著者
林田 尚子 石田 亨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.88, no.9, pp.1459-1466, 2005-09-01
被引用文献数
18

従来の機械翻訳システムは, トランスペアレント(透明)であるべきだという考えに基づいて, 翻訳精度を尺度として技術開発が行われてきた. しかしながら, 翻訳誤りは今日に至っても無視できないほど大きく, 機械翻訳システムをトランスペアレントな伝送路とみなすことはできない. 本研究では, 機械翻訳システムをエージェントとして陽に意識し, インタラクティビティ(相互作用性)という新たな評価尺度を提案する. また, その第一歩として利用者のリペア(翻訳に適した文章への修正)支援機能を取り上げ, 実現された場合の性能予測を行った. 具体的には, 折返し翻訳, 強調表示, 修正教示機能を提案し, 各機能の効果の上限を調べるための実験を行い, 以下を明らかにした. (1)折返し翻訳結果と英語翻訳結果と同時に提示することが有効である. (2)強調表示機能は, ユーザが修正個所を特定するのに有効である. (3)修正教示は強調表示と同時に与えることで, リペアに大きな効果をもたらす. また, 現状の自然言語処理技術を適用し上記機能を実現するための方向性を示した.
著者
伊藤 英明 中西 英之 石田 亨
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.1372-1380, 2007-03-15
被引用文献数
3

大規模な公共施設において目の不自由な人へのナビゲーションから緊急時の避難誘導にまで役立つことを目的に実装した通信環境について,京都駅ビルを用いてその有効性を検証した.この通信環境は,実空間の歩行者を仮想空間にCG オブジェクトとして写像することで広い範囲を継ぎ目なく俯瞰する機能と,写像されたCG オブジェクトへの直接操作により複数の対象との通信を指示者が切り替える機能を特徴とする.検証は2 つの実験からなる.最初の実験では,1 名の指示者が1 名の歩行者を携帯電話のみで誘導する場合と,位置情報を用いて誘導する場合の結果を比較した.2 つ目の実験では,1 名の指示者が2 名の歩行者を切り替えながら並行して指示を行った.1 つ目の実験参加者間の会話を分析した結果,利用者の位置情報を用いることで,目標地点を明示するためのランドマークが不要となる相対的な指示が可能となり,その結果,ときに冗長ではあるが,場所や人を問わずに理解されやすい指示が実現されることが示された.一方,2 つ目の実験結果からは,複数の通信対象へ並行して指示を行う際,上記の相対的な指示を用いることが,通信対象を切り替えるタイミングに関して指示者の制約を増すことにつながることが明らかになった.We present a study of system evaluation of the location-based remote guidance system in a large-scale public space. It is considered helpful for visitors who are, for example, visually impaired people or evacuees. Two functions characterize the system. One is a bird's-eye view that is represented as 3D-CG, which enables a guide to survey a large space and its visitors seamlessly. The other is a function to switch addressed users in guidance by direct manipulation to CG objects which are displayed as human figures on a touch screen. This paper reports two experiments, the first in which one member of a pair guided the other to some locations using only a mobile phone without information about the location of the guided person vs. with information about the location; the second, a person guided two persons parallely by the special pointing interface which enabled the guide to switch addressed pedestrians. Analysis of the first experiment, drawing on audio/video data shows that the location-based guidance system features easy guidance that rarely depends on space structure and humans. The result of second experiment highlights that the easy guidance described above isn't feasible for switching addressed pedestrians in guidance.
著者
山下 直美 石田 亨 野村 早恵子 早水 哲雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.11, pp.3355-3363, 2002-11-15
被引用文献数
1

電子メールを用いたコミュニケーションは,その情報伝達できる内容の乏しさゆえ,誤解や論争の発生などの問題点が指摘されている.このような問題に対し,これまでのComputer Supported Cooperative Workに関する研究では,人の存在感や雰囲気(すなわち``awareness'')を伝達可能なリッチなメディアを使うことが重要であるとされてきた.しかし一方で,電子メールや電子掲示板という多義性の高いメディア(すなわち``リーンメディア'')でも協調作業が成功する例が報告されている.我々は先にオープンソースソフトウェアの開発を分析し,action-biasedな行動様式が生まれていることなどを明らかにした.本論文では電子メール上の組織的な交渉例(実際に行われた国際会議の統合)を取り上げ,awarenessのない状況でいかに協調作業が成功したかについて分析する.この結果,1. 明確に対立意見を述べながらも対立相手をぼかす無指向性(omuni-directional)なコミュニケーションが頻繁に行われている,2. 電子メール会議の特徴を生かし,少人数グループがアドホックに次々と作られていることが分かった.これらの観測結果は,電子メールにおける``awareness''の欠如を克服しようとした結果,生じた現象であると考えられる.Owing to the characteristics of electronic media, such as lack of socialcontext cues and social presence, various problems may arise when communicating through it. In order to resolve such problems, many CSCW researchers have emphasized ``awareness,'' and proposed several advanced tools. On theother hand, cases do exist which have succeeded in collaboration throughlean media, such as open source software development. In this paper, wedescribe findings from the case where three independent internationalconferences unified successfully only through the email discussions. Thisachievement is particularly impressive as email is not adequate to suchsensitive decision making discussions. From our detailed observation andquantitative analysis of over 800 email messages, following two findingsare presented: 1. avoiding straightforward opinions is effective whendealing with sensitive issues, and 2. ad hoc small group discussions areuseful in achieving agreement among large number of discussion members. Through this research, we found out that lack of awareness can be effective when holding complicated negotiations via electronic media.
著者
船越 要 藤代 祥之 野村 早恵子 石田 亨
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.112-120, 2004-01-15
被引用文献数
7

今後活発になると思われるアジアワイドなソフトウェア開発プロジェクトにおける,機械翻訳を用いた協調作業支援ツールへの要求条件を述べる.問題点を明らかにするために,日中韓馬の4カ国,5大学の教員,学生40人余からなるオープンソースフトウェア開発を延べ16週間実施し,多言語の掲示板と文書共有ツールを提供し,その利用形態を観察した.得られた知見は以下のとおりである.1)機械翻訳は正確な意思伝達を支える十分な品質を持たないが,それにもかかわらず参加者は他の参加者とのコミュニケーションのためには努力を惜しまない.また,2)多言語環境においてはコミュニケーションの局所性が存在し,自言語の参加者と他言語の参加者に対するコミュニケーションの態度が異なる.さらに,3)多言語分散環境におけるソフトウェア開発においては,ソフトウェアの概要を決定する設計の初期段階での機械翻訳利用は有効であるが,モジュール機能を詳細に決定する設計の詳細化段階のコミュニケーションは困難がある.これらの知見に基づき,機械翻訳を用いた協調作業には,1)機械翻訳を利用した参加者の努力を支援するためのインタラクションを考慮した翻訳システム,2)他言語の参加者に対するアウェアネスの維持,および3)特に概要設計からモジュール設計に至る設計段階での協調作業の支援が必要であることが明らかになった.In this paper, we discuss the technological aspects of intercultural collaboration. We suggest the intercultural collaboration via machine translations to develop in the members' first languages. To determine the problems, we had conducted an Asia-wide software development experiment in multilingual environments, ICE2002. The observation showed that (1) the members pay great effort to communicate with other members via the noisy translations, (2) members change the behaviour to the members of the same culture and different cultures, and (3) the software development in a lean and noisy media constrains the detailed design to be difficult. We suggest the implementation of the intercultural collaboration support tools with the following requirements: (1) interactive translation to support the effort for the communication, (2) awareness to other language members according to the psychological localities, and (3) support method for software design phase.
著者
平松 薫 小林 堅治 Ben Benjamin 石田 亨 赤埴 淳一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.12, pp.3314-3322, 2000-12-15
参考文献数
14
被引用文献数
7

インターネット上における地図を媒体とした情報提供方法は,都市に関連したホームページを提供するサービスにおいて数多く利用されているが,今後予想されるホームページ数の増加や地理的な集中に対処するためには検索機能との統合が必須である.そこで,都市に関する大量のホームページを効率的かつインタラクティブに検索できるようにするため,地図を利用した多角的な検索機能をホームページの検索に組み入れた地図インタフェースを提案する.本地図インタフェースでは,検索機能として近傍検索,カテゴリ検索,およびキーワード検索を取り入れ,検索結果を地図上に重ね合わせて表示することによって,実世界に即した情報利用を可能にする.また,動作中にクライアント側へ転送したデータをキャッシュとして利用することで,クライアント側の地図インタフェースとサーバ上の情報検索システムとの間で検索処理の分散を図り,地図インタフェースからのインタラクティブな検索を実現する.実際にデジタルシティ京都において地図インタフェースの公開運用を行い,公開用データを利用した性能評価とアクセスログに基づいたユーザの利用状況の分析を行ったところ,検索要求に対する即応性とキャッシュデータを活用するシステム構成の有効性を確認することができた.Online map systems have been used extensively to provide living cityinformation on the Internet.However, because of the spatial limitations of geographically-basedvisual representation, such systems can not deal with the anticipatedexplosive growth in the number of Web pages; such growth results inareas on the map with an over-concentration of links. In this paper, we propose a map-based user interface which integratessearch functions that evaluate Web page contents and the geographicalinformation located therein. This interface enables neighborhood search, category search, andkeyword search. The search results, which are hyperlinks to the searched Web pages are superimposed as icons on a map image. In addition, the interface utilizes enables users to searchinformation interactively by caching the transmitted data so as todistribute search processing between client and server. We also present performance evaluations and user access analysesof this map-based user interface on Digital City Kyoto which providesregional information to the public on the Internet.The results show the effectiveness of using a system configured toutilize cached data and respond quickly to search requests.
著者
石田 憲幸 高崎 俊之 石松 昌展 石田 亨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.95, no.1, pp.39-46, 2012-01-01

WikipediaはWeb上における有用な百科事典である.しかし,Wikipediaの記事数は言語によって大きく異なり,地域によってWikipediaを活用できる度合にも差が生じている.言語による知識の偏在を是正するために,Wikipedia記事を翻訳する活動がWikimedia財団とボランティアによって行われている.しかし,翻訳の際には,翻訳先言語に適した用語や表現を選択する必要があり,またそのためには,翻訳元言語の記事内容を十分に理解し翻訳を決定するための議論が必要である.この議論は,典型的には翻訳元言語と翻訳先言語を用いた2か国語(一般には多言語)による議論となる.その際,機械翻訳によって多言語の議論を支援することができるが,「翻訳されるべきでない部分まで翻訳される」「メッセージが往復することによって同一箇所が複数回翻訳される」といった問題が発生する.本論文ではそれらを解決する方法として,翻訳を行うべきでない部分の的確な選択と,その部分を説明する翻訳情報を付加するアルゴリズムを提案する.また,このアルゴリズムを実際にWikipediaの掲示板であるLiquidThreadsに実装し,効果の推定を行ったのでその結果を報告する.
著者
野村 早恵子 石田 亨 船越 要 安岡 美佳 山下 直美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.503-511, 2003-05-15
被引用文献数
27

インターネットを介したアジアワイドな協調作業を支援するため,異文化コラボレーション実験(ICE2002)を実施した.日中韓馬の5大学からの40名の教員・学生が,日中韓馬英の5カ国語の機械翻訳を組み込んだ多言語ツール,TransBBSとTransWebを介して母国語でオープンソースソフトウェア開発を行った.今後,国際プロジェクトの現場で実用に耐える異文化コラボレーション環境の開発を目指す予定である.
著者
石田 亨 村上 陽平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.93, no.6, pp.675-682, 2010-06-01
被引用文献数
1

Wikipediaなどの集合知を形成する取組みが,Web上での知識の集積に大きく寄与し始めている.現在進んでいる集合知の形成が,文章,写真,動画などを組み上げていくコンテンツ指向の集合知であるのに対し,本論文で扱うのはサービスを組み上げるサービス指向の集合知である.サービス指向の集合知は,これまでもいくつか試みられているが,Wikipediaのような典型的な成功例はまだ現れていない.本論文ではWebサービスを要素として集合知を形成する枠組みをサービスグリッドと呼び,大学や研究機関などの非営利組織を中心とする公共的なサービスグリッドの制度設計を試みる.特に,サービス提供者,サービス利用者,サービスグリッド運営者という3種のステークホルダーの立場から,それぞれ(1)知的財産権,(2)応用システム,(3)連邦制運営について議論を深める.
著者
中西 英之 吉田 力 西村 俊和 石田 亨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク
巻号頁・発行日
vol.97, no.14, pp.35-42, 1997-04-22

FreeWalkは休憩時間の雑談のようなカジュアルな会議を支援するデスクトップ会議システムである.FreeWalkは誰もが互いに出会い,実世界と同じように振舞うことができる3次元共有空間を提供する.参加者は自分のカメラ画像が張りつけられた,3次元ポリゴンからなる四角錐として表され,位置と向きを持つ.参加者は自由に移動し,向きを変えることができる.参加者の音声は,その音量が互いの距離に反比例して聞こえ,多くの参加者が混乱することなく会話することができる.使用実験では,会話中の他の参加者に遠くから近づいて会話を盗み聞きするなど,様々な行動がみられた.
著者
中西 英之 石田 亨
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.105, pp.33-40, 2004-10-28

本稿ではその中を多勢の人々が行き交う大規模なスマート環境の開発を,Human-Agent Interactionを利用して行なう手法について述べる.我々が提案する「協調型誘導法」では,大規模公共空間内の群集を監視している管制室の係員が,全体を把握した上で現地の各係員に対して実行すべき個別の誘導内容を伝える.これを可能にする我々の「超越型コミュニケーションシステム」は,センサー情報にもとづいて描かれる仮想空間が現地の把握を助け,現地係員の携帯電話との間の音声チャンネルをポインティング操作によって切替えられる機能を提供する.実際の公共空間の中で多くの被験者を用いた実験を行うことは困難であり,このような大規模実世界型システムの開発にはインタラクションプラットフォーム「FreeWalk/Q」等によるシミュレーションが必要となる.そこで「社会中心設計」の枠組にもとづき,1)管制室の係員と現地係員のインタラクションを再現するための「WoZセンサー」,2)現地係員と群集のインタラクションを再現するための「役割反転実験」,3)群集内のインタラクションを再現するための「再生インタビュー」,という三つの手法を考案した.In this paper, we propose how to develop large-scale ubiquitous computing systems, which are ubicomp systems equipped with a large-scale physical environment that includes a large number of people inside. In ``Collaborative Guidance,'' which is a testbed application of such systems, off-site guiding staff monitors a crowded large-scale public space to understand its situation, and instruct on-site guiding staff how to guide crowds effectively. Our ``Transcendent Communication System'' tracks and synthesizes the public space to enable the off-site staff to grasp it, and establishes communication channels between the on-site staff's mobile phones and the off-site staff's headsets. Because it is not affordable to use the physical public space and a lot of human subjects to improve the system, it is necessary to simulate collaborative guidance in some virtual environment, e.g. our interaction platform called ``FreeWalk/Q.'' Therefore, we created three methods based on the framework of ``Society-centered Design'' as follows: 1) ``Wizard-of-Oz Sensors'' in which interaction between the off-site and the on-site staffs is mediated, 2) ``Role-reversal Experiments'' where interaction between the staff and the crowd is simulated, and 3) ``Replay Interviews'' that reveals interaction among the crowd.
著者
山下 直美 坂本 知子 野村 早恵子 石田 亨 林 良彦 小倉 健太郎 井佐原 均
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.1276-1286, 2006-04-15
被引用文献数
11

機械翻訳を介したコミュニケーションを通じて相互理解を実現するためには,翻訳精度の向上とともに相互作用性の向上が重要である.我々は機械翻訳に対するユーザの適応行動の1 つである原文の書き換えに注目した.本論文では,ユーザが母国語だけを用いて原文の書き換え作業を行う方法として折り返し翻訳を検討し,折り返し翻訳を用いてユーザが書き換え作業をする際の作業量を減らす支援方法を考案する.本研究でユーザの折り返し翻訳作業に関する実験を実施,分析した結果,以下の知見を得た.1) 母国語に関する知識が豊富なユーザほど機械翻訳に容易に適応でき書き換え作業量が少なかった.2) ユーザに事前に「良い翻訳結果を得るためのルール集合」の教示を行うと,母国語に関する知識が豊富でないユーザも機械翻訳に容易に適応できるようになり,書き換え作業量が大幅に減った.3) ただし,原文をどのように変更すべきかを明示しない「操作自由型ルール」に対する教示効果は薄く,これらのルール獲得にかかる書き換え作業量は大きく減少しなかった.原文をどのように変更すべきかを明示した「操作指示型ルール」に対する教示効果は高く,これらのルール獲得にかかる書き換え作業量は大きく減少した.4) ルールの教示は,母国語に関する知識が中位のユーザに最も効果的であった.Translation refinement is often observed when users communicate via machine translation systems. In this study, we analyzed user's translation refinement process through a controlled experiment. In the experiment, users translated sentences using a Japanese-English-Japanese turn-back translation. From the analysis, we discovered the following results: 1) The more knowledge users had about the source language, the better users could refine the original text, 2) Rule instruction was very effective in user's adaptation. Users who were reminded of the rules refined the original text ahead of other users, 3) Instructing operational rules were effective in helping user's adapation, while conditional rules were not as much effective. 4) Rule instruction was most effective to those who had midium knowledge in their source languages.
著者
八槙 博史 マイケル P. ウェルマン 石田 亨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.81, no.5, pp.540-547, 1998-05-25
被引用文献数
17

近年の分散マルチメディアシステムならびにネットワークに関する研究において, QoS(Quality of Service : サービス品質)の割当ては主要な課題の一つとなっている.本論文では, QoSの割当てを動的な市場機構によって行う分散化アプローチについて論ずる.このアプローチでは, 各エージェントは自己のもつ居所知識および利益に基づいて行動を決定し, 各資源の価格は各々の市場における需給が均衡する点として決定される.エージェントによる需要とネットワーク状況は動的に変化するため, 各エージェントの決定は断続的に繰り返し変更される.市場価格は系全体での価値を反映しており, これに従うことで, 各エージェントが生産あるいは消費する資源の量は適切に割り当てられる.本論文では, 実際のネットワーク会合システムFreeWalkにおける帯域割当てのための市場モデルについて述べる.実験の結果, マルチメディアネットワークアプリケーションに対するQoSの割当てにおける動的な状況変化に対して, 市場に基づくアプローチが適切に動作することを示した.