著者
福井 悠美 佐伯 一成 花園 忠相 田邉 規和 浦田 洋平 日髙 勲 寺井 崇二 坂井田 功
出版者
山口大学医学会
雑誌
山口医学 (ISSN:05131731)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.35-40, 2015-02-01 (Released:2016-05-11)
参考文献数
18

肝細胞癌(HCC;hepatocellular carcinoma)の自然破裂はしばしば遭遇する病態である.しかし,肝動脈化学塞栓療法(TACE;transcatheter arterial chemoembolization)施行直後に破裂を来した症例の報告は比較的まれであり,今回,HCCに対しTACE施行直後に破裂を来した一例を経験したので報告する.患者は73歳男性,背景肝は慢性肝障害(非B非C)であり,20XX年5月に肝S7のHCCに対して,開胸開腹S7亜区域切除術を施行した.翌年5月,肝両葉にHCCの再発を認め,リピオドール併用肝動脈化学療法(Lip-TAI;lipiodol - transcatheter arterial infusion)を施行したが,肝S2の腫瘍はリピオドール貯留不良であった.7月には同S2病変は径38×20mm大に増大し,肝表面に突出していた.同病変に対してTACEを施行したが,治療終了4時間後に心窩部痛が出現し,収縮期血圧は60mmHg台に低下した.細胞外液負荷にて速やかに収縮期血圧90mmHg台まで上昇したため経過観察としたが,徐々に貧血が進行した(術前Hb 11g/dl → 術後Hb 6.2g/dl).術後4日目の腹部エコーおよび腹部造影CTで,TACE施行後の肝S2のHCCの周囲に血腫を認めた.明らかな造影剤の漏出は認めなかったが,HCC破裂による貧血進行と判断し,同日再出血予防のため肝動脈塞栓療法(TAE;transcatheter arterial embolization)を施行した.TAE施行後は再出血なく経過した.本症例では,HCCが増大傾向にあり,肝表面に突出していたことから,元々HCC破裂の可能性も考慮すべきであった.加えて,TAE施行時にTACE後の肝S2HCCに血流の残存を認め,塞栓が不十分であったことが判明した.以上のことから,TACEに伴う様々な刺激,血流残存などの要因によりHCC破裂を来したことが推察された.したがって,本症例のように肝表面に局在するHCCに対してTACEを施行する際には,TACE後破裂のリスクも想定して,慎重かつ確実に肝動脈を塞栓し,厳重な経過観察をしていくことが重要と考えられる.
著者
福井 文雅
出版者
早稻田大學東洋哲學會
雑誌
東洋の思想と宗敎 (ISSN:09100601)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.20-28, 1987-06-13
著者
福井 玉夫
出版者
日本蜘蛛学会
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.113-114, 1937-10-10 (Released:2008-12-19)
著者
福井 裕行 大田 和美 山本 大助
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.113, no.5, pp.289-297, 1999 (Released:2007-01-30)
参考文献数
13
被引用文献数
1 2

H1受容体のヒスタミン結合に関与する5つのアミノ酸残基を同定した.部位特異的変異受容体の性質の検討と受容体モデリングを組み合わせる方法はこの研究の目的の達成に非常に有効であった.H1受容体にはヒスタミンとの非結合および結合に応じて不活化状態および活性化状態が存在し,ヒスタミンの結合により第V膜貫通領域のα-ヘリクスの捻れの弛むことが活性化状態へ移行するという機構を提唱したい.H1受容体のヒスタミン結合部位はリガンドの親和性に関与する部位と受容体の構造変化と活性化に直接関わる部位とに分かれた.そして,H1拮抗薬はH1受容体のヒスタミン結合部位のうちリガンドの親和性に関与する部位においてヒスタミンと拮抗する.H1受容体のリガンド結合様式はβ2-アドレナリン受容体,ヒスタミンH2受容体のそれとは異なった.
著者
福井 英夫 中川 重
出版者
THE TOHOKU GEOGRAPHICAL ASSOCIATION
雑誌
東北地理 (ISSN:03872777)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.165-165, 1968

The authors pointed out following results, according to the analysis of the vehicular traffic flow at the crossroad in front of Sendai railway station measured by the memomotion camera. Although the survey was made at the crossroad in front of the station, the amount of the traffic related to the station plaza is smaller than through-traffic. The traffics with their origins and destinations at station plaza mainly have east-west direction, that is, straight course to and from the station. The through-traffic flow shows north-south and east to north directions.
著者
水澤 信之 福井 篤
出版者
日本魚學振興會
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.149-152, 2009-11-05

全世界の中深層に分布するヒナデメニギス属魚類は、伸長する体、管状あるいは小袋状で背面あるいは斜め前方を向く眼、2本の鰓条骨、数列の鋤骨歯、および透明な皮膚と腹膜に覆われる消化管によって特徴づけられ、幼形成熟をすることが知られている。今回、著者らが青森県太平洋沖で採集され、国立科学博物館(NSMT)に所蔵されていたヒナデメニギス属の1標本を精査した結果、Dolichopteryx pariniと同定された。本種は小袋状で伸長しない眼、背鰭基底下に位置する臀鰭基底始部、および伸長する胸鰭条と腹鰭条などによって特徴づけられる。本種はKobylianskii and Fedorovによって、オホーツク海の北部および北太平洋の北部と東部、さらに日本周辺海域およびカリフォルニア沖にも分布すると報告された。しかし、日本周辺海域およびカリフォルニア沖からの標本は別種であり[前者はヒナデメニギス、後者はMoserのD. sp.]、日本周辺からはD. pariniは今まで知られていなかった。よって、本研究では、これを日本初記録として報告するとともに、本種に新標準和名を提唱し、その形態を記載した。
著者
福井 敏
出版者
大谷大学真宗総合研究所
雑誌
真宗総合研究所研究紀要 (ISSN:13432753)
巻号頁・発行日
no.32, pp.301-314, 2013
著者
福井 博一 山本 哲也 浅野 正 中村 三夫
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学農学部研究報告 (ISSN:00724513)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.139-145, 1988-12-25

Cyclamen persicum Mill.'バーバーク'の種子を無機成分を1/2にしたMurashige & Skoog培地(1/2MS)に播種し,発芽した幼植物の各組織からの器官分化に及ぼす生長調節物質の影響及び大量増殖法の検討を行った。子葉柄からは塊茎様組織(TLO)が形成されたが,その形成量はNAA濃度が高くなるに従い促進された。生長点近傍組織及び塊茎組織からの塊茎肥大にもNAAが密接に関与していた。不定芽の分化はBAPによって促され,不定根の分化はNAAによって促進された。カルス形成はNAAを10^<-5>M,BAPを10^<-7>〜10^<-6>M添加された場合に最も促進された。個々に分割した不定芽を,高濃度のBAPを添加した培地に移植すると各々からフローラルトランクが形成され,実生植物に近い形態の幼植物となった。カルスをNAA 10^<-6>M及びBAP 10^<-6>M添加した培地で液体振とう培養すると多数の不定胚が得られた。
著者
福井市立福井図書館 編
出版者
[福井]市立図書館
巻号頁・発行日
vol.昭和9年12月末現在, 1935
著者
堀川 直顕 三宅 和正 林 良一 福井 崇時 森 邦和 中西 彊
出版者
名古屋大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1986

この研究はスピン偏極した陽子をつくり、高エネルギ-実験に利用することを一つの動機として原子状水素ガスの生成を目指した開発研究である。このため、いくつかの装置の製作、測定手段の開発を手がけ、原子状水素発生のテストに入る段階にきた。ここで、これまでの成果をまとめておく。(1)超伝導電磁石の冷却と励磁。最高6.4テスラを得、軸上磁場分布を測定。(2)磁場モニタ-用ホ-ル素子(Matsushita OHOO3)の低温での較正。(3)希釈冷却器の製作とテスト(ヘリウムー3ガスで0.4Kまで冷却)。(4)ヘリウムー3ガス循環精製器の製作とテスト。(5)冷却系、磁場強度等の自動モニタ系製作。(6)ラジオ波による水素ガスの放電効離条件のテスト。(7)原子状水素検出のためのボロメタ-の製作とテスト。ヘリウム超流動膜の消滅を示す信号を検出。(8)スピン偏極原子状水素をNMRで検出するための回路の製作。最終年度の報告が遅れたのは、上記の項目等を達成するのに時間がかかったためである。現状では希釈冷却器での水素解離は行っていないが、ガラスデュワ-中で超伝導磁石を冷やして励磁し水素ガス解離と検出のテストをくり返しており、希釈冷却器については機能向上のための改造を施している。今後の予定としては、(1)ガラスデュワ-中での原子状水素の確認、(2)希釈冷却器の希釈モ-ドテスト、(3)希釈冷却器内での原子状水素の貯蔵と検出、(4)ボロメタ-による密度測定、(5)ESR又はNMRによるスピン偏極度に測定、(6)マイクロ波による原子状水素ガスの取出し、等のテストに進んで行くことになる。なお、この研究と並行して高エネルギ-スピン実験も実行した。
著者
濱口 健太 福井 俊介 狩野 淳 高見 友幸
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.17, pp.161-162, 2013-03-08

近年,マイクロコンピュータで制御できるLEDテープが開発されている.LEDテープはテープ形状を活かした3次元的な配置が可能であり,フルカラーで発色を制御できる.これにより従来の電飾としての展示用途だけではなく,インタラクション可能なメディアアート作品を制作可能となった.本研究ではマイクロコンピュータにCortex-M3を使用し,本研究で開発したActionScript3.0用ライブラリでプログラム記述をしている.LEDテープを用いたアミューズメントは,単に観賞するだけでなく,アプリと対話して楽しみ,またその様子を観賞するという新たなモデルが想定される.本研究は,このモデルのもとに数m〜10m規模の範囲で行うアミューズメントアプリケーションを制作した.