著者
福田 宏
出版者
日本ベントス学会
雑誌
日本ベントス学会誌 (ISSN:1345112X)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.33-41, 2001-07-15 (Released:2009-08-07)
参考文献数
37
被引用文献数
2 or 0

The present status of the molluscs of the Suô-nada Sea coast is reported, and conservation of the species diversity there is discussed. This place is exceptional in modern Japan due to its extremely high biodiversity. Few people appreciate the rich biota in these tidal-flat ecosystems, and major destruction there has already begun. For the conservation of the biota of the Suô-nada Sea, it is essential to recognize the relationships between species and their microhabitats, because the habitats of most tidal-flat species are very restricted in space. Here I discuss some major problems in the conduct of environmental assessment studies in Japan, as illustrated by research into the expected impact on the molluscan fauna of the construction of the Kaminoseki Nuclear Power Plant on Nagashima Island. These problems include misidentifications, underestimation of faunal or ecological richness, failure of artificial plantings or mitigation, misleading treatment of the concept of conservation, and emphasis on protection of only a few species useful for human beings. I also discuss the role of amateur researchers in the conservation of tidal flats. Amateurs sometimes can provide new and precise information on the status of species, which is important when there have been recent rapid changes in environmental conditions. On the other hand, amateurs must understand that many species are endangered today and should not be overhunted only for private purposes.
著者
福田 宏
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

1年目となる19年度においては,オーストリアとチェコにおけるオリエンタリズムの比較を行った。その素材として着目したのが,戦間期にヨーロッパ運動の担い手として活躍したチェコ地域出身の貴族,リヒャルト・クーデンホーフ=カレルギーとカール・アントン・ロアンの2人である。両者はヨーロッパ統合史のなかで重要な意義を持つ人物であるが,私は,彼らのヨーロッパ意識とその裏返しとしてのオリエント意識に注目し,オーストリアとチェコにおける「非ヨーロッパ」への眼差しを抽出する作業を行った。この点に関しては,東欧史研究会などで口頭報告を行い,既に論文を投稿しているが,今年度中に公にするには至らなかった。本報告書で挙げた2つの業績は,この作業の副産物と言えるものであるが,メインの成果ではない。今年度の反省点である。なお,私は19年2月より在スロヴァキア大使館の専門調査員に採用されたため,本研究は18年度で終了し,19年度と20年度については廃止せざるを得なくなった。私が若手研究(B)を途中でキャンセルするのはこれが2回目である。前回(課題番号14720059,H14〜16)の場合は,北海道大学法学部助手の任期が途中で切れたため,今回については,同大学スラブ研究センター助手の任期が18年度で切れたため,である。今回については,同機関で無給のポストを得,科研を継続できる見込みはあったが,生活が成り立たなくてはそもそも研究はできない。痛恨の極みである。無給のポストでも科研費を得られるという現在の制度については,多くの若手研究者が高く評価しているが,アルバイトなどで生活の糧を得ながら研究を遂行するには多くの困難が伴うのも事実である。今後は,科研費の「中断」などを可能にするなど,一層の柔軟な運用をお願いする次第である。
著者
川崎 順久 福田 宏之 辻 ドミンゴス浩司 塩谷 彰浩 高山 悦代 川井田 政弘
出版者
The Japan Broncho-esophagological Society
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.236-240, 1990

Recently CO2 laser surgery has been employed for Ti glottic cancer to avoid side effects caused by irradiation. However phonatory disturbance caused by post-operative anterior glottic web is sometime troublesome to patients. In this study, a survey of 17 patients with Ti glottic cancer, whose anterior comissure was vaporized with CO2 laser, was reviewed. In eight cases among them, anterior glottic web was observed during post operative course. Hence, we applied the fibrin glue (Tisseel) on the vaporized wound in 4 cases of Ti glottic cancer to avoid post-operative anterior glottic web. Post-operative wound healing of vocal folds were excellent in each cases. In the cases of anterior comissure involvement, the fibrin glue is applicable adjunct for prevention of anterior glottic web with CO2 laser surgery.
著者
川崎 順久 福田 宏之 辻 (ドミンゴス)浩司 酒向 司 塩谷 彰浩 馬 燕 川井田 政弘
出版者
The Japan Broncho-esophagological Society
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.38-42, 1992

Neurinoma of the vocal fold is not common. A 43-year-old female with neurinoma of the left vocal fold was treated by microlaryngeal surgery. Clinical observation using laryngostrobovideography and CT revealed a smooth mass localized in the left vocal fold. The tumor was successfully removed under general anesthesia by microlaryngeal surgery. We applied the fibrin-glue (Tisseel®) on the surgical wound of the vocal fold to avoid post-operative scar. Postoperative wound healing of the vocal fold was excellent in this case. Her phonatory function was satisfactory and no tumor recurrence have been noted after surgery. In this case, the fibrin glue might have good effect on the wound healing of the vocal fold.
著者
川崎 順久 福田 宏之 酒向 司 塩谷 彰浩 辻 ドミンゴス 浩司 高山 悦代 蓼原 東紅
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.381-387, 1990

小児声帯結節の治療方針について, 全国の耳鼻咽喉科医62名を対象にアンケート調査を行った.その結果, (1) 60名中55名が小児声帯結節は男児に多いと回答した. (2) 治療方針は保存的治療, 経過観察, 希望があれば手術を行う, の順に多かった. (3) 積極的に手術を施行しない理由として, 再発しやすいから, 自然治癒しやすいから, との回答が多かった. (4) 手術を行う場合, 96.9%が入院のうえ, 93.8%が挿管全身麻酔によるラリンゴマイクロサージェリーを施行すると回答した. (5) 以上の結果から, 小児声帯結節の治療方針として, まずは保存的治療あるいは経過観察を行うという意見が大半を占めたが, 音声外科を専門としない耳鼻咽喉科医の間では本疾患の自然治癒に関する認識は不十分であった.
著者
長西 秀樹 森 有子 木村 美和子 中川 秀樹 田村 悦代 新美 成二 福田 宏之
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.153-157, 2012 (Released:2012-06-11)
参考文献数
12
被引用文献数
1 or 0

職業歌手にみられる急性炎症による音声障害へ対処する場合には,職業上の要請が強いため,通常の診察・治療に加えて,歌手特有の特殊性を考慮する必要がある.しかし,診療の進め方に特別なことがあるわけではなく問診に始まり声の評価,発声器官の所見に基づく治療を行う.声帯の状態を正確に把握することが重要であり,その評価のためには喉頭ストロボスコピーが有用である.当センターでは,薬物治療,外来でのネブライザー療法,音声治療を中心に治療方針を決定し,声帯の浮腫の状態に応じて,ステロイド投与の適応,その投与方法を決定している.東京ボイスセンターを2010年1年間に受診した急性炎症による音声障害症例は176名で,そのうち職業歌手は56名(31.8%)であった.職業歌手に対する急性期のステロイド投与方法としては,ステロイド吸入のみで対応した症例が最も多く,次いでステロイド点滴,ステロイド内服の順であった.
著者
福田 宏之
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.119-124, 1993-11-26 (Released:2010-07-27)
参考文献数
7

早期声帯癌に対しては,放射線療法,内視鏡下レーザー治療,声帯切除などが試みられる。いずれも一長一短あり適応を間違えなければそれぞれ優れている面がある。喉頭を切開して患側声帯を切除するのが切除範囲を決めたり,確実に切除するのに適している。しかしこの場合の欠点は残された音声に相当の障害が残ることである。それは声門閉鎖不全のため気息性の強い嗄声となるためである。そこで同側仮声帯の後部を茎とする筋粘膜弁を作成し,声帯を切除した跡地に移動,縫合して新しい声帯を作り声門閉鎖不全を防ぐ再建手術を考案した。声帯切除と同時に行えるので患者は術後一週間程度で会話可能である。
著者
川井田 政弘 福田 宏之 川崎 順久 塩谷 彰浩 酒向 司 辻 ドミンゴス 浩司 甲能 直幸
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.11-17, 1991
被引用文献数
1 or 0

非特異性喉頭肉芽腫の5例に対して副腎皮質ステロイド薬の吸入療法を主体とした保存的治療を行った.3例が挿管性, 他の2例が特発性の肉芽腫であった.挿管性肉芽腫の1例はネブライザーを用いて, dexamethasoneの吸入を行ったところ, 約6ヵ月間で治癒した.他の4例はbeclomethasone dipropionate inhaler (BDI) を用いて外来通院で治療したところ, 約1ヵ月ないし3ヵ月半で治癒した.なお, 全例とも不要な咳払いや大声を避けるように指導した.非特異性喉頭肉芽腫の発生原因として, 声門後部の微細な損傷と咳嗽や咳払いによる同部の強い閉鎖に起因する悪循環が考えられた.副腎皮質ステロイド薬の吸入療法では抗炎症作用による直接作用とともに, 間接作用としてこの悪循環を断ち切ることも効果発現に関与していることが考えられた.このうち, BDIの吸入療法は外来でも簡便に行うことができ, 治療法のひとつとして有用と思われた.
著者
福田 宏之 川井田 政弘 大木 和明 加納 滋 川崎 順久 辻 ドミンゴス浩司 甲能 直幸
出版者
The Keio Journal of Medicine
雑誌
The Keio Journal of Medicine (ISSN:00229717)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.102-105, 1990

The phonatory examination was performed while monitoring vocal fold vibration by laryngostrobovideography. Vocal fold vibration was video-taped by a laryngostroboscope and flexible laryngofiberscope inserted through the nasal cavity. Simultaneously, the phonatory examination was conducted with a phonation analyzer. The data were entered into a personal microcomputer via an A/D converter and analyzed to obtain the parameters of sound pitch, sound intensity and mean expiratory air flow volume, which were superimposed on the color video monitor screen.
著者
川崎 順久 福田 宏之 辻 ドミンゴス浩司 大築 淳一 高山 悦代 磯貝 豊
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.1232-1235, 1990

喉頭の非特異性肉芽腫と声帯後部のsevere dysplasiaと診断され外科的鉗除を行つて経過観察中に5年3カ月後に肉芽腫上皮から扁平上皮癌が証明された1症例を報告した. 喉頭の非特異性肉芽腫は再発しやすい炎症性腫瘤であるが, 本症例のように悪性化することもあり, 自覚症状や音声障害が少ないからといつて放置せず, 声帯全体を十分に観察し治癒するまで経過観察を続けることが重要である.
著者
福田 宏樹
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.116-119, 2003-03-30

キイロスズメTheretra nessus(Drury,1773)は,インドからニューカレドニアにかけて広域分布するが,亜種は知られていない.筆者は今まで記録の無かったフィジー産の本種を入手し,インド北部,タイ,日本,フィリピン,ボルネオ,ニューギニア,ビスマーク諸島,ソロモン諸島の個体と比較した.その結果,前翅が広く白味がかった褐色になる,後翅の中央にある黒色紋の発達が悪いため,白味がかった褐色の地色は広く明瞭になる,裏面は前後翅とも黄色味がかった褐色に覆われ,前翅の基部から中央部にかけてある黒褐色の紋を欠く,などの点から新亜種と認め,Theretra nessus albata ssp.n.として記載した.亜種名albataはラテン語で白衣の意.
著者
橋本 伸也 野村 真理 小森 宏美 吉岡 潤 福田 宏 姉川 雄大 梶 さやか
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01 (Released:2013-05-21)

東中欧諸国・ロシアで深刻の度を増している第二次世界大戦と社会主義時代の歴史と記憶をめぐる政治化と紛争化について、現地調査や国際研究集会の開催などを通じて、実相解明を進めた。6回の国内研究会の開催、個別研究論文の執筆に加えて、2014年度にはエストニアのタリン大学で夏季ワークショップを開催して成果をproceedingsとして公開するとともに、2015年には関西学院大学で国際会議を開催して、東アジアの歴史認識紛争との対比により問題構造の多元的把握に努めた。研究代表者の単著(既刊)や雑誌特集号に加えて、2017年中に国際的な論集と研究分担者らの執筆した共著書2点の刊行が決まっている。
著者
福田 宏 大塚 直彦 藤井 健吉
出版者
北海道大学
巻号頁・発行日
2003-02-21

北大125年史:論文・資料編、pp. 448-483、
著者
福田 宏
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

ポリオミノまたはポリイアモンドを基本領域とするアイソヘドラルタイリングの研究をおこなった.アイソヘドラルタイリングの対称性17通りのうち,3,4,6回割の回転対称軸をもつ8通りの対称性 p3,p31m,p4,p4g,p6,p3m1,p4m,p6mについて,アイソヘドラルタイリングを全て列挙するアルゴリズムを研究し,コンピュータによってあまり大きくないポリオミノまたはポリイアモンドについて全て列挙した.
著者
福田 宏 西川 泰央
出版者
大阪歯科学会
雑誌
歯科医学
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.349-360, 1990
被引用文献数
1 or 0

視床髄板内核における三叉神経性侵害受容ニューロンの局在部位とその性質とを調べるとともに, 視床髄板内核の一つである外側中心核へ投射する延髄尾側部の侵害受容ニューロンを検索して, 三叉神経支配領域から視床髄板内核へ上行する侵害受容情報の機能的意義を解明した.<br> 実験には, ウレタン・クロラローズで麻酔したネコを用いた. 視床および延髄尾側部における単一ニューロン活動の導出には, 2% pontamine sky blue含有の1M酢酸ナトリウム溶液を充填したガラス毛細管微小電極を用いた. ニューロン活動の記録部位は, 電気泳動的に色素を注入し, 脳を灌流固定して組織学的に同定した.<br> その結果, 視床髄板内核である内側中心核, 外側中心核および束傍核に三叉神経支配領域から侵害受容性入力を受けるニューロンが検出された. これらの侵害受容ニューロンは, 角膜への圧刺激, 鼻背への叩打, 耳介, 舌および顔面への侵害性機械的刺激あるいは犬歯歯髄への電気刺激に反応した. このような末梢受容野の分布様式は延髄尾側部に存在する腹側網様亜核の侵害受容ニューロンの末梢受容野と類似しており, 腹側網様亜核ニューロンが直接的にあるいは脳幹網様体を介して間接的に視床髄板内核へ投射していることを示している.<br> そこで, 外側中心核に電気刺激を加えて, 延髄尾側部ニューロンの反応を調べたところ, 逆方向性に興奮する三叉神経性侵害受容ニューロンが, 腹側網様亜核背外側部から検出された. また, 腹側網様亜核ニューロンの半数以上が対側の外側中心核へ直接投射していることがわかった.<br> 延髄尾側部の腹側網様亜核で中継されて, 視床髄板内核に送られる三叉神経支配領域がらの侵害受容情報は, さらに大脳辺縁系に投射して, 三又神経系の痛みに伴う情動の発現に関与すると考えられる.