著者
菅原 隆文 村上 礼隆 植竹 宣江 開 浩一
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.135, no.6, pp.829-833, 2015 (Released:2015-06-01)
参考文献数
10
被引用文献数
1

Recently, extended-spectrum β-lactamase (ESBL)-producing Escherichia coli has been more frequently isolated from blood specimens than in the past. In this study we investigated a panel of therapeutic agents used to treat 37 patients with ESBL-producing E. coli bacteremia. Antimicrobial agents administered as definitive therapy displayed higher efficacy rates than when empiric therapy was administered (efficacy rates, 95.7% vs. 62.5%). The success rate of carbapenem was 95.8% (23/24) in patients with ESBL-producing E. coli bacteremia. In addition, the success rate of cefmetazole against ESBL-producing E. coli sensitive to this drug was 87.5% (7/8). In conclusion, patients at high risk of infection due to ESBL-producing E. coli should be empirically treated with carbapenem antibiotics. In addition, cefmetazole may be a treatment option for patients with ESBL-producing E. coli bacteremia.
著者
青木 輝夫 本山 秀明 竹内 望 的場 澄人 堀 雅裕 八久保 晶弘 山口 悟 田中 泰宙 岩田 幸良 杉浦 幸之助 兒玉 裕二 藤田 耕史 朽木 勝幸 庭野 匡思 保坂 征宏 橋本 明弘 谷川 朋範 田中 泰宙 植竹 淳 永塚 尚子 杉山 慎 本吉 弘岐 下田 星児 本谷 研
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

グリーンランド氷床上での現地観測から、涵養域ではアルベド低下に対するブラックカーボン(BC)等積雪不純物の寄与は小さく、積雪粒径増加効果の方が大きいことが分かった。また2012年7月の顕著な表面融解には下層雲からの長波放射が効いていた。消耗域では表面の不純物中に微生物が大量に含まれ、アルベド低下へ大きく寄与していた。衛星観測から2000年以降の氷床表面アルベドの低下原因を解析した結果、涵養域では積雪粒径の経年増加が主要因で、消耗域では裸氷域と微生物を含む暗色域の拡大が原因であった。内陸域で深さ223mの氷床コアを掘削し、その解析からBC濃度は1920-30年に現在の数倍程度高いことが分かった。
著者
池田 孝 加藤 研一 植竹 富一 敦賀 隆史
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.73, no.633, pp.1951-1958, 2008-11-30 (Released:2009-10-28)
参考文献数
30

Fault models of the 1938 Shioyazaki-oki earthquakes, event 1 (May 23) and event 2 and 3 (Nov. 5), are characterized using the slip distributions on the fault plane by waveform inversion analysis. Stress parameters of each asperity Δσa are estimated as 37MPa for event 1 and 22MPa for event 2 and 3 from empirical Green's function method (EGFM) by simulating the seismic intensity of JMA observation stations which locate in near fault region. Short-period spectral level of event 1 is higher than those of event 2 and 3 which are as high as that of the 1978 Miyagi-ken-oki earthquake. The spatial distribution of seismic intensity 5 for each event is well reproduced by EGFM using the proposed fault model in this study.
著者
家城 隆次 工藤 翔二 岡村 樹 平山 雅清 植竹 健司 木村 仁 加勢田 静 池田 高明 深山 正久 小池 盛雄
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.1-6, 1991-02-20 (Released:2011-08-10)
参考文献数
10

過去13年間の肺癌における組織型の比率の変遷について検討を行った. 対象は1976年~1988年の13年間に当院で病理組織学的に診断の確定した肺癌患者, 955名 (男711名, 女224名) で, 腺癌患者が45%, 扁平上皮癌患者が33%であった. 肺癌患者は増加しており, その組織型においては, 扁平上皮癌比率の減少と腺癌比率の増加がみられ, その傾向は特に1981年以降, 扁平上皮癌と腺癌の比率逆転という事態になった. この変遷は, 性別や年齢構成の変化によるものではなかった. 1983年までの日本TNM肺癌委貝会の患者登録からみても全国的に腺癌の比率が増加していることが推察される. 従来, 扁平上皮癌が腺癌より多いと言われていたが, 近年では, 腺癌の方が多くなっている可能性が示唆された.
著者
植竹,桃子
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, 2000-02-15

To determine the effect of fingernail length on handwork efficiency, 4 subjects performed 4 types of handwork tests with fingernails of 4 different lengths(0, 2, 4 and 6mm). In a plain stitch test, 4- and 6-mm fingernails reduced work efficiency. In a thread knotting test, 2-, 4-, and 6-mm fingernails markedly reduced work efficiency. In a writing test, 4-mm and 6-mm fingernails caused fatigue of the hands and arms. In a match board test, 6-mm fingernails markedly reduced work efficiency. Analysis of variance and multiple comparison showed results consistent with these findings. Young subjects tended to perform well with long fingernails. Fingernails of 2 mm were considered to be fashionable and feminine. Therefore, the desirable fingernail length may be 2 mm or less when students attend lecture classes and 0 mm when they attend sewing lessons.
著者
新吉 直樹 清野 智史 上垣 直人 藤枝 俊 植竹 裕太 中川 貴
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.171-177, 2022-07-15 (Released:2022-07-07)
参考文献数
13
被引用文献数
1

放射線照射により誘起される反応を利用し,Sn系ナノ粒子を合成した。SnCl2水溶液に60Co γ線を照射すると,金属Snナノ粒子が生成した。照射により生成する還元性活性種によりSn2+イオンが還元され,ナノ粒子化したものと考えられる。カーボン担体を添加して照射すると,SnO2ナノ粒子が得られた。担体表面に金属Snナノ粒子が分散担持することで微細化し,酸化したと考えられる。放射線を用いた合成法がスズにも適用可能であることが示された。
著者
植阪 友理 植竹 温香 柴 里実
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.175-191, 2021-03-30 (Released:2021-11-16)
参考文献数
30

近年,「子どもの貧困」の問題が脚光をあびるようになり,社会的関心も高まっている。その一方で,貧困をテーマとした論文が『教育心理学研究』に掲載されたことはなく,学会としてこの問題に正面から取り組んできたとは言い難い。一方,他領域,他学会等では,課題はあるものの活発な議論や活動が行われつつある。本稿では,日本における貧困家庭の子どもの支援について,研究知見や官民の取り組みを概観するとともに,そこでの課題を乗り越えるため,著者が生活保護受給者世帯を支援するNPOと連携し,数年にわたって行ってきた学習支援の実践を取り上げる。この実践は,認知心理学を生かして学習者の自立を目指す「認知カウンセリング」の知見を活用しようとする試みである。目に見えて大きな成果が得られているとは言い難いが,確実に変化は見られている。この実践を記述することを通じて,心理学的発想や「認知カウンセリング」の知見は貧困家庭の子どもの支援においてなぜ受け入れられにくいのかという原因を考察するとともに,心理学に基づく支援が活用されるためには,支援者にどう学んでもらうことが効果的なのかを実践を踏まえて提案した。
著者
佐藤 智美 佐藤 俊明 川瀬 博 植竹 富一
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.63, no.506, pp.83-92, 1998-04-30 (Released:2017-02-02)
参考文献数
32
被引用文献数
2 2

Using more than two hundred JMA-87 type strong-motion records we show that pseudo-velocity response spectra are noticeably different from Fourier acceleration spectra in several occasions because response spectra are sensitive to other frequency components or attenuation due to dispersion but insensitive to duration. Therefore, regression coefficients such as magnitude coefficients, attenuation coefficient, and site amplification factors for response spectra and Fourier spectra show clear differences. We conclude that physical characteristics of strong motion cannot always be represented by the regression coefficients for response spectra.
著者
加瀬 ちひろ 寺師 楓 森岡 杏月 豊田 英人 植竹 勝治
出版者
Japanese Society for Animal Behaviour and Management
雑誌
動物の行動と管理学会誌 (ISSN:24350397)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.137-145, 2021-12-25 (Released:2022-01-12)
参考文献数
19

動物園でのふれあいがテンジクネズミの行動と生理に及ぼす短期的影響を評価するため、埼玉県こども動物自然公園にて10頭を対象に調査した。調査対象個体は15:00から15:30のふれあいイベントに用いられた。コルチゾル濃度を測定するため、各個体からふれあい開始10分前、終了10分前の2回唾液を採取した。また、ふれあい後1時間の行動を3分間隔の瞬間サンプリングで評価した。ふれあい前後の唾液中コルチゾル値差には、ふれあい実施の有無による差はみられなかったが(z=−0.06, P=0.953)ふれあい持続時間と摂食には負の相関(rs=−0.29, P=0.028)が、ふれあい回数と身繕いには正の相関(rs=0.30, P=0.021)がみられた。これらの結果からふれあいは極端な生理的ストレスを与えることはないが、時間と頻度の増加により軽度のストレスと関連する行動に短期的に影響することが明らかになった。したがって、長時間のイベントでは1頭あたりのふれあい時間に制限を設けることが推奨される。
著者
植竹 正彦
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.1229-1239, 1998

われわれは,肛門機能検査をa)痔核根治術施行群: 40例(Whitehead法31例, Milligan-Morgan法9例), b) 保存的療法施行群: 43例, c)対照群: 40例に, Whitehead法術後愁訴の検討を69例に実施した.その結果, (1)肛門管最大静止圧(以下MRP)は特に重度の痔核で高値を示した.一方,高齢者では重度の痔核で他群に対して有意に低値を示した. (2)最大随意収縮圧は各群間に有意の差を認めなかった. (3) Whitehead法術後にMRPは当初低下を示したが,その後対照群の値に帰した.肛門管長の短縮は認められなかった. (4) Whitehead法術後の愁訴,術後障害は何れも重度のものは認められなかった.以上より, (1)内肛門括約筋の過緊張(MRPの高値)が内痔核の成因になる事が示唆され,また内肛門括約筋の加齢による脆弱化も一因となる事も考えられた. (2) Whitehead法は術式を十分に理解すれば合併症も少なく,痔静脈を全切除するため重度痔核に対して有用な術式と考えられた.