著者
國澤 尚子 徳田 哲男 新田 収 前川 佳史 植竹 篤志 桑原 邦寿
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要 (ISSN:13458582)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.13-21, 2003
被引用文献数
1

本研究は、車いすを必要とする要介護者およびその介護者が行動しやすい居住空間の広さや備品の配置などについて提案することを目的とする。本稿では、車いすの回旋動作およびベッド・車いす間の移乗動作から、最適な居室のスペースとベッドの高さについて検討した。要介護者、介護者の内観報告をもとに分析した結果、X軸方向、Y軸方向の推奨幅から算出された床面積は9.40m^2であった。これは従来の特別養護老人ホームでの1人あたりの居室面積に近い値であるが、私物が配置された居室の中で車いすを使用しながら生活するためには、さらに広いスペースが必要であろう。また、移乗介助に適したベッド高の推奨値は47.9cmであり、この値は要介護者がベッドの高さに対して「不安を感じない」高さにほぼ一致した。さらに、筋電図を用いて介護者の身体負担を評価した結果、ベッドに臥床している要介護者を抱き起こして座位にするときと、車いすから立位にさせるときに筋負担が大きいことが示唆された。
著者
佐藤 衆介 瀬尾 哲也 植竹 勝治 安部 直重 深沢 充 石崎 宏 藤田 正範 小迫 孝実 假屋 喜弘
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

1.行動変化を指標とした家畜福祉飼育総合評価法の開発:ドイツ語文化圏で使用されている家畜福祉総合評価法であるANI(Animal Needs Index)法を我が国の酪農及び肉牛生産に適用した。そして本法は、放飼・放牧期間に偏重していることを明らかにした。さらに、(1)改良ANI(Animal Needs Index)法並びに家畜福祉の基本原則である5フリーダムスに基づいた飼育基準を作成した。(2)評価法改良のため、身繕い行動並びに人との関係の指標である逃走距離に関する基本的知見を収集した。(3)福祉評価においては、動物の情動評価も重要であることから、ウマを使い、快・不快に関する行動的指標を明らかにし、それは飼育方式評価に有効であった。2.生理変化を指標とした家畜福祉飼育総合評価法の開発:ニワトリの脳内生理活性物質のうちエンドルフィン(ED)が快情動の変化を捉えるのに適していること、またEDがMu受容体を介してストレス反応の調節にも関与することを明らかとした。また、輸送時の福祉レベルを反映する免疫指標を検索し、末梢血のNK細胞数やConA刺激全血培養上清中のIFN-γ産生量が有用であった。3.家畜福祉輸送総合評価法の開発:RSPCAの福祉標準に基づき、我が国の家畜市場に来場する家畜運搬車輌を対象に、福祉性評価を実施した。また、国内における子牛の長距離輸送および肥育牛の屠畜場への輸送について、行動・生理・生産指標に基づくストレス評価を行った。RSPCAの標準に基づく評価では、国内の運搬車輌は概ね福祉的要件を満たしていたが、一部、積込路の傾斜角度とそこからの落下防止策に改善の余地のあることが明らかになった。国内輸送時のストレス評価では、明確な四季を有する我が国では、季節により牛に対して負荷されるストレス要因が異なることが確認され、季節に応じた福祉的配慮が必要であることが示された。
著者
谷川 忍 植竹 敦子 土谷 智子 高橋 絵理子 阿部 聖子 林 明子
出版者
北海道教育大学
雑誌
情緒障害教育研究紀要 (ISSN:0287914X)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.21-28, 2002-02-05

函館市立柏野小学校では,4月に「たんぽぽ」「ひまわり」の知的障害児学級2学級に加えて,新たに情緒障害児学級「なのはな」が開設され,児童数12名,スタッフ5名という数字的には大変恵まれた体制となった。本学級では本紀要19号20号で報告してきたように,保護者そして児童のニーズに応えるべくIEP ・ TEACCHの手法に学んだ実践により,ようやく学級のカラーが出来上がってきたと自負していたところであったが,今年度はなかなか思うように進まず,自閉症センター「あおいそら」のアドバイスも得ながら,子どもたちへの対応を見直してきた。また保護者へのインフォームドコンセントとアカウンタビリティーの充実を図るために,IEPについても見直しを図ってきた。 IEP・TEACCHに学んで,子どもたちの指導の最適化を目指した学級づくりも3年がたとうとしている。日々試行錯誤の毎日であるが,少しずつ子どもたちも落ち着き,変容が見られてきた。
著者
山口 晃典 内田 誠一 植竹 朋文 松下 知紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.432, pp.1-6, 2009-02-12

中世代に作成された初期活字印刷本について,文字の形状解析および文字認識手法について検討する.初期活字印刷本中の文字形状には,様々な要因による字形変動が存在し,認識の妨げとなっている.また,既に2値化された画像しか存在しない,対象とする資料以外からは文字情報を得ることができない,などという状況も考えられる.そこで本研究では,2値化された文字画像の最外郭輪郭線の形状に着目し,形状解析および文字認識を行う.具体的には,資料の冒頭数ページから切り出してラベル付けした文字画像を辞書サンプルとして,同カテゴリ内文字の位相変化別変位の抽出,そしてそれらの情報を用いて資料の残りのページから切り出した文字画像に対して認識を行う.この方法により,掠れや途切れを起こしているパターンの情報も利用して文字形状解析・認識を行うことができる.本報告では,実際に実験を行った結果についても述べる.
著者
佐藤 智美 植竹 富一 菅原 良次
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.62, no.493, pp.31-39, 1997
被引用文献数
12 1

We propose empirical envelope models of long period strong motion in a period range of 1 to 10 sec using many JMA 87 type records. We make models for five regions in Japan as a function of epicentral distance and site coefficients which represent site effects due to scattered waves or surface waves. Since the envelope is modeled by average and standard deviation of group delay time in narrow frequency bands, dispersion characteristics of surface waves can be simulated. We show the validity of our models by simulating records of the 1983 Nihonkai-chubu earthquake.