著者
杉山 滋郎
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
まてりあ (ISSN:13402625)
巻号頁・発行日
vol.37, no.8, pp.647-650, 1998-08-20 (Released:2011-08-11)
参考文献数
10
著者
早岡 英介 三上 直之 杉山 滋郎 藤吉 亮子 鳥羽 妙 川本 思心 郡 伸子 滝沢 麻理 池田 貴子 添田 孝史
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

福島第一原子力発電所の事故以降,主に放射能リスクをテーマとしたリスクコミュニケーションの取り組みが各地で進められてきた.だが,多くは啓蒙的な説明会にとどまっており,専門家と一般市民との間に十分な双方向の対話の場を生み出せていない.こうした状況を克服するためには,リスク情報を正確かつ受け手側に配慮しながら発信できるリスクコミュニケーターの育成が急務である.北海道大学CoSTEPにおける2014年度の実践から,リスクコミュニケーター人材育成においては「伝え方を工夫できるコンテンツの制作能力」「対話の場を生み出す能力」「問題設定を適切に設計できるフレーミング能力」の3つの能力が重要だと考察した.
著者
藏田 伸雄 石原 孝二 新田 孝彦 杉山 滋郎 調 麻佐志 黒田 光太郎 柏葉 武秀
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究ではまず、科学技術に関するリスク-便益分析の方法について批判的に検討し、リスク論に社会的公平性を組み込む可能性について検討した。第二に、ナノテクノロジー、遺伝子組換え農作物等の科学技術倫理の諸問題をリスク評価とリスクコミュニケーションの観点から分析した。第三に、リスク論に関して理論的な研究を行った。さらにリスク論と民主主義的意思決定について検討した。第四に、技術者倫理教育の中にリスク評価の方法を導入することを試みた。まず費用便益分析に基づくリスク論は、懸念を伴う科学技術を正当化するための手段として用いられることがあることを、内分泌攪乱物質等を例として確認した。また研究分担者の黒田はナノテクノロジーの社会的意味に関する海外の資料の調査を行い、アスベスト被害との類似性等について検討した。また藏田は遺伝子組換え農作物に関わる倫理問題について検討し、科学外の要因が遺伝子組換え農作物に関する議論の中で重要な役割を果たすことを確認した。そしてリスク論に関する理論的研究として、まず予防原則の哲学的・倫理学的・社会的・政治的意味について検討し、その多面性を明らかにした。他に企業におけるリスク管理(内部統制)に関する調査も行った。リスク論に関する哲学的研究としては、確率論とベイズ主義の哲学的含意に関する研究と、リスク論の科学哲学的含意の検討、リスク下における合理的な意思決定に関する研究を行った。またリスク評価と民主主義的な意思決定に際して、参加型テクノロジーアセスメントや、双方向型のコミュニケーションによって、リスクに関する民主主義的決定モデルが可能となることを確認した。また技術者倫理教育に関して、研究分担者の間で情報交換を行い、上記の成果を技術者倫理教育に導入することを試みた。
著者
金森 修 杉山 滋郎 杉山 滋郎 小林 傳司 金森 修
出版者
筑波大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

金森修は、コンディヤックの『動物論』を分析する過程で、人間と動物との関係を巡る認識的議論にその調査対象が拡大した。その過程で、金森はフランスの重要な科学史家ジョルジュ・カンギレムの仕事に注目するようになった。そして結果としては、コンディヤックの『動物論』自体の分析は、擬人主義論の中ででてくることはでてくるが、副次的なものになり、より射程の広い擬人主義論、そしてカンギレム自体のさまざまな業績を扱った四つの論文、計5篇の論文の形で、その成果をまとめることができた。まず「擬人主義論」では、心理学が擬人主義を放擲かくするに及んで、もともとの研究プログラムを喪失していく過程の分析、比較心理学や動物行動学に伏在する擬人主義の剔抉などを中心に扱った。次の「主体性の環境理論」では、一八世紀から一九世紀初頭にかけて、環境という概念がどのようにその意味あいを変えていくかを巡る史的な分析を行い、それが一九世紀から二○世紀にかけて、主体を環境によって規定された受動的なものとしてではなく、それなりに環境を構成する能動的なものとして把握するという思潮がどのようにでてきたのか、またその考え方の環境倫理学的な意味あいについて分析した。次の「生命と機械」論では、古来からの生物機械論と生気論とが、現代的なバイオメカニックスや人間工学においては、対立ではなく、融合を起こしていること、そのため、人間がどこまで機械として説明できるのか、という問い自身がもはや成立しえないことを論証した。次の「生命論的技術論」では、技術的制作一般を巡る主知主義的な把握を破壊し、技術制作と創造者との間の相即的で相互誘発的な関係を分析した。 次の「美的創造理論」では、アランの美学をカンギレムが分析している文章を精密に分析する過程で、創造行為一般における創発性、規範の存在の重要性などを分析した。杉山滋郎は、平成2年度から4年度に収集した文献資料をもとに、当初の研究目的にそって考察を進めてきた。その結果、「生命観」の概念規定を明確にすることに努めつつ、わが国における「生命観」の時代的変化ならびにその特質について、概念が把握されつつある。現在のところまだ具体的な論考には結晶していないが、必要な資料をさらに収集して、今後しばらく検討を続けたうえで、すみやかに成果を公表する予定である。
著者
兵藤 友博 梶 雅範 岡本 正志 中村 邦光 松原 洋子 永田 英治 東 徹 杉山 滋郎 高橋 哲郎
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

本研究の目的は基本的に、2003年度から始まる、高等学校の理科教育への科学史の本格的導入にあたって、これまでの科学史の成果をどのようにしたら生かせるかにあるが、その研究成果報告書の概要は以下の通りである。第一に、科学史研究関連の文献・資料の調査・調達をおこなうと共に、科学史教育の意味について論じた先行研究の分析を行ない、それらの中から高等学校の理科教育に適用しうるタイトルをピックアップし整理した。第二に、高等学校の理科教育における科学史の導入、その教材化の望ましいあり方について検討すると共に、個別教材の位置づけを検討し、それらの構成のあり方、理科教育における科学史教育の目標などについて検討した、より具体的にいえば、科学的発見の歴史的道筋、科学的認識の継承・発展のあり方・科学法則・概念の形成の実際、科学実験・観測手段のあり様とその時代的制約、あるいは理論的考察や実験、観察に見られる手法、またそれらの理科学習への導入のあり方について、個別的かつ包括的な検討をおこなった。また、個別科学史教材に関わって、科学の方法の果たした役割、科学思想との関連などについて検討した。第三に、その上で、新科目「理科基礎」を含む高等学校の理科教育を射程に入れた科学史の教材化の開発研究をおこなった。具体的には、物理学史系、化学史系、生物学史系、天文学史。地学史系の個別科学史分野別にトピック項目を設定し、ケース・スタディ的にその具体化をおこなった。本研究プロジェクトが掲げた当初の目標を達成した。これらの成果について、最終的に冊子として印刷し、広くその成果を普及することにしている。
著者
藏田 伸雄 新田 孝彦 杉山 滋郎 松王 政浩 石原 孝二 伊勢田 哲治 黒田 光太郎 調 麻佐志 金光 秀和
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

リスク管理については熟議民主主義的な社会的意思決定の枠組みが必要である。またリスク-費用便益分析の「科学的合理性」とは別の「社会的合理性」があり、参加型の意思決定がそれを確保する手段となる。またリスク評価や社会的なリスクの軽減のために専門家(特に技術職)の果たす役割は大きいが、非専門家にも意思決定への「参加義務」があると考えられる。
著者
杉山 滋郎
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
大学の物理教育 (ISSN:1340993X)
巻号頁・発行日
no.2001, pp.43-45, 2001-03-15

大学の物理教育の改善について議論するとき,大学での物理学の教育について論じているだけでは不十分ではないか,というのが本稿の趣旨である.