著者
平井 孝志
出版者
日本経営学会
雑誌
日本経営学会誌 (ISSN:18820271)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.46-60, 2021 (Released:2022-09-21)
参考文献数
34

Dynamic capabilities framework is becoming increasingly important for both sustainable competitive advantage and continuous superior business performance. In engaging dynamic capabilities, R&D activities plays an important role. Contribution of R&D investments to scale growth has been confirmed in past empirical studies, but its effect on profitability improvement remains inconclusive. This ambiguous result might be due to inadequate approaches to measuring the causal relationship between R&D investments and business performance. This study examines a dynamic model from the perspective of dynamic capabilities to understand the effect of R&D investments on profitability through an empirical analysis of large Japanese manufacturers. By introducing a dynamic capability perspective, we identified that long-term, disequilibrium development and circular logic are key attributes for understanding improvement of profitability. Our model also clarified how the impact of R&D activities on profitability should be measured. For the empirical analysis, we investigated the performance of 189 publicly-traded manufacturers in Japan over a period of 27 years from 1989 to 2015. The three major findings are (1) companies which continuously increased R&D intensity improved profitability in the long run; (2) R&D intensity generated larger impact on incremental profitability in R&D intensive industries; and (3) cycles of fluctuation were 4.1 years for R&D intensity, 4.0 years for operating income, and 5.1 years for sales. Our findings suggest that, even while the importance of open innovation is being touted, R&D intensity should be increased slightly but continuously to strengthen R&D activities to enhance dynamic capabilities and achieve higher profitability. Paradoxically, even in today's environment of uncertainty and accelerated change, companies may need to take a long-term view of managing disequilibrium development with a timespan of about 10 years, including 2 to 3 fluctuation cycles.
著者
平井 孝典
出版者
日本アーカイブズ学会
雑誌
アーカイブズ学研究 (ISSN:1349578X)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.12-30, 2005-11-15 (Released:2020-02-01)

2001年に情報公開法が制定され、国立大学法人でも適正な文書管理が試みられてきているといわれる。しかし、多くの国立大学には非現用文書の受け入れ先がなく、歴史的あるいは学術的に重要な文書等が失われる可能性がある。歴史的に重要かどうか検討されることなく、保存期間の満了した文書が廃棄されているかもしれない。従って、公開できないとされる個人情報の含まれた歴史的に重要な文書が、永遠に見られないかもしれない。本稿では、卒業論文を例としてとりあげ、将来それが歴史的資料として見られるかどうかについて考える。最初に国立大学法人での卒業論文の実際の扱いについて見ておきたい。次に、情報公開法における個人情報について説明し、最後に法人文書に含まれる著作物について考える。
著者
水上 利洋 松本 美喜子 浜口 行雄 平井 孝次郎
出版者
一般社団法人 日本臨床化学会
雑誌
臨床化学 (ISSN:03705633)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.111-119, 2001-09-30 (Released:2012-11-27)
参考文献数
25
被引用文献数
1
著者
楊 学虎 冨永 茂人 平井 孝宜 久保 達也 山本 雅史
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.227-234, 2009-04-15
参考文献数
18

タンカン果実の連年安定生産技術改善のための基礎的知見を得るために、'垂水1号'を供試して、果実発育、着色、果汁成分、砂じょうの発育および呼吸活性の時期別変化を調査した。果実は7〜12月にかけて旺盛に肥大し、それには7〜11月にかけての砂じょう重の増加が大きく寄与していた。12月以降、果実肥大は低下した。じょうのう当たりの砂じょう数は7月には収穫時とほぼ同数であった。砂じょう長は8〜2月まで緩やかに増加した。砂じょうの呼吸活性は7〜11月にかけて急速に減少し、11月以降はほぼ一定であった。果皮の着色は10月から始まったが、果肉の着色より遅れた。糖度(Brix)は10月から増加し、それは主要糖であるスクロースの増加によるものであった。グルコースとフルクトースの含量は低かったが、収穫直前にわずかに増加した。滴定酸含量は8月に最高値を示した後、12月まで急激に減少した。12月以降は1%前後で推移した。滴定酸含量は果汁中で90%以上を占めるクエン酸の変化と一致した。クエン酸以外にリンゴ酸が検出されたが、リンゴ酸含量は終始低かった。
著者
高澤 麻理絵 町田 治郎 上杉 昌章 古谷 一水 押木 利英子 田中 宏和 野原 友紀子 平井 孝明 松波 智郁 鈴木 奈恵子 岩島 千鶴子 廣田 とも子 脇口 恭生 本吉 美和 岸本 久美
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.BbPI1161, 2011

【目的】Dynamic spine brace(以下DSB)は、梶浦らにより開発された脳性麻痺の側彎変形に対する体幹装具で、従来の硬性コルセットと比較し可撓性に富み、利用者の受け入れが良く、長時間の装着が可能という特徴を持つ。また介助者側からみた特徴としては、装具の着脱が行い易い、患児の体幹が安定するなどがあり介助量の軽減も報告がされている。今回、当院においてDSBを作製した患者に対し、介助者の主観的評価として満足度・介助負担感、機能的評価として側彎進行度・1回換気量について調査を行ったので報告する。<BR>【方法】対象は当院でDSBを作製した患者で、使用前と使用1M後、3M後に比較可能であった男児1名女児5名であった。GMFCSはレベル4が2名、レベル5が4名であり、装具使用開始の平均年齢は9歳5か月であった。評価項目は、介助者の主観的評価として、1) DSBへの満足度、2)介助負担感(装着・移乗・更衣動作・排泄)、3)動作や姿勢の変化点、その他の気づいたことを自由意見として聴取した。満足度と介助負担感は10点満点で、負担感は大変なほど点数が高くなり、満足度は、満足しているほど高くなる。介助者への聴取は同一検者が行った。機能的評価として、1) コブ角測定 ( 整形外科医師によるレントゲン画像読影 ) 、2) 1分間の平均1回換気量測定(IMI社製Haloscaleを使用)を行った。平均1回換気量は、分時換気量を呼吸数で割って求め、これを3試行し平均値をとった。主観的評価は、6人分を平均して、使用後1M後と使用3M後の2群に分けて比較した。機能的評価(コブ角、平均1回換気量)は使用前と使用1M後、使用1M後と使用後3Mにおいて対応のある2群の中央値の差の有無をウイルコクソン符号付順位和検定を用いて調べた。<BR>【説明と同意】ヘルシンキ宣言に基づき、対象者および保護者には事前に書面および口頭にて説明を行い、アンケートの提出をもって同意を得るものとした。<BR>【結果】主観的評価:1)DSBに対する満足度は使用1M後7.2点、使用3M後7.3点であった。満足度の主な減点理由として、全員から熱がこもる、汗をかくという意見があった。2)装着に関する負担感は、使用1M後3.5点、3M後3.3点で、装着する位置が難しい、装着動作が大変という意見があった。移乗介助の負担感は使用1M後5 点、3M後4.5点で、身体にフィットせず抱きにくいという反面、低緊張なので装具がある方が抱きやすいという意見もあった。更衣介助の負担感は使用1M後3M後ともに平均3.0点、排泄介助の負担感は使用1M後4.5点、3M後6.5点であった。排泄介助に関しては、1日に何度も着脱し汚れの配慮が必要との声があった。3)家族から聴取した動作や姿勢の改善は全例で認められ、臥位・座位姿勢の改善、座位時間の延長、座位で上肢が使いやすい、座位が自立した等があった。機能的評価:コブ角は使用前平均49.5度と使用後1Mで44度、3Mで45.9度であった。使用前と使用1M後、使用1M後と3M後で統計学的有意差は認められなかった。平均1回換気量は、使用前平均108.4 ml、使用1M後94.3 ml、 3M後133.3mであり、使用前と使用1M後間で有意な低下(p<0.05)、使用1M後と3M後間に有意な改善がみられた(p<0.01)<BR>【考察】DSB使用後の動作や姿勢に関する家族の評価は概ね良好であり、満足度も高い評価を得られたが、介助負担感(装着・排泄・移乗・更衣)については、先行研究のような長所のみでは必ずしもないことが明らかになった。装具適応については介助者に対しての事前の十分な説明や教育が必要であると思われた。今回の対象者は、全員が初めての装着であり負担感が少なからずあったと考える。さらに調査期間が3Mと短かったことから、もっと長期の使用があれば装具を常用することへの習熟や慣れが生まれて負担感は軽減する可能性があると考えた。機能的評価でも、コブ角は有意な改善が見られず、平均1回換気量に関しては使用前と使用1M後間で有意に低下し、その後の使用1M後と3M後間で有意な改善がみられた。このことから機能的改善も使用直後には見られず、改善がみられるには3M以上を要することが推察された。今後、機能改善の評価に適切な評価項目を吟味するとともに、追跡調査を続け長期間にわたるDSB使用に関する機能評価をする必要があると考えた。<BR>【理学療法学研究としての意義】脳性麻痺などの中枢神経系障害に起因する二次的な側彎変形に対して、新たに開発された装具の効果について検討を行った。重度重複障害児の側彎変形は児の生命やQOLに関わる重要な問題であるにもかかわらず科学的根拠を求める研究は少ない。本研究は重度重複障害児の側彎変形に対する試みであり、得られた知見は小児分野の理学療法学研究に寄与するものである。
著者
楊 学虎 冨永 茂人 平井 孝宜 久保 達也 山本 雅史
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.227-234, 2009
被引用文献数
2

タンカン果実の連年安定生産技術改善のための基礎的知見を得るために,'垂水1号'を供試して,果実発育,着色,果汁成分,砂じょうの発育および呼吸活性の時期別変化を調査した.果実は7~12月にかけて旺盛に肥大し,それには7~11月にかけての砂じょう重の増加が大きく寄与していた.12月以降,果実肥大は低下した.じょうのう当たりの砂じょう数は7月には収穫時とほぼ同数であった.砂じょう長は8~2月まで緩やかに増加した.砂じょうの呼吸活性は7~11月にかけて急速に減少し,11月以降はほぼ一定であった.果皮の着色は10月から始まったが,果肉の着色より遅れた.糖度(Brix)は10月から増加し,それは主要糖であるスクロースの増加によるものであった.グルコースとフルクトースの含量は低かったが,収穫直前にわずかに増加した.滴定酸含量は8月に最高値を示した後,12月まで急激に減少した.12月以降は1%前後で推移した.滴定酸含量は果汁中で90%以上を占めるクエン酸の変化と一致した.クエン酸以外にリンゴ酸が検出されたが,リンゴ酸含量は終始低かった.<br>
著者
平井 孝典
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.50-70, 2014

本稿では、19世紀初期の「アーキビスト」アルヴィドソンやグロンブロードらの情報アクセス環境を整える活動をとりあげる。次の内容が扱われる。最初に、いかにアーキビストや図書館員がフィンランド及びスウェーデンの公文書を持ち得たか。第二に、フィンランド人アーキビストはどのようなアーカイブズの知識をスウェーデンで学んだか。第三に、どのようにアルヴィドソンはフィンランドに関係のあるアーカイブズ資料について考えていたのか。第四に、いかにグロンブロードは、人々がフィンランド研究を進めるよう、アーカイブズ資料を扱ったのか。最後に、上述したことと関連し、私たちはどのようなフィンランド関係のアーカイブズ資料にインターネットを通じアクセスしうるのか。
著者
三澤 一成 加藤 知行 金光 幸秀 小森 康司 平井 孝
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.39, no.12, pp.1787-1796, 2006 (Released:2011-06-08)
参考文献数
32
被引用文献数
2 2

目的: 直腸癌局所再発は, 根治のためには外科的切除しかないが, その侵襲に見合った治療効果の得られない例も少なくない. 術前の進展度別に当院での治療成績を解析し, 外科的治療の意義を検討した. 対象と方法: 1981年から2002年に直腸癌局所再発に対し, 治癒切除目的で手術が行われた84例を, 術前画像診断から腫瘍進展の局在より, A 群: 再発腫瘍が内閉鎖筋, 梨状筋に浸潤または接する, または第2以上の仙骨に接するもの, B群: 第3以下の仙骨や, 子宮, 精., 膀胱などの骨盤内臓器に浸潤または接するもの, C群: 吻合部周囲に限局するものの3群に分類. また, 同時期に直腸癌局所再発病変の進展が高度であることを理由に非切除・手術非適応となった19例を非手術群として, 治療成績を比較検討した. 結果: 治癒切除率は全例61.9%, A群31.8%, B群80.6%, C群81.3%. 再発切除術後5年生存率は, 全例30.0%, A群5.9%, B群32.7%, C群67.0%であった. 術後局所再々発や遠隔転移について, A群で有意に早期に認められた. A 群と非手術群の比較では, 再発後生存期間に有意差を認めなかったが, 局所再発から遠隔転移が起こるまでの期間は中央値でA 群8.4か月, 非手術群18.0か月と有意差を認めた. 結論: A群では治癒切除率が低く, 早期に局所再々発や遠隔転移を来し予後不良であった. 今後, 手術適応や術式, 補助療法などの再検討が必要であろう.
著者
小菅 卓夫 辻 邦郎 平井 孝一 福山 俊典
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.3059-3061, 1985-07-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
12
被引用文献数
20 35

A Coryneform bacterium, isolated from the digestive gland of the Japanese ivory shell, Babylonia japonica, was shown to produce neosurugatoxin and prosurugatoxin, the causative toxins of a food poisoning outbreak in 1965 following ingestion of the shellfish. This is the first evidence that marine toxins may be produced by bacteria.
著者
平井 孝典
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.65, pp.30-47, 2013-11-30

フィンランドのアーカイブズの文化あるいは制度は、1809年9月17日にスウェーデンとロシアとで締結されたフレデリクスハムン講和条約の結果としてフィンランドが大公国となったときに始まったと言われている。実際には、中世以来、多数の「地方アーカイブズ」が発展してきた。本稿では、その条約、ストックホルムからオーボへのドキュメントの移送、1816年の議会公文書館成立などを扱う。
著者
平井 孝典
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.65, pp.30-47, 2013-11-30

フィンランドのアーカイブズの文化あるいは制度は、1809年9月17日にスウェーデンとロシアとで締結されたフレデリクスハムン講和条約の結果としてフィンランドが大公国となったときに始まったと言われている。実際には、中世以来、多数の「地方アーカイブズ」が発展してきた。本稿では、その条約、ストックホルムからオーボへのドキュメントの移送、1816年の議会公文書館成立などを扱う。
著者
小玉 正太 平井 孝 加藤 知行 巻渕 弘治 藤光 康信 紀藤 毅
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.1706-1710, 1996-07-01
参考文献数
10
被引用文献数
11

症例は47歳の男性.肛門出血および腫瘍の肛門からの脱出を主訴として,平成6年8月1日近医を受診.平成6年8月18日,経肛門的腫瘍摘出術を施行された.平成6年9月12日当科入院.摘出標本上,高分化腺癌(mp)から,肛門粘膜上皮内にpagetoid spreadを認めたため,肛門周囲の皮膚生検を系統的に施行し,浸潤範囲を同定した.腹会陰式直腸切断術施行後1年4か月が経過したが,再発徴候なく外来通院中である.肛門管癌に合併した肛門周囲Paget病変は極めてまれで,文献上著者が検索しえた限りでは,自験例を含めて9例の報告のみである.また根治術施行前に肛門周囲の浸潤範囲を同定しえた報告は,検索しえた限り自験例のみであり,文献的考察を加え報告した.
著者
澤田 傑 上坂 克彦 加藤 知行 森本 剛史 小寺 泰弘 鳥井 彰人 平井 孝 安井 健三 山村 義孝 紀藤 毅
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.29, no.11, pp.2190-2194, 1996-11-01
参考文献数
17
被引用文献数
4

症例は52歳の女性.1981年7月,S状結腸癌を伴う大腸腺腫症の診断で結腸全摘および直腸低位前方切除術を施行した.1985年8月,CTで腹腔内デスモイド腫瘍が疑われタモキシフェン,スリンダクの内服治療を行い臨床上縮小した.1995年7月,内視鏡にて十二指腸多発性腺腫,および十二指腸下行部のVater乳頭対側に3個の腺腫内癌を診断した.9月7日全胃幽門輪温存膵頭十二指腸切除の予定で開腹したが,小腸間膜を広範に巻き込むデスモイド腫瘍のため再建不能と判断し十二指腸壁を切開し主だった腫瘍を摘出,小ポリープは可能な限り焼灼した.大腸腺腫症に十二指腸病変は高頻度に合併するが,傍乳頭部領域以外の部位から発生した多発性十二指腸癌の報告例はまれである.また,この際腸間膜のデスモイド腫瘍を併発すると外科的治療に制約が加えられることが有りえるので治療法の選択上注意が必要である.