著者
田村 哲樹
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.2_289-2_311, 2019 (Released:2020-12-21)
参考文献数
43

現代民主主義理論には、様々な理論潮流が存在する。しかし、そうした様々な試みも、「自由民主主義」 を前提とし、その深化ないし徹底化を目指すという点では共通しているのではないだろうか。このような疑問に対して、本稿は、現代民主主義理論と自由民主主義との関係を再検討し、両者の関係が 「自由民主主義の深化・徹底化」 にとどまるものではないことを明らかにしようとする。その際、本稿は、自由民主主義における 「自由(リベラル)」 の多義性に注目する。すなわち、本稿は自由民主主義の 「自由 (リベラル)」 には少なくとも、資本主義、競争的な政党システム、公私二元論、そして立憲主義の4つの意味があり、かつ、それぞれの意味での 「自由 (リベラル)」 を乗り越えようとする現代民主主義理論が存在することを明らかにする。
著者
田村 哲樹
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.2_289-2_311, 2019

<p>現代民主主義理論には、様々な理論潮流が存在する。しかし、そうした様々な試みも、「自由民主主義」 を前提とし、その深化ないし徹底化を目指すという点では共通しているのではないだろうか。このような疑問に対して、本稿は、現代民主主義理論と自由民主主義との関係を再検討し、両者の関係が 「自由民主主義の深化・徹底化」 にとどまるものではないことを明らかにしようとする。その際、本稿は、自由民主主義における 「自由(リベラル)」 の多義性に注目する。すなわち、本稿は自由民主主義の 「自由 (リベラル)」 には少なくとも、資本主義、競争的な政党システム、公私二元論、そして立憲主義の4つの意味があり、かつ、それぞれの意味での 「自由 (リベラル)」 を乗り越えようとする現代民主主義理論が存在することを明らかにする。</p>
著者
田村 哲郎 近藤 宏二 片岡 浩人 河合 英徳
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集 第24回 風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
pp.253-258, 2016 (Released:2017-03-18)

本研究は国土交通省建築基準整備促進事業で実施されたCFDの風荷重の推定への適用性について論じる。本研究ではオフィス棟と住宅の2種類の高層建物について、その風圧力を乱流モデルにLESを適用した数値解析により推定している。また、3機関による風洞実験を実施し、風洞実験設備による風圧力のばらつきを考察したうえで、数値解析の検証のためのデータベースを整備した。さらに風洞実験結果との比較から、CFDによる数値解析結果が風洞実験結果と同等の精度を有することを確認した。
著者
田村 哲彦 石川 博通 田代 真一
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.623-628, 1999-01-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
6

これまで精液所見不良例に対して漢方療法が行われてきたが, エキス剤を画一的に使用した例が多く, 漢方本来の四診 (望診, 聞診, 問診, 切診) により証を決定し, 漢方処方を適用する弁証論治が行われた例は少ない。精液所見不良を主訴とする男性不妊33例に弁証論治による漢方湯液療法を試みた。気・血・津液 (水)・臓腋などに基づく症候を漢方四診により分類した結果, 肝気鬱証 (11例), 腎虚証 (5例), 脾気虚証 (9例), 痰湿証 (5例), 湿熱証 (3例) であり, 各々柴胡疏肝湯, 八味地黄丸・牛車腎気丸, 補中益気湯, 柴胡加竜骨牡蛎湯, 竜胆潟肝湯を基本とした処方を用いた。方剤は煎剤とし, 6ヶ月間投与した。この間, 証の変化に伴い方剤の変更, 加減を行った。従来, 男性不妊の漢方療法は腎虚証並びに脾気虚証を指標とする場合が多かったが, 本研究では肝気鬱証が11例 (33%) を占めた。投与前後の精液所見, 血清中のホルモンを比較した結果, 精子濃度, 運動率に有意差を認めなかったが, 血清テストステロン, エストラジオールは有意的に減少していた。妊娠例は肝気鬱証で4例, 脾気虚証, 痰湿証, 湿熱証の各群で各々1例認められた。
著者
又吉 直樹 田村 哲郎
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集 第23回 風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
pp.37, 2014 (Released:2015-03-10)

独立行政法人宇宙航空研究開発機構では、高層ビルの屋上ヘリポート周辺の風 モデル構築を目的として、ドップラーライダ、ヘリコプタを用いて都市境界層 の風観測を実施した。その結果、建築物荷重指針に比して、大きな風速分布の べき指数(0.28~0.54)、大きな乱流強度(地上高150~200mにおいて0.2~0. 3)、短い乱れスケール(地上高150mにおいて60~80m)が観測された。
著者
坂谷 彰彦 今村 綱男 田村 哲男 小泉 優子 小山 里香子 木村 宗芳 荒岡 秀樹 竹内 和男
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.1023-1026, 2013-09-30 (Released:2014-01-10)
参考文献数
22

要旨:症例は30歳女性。当院受診9日前に強い右季肋部痛が出現し近医を受診。血液検査では炎症所見の上昇がみられたのみで腹部単純CT検査と腹部超音波検査で異常がみられなかったため経過観察とされた。その後,痛みの範囲が腹部全体に拡大したため他院胃腸科を受診し上部内視鏡検査を施行され,婦人科も受診したが痛みの原因は不明であったことから精査目的に当院紹介となった。造影CT検査施行した結果,動脈早期相で肝表面に層状の濃染像を認めたため肝周囲炎を疑い,クラミジアを標的とした抗菌薬投与したところ症状は速やかに改善した。後に膣分泌物クラミジアトラコマチスPCRの結果が陽性と確認されたことからFitz-Hugh-Curtis症候群と確定した。今回われわれは造影CTが診断に有用であったFitz-Hugh-Curtis症候群の1例を経験したことから若干の文献的考察を交えて報告する。
著者
朝日 翔太 松井 彩華 田村 哲嗣 速水 悟 井指 諒亮 古川 輝 内藤 孝昌
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
pp.20-00020, (Released:2020-10-20)
参考文献数
15
被引用文献数
1

In this paper, we propose a method to predict the failure of factory equipment by machine learning architectures using vibration data. We design the model so that we can predict robustly the failure of the equipment in advance. We use a Gaussian Mixture Model (GMM), a machine learning architecture, to calculate abnormality value which is used for the decision whether the state of the equipment is normal or abnormal by thresholding. We also use Long Short-Term Memory Autoencoder (LSTM-AE), one of the structures of the deep learning algorithm, for feature extraction. LSTM-AE model learns both spatial and temporal patterns which are difficult to capture with conventional machine learning algorithms. We conducted the prediction experiment using vibration data obtained from actual mechanical equipment, to confirm our method can predict the failure more robust than conventional methods. From this experiment, we found that the abnormality value tended to exceed a threshold value before the actual failure, indicating that the failure can be predicted in advance by our method. Besides, when compared with conventional methods, we found that the transition of abnormality and the accuracy of failure prediction were almost the same in all cases, but we also showed that the proposed method has superiority on robustness compared to conventional methods about the transition of abnormality and the setting of the threshold.
著者
田村 哲樹
出版者
JAPANESE POLITICAL SCIENCE ASSOCIATION
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.1_143-1_168, 2008 (Released:2012-12-28)
参考文献数
55

Though the state has been the main topic in political theory, it hasn't been the case in feminism. But in recent years feminists have begun to pay attention to the state and state theory. So my research question is how feminists should theorize the state. I argue three points in order to answer this question. Firstly feminists can't see the state as essentially patriarchal, because state is constructed through discursive struggles. Secondly it is important that both civil society and mediation channels are democratic, if state is to be non-patriarchal. So feminist state theory can't be the theory focused on the state exclusively. Finally for feminists it is insufficient to think only about the relationship between state and civil society. Because feminists have criticized public/private distinction, feminist state theory must take this distinction into account. There are some qualitative differences between public realm including civil society and private realm such as family. But we should not see these boundaries as fixed. We go on deliberating whether these boundaries are appropriate or not. That is why ‘politics as public action” is significant.
著者
小川 恭子 竹内 和男 奥田 近夫 田村 哲男 小泉 優子 小山 里香子 今村 綱男 井上 淑子 桑山 美知子 荒瀬 康司
出版者
公益社団法人 日本超音波医学会
雑誌
超音波医学 (ISSN:13461176)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.749-756, 2014 (Released:2014-09-19)
参考文献数
17
被引用文献数
2

目的:肝血管腫は腹部超音波検査で発見される比較的頻度の高い病変である.大部分は無症状で大きさは変化しないと報告されているが,時として増大例や縮小例,巨大例,まれには破裂例を経験する.これまでの肝血管腫の腫瘍径の変化についての報告には,多数例での長期経過観察による検討は少ない.そこで,長期に経過観察されている肝血管腫について,その腫瘍径の変化を検討した.対象と方法:2011年に虎の門病院付属健康管理センターの人間ドックにおいて腹部超音波検査を行った16,244例のうち,肝血管腫またはその疑いと診断された1,600例(9.8%)を後ろ向きに調査し,10年以上の経過観察がある76例,80病変を対象とした.観察期間は120ヵ月から303ヵ月,平均197ヵ月であった.腫瘍径の変化率を(1)著明増大(変化率が≥+50%),(2)軽度増大(変化率が≥+25%より<+50%),(3)不変(変化率が<+25%より≥-25%),(4)縮小(変化率が<-25%),の4群に分類した.結果と考察:全経過での平均変化率は+39.8%(95%CI:+28.5%から+51.1%)で,著明増大は29病変(36.3%),軽度増大が16病変(20.0%),不変が32病変(40.0%),縮小が3病変(3.8%)であった.10年間の変化率に換算すると平均+24.9%(95%CI:+18.1%から+31.7%)で,著明増大は13病変(16.3%),軽度増大は22病変(27.5%),不変は45病変(56.3%),縮小例はなしであった.結論:肝血管腫の10年以上の経過観察で約半数に腫瘍径の増大を認めた.