著者
田中 稔
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.65, no.8, pp.404-405, 2017

<p>肝臓は体内最大の臓器であり,代謝をはじめとした生命を維持するうえで必須の機能を数多く担っている。その中でも,三大栄養素と呼ばれる炭水化物,脂質,タンパク質のエネルギー代謝は我々が活動するためになくてはならない重要な機能である。一方,人体に有毒な物質を解毒する薬物代謝も,生命を守るためには必要な機能である。このような肝機能を十分に理解することは,健康の維持だけでなく,新薬の開発においても重要な意味を持っている。</p>
著者
松本 幸 安達 知也 田中 稔 住元 真司 曽我 武史 南里 豪志 宇野 篤也 黒川 原佳 庄司 文由 横川 三津夫
雑誌
研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.2011-ARC-197, no.6, pp.1-10, 2011-11-21

本報告では,8 万台以上のノードを直接網で結合した 「京」 における MPI 集団通信の高速化について述べる.従来の MPI 集団通信アルゴリズムは,間接網向けのアルゴリズムが主体であり,これを直接網に適用してもメッセージの衝突のため効率的な通信ができない.このため,高い通信性能を得るためには直接網を意識した集団通信アルゴリズムが必須となる.そこで我々は,トーラス向け Allreduce アルゴリズム Trinaryx3 Allreduce を設計し,「京」 向けの MPI ライブラリに実装した.Trinaryx3 Allreduce は,「京」 の特長である複数 RDMA エンジンを同時に活用することができる.実装を評価した結果,既存の間接網向けアルゴリズムと比較して,5 倍程度バンド幅が向上することを確認した.
著者
知野 光伸 田中 稔 鈴木 恵
出版者
The Society of Fiber Science and Technology, Japan
雑誌
繊維学会誌 (ISSN:00379875)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.T502-T508, 1981-12-10 (Released:2008-11-28)
参考文献数
15

The bending angles of warp and weft yarns in the cloth on loom were measured. The results were compared with a theory on shrinkage of cloth. When the weft yarn tension was kept constant, the warp bending angles decreased and the weft bending angles increased with the increase of warp tension on loom. The bending angles depended on the yarn count, the flexural rigidity of yarn, and the configuration of yarn deformed by the lateral load. The theory well explained these results.
著者
加藤 泰介 阿部 佑一 那波 宏之 木南 凌 廣川 祥子 田中 稔 水野 誠 Kato Taisuke Abe Yuichi Nawa Hiroyuki Kominami Ryo Hirokawa Shoko Tanaka Minoru Mizuno Makoto
出版者
新潟医学会
雑誌
新潟医学会雑誌 (ISSN:00290440)
巻号頁・発行日
vol.124, no.12, pp.683-690, 2010-12

ニューレグリン-1 (Neuregulin-1: NRG1) は統合失調症の感受性遺伝子として報告された神経栄養因子である. これまでに様々なNRG1遺伝子の遺伝子改変マウスが作られ, 統合失調症モデル動物としての評価が行われてきた. NRG1は細胞移動・軸策誘導・ミエリン形成等の中枢神経系発達を制御する機能を担っている. また, NRG1は末梢神経系においても栄養因子として働き, 内耳蛸牛神経細胞の生存に関わっている. そして, NRG1と受容体であるErbBシグナルの異常は聴力の低下を引き起こすことが知られている. 従って, NRG1シグナルの障害は異常な神経発達を引き起こすと考えられる. 遺伝的要因に加えて胎児の低酸素障害などの環境因子も統合朱謂症のリスク因子と考えられており, これらはNRG1の発現異常も誘導する. よって遺伝的背景・環境要因は共に異常なNRG1シグナルを引き起こすことによって, 神経発達障害という統合失調症の原因仮説に結びつくことが予想される. 今回私は, 神経発達段階での過剰NRG1シグナルと統合失調症発症リスクとの関係を検討した. 新生仔マウスに対して組換えNRG1ペプチドを投与した後, 認知行動解析による評価を行った. プレパルスインヒビション (prepulse inhibition: PPI) は不必要な情報を取り除く知覚フィルター機能を評価するものであり, 統合失調症で低下が報告されている. 動物モデルを用いたPPIの測定は音驚愕反応を用いて行われ, NRG1遺伝子改変マウスにも障害が報告されている. しかしながら, これまでの遺伝子改変マウスは全身性変異でありながら聴覚機能を調べられた例はない. そこで私はNRG1投与マウスの認知機能に加えて聴覚機能の解析も同時に行った. 認知行動解析の結果, NRG1投与マウスは劇的なPPIの低下と, 音条件付け学習の低下を示した. 加えて, 統合失調症の陰性症状を反映すると考えられている社会性行動にも障害が見られた. しかしながら聴性脳幹反応を用いた聴覚機能解析の結果, このマウスには重度の聴力異常があることが分かった. この結果はこれまでに報告されてきたNRG1ミュータントマウスのPPIの低下には聴覚系への影響が関わっているという重要な懸念を示唆するものである. だが, 聴覚系が関与しない社会性行動試験の結果は遺伝子改変マウスの異常形質を再現するものであり, 神経発達段階でNRG1シグナルの異常がこの疾患に何らかの関わり持っている可能性を示している.
著者
田中 稔彦 石井 香 鈴木 秀規 亀好 良一 秀 道広
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.54-57, 2007
被引用文献数
1 2

24歳,男性.初診1年半前から運動や精神的緊張によって多発する小円形膨疹を主訴に来院した.皮疹は激しい痒みをともなっていた.コリン性蕁麻疹と診断し,種々の抗ヒスタミン薬を投与したが皮疹は改善しなかった.サウナ浴によって同様の皮疹が誘発され,回収した本人の汗による皮内テストで陽性を示した.また健常人および本人の汗から精製した汗抗原で末梢血好塩基球からの著明なヒスタミン遊離が生じ,汗の中の抗原にIgE感作されていることが明らかとなった.本人の汗から回収した抗原による減感作療法を行ったところ皮疹の程度が軽減し,本人のQOLも徐々に改善した.末梢血好塩基球の汗抗原に対するヒスタミン遊離の反応性も経時的に低下し,汗抗原による減感作療法が奏効したと考えられた.
著者
中島 恭一 野島 友幸 後藤 昭夫 田中 稔泰 山崎 政幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.231, pp.35-40, 2002-07-18
被引用文献数
4

近年、携帯電話端末のようなアンテナ一体型無線設備の急速な普及に伴い、アンテナから直接輻射される電力を測定する放射電力測定法が、第97回電気通信技術審議会において答申された。しかし、その測定法は、比較的大きな電波暗室等を必要とすることから測定に係る制約が大きく、費用も莫大である。本稿では、80MHz帯から準マイクロ波帯で使用されるハンディサイズのアンテナ一体型無線設備を対象とし、それらの放射電力を簡便に測定する方法について報告する。筆者らは、小規模な設置空間で高精度かつ簡易な測定が期待できる小型電波暗箱及びGTEMセルを用いた放射電力測定システムを試作し、電波暗室での3m法による測定結果との比較を行うことにより、その有効性を検証した。
著者
田中 稔彦 亀好 良一 秀 道広
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.134-139, 2006
被引用文献数
12

【背景】蕁麻疹の病態・原因は多様であり,これまでに様々な分類法が用いられてきた.平成17年に日本皮膚科学会より「蕁麻疹・血管性浮腫の治療ガイドライン」が作成され,必要となる検査の内容と意義,治療内容,予後の視点を重視した病型分類が示された.【方法】平成15年から17年に広島大学病院皮膚科外来を受診した260名の蕁麻疹患者をこの分類法に準拠して病型を診断し,その内訳を調査した.【結果】物理性蕁麻疹10.0%,コリン性蕁麻疹6.5%,外来物質による蕁麻疹は6.5%であり,残りの76.9%が明らかな誘因なく生じる特発性の蕁麻疹であった.また38.8%の患者で複数の病型が合併しており,特に慢性蕁麻疹と機械性蕁麻疹あるいは血管性浮腫との合併が多く見られた.【結語】多くの蕁麻疹は丁寧な病歴聴取と簡単な負荷試験により病型を診断することができ,それを踏まえて検査,治療内容の決定および予後の推定を行うべきであると考えられる.
著者
森原 剛史 武田 雅俊 工藤 喬 田中 稔久
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

NSAID誘導体によるAβ42産生の抑制作用は認められなかった。背景遺伝子を混合させたAPPトランスジェニックマウスはAβ蓄積を修飾する遺伝子群の収集には大変有効であった。候補遺伝子アプローチで炎症関連遺伝子の関与を調べたが、有意な関係は認められなかった。高齢者の血中CRPと認知機能の変化の関係は本研究機関では認められなかった。
著者
中山 直樹 山口 真悟 葛 崎偉 田中 稔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.416, pp.41-47, 1999-11-09
被引用文献数
2

ワークフローは業務にかかわる人や物などの流れを表したものである。業務の効率を図るために、現行の業務の実態を把握して、評価する必要がある。一般的に、業務の流れは人や物などが複雑に絡み合っているため、ワークフローは作業間の順序関係や、作業の実行に必要な制約条件などの業務の特徴が分かりやすく表されなければならない。本論文では、複雑な流れを持った飲食店の業務を対象とし、カラーペトリネットを用いて飲食店の業務の複雑な人や物の流れおよび流れに伴う時間などを統合的に表すモデルを提案する。そして実際の飲食店を取り上げ、提案したモデルによるモデリングを行ったうえ、その業務の流れを評価する。その結果、実例の業務のボトルネックを発見し、業務の改善の箇所を発見することができた。
著者
山口 真悟 服部 正史 葛 崎偉 田中 稔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.458, pp.31-38, 2001-11-19

本論文では, ハイレベル・ペトリネットを用いた飲食店業務のワークフローの汎用的なモデル化手法を提案する.まずリソース(人や機械), アクティビティ(仕事), 事例(業務のインスタンス)という3つの観点から飲食店業務を分析し, 飲食店業務の構成要素, 評価基準を明らかにする.次に, 提案するワークフローのモデル化手法を具体例を挙げて詳述し, 3つの飲食店への適用例を示す.最後に, 作成したモデルをシミュレーションすることによって飲食店業務の評価基準が計算できることを示す.