著者
池田 弘 櫻間 教文 黒住 順子 大森 一慶 荒木 俊江 真鍋 康二 福島 正樹
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.115-122, 2019
被引用文献数
1

<p>銅欠乏症による種々の血球減少症を併発した透析患者5例を経験した. 男女比は1 : 4, 平均年齢は76歳, 平均透析歴は5.2年, 原疾患は糖尿病2例, 多発性囊胞腎1例, 腎硬化症1例, 不明1例, 併存症は誤嚥性肺炎3例, 脳神経障害2例, アクセス感染2例, 大腸癌術後の低栄養状態1例, 化膿性脊椎炎1例であった. 1例で経腸栄養, 4例で亜鉛製剤投与が行われていた. 診断時の血中銅, セルロプラスミンの平均濃度は26.6μg/dL, 12.6mg/dLで, 汎血球減少症2例, 貧血+血小板減少2例, 貧血のみ1例であった. 3例に硫酸銅, 1例に純ココア, 1例に銅サプリ投与を行い, 全例, 血球減少が改善した. 透析患者ではリン制限に伴う銅摂取量減少, 亜鉛補充による腸管での銅吸収抑制から健常人より銅欠乏をきたしやすいと考えられる. ESA抵抗性の貧血や複数系統にわたる血球減少症をみたときは, 銅欠乏も念頭において診療を行う必要があると考えられた.</p>
著者
竹山 恵美子 坂口 沙和 津田 早友果 中野 由希 新海 シズ 福島 正子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2014

【目的】柿の葉にはポリフェノール類が多く含まれ,その抗菌性や抗酸化性等が注目されている。古くから柿葉は柿の葉寿司や柿茶などに用いられてきたが,機能性に関する研究は未だ十分ではない。これまでの研究から柿の葉には&alpha;-アミラーゼ阻害活性が認められており,このことは,柿の葉に血糖値を抑制する働きがある可能性を示唆している。また,一部のヒト試験でもその傾向は認められている。そこで今回は柿の葉茶の血糖値抑制効果をさらに詳しく調べるために,食事性肥満マウスを用いて実験を行った。<br>【方法】B6J DIOマウス♂(8週齢)を1週間の予備飼育後,体重・血糖値を基に2群に分け,柿茶投与群には柿茶抽出濃縮物の0.5%溶液を,対照群には水道水を,飼料は固形の高脂肪飼料D12492 60kcal%Fat をいずれも自由摂取させた。なお,体重,飼料摂取量,飲水量は経日測定し,血糖値は1週間ごとに尾静脈より採血してメディセーフミニ(TERUMO社)にて測定した。柿茶投与6週間後に,18時間絶食後,ゾンデを用いてグルコース負荷試験を行い,屠殺・採血後,解剖した。膵臓,肝臓,腎臓については組織標本を作製し,観察した。また,HbA1c をDCAバンテージ(SIEMENS社)により,血漿インスリンをMercodia社 マウスインスリンELISAキットを用いて測定した。なお本実験は昭和女子大学動物実験委員会の承認を得て,規定を遵守して実施した。<br>【結果】非空腹時血糖値及び,グルコース負荷試験時の血糖値,HbA1c,血漿インスリン濃度は,柿茶群と対照群に大きな差は認められなかったが,柿茶濃縮物投与群は対照群に比べてグルコース負荷試験における血糖値曲線下面積が低値となる傾向が認められた。血糖値抑制効果の可能性が示唆された。
著者
福島 正彦
出版者
大阪府立大学人文学会
雑誌
人文学論集 (ISSN:02896192)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.31-44, 1994-03-01

砂原教男教授停年退官記念
著者
風間 龍之輔 福島 正義 岩久 正明
出版者
日本接着歯学会
雑誌
接着歯学 (ISSN:09131655)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.214-219, 2001-12-15 (Released:2011-06-07)
参考文献数
9

「Cerec 2」システムにおける臼歯部クラウンの支台形態が, クラウンの適合性に与える影響について検討した.ヒト抜去下顎大臼歯に全部被覆冠の支台を形成した.辺縁の位置の設定は水平型と傾斜型の2条件, 咬合面形態は平坦型と逆屋根型の2条件とし, 「Spacer」設定は30μmとした.各条件につき5個のクラウンを製作した.作製されたクラウンは接着性レジンセメントで支台歯に合着された.合着試料を歯冠中央で近遠心的に切断し, その断面上の7つの測定点で接着性レジンセメントの厚さを測定顕微鏡で計測した.その結果, 辺縁の位置設定が水平型および咬合面形態が平坦型のクラウンが最も良好な適合性を示した.
著者
高津 正久 福島 正雄 Ulrich Gerber
出版者
日本法科学技術学会
雑誌
日本鑑識科学技術学会誌 (ISSN:13428713)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.57-63, 2001 (Released:2009-11-27)
参考文献数
7

Numerous kinds of fingerprint powder such as aluminum flake have been successfully used for latent fingerprint detection in crime scene investigation. These fingerprint powders are hazardous to human health, especially for crime scene investigators, and sometimes seriously damage valuable furniture, electronic devices and precision instruments.   In this paper, dogtooth violet starch, wheat flour, black tea, green tea, green laver were ground into fine particles less than 80 micrometers using a ball mill grinder. The shape of these fine powders were observed by scanning electron microscope (SEM), and their adherence to the skin ridge deposits was evaluated. Each powder detected a latent fingerprint 4 hours after imprinting on a glass plate, but they did not give good results for older or weaker fingerprints.   Green laver, which is a marine plant of the green algae family, has a single cell layer structure. An improved green laver powder, produced by freeze-drying followed by grinding, contains a remarkable amount of thin plate particles. This characteristic feature of the improved green laver powder made it more adhesive, revealing even weak latent fingerprints 3 days after imprinting on a glass plate. The quality of lifted fingerprints was good enough to be used for fingerprint identification.
著者
新海 シズ 竹山 恵美子 福島 正子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 61回大会(2009年)
巻号頁・発行日
pp.24, 2009 (Released:2009-09-02)

[目的]市田柿は長野県飯田・下伊那地方に多く見られる在来の渋柿であり,果肉成分や脱渋機構は明らかにされている.一方,柿の葉はラジカル消去作用,アレルギー抑制作用などが明らかにされているが市田柿の葉においての報告はほとんどみられない.そこで,市田柿の葉の有用性を探るために抗酸化力および抗菌効果について検討した. [方法] 試料は,飯田女子短期大学構内の市田柿の葉を5月から9月にかけて採取し,蒸留水で洗浄後凍結乾燥した.その乾燥葉に100倍量の沸騰蒸留水を加え5分抽出後,No.2のろ紙で濾過し抗酸化試験に用いた.抗菌試験は7月に採取した葉を用いて,抽出時間10分および20分で行った.抗酸化力は抗酸化能測定キットを用い,発生したCu+をマイクロプレートリーダー(490nm)で測定した.抗菌試験は Escherichia coli および Staphylococcus aureus 株を用い,カップ法で行った.また,試料に含まれるポリフェノール含量はFolin-Denis法で定量した. [結果] 市田柿の葉の熱水抽出物の抗酸化力は,5・6月に採取した葉がおよそ1,300μmol/L( Cu還元力)と高く,8・9月に採取した葉は814,853μmol/Lと低下し5・6月の葉の6割程度であった.また,抗菌試験においてはStaphylococcus aureusに対して抗菌効果が見られたが,Escherichia coli に対しての抗菌効果はあまりみられなかった.ポリフェノール含量は,柿の葉抽出時間20分のものが2,016μg/mlであり10分のものより多かった.
著者
福島 正己 佐川 宏行 垣本 史雄 荻尾 彰一
出版者
東京大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2009

米国ユタ州に宇宙線観測装置テレスコープアレイ(TA)を設置し、極高エネルギー宇宙線の観測をおこなった。2014年までの5年間に10^<18>から10^<20> 電子ボルト(eV)にいたる宇宙線を約80,000例とらえ、銀河系外の宇宙で発生して地球まで伝搬してくる陽子宇宙線の特徴をもつことを示した。また10^<19.76> eV 以上の72例には、ある特定の方向から偏って到来する傾向があることを見出した。今後の観測で発生源の天体を特定し、宇宙空間で粒子が極高エネルギーに加速される仕組みの理解をめざす。
著者
福島 正三 梶田 泰司
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.11-20, 1962-02-01 (Released:2012-10-29)
参考文献数
12

1. 本実験はモンシロチヨウの発育期間中における酸素消費量, 含有水分量および脂肪量の季節的変化をしる目的で行なわれた. 供試材料は実験室で飼育した第4令幼虫および発育中期のさなぎ, ならびに室内のものと発育程度のほぼひとしい野外より採集の幼虫およびさなぎである.2. 1959年における調査によると, 岐阜市近郊におけるモンシロチヨウ成虫は春から夏にかけて多発するが, 盛夏にはとばない. しかし秋にはふたたび出現するが, 個体数は春におけるよりも少ない.3. 室内外の幼虫の酸素消費量にははつきりした季節的変化はみられないが, 夏季にいくぶん低下の傾向を示す. 一方さなぎの消費量は材料のいかんにかかわらず夏に増加し, 秋から冬にかけて減少する. しかし1月以降の消費量は多くなつている.4. 野外採集幼虫の含有水分率は9月にかなり低下するほかは, 一般に幼虫, さなぎとも春秋において夏より低い. このうち, キヤベッ畑より採集のさなぎの水分率は9月以降翌年の3月までゆるやかに低下する.5. 材料のいかんにかかわらず幼虫およびさなぎの含有脂肪率は夏季において低率を示す. そして秋にむかつて高率となるが, 幼虫の脂肪率は晩秋にふたたび低下の傾向を示す. しかし越冬さなぎのそれは秋末より漸次高くなるが, 12月以降はあまり変化せず, 2月にいたつてやや低下する.6. 休眠発育の進んださなぎの酸素消費量は温度にあまり影響されないが, 休眠深度の浅いものではかなり影響をうけるようである.7. 羽化前の高湿はさなぎの発育を遅延させるようである.8. 温度以外に1日当たりの明時間の長短が含有脂肪量にかなり影響するようである.9. 寄生バエによるモンシロチヨウの被寄生さなぎと健全さなぎの含有脂肪量にはほとんど差がみとめられない. また寄生バエさなぎとモンシロチヨウの健全さなぎとの問においても同様なことがいえる.
著者
柴田 丸 吉田 玲子 本橋 幸子 福島 正子
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
薬学雑誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.93, no.12, pp.1660-1667, 1973-12
被引用文献数
8

Crude saikosides did not affect the LD_<50> value of sodium hexobarbital in mice. It also exerted a protective effect on the pylorus-ligated ulcer of the rat with inhibiting gastric secretion. The cure of chronic ulcer produced by the injection of dilute acetic acid into the rat gastric wall was promoted by crude saikosides. Saikogenin A showed a potent effect of decreasing spontaneous motor activities of the mice treated with methamohetamine hydrochloride. It had a significant antitussive, hypothermic, and antipyretic effect, and inhibition of acetic acid-induced writhing responses. In addition, salikogenin A strongly reduced a carrageenin-induced rat paw edema, without any local irritaition by topical application. On the contrary, only analgesic effect was found in the syrupy residue. The significance of these pharmacological results was discussed.
著者
中尾 英雄 福島 正美 清水 総明 荒川 順生
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.94, no.8, pp.1032-1037, 1974-08-25 (Released:2008-05-30)
参考文献数
6
被引用文献数
12 14

Water-soluble derivatives of N-(2-chloroethyl)-N-nitrosourea were synthesized and their antitumor activity was tested against leukemia L-1210. Most of these compounds showed a high activity.
著者
中尾 英雄 荒川 順生 中村 隆洋 福島 正美
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.20, no.9, pp.1968-1979, 1972-09-25 (Released:2008-03-31)
被引用文献数
24 31

A series of 2, 5-bis (1-aziridinyl)-p-benzoquinone derivatives were synthesized and evaluated as antileukemic agents. The most active compounds against lymphoid leukemia L-1210 in BDF1 mice were 2, 5-bis (1-aziridinyl)-3-(2-carbamoyloxyethyl-1-methoxy)-6-methyl-p-benzoquinone, carbazilquinone (7), and related compounds (8, 23 and 24). Structure-activity relationships were discussed.
著者
中尾 英雄 福島 正美 菅原 眞一
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.93, no.11, pp.1526-1529, 1973-11-25 (Released:2008-05-30)
参考文献数
5
被引用文献数
2 2

5-Cyano-2-furaldehyde and its derivatives were synthesized and their antimicrobial activities were tested. Neither series of compound possessed significant antimicrobial activity.