- 著者
-
入江 智也
横光 健吾
河村 麻果
藤田 雅彦
坂野 雄二
- 出版者
- 日本不安症学会
- 雑誌
- 不安症研究 (ISSN:21887578)
- 巻号頁・発行日
- vol.7, no.1, pp.72-82, 2015-11-30 (Released:2015-12-10)
- 参考文献数
- 33
本研究では,精神科外来における集団形式のアクセプタンス&コミットメント・セラピー(G-ACT)の効果を検討した。G-ACTは,アクセプタンスとマインドフルネスに関わるエクササイズとホームワーク,コミットメントと行動変容に関わるエクササイズとホームワークを含む全8セッションから構成された。分析は11名(男性5名,女性6名,平均年齢=38.73±5.93歳)を対象に,G-ACT実施前,実施後,実施後1カ月時点の,STAI, 認知的統制尺度の破局的思考の緩和因子,AAQ-IIの得点を用いて行われた。その結果,G-ACT実施後ならびに実施後1カ月時点において,不安症状の減少と心理的柔軟性の向上が認められた。また,それぞれの変化は中程度から大きな効果であった。以上のことから,G-ACTは不安症状に対して有効であり,本研究は不安症状を抱える患者に対するG-ACTの適用を支持する成果を示すものである。