の比較を行った。統計学的分析は、2×2(痛み×姿勢)分散分析を用いて各群間の平均値の違いを検証した。さらに、交互作用が認められた場合、Tukey HSDによる多重比較を行った。つぎに、MRIにて腰椎のT2強調画像の横断面像を撮影し、L3高位の多裂筋面積と大腰筋面積との比(多裂筋/大腰筋比)を測定した。多裂筋/大腰筋比は、左右の比較と左右平均値を腰痛群と非腰痛群の2群で比較した。統計学的分析はStudentのt検定を用いた。さらに、立位姿勢から踏み込み動作の腰椎前弯変化度と多裂筋/大腰筋比の相関性について調査した、統計学的分析は、Peasonの相関関係で求めた。有意水準は各々5%未満とした。<BR>【説明と同意】<BR> 本研究の趣旨を説明し同意を得た大学男子剣道選手20名(大学で腰痛を経験したことがある選手:以下腰痛群10名と過去に腰痛を1度も経験したことがない選手:以下非腰痛群10名)とした。腰痛群は、全例がO大学の診療所にて筋・筋膜性腰痛症の診断を受けた症例である。本研究は大阪体育大学大学院スポーツ科学研究科倫理委員会の承認を得た。<BR>【結果】<BR> 腰椎前弯度は、痛みの有無に有意な主効果が認められ(F(1,36)=14.74,p<0.001)、同じく立位姿勢と踏み込み動作姿勢においても有意な主効果が認められた(F(1,36)=68.29,p<0.001)。さらに、痛みと姿勢について有意な交互作用が認められた(F(1,36)=6.73,p(0.014)。その後の多重比較では、腰痛群と非腰痛群の2群とも立位姿勢に比べ踏み込み動作姿勢の腰椎前弯度が有意に増強した(p<0.01)。また、その増強は腰痛群が有意であった(p<0.05)。多裂筋/大腰筋比は、腰痛群・非腰痛群とも左右で有意差は認められなかった。また、左右平均値は腰痛群37.6±7.8%で非腰痛群61.0±21.6%に比べ有意に低値を示した(p<0.01)。多裂筋/大腰筋比が小さくなると腰椎前弯度が大きくなるという有意な相関が得られた(p<0.01)。<BR>【考察】<BR> 今回行った踏み込み動作姿勢のレントゲン画像による脊柱アライメントは、立位姿勢に比べ腰椎前弯度が有意に増強した。さらに、その腰椎前弯の増強は腰痛群が有意に大きかった。したがって、剣道競技における踏み込み動作は、腰椎前弯に伴うストレスが腰椎部に加わる特徴があり、腰痛群は特にその要素が強いと思われる。腰痛群において腰椎前弯度変化が大きい理由について、腰痛群の立位姿勢における腰椎前弯度が非腰痛群に比べて有意に少ないことが挙げられる。その要因として、多裂筋/大腰筋比が非腰痛群に比べ有意に少ないこと、多裂筋/大腰筋比が少ないと立位姿勢の腰椎前弯度も少ないという正の相関関係が得られたことなどから、多裂筋/大腰筋比の低下が考えられる。以上のことから、多裂筋/大腰筋比が少ないと踏み込み動作時の腰椎前弯変化が大きくなり腰痛を引き起こす危険性があるため、多裂筋を選択的に鍛え筋量を増やすことが腰痛予防につながると示唆された。<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> 近年、スポーツ医学の進歩に伴い、理学療法士がスポーツ選手の障害予防ならびに早期スポーツ復帰のための理学療法をドクターと連携し行うことが重要とされている。そのため、スポーツの競技特性を理解することは障害予防のリハビリテーション、早期復帰への理学療法を行う上で大切である。今回の研究は剣道競技の身体的特徴と腰痛の関係について調査した内容であり、剣道選手の腰痛予防、腰痛からの競技復帰に向けた理学療法を行う上において意義のあるものと考えています。
著者
甲斐 重武 宮岡 大輔 兵藤 健志 宮地 健士
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.75, pp.13-18, 2005-12

九州大学附属図書館は,大学統合と国立大学法人化という大きな変革期のなかで図書館ポータル 「My Library」を開発し運用してきた。これはサービスの一元的窓口として従来の蔵書検索やサービス依頼 を統合する形のものであるが,システム的には必ずしも完成されたものではなく,マニュアル業務を活用し て柔軟に対応してきた。2005年未には大学の新キャンパスへの移転が開始され,新しい図書館が開館するこ とに加え,図書館システムの機種更新も予定されている。これを機に図書館ポータルとしての総合的な完成 度を高めようとしている。Kyushu University Library began to operate its library portal "My Library" during a dramatic period of change caused by university mergers and the creation of national university corporations. The portal function was intended to provide a single service point for the library catalog,Search engines, and library services, but the software wasn't yet completely developed so a certain amount of manual work had to be done to make it work. At the end of 2005,when the university moves to its new campus, there are plans for improved library systems to support the new library, including a more complete system of centralized services through the library portal.
著者
谷尾 昇 門倉 光隆 野中 誠 山本 滋 片岡 大輔 高場 利博
出版者
日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.215-218, 1997-05-25
参考文献数
10

症例は66歳の女性。昭和48年より慢性関節リウマチで薬物療法を受けており, プレドニゾロン3mg/日の内服をしていた。平成6年7月6日, 整形外科で全身麻酔下に左人工股関節置換術を受けた。術後上半身に著明な皮下気腫と呼吸苦が出現し, 7月8日ICU管理となった。気管支鏡検査を施行し気管上部膜様部に裂創を認めた。16Gエラスターを前胸部皮下に留置して間欠的に低圧吸引し, 保存的に経過を観たが, 皮下気腫は改善しないため, 7月11日気管裂傷部直接縫合閉鎖, 肋間筋弁縫着術を行った。