著者
松本 英彦 井原 秀俊 川嶌 眞人 田村 裕昭
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.925-932, 2003 (Released:2005-02-18)
参考文献数
12

Twelve cases of acute injury of the lateral collateral ligament of the ankle were treated conservatively by early mobilization. Weight bearing was allowed as soon as possible. Active exercise and dynamic joint control training were initiated at least by day 5. The mean talar tilt angle and anterior drawer distance showed significant improvement from 9.1° to 1.3° (p<0.001) and 3.5 mm to —0.3 mm (p<0.001) respectively. All cases completely returned to the competitive game level. This early mobilization prevented evils of using plaster. Early mobilization and weight bearing are considered as the method of first choice and provided recovery in range of motion of ankle mobility.
著者
岡本 芳晴 大﨑 智弘 東 和生 伊藤 典彦 柄 武志 今川 智敬 菅波 晃子 田村 裕
出版者
Japan Society for Laser Surgery and Medicine
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.46-50, 2014-05-15 (Released:2015-09-09)
参考文献数
9
被引用文献数
1

我々はインドシアニングリーン(ICG)をリン脂質成分に結合させたICG修飾リポソーム(ICG-lipo)を開発した.今回は深部腫瘍15例に対し,ICG-lipo(抗がん剤等内包)を点滴投与後,近赤外線光源装置または半導体レーザーを用いて患部に20-60分間光照射した.照射間隔は毎日~週3日で実施した.Response Evaluation Criteria in Solid Tumors (RECIST)に基づく判定結果はCR:1 例,PR:8例,SD:5例,PD:1例であった.PR,SD症例は全例QOLの改善がみられた.15例いずれも重篤な副作用は確認されなかった.
著者
岡本 芳晴 山下 真路 大﨑 智弘 東 和生 伊藤 典彦 村端 悠 柄 武志 今川 智敬 菅波 晃子 田村 裕
出版者
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.408-412, 2020-01-15 (Released:2020-01-16)
参考文献数
12
被引用文献数
1

2010年,我々はインドシアニングリーン(ICG)をリン脂質成分に結合させたICG修飾リポソーム(ICG-lipo)を開発した.今回,動物の自然発症腫瘍38症例に対して治療成績を評価した.治療はICG-lipo(抗がん剤等内包)を点滴投与後,半導体レーザー装置を用いて患部に10~20分間光照射した.照射間隔は毎日~週3日で実施した.Response Evaluation Criteria in Solid Tumors(RECIST)に基づく判定結果は,CR(Complete response):3例,PR(Partial response):13例,SD(Stable disease):18例,PD(Progressive disease):4例,だった.奏効率(CRおよびPRの割合)および有効率(CR,PR,SDの割合)は,42.1%および89.5%だった.特にリンパ腫の奏功率は85.7%と高値を示した.2症例以上ある腫瘍で,リンパ腫,血管肉腫以外は有効率が100.0%を示した.本治療を実施することにより,約半数の獣医師が一般状態の改善を認めた.このことは本治療法の有効性を示すものと思われる.
著者
本山 達男 尾川 貴洋 田村 裕昭 古江 幸博 永芳 郁文 川嶌 眞之 佐々木 聡明 渡邊 裕介 小杉 健二 川嶌 眞人
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.254-257, 2015-03-25 (Released:2015-05-22)
参考文献数
7

膝外傷後の痛みで,単純X線で異常なくてもMRIで骨挫傷を認めることが散見される.靭帯損傷を伴わない骨挫傷単独例を,受傷機転,骨挫傷部位,疼痛が消失した時期,スポーツ復帰で検討した.対象と方法)対象は2011年11月より2013年12月まで,MRIで膝の骨挫傷単独例と診断し当院で加療を行った13例,13膝で平均年齢は19.6歳(13-36歳),男性10例,女性3例で,後ろ向きに調査を行った.結果)受傷機転はスポーツ中のもの6例,交通事故5例,子供のバットが当たったもの1例,不明1例であった.受傷部位は大腿骨内側顆10膝,大腿骨外側顆2膝,脛骨内側顆4膝,膝蓋骨1膝であった.疼痛の消失時期は受傷後より約3-7週で平均4.2週であった.考察)膝の単独の骨挫傷は診断にはMRIが必須で,予後は良好であるが,骨の外傷であり歩行時痛が消失するのは3週以上かかることが多く,スポーツ復帰は5週以上要した.
著者
古江 幸博 田村 裕昭 永芳 郁文 本山 達男 川嶌 眞之 尾川 貴洋 樋高 由久 川嶌 眞人
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.707-710, 2012-09-25
参考文献数
7

内上顆下端の骨片を有する中学生投手に対して,骨接合術を行い,骨癒合,投手復帰の良好な結果を得た.中学3年生と1年生の投手2例が,1球の投球後に肘内側痛が出現したため,投球不能となって受診した.ともにX線像で内上顆下端に骨片を認め,手術を行った.手術では両者とも,骨片間に介在組織はなく海面骨が露出しており,新鮮化など行わずに引き寄せ締結法とアンカーを用いての骨接合術を施行した.いずれも骨癒合が得られ,投手に復帰できた.<BR>骨端線閉鎖間近あるいは閉鎖後の中学生,特に1球の投球後に発症した例では,急性要素があり,内上顆下端の骨片の骨接合術は治療選択肢の1つと考えられた.
著者
田村 裕 櫻井 晶 山村 千絵 Tamura Yutaka Sakurai Akira Yamamura Chie
出版者
新潟歯学会
雑誌
新潟歯学会雑誌 (ISSN:03850153)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.135-142, 2009-12

嚥下リハビリテーションを含む口腔治療の現場では,口腔湿潤度を知ることは治療計画を立てる上で有益である。そのため口腔粘膜水分量や唾液分泌量が測定されているが,両者の関係性は不明である。本研究は両者の関係を調べることと,2種類の保湿剤が唾液分泌量に及ぼす効果を知ることを目的に実施した。研究は,口腔乾燥症状を呈する疾患がない健康な成人男女20 名を用いて行った。最初に,口腔水分計(ムーカス^<【○!R】>)による口腔粘膜水分量とワッテ法による唾液分泌量を継時的に同時測定することにより両者を比較し,関連が見られるか調べた。次に,口腔湿潤度を高めるために,臨床現場で使用されている二種類の保湿剤(ハニーウェット^<【○!R】>とメンバーズ洗口液^<【○!R】>)の効果を継時的に比較し,各々の保湿効果の特徴から使用目的の明確化を試みた。安静時の口腔粘膜水分量と唾液分泌量には相関は認められなかった。このことから口腔湿潤度は,簡易的に測定できる口腔粘膜水分量のみでは判定しにくいことが示唆された。保湿剤の実験では,どちらの保湿剤も,水道水刺激時と比べ有意に唾液分泌量が増加した。さらに,唾液分泌量の継時的変化を見ると,ハニーウエット^<【○!R】>は刺激直後に分泌量が急増する特徴があり,メンバーズ洗口液^<【○!R】>は刺激後,分泌量増加の持続が長いという特徴が見られた。使用目的として,口腔乾燥が重度で食事前などに即効を期待する場合にはハニーウエット^<【○!R】>を,常時,口呼吸で口腔内が乾燥してしまう場合などにはメンバーズ洗口液^<【○!R】>が適すると考えられた。In the present study, we have investigated the relationship between oral mucosa humidity and salivary flow rate, which affect the oral wetness firstly, and then examined the time-dependent changes in the moisturizing effects of the two different types of moisturizers which are used in clinical practice, in order to higher the oral wetness. Subjects were 20 healthy adults selected from both sexes who have no history of disease associated with dry mouth symptoms. First, oral mucosal humidity (%) under a resting condition was determined by using an oral moisture checker (Mucus^<TM>). Total amount of saliva (g) was determined ordinary by using a cotton method. No significant correlation between mucosal humidity and salivary flow rate was observed. Since mucosal humidity and salivary flow rate have different implications with each other, it is difficult to evaluate by measuring only mucosal humidity in order to determine the oral wetness.Then, time-dependent changes in oral wetness with applying two moisturizers (Honey Wet^<TM> and Members mouthwash fluid^<TM>) were investigated. Stimulation with Honey Wet^<TM> caused sharp increase in salivary volume which returned to resting level within 20 min after the stimulation; whereas the stimulation with Members mouthwash fluid^<TM> resulted in a mild increase in comparison to Honey Wet^<TM> , however, the salivary volume was significantly greater than those of resting and tap water stimulation, even 30 min after the stimulation. Considering the application in clinical practice, Honey Wet^<TM> is recommended when the marked dry mouth was observed and/or immediately before meal, where the increase in salivary flow is desired in order to swallow foods easily; on the other hand, Members mouthwash fluid^<TM> is recommended when symptoms of dry mouth are observed because of habitual mouth-breathing and long-lasting moisturizing effects are desired.
著者
仲栄真 礁 浪崎 直子 佐藤 崇範 高橋 志帆 森 愛理 高橋 麻美 石川 恵 田村 裕 棚谷 灯子 内藤 明
出版者
日本サンゴ礁学会
雑誌
日本サンゴ礁学会誌 (ISSN:13451421)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.75-86, 2012 (Released:2014-09-02)
参考文献数
7
被引用文献数
1

日本サンゴ礁学会若手の会・環境教育ワーキンググループでは,主に日本サンゴ礁学会会員を対象として,サンゴ礁分野における教育活動の現状と課題を明らかにするためのアンケート調査を実施した。537 名の調査対象者に対し,アンケートの回収率は 15.1%で,回答者の 69.1%が何らかの教育活動への参加経験があり,また 98.8%がこうした教育活動に関心があると回答した。また教育活動が重要であると考える理由としては,「保全活動の一環として教育活動を重要視している」とする回答が 29.2%と最も多かった。活動実施の際の課題や必要な支援に関する主な意見としては,時間的負担,予算不足,人材不足が挙げられた。加えて,若手研究者が教育活動に参加することへの正の効果についても考察し,若手学会員の視点から今後の教育活動における連携や実施の促進に向けた活動案も提案する。
著者
佐治 斉 田村 裕之 市川 朗
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、地震をはじめとする大規模災害時において、被災地状況とその周辺の広域道路状況などを一括把握でき、円滑・迅速な救助活動に供することを目的とするものである。そのため、画像情報や地図情報を統合活用し、被災地周辺の個別特徴情報をそれぞれ抽出し、さらにそれらを連携して解析をすることで、大規模災害時での救助活動に必要な被災地周辺情報を自動生成できる画像解析手法を検討し、試作システムを構築した。
著者
戸倉 清一 田村 裕 浦上 忠 宮田 隆志 木船 紘爾 前田 睦浩
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

これまでLi DMAc、蟻酸、これらより穏和な溶媒系(塩化カルシウム二水和物飽和メタノール)を見つけた。さらに、この溶媒系がキチンの脱アセチル化誘導体キトサン酢酸塩紡糸に際して凝固液になることも見つけたので溶解の機構についてカルシウム以外の他のイオンについても検討した。キチンの溶解挙動をさらに詳細に検討したところ、カルシウム、メタノール、水の組成がキチン溶解に大きく影響していることが判った。キチン溶液が延糸性を示すことから、メタノールとアセトンの混合溶液でを凝固浴としてキチン繊維の紡糸を行った。α-キチンの場合、0.1mm径の30穴ノズルを用い、新たに考案したV字型凝固浴に押し出し回転ローラーで巻き取った。繊維にはカルシウムが残存しているので、メタノール中で充分洗浄して脱カルシウム操作を行った後、風乾して直径約40μmのα-キチン繊維を得た。β-キチンの塩化カルシウム2水和物飽和メタノール溶液はα-キチン溶液よりも遙かに粘度が高いため、シングルノズルを用いさらにエアギャップを設けることで繊維化が可能であった。塩化カルシウム2水和物飽和メタノール溶液に溶解させたキチン溶液に水を加えた際に析出した物質は含水率が約96%と高度に膨潤したヒドロゲル状であった。また、キチン溶液にメタノールを加えることでもゲル状物質が得られた。しかしこの場合、ゲルを得るには水の場合よりも多くのメタノールを必要とし、さらに透析によるカルシウム除去に長期間かかることより、メタノール媒体中でキチンの溶解状態が異なることが示唆された。さらにキチンヒドロゲルからは容易にフィルムを調製することができた。これはバインダーを含まないキチン100%から成るフィルムであり、生体適合性、生体消化性に優れていることからバイオマテリアルとして有望であると考えられる。
著者
田村 裕子 宇根 正志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.16, pp.363-368, 2007-03-02

わが国では、CD/ATM 端末における金融取引等において、顧客の本人確認手段の1つとして生体認証技術を利用する動きが広がっている。ただし、現時点では生体認証システムのセキュリティ評価手法が確立しておらず、生体認証システムを利用する際には、関連する標準規格の審議動向や研究開発動向を十分にフォローしておく必要がある。本稿では、金融分野で用いられる生体認証システムに関連する4つの文献を参照し、それらに記述されているセキュリティ要件を整理する。また、研究開発の現状を踏まえ、各要件をどのように満足させるかについて考察する。In Japan, the use of biometric authentication techniques has spread as one of measures for customers authentication in financial transactions such as those at CD/ATM terminals. However, security evaluation methods for biometric authentication systems have not been established yet. In making use of such systems, financial institutions have to follow international standardization activities and recent R&D trends regarding the security of the biometric authentication techniques. In this paper, we will refer to four documents relating to the security of biometric authentication systems used for financial services and summarize the security requirements for such systems. Then, we will discuss how to meet the security requirements by taking into account the recent R&D trends of the biometric authentication techniques.