著者
田中 理恵 河村 麻衣子 水谷 佐久美 袴塚 高志 花尻(木倉) 瑠理
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.142, no.6, pp.675-681, 2022-06-01 (Released:2022-06-01)
参考文献数
9
被引用文献数
2

Arylcyclohexylamines are a category of substances to which the anesthetic ketamine belongs. The arylcyclohexylamines have been reported to act as antagonists of the N-methyl-d-aspartate (NMDA) receptor. An analog of ketamine, 2-(ethylamino)-2-(3-methoxyphenyl)-cyclohexanone (methoxetamine; MXE), has been controlled as a narcotic in Japan and overdoses of MXE have been reported to cause health problems. In recent years, MXE derivatives have beendetected in illegal products in Japan. In this study, we describe the identification of three MXE derivatives, 2-(3-methoxyphenyl)-2-(propylamino)cyclohexan-1-one (methoxpropamine; MXPr), 2-(isopropylamino)-2-(3-methoxyphenyl)cyclohexan-1-one (methoxisopropamine; MXiPr) and 2-(3-methoxyphenyl)-2-(propylamino)cyclohexan-1-one (deoxymethoxetamine; DMXE), from illegal products.
著者
田中 理恵子 塚本 昌彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.39, pp.1-6, 1994-05-19
被引用文献数
3

本稿では,移動体を適応的にサポートするための考え方とそれに基づくプロトコルを提案する.移動体をサポートするためには,一般的にルータが,移動体の現在位置の通知とデータパケットのフォワーディングを行なう必要がある.ネットワーク構成や移動特性が様々に異なるネットワークにおいて,移動通知の方式とデータフォワーディングの方式を複数の方式の中から適応的に選択することによって,ネットワーク全体のトラフィック量を減らし,資源の有効利用を図る.IPネットワーク,CLNPのエリア内,エリア間,ドメイン間,無線LANなどにおいて移動体をサポートするのに適用可能である.In this paper, we propose a new strategy for mobile communication and a protocol based on it. To support host mobility, a router is generally required to notify the location of a mobile host to other routers, and to forward packets to the mobile host. By adaptively selecting notification mothod and forwarding method, the total traffic of control and data packets can be reduced under diverse network configuration (e. g., network topology) and wide range of mobility characteristics (e. g., migration frequency). The notion of adaptive support for mobile communication can be applied to IP networks, CLNP networks, and wireless LANs.
著者
田中 理恵 河村 麻衣子 袴塚 高志 花尻(木倉) 瑠理
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.140, no.11, pp.1405-1413, 2020-11-01 (Released:2020-11-01)
参考文献数
15
被引用文献数
8

Lysergic acid diethylamide (LSD) is a hallucinogen, synthesized from ergot alkaloid, and controlled as a narcotic in Japan. Recently, LSD derivatives have appeared as designer drugs, all over the world. In previous study, we reported identification and analysis of four LSD derivatives in four paper sheet products. In this study, we detected three additional LSD derivatives from three paper sheet products, which were obtained from September 2019 to March 2020 in Japan. We extracted the compounds from paper sheet products with methanol for LC-MS, high-resolution MS and GC-MS analyses. The compounds were identified as 4-cyclopropionyl-N,N-diethyl-7-methyl-4,6,6a,7,8,9-hexahydroindolo[4,3-fg]quinoline-9-carboxamide (1cP-LSD), N-methyl-N-isopropyl-7-methyl-4,6,6a,7,8,9-hexahydroindolo-[4,3-fg]quinoline-9-carboxamide (MIPLA), 4-butyryl-N,N-diethyl-7-methyl-4,6,6a,7,8,9-hexahydroindolo[4,3-fg]quinoline-9-carboxamide (1B-LSD), by GC-MS, LC-MS, LC-Q-TOF-MS and NMR analyses. As well as other N1-acylated LSD derivatives, 1cP-LSD and 1B-LSD were easily deacylated to LSD during GC-MS analysis, we have to be careful to analyze these compounds.
著者
田中 理恵 河村 麻衣子 袴塚 高志 花尻(木倉) 瑠理
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.140, no.5, pp.739-750, 2020-05-01 (Released:2020-05-01)
参考文献数
21
被引用文献数
8

To prevent the abuse of new psychoactive substances (NPS), a total of 2372 substances and two plants are controlled as “Designated Substances” in Japan as of September 2019. Although the distribution of these substances has decreased for the past three years, newly-emerged NPS are still being found. In this study, we detected four lysergic acid diethylamide (LSD) derivatives as designer drugs from four paper sheet products, which were obtained from 2014 to 2017 in Japan. The compounds were identified as 4-Acetyl-N,N-diethyl-7-methyl-4,6,6a,7,8,9-hexahydroindolo[4,3-fg]quinoline-9-carboxamide (ALD-52), N,N,7-triethyl-4,6,6a,7,8,9-hexahydroindolo[4,3-fg]quinoline-9-carboxamide (ETH-LAD), 7-Allyl-N,N-diethyl-4,6,6a,7,8,9-hexahydroindolo[4,3-fg]quinoline-9-carboxamide (AL-LAD), N,N-diethyl-7-methyl-4-propionyl-4,6,6a,7,8,9-hexahydroindolo[4,3-fg]quinoline-9-carboxamide (1P-LSD), by GC-MS, LC-MS, LC-Q-TOF-MS and NMR analyses. Further, we studied the extraction methods of LSD derivatives from paper sheet, and the analytical conditions of GC-MS, LC-MS and LC-FL(fluorescence). Among LSD derivatives, 1P-LSD have been controlled as designated substances (Shitei Yakubutsu) under the Pharmaceutical and Medical Device Act in Japan since April 2016. For the legislation of the other derivatives identified in this study, the evaluation of their pharmacological properties are now in progress.
著者
田中 理恵子 芥子 育雄 池内 洋
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.579-585, 1994-10-01 (Released:2008-05-30)
参考文献数
7

従来のキーワード検索では, キーワードを思い出せないと検索できない, 検索結果を順位付けすることができないなどの問題があった。これらの問題を解決し, キーワード1個からでも連想検索ができる検索手法として意味ベクトルによる連想検索技術を開発中である。この技術を画像検索へ応用した画像データベースを試作した。風景写真など約170枚の画像と, それぞれに付与した説明文からなる画像データベースを構築し, 意味ベクトルを用いた検索を行ったところ, 素人によって数語程度の説明文をつけただけでも, かなりの検索ができることがわかった。
著者
品田 知美 田中 理恵子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は、「日本および英国の核家族において、日常の生活様式の選択および水準維持が、子どもを持つことや働きかたへの理想とどのように関連しながら現実に選択されているのか、ミクロな家族システム内で生じている力学に関する知見を得る」という第1の目的は昨年度までに概ね達成された。日本の親たちに期待されている生活様式水準については、研究協力者による雑誌分析の結果によると、とりわけ食の分野において時間短縮というトレンドが提示されているようでも、実質的には相当に質への要求が高止まりしており、母親たちへの期待値は高いのではないかという暫定的知見が得られた。また、英国および日本の双方において小学生の子どもと同居する女性に対してインタビューを実施した。家族と労働にかんしてどのような意識構造のもとで両国で日々の生活が営まれているのかについて、その差異と共通性への知見を得ることができた。現時点ではすべての実査を終えたばかりであり、内容については十分な分析に至っていない。1つ暫定的な結論を述べるならば、日本の親たちの生活時間のトレンドは、食を整える時間がやや減って、子どもとかかわる時間が増加したという、英国の親たちに接近しているにしても、インタビュー調査によれば、意味するところはかなりの違いを伴っている可能性が示唆された。最終年度には、これまでの実査で得られた知見をもとに、「子どものいる核家族のワークライフバランスを実現するにあたり、生活領域で希求されていることと、現代日本の労働システムには、どのような点において齟齬が生じているのかについて理論的に考察する」第2の目的に向けて取り組む予定である。
著者
田中 理恵 (市川 理恵)
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

本研究は、正倉院文書を用いて「石山寺造営事業・二部大般若経写経事業・宝亀年間の一切経写経事業」の財政を解明することで、古代国家の銭貨政策の内容・意図を追究することを目的とした。本年度は、1石山寺造営事業と宝亀年間の一切経写経事業の財政構造をあきらかにし、論文にまとめ、さらに2古代国家の銭貨政策の内容と意図をあきらかにした。まず(1)正倉院文書による価格調査を行い、先行研究が指摘する宝亀元年の物価高騰が存在しなかったこと、天平宝字末年の物価上昇は二段階あり、第一段階は天平宝字六年の米価高騰、第二段階は天平宝字八年の全品目の物価高騰であったことを発見した。さらに(2)新銭の流通状況を調査し、特に天平宝字四年(七六〇)に発行された万年通宝は、和同開珠を基準とする価値体系のなかにその十倍の価値を持つ万年通宝が投入されたことを確認した。すなわち藤原仲麻呂が推進する事業を掌る中央官司に、新銭を下賜するという方法で、財政的に支援していたことをあきらかにした。これに対し、宝亀年間の一切経写経事業の帳簿を検討した結果、天平神護元年(七六五)の神功開宝発行時は、和同開琳と万年通宝の価値をそれぞれ十分の一にしたうえで、万年通宝と同価値の神功開宝を発行していたことを発見した。これまで古代国家は、下落した銭貨価値を取り戻すために次々と旧銭の十倍の価値をつけて新銭を発行してきたと考えられてきた。しかし神功開宝は、天平宝字八年以来の物価高騰を収束させるために発行されたと考える。今後、論文「奈良時代の銭貨政策-万年通宝・神功開宝を中心に-」としてまとめる予定である。
著者
橋本 和幸 田中 理恵 倉橋 朋子 上野 道子
出版者
了德寺大学
雑誌
了德寺大学研究紀要 (ISSN:18819796)
巻号頁・発行日
no.5, pp.7-18, 2011

20世紀半ばにその名前が登場した芸術療法の技法は多様であるが、その中に粘土を用いた造形活動もある。粘土は立体的な表現が可能で、可塑性が高い、多くの人が幼児期に使ったことがあるなどの特徴を生かした利用をされている。本研究では、このような粘土造形を行った際の心理状態を数量的データにより調査することを目的とする。そのために、一般大学生40名を対象に粘土造形を試行させて、粘土に触った感想と制作物の題名を調査した。結果は、感想からは「手触り」や「素材の特徴」など10個のカテゴリ、作品の題目からは「動物」や「キャラクター」など7個のカテゴリが得られた。この結果から、粘土を扱うとその手触りから退行が促進され、癒しの効果が得られることが明らかになった。そして、粘土を触った感想は、思考、感覚、感情という3つのレベルから考えられることも分かった。また、柔らかさを中心に手触りについての感想が多かった。さらに、粘土の使用はコミュニケーションツールにもなると考えられ、グループワークへの活用も期待できる。
著者
蕪城 俊克 澤村 裕正 馬淵 昭彦 田中 理恵 徳永 勝士 寺尾 安生 花島 律子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

眼瞼痙攣患者584人からDNAサンプルを収集した。臨床データの解析が終了した331症例(男性:95例、女性:236例、63.0±12.9歳)の臨床病型の内訳は、本態性眼瞼痙攣238例、薬剤性眼瞼痙攣90例、症候性3例であった。そのうちの191サンプルを用いて、正常人コントロール419例を対象としてDNAマイクロアレイ(Axiom Genome-Wide ASI 1 Array Plate)によるゲノムワイド関連解析を施行した。眼瞼痙攣患者と正常人の間のアレル頻度の比較で、差が大きかった(P<10^-6)疾患感受性の候補領域が数十箇所絞り込まれた。残ったサンプルについても解析を継続する。
著者
片山 直美 山口 貴代 大島 加奈子 小野田 さつき 古山 直美 冨永 美知穂 田中 理恵 瀬古 友美 住田 実穂
出版者
Japanese Society of Taste Technology
雑誌
美味技術研究会誌 (ISSN:13481282)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.9, pp.39-47, 2007

2015年には団塊の世代がすべて65歳を超えて4人に1人が高齢者という, 文字通りの超高齢社会を迎えるわが国において, 加齢に伴う身体機能の低下のため, 栄養不足や誤嚥性肺炎などの原因となる嚥下機能低下による摂食障害は大きな問題として取り上げられることが推測される。そこで本研究は現在市販されている嚥下食品に対して, 「見た目」や「香り」などの主観的な要素と「飲み込みやすさ」などの客観的な要素を取り入れて評価を行うことで, より良い嚥下食の開発に役立てることを目的とした。被験者として健康成人16名(20.4±0.51才, 女性:名古屋女子大学家政学部食物栄養学科学生)を用いて, 嚥下食品(全176品目)に対して評価した。方法は, 被験者に「見た目」「味」「香り」「のど越し」「舌触り」に対してそれぞれの食品を食べた後, 10段階評価を行なわせた。結果, 冷たくてのど越しの良い「ゼリー類」に高い評価が下された。また「煮こごり」「カレー」「シチュー」など香辛料を用いたさまざまな食品が選ばれ, 香りや見た目に違和感のない食品に対する評価が高かった。今後, 作成される嚥下食において「香り」と「見た目」の一致は重要で, さらに「香辛料」を用いて食欲をそそる調理方法が必要である。また盛り付けに対する配慮が必要である。
著者
七海 陽子 恩田 光子 坪田 賢一 田中 理恵 向井 裕亮 的場 俊哉 田中 有香 荒川 行生
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.135, no.9, pp.1057-1067, 2015 (Released:2015-09-01)
参考文献数
24
被引用文献数
5

In Japan the prevalence of dementia has increased considerably, and pharmacists are involved in addressing these patients' medication-related problems. Here, we determined whether pharmacists' comprehensive assessment of medication profiles could reduce the burden of dementia patients' medication-related problems. In this historical cohort study 120 community pharmacies were randomly selected, and participating pharmacists completed questionnaires concerning comprehensive assessment of patient medication profiles, using a “start” questionnaire for patients prescribed medication prior to or during the study period and a “follow-up” questionnaire for patients who subsequently visited pharmacies for prescriptions. Numbers and details of problems and solutions implemented by pharmacists and identified in the start and follow-up questionnaires were compared. Changes in start and follow-up scores were also compared between patients whose problems were identified by pharmacists (identified group) and those whose problems were not (non-identified group). Data were collected for 349 patients issued medication by 60 pharmacies. The most common medication-related problems identified in the start survey were key person's understanding of donepezil (60 cases) and other dementia treatments (60 cases), and adherence to treatment (53 cases). Solutions implemented by pharmacists included gathering information regarding drug administration and dementia awareness from the key person and providing pharmaceutical counseling and instruction. Subsequently, problems related to understanding of dementia treatment, understanding donepezil, and adherence were resolved by 70.0%, 65.0%, and 58.5%, respectively. Pharmacists' comprehensive assessment of medication profiles could effectively solve dementia patients' medication-related problems.