著者
田村 裕子
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
人間文化論叢 (ISSN:13448013)
巻号頁・発行日
vol.8, pp."4-1"-"4-9", 2005

This paper notes that, in his diary, called Taiki, Fujiwara Yorinaga (1120〜1156), born in a family that produced regents/chief advisers to the Emperor during the era of rule by retired Emperors, refers to his deceased real mother as the "person of old", and its implied meaning is examined. In the background of this reference to her as the "person of old" was the existence of Minamoto Shishi, the legal wife of Tadazane, Yorinaga's father, who became Yorinaga's adoptive mother. She was something guaranteeing his legitimacy as a successor. It is this Shishi that Yorinaga identified as his mother, whom he must respect. However, the existence of his real mother was not entirely disregarded in his mind ; there are entries in his diary in which feeling of deep attachment to her can be detected. The reference to his real mother as the "person of old" represents internal fulfillment of the positioning of his two mothers, and symbolizes strong persistence in attaining the status of a regent/chief adviser to the Emperor, as well as the suppressed feelings for his real mother under that persistence, on the part of Yorinaga,who was shortly to rush headlong toward the civil war of the Hogen era.
著者
小倉 拓郎 早川 裕弌 田村 裕彦 小口 千明 守田 正志 清水 きさら 緒方 啓介 山内 啓之
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2019年大会
巻号頁・発行日
2019-03-14

小学校の総合的な学習の時間では,身の回りにある様々な問題状況について,問題の解決や探究活動に主体的,創造的,協同的に取り組む態度を育て,自己の生き方を考えることができるようにすることを目標としている(文部科学省 2008).この目標を達成するために,地域や学校の実態に応じて,自然体験や観察・実験などの体験的学習や,地域との連携を積極的に行うことが求められている.演者らは,自然地理学・地理教育・空間情報科学・建築学・歴史学・文化財科学などの専門分野を生かし,横浜市登録地域文化財に指定されている「田谷の洞窟」保存プロジェクトを実施している.このなかで,UAS(Unmanned Aerial System,通称ドローン)を用いたSfM多視点ステレオ写真測量や,地上レーザ測量(TLS: Terrestrial Laser Scanning)などを用いた高精細地表情報を基盤に,洞窟保全や文化財保護などの研究を通して,地域の地表・地下環境情報のアーカイブに取り組んでいる.本研究では,横浜市田谷町「田谷の洞窟」とその周辺域を対象とし,高精細地表情報の取得方法や利活用事例に触れることを通した課題発見型・体験型の地域学習を実践し,児童たちの学習効果について検証する. 本授業は,横浜市立千秀小学校第6学年の総合的な学習の時間および図画工作科を利用して実施した.当該校では,田谷の洞窟を主題として,1年間を通して地域の歴史や文化財の保存,環境についての学習を発展させてきた.学習のまとめとして,3学期にUAS-SfMやTLS由来の地表データから大型3D地形模型を製作した.地形模型作成プロセスを通して,児童たちは地形の凹凸や微細な構造を手で感じ取り,1・2学期に学習した地域学習の内容を喚起させた.その上で,デジタルで高精細な地形モデルや,アナログな立体模型を自由に俯瞰したり,近づいて観察したりすることで,さまざまなスケールにおける地域の構造物や自然環境の位置関係,規模について再認識することができた. 本授業のまとめとして地域で報告会を開催し,作成した大型3D地形模型を利用しながら地域住民や参画する大学教員・大学院生と意見交換を行った.生徒たちは意見交換を通して1年間の学習の整理だけでなく,多様な学問分野の視点や時空間スケールで地域を見つめなおし,自ら立てた課題の再考察や新たな課題を発見することができた.
著者
田村 裕之
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.413-418, 2009-12-15 (Released:2016-09-30)
参考文献数
8

電気用品が発火源となった火災の近年の動向として,おもな発生原因,電気用品種類別の火災件数の推移,火災事例を紹介し,あわせて,電気用品の製造や販売に関連した法規制についても紹介する.
著者
樋高 由久 古江 幸博 田村 裕昭 永芳 郁文 本山 達男 川嶌 眞之 尾川 貴洋 片山 隆之 川嶌 眞人
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.443-446, 2012-09-25 (Released:2012-11-27)
参考文献数
10

γネイルを用いた骨接合術後に二次骨折をおこした3例について報告する.〈症例(1)〉87歳,女性.施設で転倒し,左大腿骨転子部骨折を受傷.初回手術後35日目に転倒し,再骨折を認めた.〈症例(2)〉52歳,男性.施設入所中転倒し,左大腿骨転子下骨折を受傷.初回手術後38日目に転倒し,再骨折を認めた.〈症例(3)〉79歳,男性.ベッド上で左股関節痛により体動困難となり,左大腿骨転子下骨折を認めた.初回手術後182日目に転倒し,再骨折を認めた.全例がネイル先端から遠位横止めにかかる二次骨折であり,遠位横止め部位にかかる応力の集中が二次骨折に関与していることが考えられた.しかし,捻転力による二次骨折,ネイルの回旋や沈み込みによる変形や疼痛などの合併症を避けるためには,遠位横止めは必要であり,遠位横止めの是非は今後の検討が必要と考えられた.
著者
古江 幸博 田村 裕昭 永芳 郁文 本山 達男 川嶌 眞之 尾川 貴洋 樋高 由久 川嶌 眞人
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.707-710, 2012-09-25
参考文献数
7

内上顆下端の骨片を有する中学生投手に対して,骨接合術を行い,骨癒合,投手復帰の良好な結果を得た.中学3年生と1年生の投手2例が,1球の投球後に肘内側痛が出現したため,投球不能となって受診した.ともにX線像で内上顆下端に骨片を認め,手術を行った.手術では両者とも,骨片間に介在組織はなく海面骨が露出しており,新鮮化など行わずに引き寄せ締結法とアンカーを用いての骨接合術を施行した.いずれも骨癒合が得られ,投手に復帰できた.<BR>骨端線閉鎖間近あるいは閉鎖後の中学生,特に1球の投球後に発症した例では,急性要素があり,内上顆下端の骨片の骨接合術は治療選択肢の1つと考えられた.
著者
野村 俊之 山本 昌彦 鈴木 光也 吉田 友英 大和田 聡子 重田 芙由子 池宮城 慶寛 田村 裕也
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.114, no.11, pp.869-874, 2011 (Released:2011-12-02)
参考文献数
10
被引用文献数
1

2007年8月より2009年7月までの2年間に, 東邦大学医療センター佐倉病院耳鼻咽喉科において良性発作性頭位めまい症と診断した1,145名を対象とし, われわれが考案した運動療法で治療を行った. われわれの方法は患側が特定できなくても整形外科疾患など頸椎・脊椎に問題のある症例でも, 患者が自宅で自分のペースで治療を行えるという特徴を有している. その結果1カ月以内に80.7%, そして3カ月以内では91.7%のめまい消失をみた. その中でも発症より1週間以内に受診した症例では2週間以内に80%の症例がめまいの消失をみている. めまい発症より受診時期が遅くなるにしたがって治癒期間も長くなる傾向があった.
著者
田村 裕之
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.438-444, 2014-12-15 (Released:2016-07-30)
参考文献数
2

太陽光発電システムの普及が急速に拡大している.しかし,火災事例や消防活動事例を調べると,太陽光発電システムからの出火や消火活動中の消防隊員の感電などが起こっており,火災や感電の面で安全対策が不十分なことが分った.そこで,太陽光発電システムが設置されている建物での出火危険性や消防活動時の危険性について,太陽光発電システムの構造や火災事例から課題を見出し,火災実験や発電実験を行った.その結果,火炎からの光でも発電すること,モジュールの一部が脱落しても発電を継続すること,モジュール表面の強化ガラスが熱によりフロートガラスに戻ること,人体に危険を及ぼす感電が起こりうること,などが分かった.これらを基に安全な消防活動を行うための対策をまとめた.
著者
田村 裕 櫻井 晶 山村 千絵 Tamura Yutaka Sakurai Akira Yamamura Chie
出版者
新潟歯学会
雑誌
新潟歯学会雑誌 (ISSN:03850153)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.135-142, 2009-12

嚥下リハビリテーションを含む口腔治療の現場では,口腔湿潤度を知ることは治療計画を立てる上で有益である。そのため口腔粘膜水分量や唾液分泌量が測定されているが,両者の関係性は不明である。本研究は両者の関係を調べることと,2種類の保湿剤が唾液分泌量に及ぼす効果を知ることを目的に実施した。研究は,口腔乾燥症状を呈する疾患がない健康な成人男女20 名を用いて行った。最初に,口腔水分計(ムーカス^<【○!R】>)による口腔粘膜水分量とワッテ法による唾液分泌量を継時的に同時測定することにより両者を比較し,関連が見られるか調べた。次に,口腔湿潤度を高めるために,臨床現場で使用されている二種類の保湿剤(ハニーウェット^<【○!R】>とメンバーズ洗口液^<【○!R】>)の効果を継時的に比較し,各々の保湿効果の特徴から使用目的の明確化を試みた。安静時の口腔粘膜水分量と唾液分泌量には相関は認められなかった。このことから口腔湿潤度は,簡易的に測定できる口腔粘膜水分量のみでは判定しにくいことが示唆された。保湿剤の実験では,どちらの保湿剤も,水道水刺激時と比べ有意に唾液分泌量が増加した。さらに,唾液分泌量の継時的変化を見ると,ハニーウエット^<【○!R】>は刺激直後に分泌量が急増する特徴があり,メンバーズ洗口液^<【○!R】>は刺激後,分泌量増加の持続が長いという特徴が見られた。使用目的として,口腔乾燥が重度で食事前などに即効を期待する場合にはハニーウエット^<【○!R】>を,常時,口呼吸で口腔内が乾燥してしまう場合などにはメンバーズ洗口液^<【○!R】>が適すると考えられた。In the present study, we have investigated the relationship between oral mucosa humidity and salivary flow rate, which affect the oral wetness firstly, and then examined the time-dependent changes in the moisturizing effects of the two different types of moisturizers which are used in clinical practice, in order to higher the oral wetness. Subjects were 20 healthy adults selected from both sexes who have no history of disease associated with dry mouth symptoms. First, oral mucosal humidity (%) under a resting condition was determined by using an oral moisture checker (Mucus^<TM>). Total amount of saliva (g) was determined ordinary by using a cotton method. No significant correlation between mucosal humidity and salivary flow rate was observed. Since mucosal humidity and salivary flow rate have different implications with each other, it is difficult to evaluate by measuring only mucosal humidity in order to determine the oral wetness.Then, time-dependent changes in oral wetness with applying two moisturizers (Honey Wet^<TM> and Members mouthwash fluid^<TM>) were investigated. Stimulation with Honey Wet^<TM> caused sharp increase in salivary volume which returned to resting level within 20 min after the stimulation; whereas the stimulation with Members mouthwash fluid^<TM> resulted in a mild increase in comparison to Honey Wet^<TM> , however, the salivary volume was significantly greater than those of resting and tap water stimulation, even 30 min after the stimulation. Considering the application in clinical practice, Honey Wet^<TM> is recommended when the marked dry mouth was observed and/or immediately before meal, where the increase in salivary flow is desired in order to swallow foods easily; on the other hand, Members mouthwash fluid^<TM> is recommended when symptoms of dry mouth are observed because of habitual mouth-breathing and long-lasting moisturizing effects are desired.
著者
仲栄真 礁 浪崎 直子 佐藤 崇範 高橋 志帆 森 愛理 高橋 麻美 石川 恵 田村 裕 棚谷 灯子 内藤 明
出版者
日本サンゴ礁学会
雑誌
日本サンゴ礁学会誌 (ISSN:13451421)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.75-86, 2012 (Released:2014-09-02)
参考文献数
7
被引用文献数
1

日本サンゴ礁学会若手の会・環境教育ワーキンググループでは,主に日本サンゴ礁学会会員を対象として,サンゴ礁分野における教育活動の現状と課題を明らかにするためのアンケート調査を実施した。537 名の調査対象者に対し,アンケートの回収率は 15.1%で,回答者の 69.1%が何らかの教育活動への参加経験があり,また 98.8%がこうした教育活動に関心があると回答した。また教育活動が重要であると考える理由としては,「保全活動の一環として教育活動を重要視している」とする回答が 29.2%と最も多かった。活動実施の際の課題や必要な支援に関する主な意見としては,時間的負担,予算不足,人材不足が挙げられた。加えて,若手研究者が教育活動に参加することへの正の効果についても考察し,若手学会員の視点から今後の教育活動における連携や実施の促進に向けた活動案も提案する。
著者
佐治 斉 田村 裕之 市川 朗
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

本研究は、地震をはじめとする大規模災害時において、被災地状況とその周辺の広域道路状況などを一括把握でき、円滑・迅速な救助活動に供することを目的とするものである。そのため、画像情報や地図情報を統合活用し、被災地周辺の個別特徴情報をそれぞれ抽出し、さらにそれらを連携して解析をすることで、大規模災害時での救助活動に必要な被災地周辺情報を自動生成できる画像解析手法を検討し、試作システムを構築した。
著者
戸倉 清一 田村 裕 浦上 忠 宮田 隆志 木船 紘爾 前田 睦浩
巻号頁・発行日
2002 (Released:2002-04-01)

これまでLi DMAc、蟻酸、これらより穏和な溶媒系(塩化カルシウム二水和物飽和メタノール)を見つけた。さらに、この溶媒系がキチンの脱アセチル化誘導体キトサン酢酸塩紡糸に際して凝固液になることも見つけたので溶解の機構についてカルシウム以外の他のイオンについても検討した。キチンの溶解挙動をさらに詳細に検討したところ、カルシウム、メタノール、水の組成がキチン溶解に大きく影響していることが判った。キチン溶液が延糸性を示すことから、メタノールとアセトンの混合溶液でを凝固浴としてキチン繊維の紡糸を行った。α-キチンの場合、0.1mm径の30穴ノズルを用い、新たに考案したV字型凝固浴に押し出し回転ローラーで巻き取った。繊維にはカルシウムが残存しているので、メタノール中で充分洗浄して脱カルシウム操作を行った後、風乾して直径約40μmのα-キチン繊維を得た。β-キチンの塩化カルシウム2水和物飽和メタノール溶液はα-キチン溶液よりも遙かに粘度が高いため、シングルノズルを用いさらにエアギャップを設けることで繊維化が可能であった。塩化カルシウム2水和物飽和メタノール溶液に溶解させたキチン溶液に水を加えた際に析出した物質は含水率が約96%と高度に膨潤したヒドロゲル状であった。また、キチン溶液にメタノールを加えることでもゲル状物質が得られた。しかしこの場合、ゲルを得るには水の場合よりも多くのメタノールを必要とし、さらに透析によるカルシウム除去に長期間かかることより、メタノール媒体中でキチンの溶解状態が異なることが示唆された。さらにキチンヒドロゲルからは容易にフィルムを調製することができた。これはバインダーを含まないキチン100%から成るフィルムであり、生体適合性、生体消化性に優れていることからバイオマテリアルとして有望であると考えられる。
著者
田村 裕子 宇根 正志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.16, pp.363-368, 2007-03-02

わが国では、CD/ATM 端末における金融取引等において、顧客の本人確認手段の1つとして生体認証技術を利用する動きが広がっている。ただし、現時点では生体認証システムのセキュリティ評価手法が確立しておらず、生体認証システムを利用する際には、関連する標準規格の審議動向や研究開発動向を十分にフォローしておく必要がある。本稿では、金融分野で用いられる生体認証システムに関連する4つの文献を参照し、それらに記述されているセキュリティ要件を整理する。また、研究開発の現状を踏まえ、各要件をどのように満足させるかについて考察する。In Japan, the use of biometric authentication techniques has spread as one of measures for customers authentication in financial transactions such as those at CD/ATM terminals. However, security evaluation methods for biometric authentication systems have not been established yet. In making use of such systems, financial institutions have to follow international standardization activities and recent R&D trends regarding the security of the biometric authentication techniques. In this paper, we will refer to four documents relating to the security of biometric authentication systems used for financial services and summarize the security requirements for such systems. Then, we will discuss how to meet the security requirements by taking into account the recent R&D trends of the biometric authentication techniques.