著者
山崎 嵩拓 宋 俊煥 泉山 塁威 横張 真
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.136-143, 2019-10-25 (Released:2019-10-28)
参考文献数
20
被引用文献数
3 2

2017年の都市公園法改正により、民間活力の導入を目的に公募設置管理制度(Park-PFI)が施行された。そのため今後は、全国各地で自治体主催の公募を通じ、飲食店等の収益施設を、都市公園内に設置・管理する事業者の選定が展開される見込みを持つ。ここで事業者は、自ら施設を整備し、公園使用料を支払うことで収益事業の実施が認められる。つまり、一般の商業施設と同様に立地条件の影響を受ける事が推察される。そこで本研究は、都市公園における公募を通じ設置された収益施設の実態が、立地条件から受ける影響を明らかにすることで、Park-PFIの普及時における留意点を考察する事を目的とした。研究対象は19都市公園に設置された25の収益施設である。研究の結果、固定資産税路線価や駅からの距離等を立地条件の指標とした場合に、立地条件の良し悪しに応じて、収益施設の業種や施設計画、事業者の応募数の傾向が変化することが明らかになった。
著者
栗田 英治 横張 真
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.589-594, 2001-03-30
被引用文献数
2 5

ゴルフ場が里山地域の生物多様性保全上,果たし得る役割を,景観及び群集・生態系レベルでの多様性という面から解明し,管理指針を検討した。景観レベルにおける土地利用履歴の解明の結果,ゴルフ場の履歴が様々な施業段階にある里山林であったこと,施業初期段階にあたる草地的な緑地空間が失われたことが分かった。群集・生態系レベルにおける植生および管理状況の調査の結果,コナラ林を中心とした森林の環境は,残置森林としてゴルフ場開設後も確保されたことが明らかになった。今後,残置森林,ラフ等の管理にあり方に検討を加えることにより,ゴルフ場が景観及び群集・生態系レベルでの多様性を保全しうる可能性が示唆された。
著者
村松 賢 別所 あかね 山崎 嵩拓 飯田 晶子 横張 真
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.721-728, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
17

今日の日本社会では、河川敷で行われる不法耕作は否定的に捉えられるのが一般的である。その一方で、不法耕作に対する海外における類似事象というべきゲリラ・ガーデニングについては、その公益性が認知され、肯定的に取り扱われている状況がある。この研究ではまず、中立的な観点にもとづく調査と検討を行うため、不法耕作に対し勝手耕作という術語を与える。この研究の目的は、先行研究によって示唆された、勝手耕作が備える福祉的機能を明らかにすることである。研究は、千葉市を流れる花見川の河川敷における事例を対象とした。その結果、勝手耕作が社会的弱者の生活の質を向上させる福祉的機能を持っていることと、活動の周囲に活動を許容している人が一定数存在していることが明らかになった。こうした事実にもとづいて、この研究ではまとめとして、勝手耕作が日本社会に存在することの意義と、今後その受容のために、都市計画が果たしうる役割を提示した。
著者
福田 健二 朽名 夏麿 寺田 徹 マンスーニャ モハマド レザ ウディン モハマド ニザム 神保 克明 渋谷 園実 藤枝 樹里 山本 博一 横張 真
出版者
森林立地学会
雑誌
森林立地 (ISSN:03888673)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.83-98, 2013-12-25 (Released:2017-04-03)
被引用文献数
2

千葉県柏市の都市近郊林において,福島第一原子力発電所の事故による放射性セシウム汚染の実態を調べた。2011年8月〜12月の地上1 mの空間線量率は0.3〜0.4 μSv/h程度であった。2011年秋〜2012年秋に採集された植物体の放射性セシウム濃度は, 2011年受けた枝や常緑樹の旧葉では1.2〜8.8 kBq/kg,事故時に展葉していなかった常緑広葉樹の当年葉や落葉広葉樹の葉では0〜2.8 kBq/kgであった。2011年夏〜秋に採集された地表徘徊性甲虫ではほとんどが5 kBq/kg以下であったが,キノコでは高い値のものが多く,最大61 kBq/kgを示した。2012年春に伐採された間伐木の放射性セシウム濃度は,ヒノキでは外樹皮,次いで旧葉で高く,落葉樹では外樹皮で最も高かった。いずれも辺材,心材へのセシウムの浸透がみられた。これらは,里山活動における薪や堆肥の利用に支障をきたす汚染レベルであった。大青田の樹木地上部への放射性セシウム沈着量の推定値は,ヒノキの枝葉への大量の沈着を反映して,ヒノキ・イヌシデ林の地上部で5.7 kBq/m^2と,コナラ・クヌギ林の地上部の3.7 kBq/m^2の約1.5倍であった。コナラ・クヌギ林の地下部5 cmまでの沈着量合計は85 kBq/m^2であり,地上部と地下部を合わせた林分全体の放射性セシウム沈着量は約90 kBq/m^2と見積もられた。2013年1月のコナラ林の土壌では,放射性セシウムはリター層よりもA層に多く分布しており,落葉の除去による除染効果はほとんど期待できないと考えられた。
著者
渡部 陽介 横張 真 落合 基継
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.747-750, 2008-03-31 (Released:2009-05-08)
参考文献数
17
被引用文献数
6 4

Agricultural greenhouses have been regarded as one of disturbing visual elements in rural landscapes. However, people who were grown up in a landscape with greenhouses may perceive the landscape as an entity which represents the visual identity of their native place. This study aims to identify impressions and perceptions on rural landscapes with greenhouses. Two Questionnaire surveys have been conducted. The first survey has been conducted in Mashiki Town and Ueki Town, Kumamoto Prefecture, where rural landscapes have been characterized by a vast accumulation of greenhouses for watermelon cultivation since late 1960s. The second survey has been conducted in Kumamoto airport. The study identified that landscapes with greenhouses were perceived as landscapes with a visual identity of their native place by the people who were grown up but no longer live in the area.
著者
栗田 英治 横張 真
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.589-594, 2000-03-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
25
被引用文献数
2 5

ゴルフ場が里山地域の生物多様性保全上, 果たし得る役割を, 景観及び群集・生態系レベルでの多様性という面から解明し, 管理指針を検討した。景観レベルにおける土地利用履歴の解明の結果ゴルフ場の履歴が様々な施業段階にある里山林であったこと, 施業初期段階にあたる草地的な緑地空間が失われたことが分かった。群集・生態系レベルにおける植生および管理状況の調査の結果, コナラ林を中心とした森林の環境は, 残置森林としてゴルフ場開設後も確保されたことが明らかになった。今後, 残置森林, ラフ等の管理にあり方に検討を加えることにより, ゴルフ場が景観及び群集・生態系レベルでの多様性を保全しうる可能性が示唆された。
著者
飯田 晶子 山崎 嵩拓 樋野 公宏 横張 真
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画報告集 (ISSN:24364460)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.468-473, 2023-12-11 (Released:2023-12-11)
参考文献数
11

本研究は、COVID-19パンデミック蔓延下に、誰が都市緑地を利用し、それが都市住民の健康と幸福にどのように関連したかを明らかにすることを目的とする。東京都在住の成人4,126人の横断データを用いて、二項ロジスティック回帰分析を行った。その結果、都市緑地を利用した人は利用しなかった人に比べ、主観的ウェルビーイングと身体活動量が向上していた。また同時に、利用者の属性によって利用する都市緑地の種類が異なっていたこと、及び都市緑地の種類によって主観的ウェルビーイングと身体活動量との関係の度合いが異なっていたことが分かった。様々な人々が都市緑地にアクセスできるよう、多様な都市緑地が混在する住環境づくりが重要である。
著者
篠塚 香里 横張 真 栗田 英治 渡辺 貴史
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.825-828, 2003 (Released:2003-09-24)
参考文献数
9
被引用文献数
4 10

Pot plants are a feature of densely built-up residential areas. Interest in pot plants has recently grown. As well as fulfilling the practical role of citizens’ leisure pursuit, they blur the boundary between private and public space and reflect residents’ cultures and identity. Pot plants have a useful function, but in reality are difficult to plan for without knowing whether their placement and variety is affected by urban physical characteristics. The aim of this study is to characterize the location, placement and species of pot plants in a densely built-up residential area. Three sets of data were collected, 1) the percentage of green areas formed by the pot plants’ in a street view, 2) the physical characteristics of the spaces in which the pot plants were present, 3) the species of pot plants used. It was found that, 1) on average pot plants occupy more than 50% of the green area in a street view, 2) the favored position of pot plants is on the entry step to houses, 3) the study identified that the plants that are preferred, share the characteristic of being easy to grow, good to eat, pretty to look at but that also carry a deeper cultural significance.
著者
井手 任 守山 弘 原田 直國 横張 真
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.161-166, 1986-03-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
15
被引用文献数
3 2

ヒヨドり等の果実食鳥により種子を散布される植物の林外から林内への散布特性を把握するため, エンジュの散布量及び芽生え数の調査を実施した. 芽生え数は高木層にアカマツ・スキの樹冠か存在する部分の種子供給源側及ひピサカキの樹冠の下に特異的に多く, 高木層に樹冠の存在しない落葉広葉樹林下では林縁からの距離とは無関係に安定的に少なかった. これらの芽生え数の偏りは, 種子散布特性を反映したものであると考えられた
著者
横張 真
出版者
日本都市計画学会
雑誌
都市計画 (ISSN:04959280)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.11-14, 2007-10-25
被引用文献数
2
著者
宮本 万理子 横張 真 渡辺 貴史
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
日本造園学会 全国大会 研究発表論文集 抄録
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48, 2012

本論説は文化財としての文化的景観の捉え方を提示するものである。本目的を達成するため、本論説では2つの研究目的を設定した。第一に、UNESCOによる文化的景観(Cultural Landscape)のカテゴリーに影響を与えたと考えられる学識者による文化的景観の定義を検討した。第二に、文化的景観(Cultural Landscape)のカテゴリーに影響を与えた学識者の一人であるWagner & Mikesellによる"文化的景観"の定義に基づき,土地履歴(景観と社会との関係性の履歴)の解釈からみた文化財としての「文化的景観」の新たな概念を提示した。さらに,地図および文書の所在の有無にもとづき土地履歴が辿れるか否かによって景観が分類された。こうした概念にもとづくと,(1)地図あり/文書あり、(2)地図あり/文書なし、(3)地図なし/文書あり、(4)地図なし/文書なし、に分類された。計画論的立場からは(1)地図あり/文書あり、が「文化的景観」として承認されやすい景観であると考えられた。
著者
寺田 徹 横張 真 田中 伸彦
出版者
日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.723-726, 2009
被引用文献数
4 4

IPCCの第4次評価報告書をうけ、洞爺湖サミットにおいて各国首脳によりCO2排出量削減の必要性が確認された。今日、"低炭素化"は世界における共通の価値尺度となっている。京都議定書目標達成計画においては、CO2に代表される温室効果ガスの削減対策は、吸収源対策と排出削減対策とに分かれている。緑地による対策は、森林整備や都市緑化に代表される吸収源対策のみならず、管理時に発生する木質バイオマスのエネルギー利用に代表される、排出削減対策としても認められる。低炭素社会の実現に向け、緑地が従来以上に貢献するためには、吸収源としての役割のみならず、木質バイオマスの供給源としての役割も踏まえた上で、最大限の低炭素化を図ることが重要である。本研究では、首都圏郊外部の自治体のひとつである千葉県柏市を事例に、吸収源対策と排出削減対策とを一体的に捉え、緑地由来と産業由来の木質バイオマスとを共処理した場合の、CO2個定量及び排出削減量を明らかにすることを目的とした。
著者
栗本 開 飯田 晶子 倉田 貴文 横張 真
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.529-536, 2018-10-25 (Released:2018-10-25)
参考文献数
17

本研究は,人口減少基調にある東京都八王子市を対象に,生産緑地所有者への悉皆的なアンケート調査を通じ,所有者の生産緑地の維持・貸与意向と意向に影響を及ぼすと推察される因子,およびこれら意向の空間的傾向の把握を行い,今後の都市縮小時代における都市農地の維持方策の方向性を考察した.その結果,既往研究で指摘されていた個人属性とは別に,立地属性である地価と周辺農地率が独立して生産緑地の維持意向と正の関係にあることが示された.日本では集約型都市構造が志向されているという点に着目すると,特に都市農地が失われる危険性が高い,地価と周辺農地率がともに低いエリアにおいて,生産緑地の貸借の推進による農地維持が求められることが示された.反対に,都市農家の生産緑地の維持意向が高い傾向にある,地価と周辺農地率がともに高いエリアでは,画一的な居住誘導を進めるだけでなく,都市の構成要素として都市農地を認め,農地と住宅地の共存による良好な住環境の形成を図ることが今後の可能性の一つとして示された.
著者
原田 文恵 雨宮 護 横張 真
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.593-596, 2012 (Released:2013-08-09)
参考文献数
26
被引用文献数
3 1

A key task for urban planning in Japan is to incorporate agricultural land uses into the urban fabric and statutory planning. This paper analyzes the process whereby “agricultural zones” were incorporated into the planning of Kohoku New Town, a site designed in the 1960s and recognized as a path breaking attempt to include agricultural land in urban development. Our findings draw from key planning documents and from interviews with key actors in the planning of Kohoku New Town. The results indicate that the primary aim of “agricultural zones” was to augment open spaces and that agricultural and urban land uses were comprehensively incorporated into an open space system that included pathways to connect agricultural and residential areas. However, in the final plan released in 1974, the “agricultural zones” were designated solely for industrial agriculture, a shift which can be attributed to the introduction of the “senbiki” system of strictly separating urban and rural areas in the New City Planning Act of 1968. In addition, the pedestrian paths connecting “agricultural zones” and housing areas envisioned in the open space system of earlier planning stages as a means of integrating agriculture and residential development was also abandoned. Thus, the original plans to fuse agricultural and urban development were discarded during the planning process.
著者
坂本 真理 飯田 晶子 渡辺 貴史 横張 真
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.585-588, 2016 (Released:2017-03-17)
参考文献数
10
被引用文献数
1

The study aims to identify the impacts of population decline on the nightscape of Nagasaki City, which has been acknowledged by tourists as one of three major nightscapes in Japan. In particular, the focus was given to hillside residential areas, which frame the landscape of Nagasaki. The study was conducted by following three steps procedure as a) visualizing the present nightscape by using ArcMap and ArcScene, b) developing scenarios on future population decline, and c) visualizing future nightscapes based on the scenarios. The scenarios developed are based on two hypotheses on the future population of Nagasaki as the decline will occur; 1) equally throughout the entire city, and 2) exclusively at the hillside residential areas because of their inconvenience especially for elderly people. The study identifies that the nightscape following the scenario 1 will become deteriorated compared to the present but still may maintain its character, while the scenario 2 will lead the nightscape to lose its identity. It is therefore concluded that taking measures to suppress depopulation of the hillside residential areas are indispensable to maintain the identity of Nagasaki’s nightscape.
著者
雨宮 護 樋野 公宏 小島 隆矢 横張 真
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.116, 2007

防犯まちづくりが各地で急速に推進されるなか、それに対する批判的な言説も発表されるようになってきた。防犯まちづくりが今後もまちづくりの一種として定着していくためには、こうした批判論とも向き合いつつ、その考え方を再構築することが求められる。本研究では、既存の学術雑誌や評論誌のレビューをもとに、わが国の防犯まちづくりへの批判論を体系的に整理すること、アンケートの分析をもとに、批判論に対する一般市民の態度を明らかにすることを目的とした。まず、121の文献から抽出された142の批判論を分類した結果、それらは 3つの大カテゴリのもとで、「警察国家論」、「監視社会論」、「要塞都市論」などの10の論点で整理された。次に、各論点への賛否を尋ねたアンケートの分析の結果、批判論には、市民の賛同を得ているものとそうでないものがあること、犯罪不安の高まりに伴って、今後賛同を得ることが予測されるものと逆に軽視されるようになっていくものがあることが明らかとなった。今後の防犯まちづくりにおいては、市民の賛同を得る批判論に応えるだけでなく、とくに軽視される批判論に対して一定の配慮が加えられる必要があると考えられた。
著者
坂本 慧介 横張 真
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.854-859, 2016-10-25 (Released:2016-10-25)
参考文献数
16
被引用文献数
2 6

本研究は,地方中核都市である栃木県宇都宮市の住宅地を対象に,ポアソン回帰モデルを用いて空き家と空閑地の発生動態の相違性を解明することにより,人口減少期における既成住宅地の住環境の再編に向けた基礎的知見を得ることを目的とした.研究の結果,空き家の多寡と撤退タイプ空閑地の多寡には開発年代との関係による類似性が見られるものの,空き家の多寡が駅からの距離や10.0m以上の広幅員道路延長の割合といった住宅需要を牽引する立地的特性と強く関係している一方で,撤退タイプ空閑地の多寡にはそのような関係が見られなかった.つまり,空き家の発生動態は住宅需要と密接に関係しているが,撤退タイプ空閑地の発生動態には住宅需要以外の要因による影響が強いことが示唆された.今後,既成住宅地における住環境の再編を進めるにあたっては,上述のような両者の発生動態に作用する要因の違いを考慮した施策の検討が必要であると考えられる.
著者
坂本 慧介 横張 真
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.854-859, 2016
被引用文献数
6

本研究は,地方中核都市である栃木県宇都宮市の住宅地を対象に,ポアソン回帰モデルを用いて空き家と空閑地の発生動態の相違性を解明することにより,人口減少期における既成住宅地の住環境の再編に向けた基礎的知見を得ることを目的とした.研究の結果,空き家の多寡と撤退タイプ空閑地の多寡には開発年代との関係による類似性が見られるものの,空き家の多寡が駅からの距離や10.0m以上の広幅員道路延長の割合といった住宅需要を牽引する立地的特性と強く関係している一方で,撤退タイプ空閑地の多寡にはそのような関係が見られなかった.つまり,空き家の発生動態は住宅需要と密接に関係しているが,撤退タイプ空閑地の発生動態には住宅需要以外の要因による影響が強いことが示唆された.今後,既成住宅地における住環境の再編を進めるにあたっては,上述のような両者の発生動態に作用する要因の違いを考慮した施策の検討が必要であると考えられる.
著者
和田 尚子 鈴木 雅和 横張 真
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.689-694, 2007-03-30
参考文献数
14
被引用文献数
1 7

This study aims to discuss issues and future directions in the conservation of the landscape of Gokayama Ainokura Village by identifying physical and human resources needed to maintain thatched roofs, which characterize the landscape of the village. Both bio-physical and socio-cultural data have been collected by conducting photo-interpretation of aero-photographs and interview surveys to local residents. The study identified that the lack of materials and labor, as well as alternation in the groups responsible for the maintenance, have inevitably resulted in (a) deterioration in the quality of thatched roofs, and (b) wider gaps between concerned groups in their consciousness to maintain the quality of the roofs. It has also been identified that the legislative measures taken by the local government were insufficient to reinforce deteriorating maintenance schemes. The study concludes that the value of the landscape characterized by thatched roofs should be shared by stakeholders including residents, concerned groups and the local government, and that sound environment which all stakeholders may fully perform their roles should be maintained.