著者
米澤 隆介 河井 剛 中野 克己 廣島 拓也 前原 邦彦 宮原 拓也 山際 正博 横山 聖一 阿部 裕一 江川 俊介 山畑 史織 實 結樹 久保田 めぐみ 常名 勇気 桒原 慶太
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.80-85, 2016 (Released:2016-03-17)
参考文献数
2

【目的】公益社団法人埼玉県理学療法士会(県士会)南部ブロック県央エリアの認知度と,地域で働く理学療法士(PT)の県士会活動へのニーズを把握する目的でアンケートを実施した。【方法】アンケートは県央エリアの全てのPTを対象とした。アンケートは県央エリアの認知度,研修会や研修会への参加,および県士会活動に関する情報収集に関する計7問とし,郵送にて送付と回収を行った。【結果】アンケートの回答数は274通であった。77名が県央エリアを知らないと答え,186名が県央エリアの研修会や交流会に参加経験がないと答えた。一方,218名が研修会や交流会に参加したいと答えたが,83名が県士会活動について情報収集しておらず,研修会や交流会の開催情報を知らなかったという意見が多かった。【結論】県央エリアの認知度を高めるとともに,研修会や交流会の情報を地域の隅々まで広報することで,PTの県士会活動への潜在的なニーズに応えていく必要がある。
著者
佐々木 剛 和久井 諒 和久 大介 米澤 隆弘 姉崎 智子
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.49-56, 2013-09-20

日本国内でツキノワグマ(Ursus thibetanus)は本州,四国に生息し,現在5地域の個体群が絶滅の恐れのある地域集団とされている。群馬県でもツキノワグマが生息しているが,その捕獲頭数を定めた群馬県ツキノワグマ適正管理計画は,地域集団の構成を考慮しないまま実施されており,このままでは絶滅を招く危険性をはらんでいる。このことから,ツキノワグマの適切な保全を考慮した農林業被害等の防止対策を実施することが,希少野生動物とともに暮らす地域にとって重要な課題といえる。そこで本研究は群馬県ツキノワグマの遺伝的多様性を明らかにするため,群馬県で捕獲されたツキノワグマ30個体のミトコンドリアDNA D-loop領域706bpの配列を決定し,ハプロタイプ分析を行った。その結果,群馬県のツキノワグマから6つのハプロタイプを同定した。これらは先行研究により東日本に生息するツキノワグマで同定された38ハプロタイプのうち,E01, E06, E10, E11, E31, E34に該当した。ハプロタイプの地理的分布および集団構造解析から,群馬県では南西部集団,中之条集団,北東部集団の3集団が存在する可能性が示唆された。群馬県中央部から南東部にかけては平野が広がっており,ツキノワグマの生息は確認されていない。よって群馬県のツキノワグマ3集団は群馬県の西から東へ南西部集団,中之条集団,北東部集団の順に並んで存在していると思われる。つまり,中之条集団の西側で南西部集団と分かれる境界線があり,東側で北東部集団と分かれる境界線が本研究によって想定された。これらは適正管理計画のもとで人為的に設定された地域個体群(越後・三国地域個体群と関東山地個体群)とは異なる境界分布を示しており,今後ツキノワグマの自然集団を繁栄した適切な保全計画を実施するためにも現在の分布境界線を見直していく必要があることを本研究は提唱する。
著者
若梅 一樹 米澤 隆介 目黒 智康 海老澤 玲 田沼 志保 桒原 慶太 塗山 正宏 占部 憲
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.58-62, 2015 (Released:2015-01-09)
参考文献数
16

【目的】大腿骨近位部骨折において骨折型の違いによる術後の機能回復および自宅退院率を比較検討した。【方法】大腿骨近位部骨折患者26例を対象として,骨折型によって頚部骨折群15例と転子部骨折群11例の2群に分類し,術後1週と退院時において術側股関節の関節可動域,術側と非術側の下肢筋力,および歩行能力を測定した。また,自宅退院率を調査した。【結果】術後1週において,頚部骨折群は転子部骨折群と比べて下肢筋力のうち術側の股関節外転筋力が有意に強く,病棟での歩行自立度も有意に高かった。退院時において,頚部骨折群は転子部骨折群と比べて受傷前と同様の歩行能力まで回復した割合が有意に高く,自宅退院率も有意に高かった。【結論】大腿骨近位部骨折において,頚部骨折は転子部骨折よりも術後の筋力や歩行能力の回復が早く,自宅退院率も高いことが示された。
著者
松本 卓也 松永 篤彦 原 美弥子 齊藤 正和 米澤 隆介 石井 玲 忽那 俊樹 山本 壱弥 増田 卓
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.315-326, 2008-06-01 (Released:2008-08-13)
参考文献数
32
被引用文献数
4 5

PURPOSE : The purpose of this study was to clarify the effects of prolonged expiration (PE) on respiratory and cardiovascular responses and autonomic nervous activity during the exercise.METHODS : Twenty-five healthy men (22±1years) were classified according to the breathing mode during the exercise : 2-second inspiration and 4-second expiration in 1 : 2 group, 3-second inspiration and 3-second expiration in 1 : 1 group and normal breathing in control group. The 6-minute exercise was performed at anaerobic threshold (AT) and 60%AT using a cycle ergometer as an exercise protocol. Respiratory rate (RR) and tidal volume (TV) were measured by the expired gas analysis. The power of low- (LF) and high-frequency components (HF) was analyzed from a Holter electrocardiogram to assess the heart rate variability. RESULTS : RR and LF/HF were significantly lower, TV and HF were significantly higher during the exercise of 60%AT and AT in the 1 : 1 and 1 : 2 groups than in the control group (P<0.05 or P<0.01). The increase of HR was significantly lower and that of HF was significantly higher during the exercise at 60%AT in the 1 : 2 group than in the 1 : 1 group (P<0.05). CONCLUSION : PE activated the parasympathetic nervous activity and consequently restrained an excessive increase of HR during the exercise at 60%AT.
著者
倉林 敦 太田 英利 田辺 秀之 森 哲 米澤 隆弘 松田 洋一
出版者
長浜バイオ大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本研究では、ヘビからカエルに水平伝播したLINEレトロトランスポゾン(ここではTE-X表記)について、(1)水平伝播時期と地域の解明、(2)水平伝播遺伝子の視覚化、(3)爬虫類・両生類以外のマダガスカル産脊椎動物にもTE-Xの水平伝播が生じているかの解明、(4)水平伝播を媒介した寄生虫・ウィルスの探索、(5)南アジア原産のブラーミニメクラヘビが、マダガスカルのヘビタイプのTE-Xを持っている理由の解明を目的としている。本年度は、(1)分岐年代推定と水平伝播発生地域の推定を行った。(2)シマヘビと、ネガティブコントロールのツメガエルに対して染色体FISHを行なったところ、前者では強いシグナルが出たが、後者ではシグナルが得られなかった。これにより、FISHによる染色体上のTE-X検出系が確立できた。(4)蛇の体組織からウィルス核酸抽出方の確立を試みた。現在までに行なった実験系では、ウィルス核酸よりも細菌由来核酸の出現率の方が高かった。(5)バングラデシュとスリランカにおいて、現地共同研究者により、メクラヘビの採取が進んでいる。現時点で、バングラデシュでは30個体、スリランカでは19個体のサンプルが得られている。さらに、インドでは、30個体以上のメクラヘビが収集され、そのうち1個体がブラーミニメクラヘビであったが、残りは別種のヘビであった。そのうち1種は、異種間交雑起源のブラーミニメクラヘビの父方系統に属する種である可能性が高いことが分かった。さらに、インドのブラーミニメクラヘビについては、Hi-Seq NGS によりシークエンスが行われ、130 Gbp のアウトプットが得られた。また沖縄産個体について、MinION NGSによるシークエンスを行い、40 Gbpのアウトプットを得た。南アジアにマダガスカルヘビタイプのTE-Xを運んだベクター蛇の可能性が高いスナヘビが収集できた。
著者
早場 亮一 田邊 由紀子 米澤 隆行 梅田 純子 近藤 勝義
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.861, pp.17-00491-17-00491, 2018 (Released:2018-05-25)
参考文献数
30

Stents are one of devices for the invasive cardiac catheterization (Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty) and especially for pediatric catheterization, the stent is manufactured by superelastic alloys including TiNi alloy. Transradial coronary intervention (TRI) is an invasive treatment in comparison with transfemoral coronary intervention (TFI), as TRI can reduce the risk of bleeding complications. To perform TRI, it is necessary to reduce the thickness of stent and diameters of delivery system. Therefore, one of the solution is to improve the strength of the materials for the stent. In this study, the medical application to stents was investigated by manufacturing high-strengthened Ni-rich powder metallurgy TiNi alloy using pure Ti powder and pure Ti pre-mixed powder. Ni-rich TiNi shape memory alloys showed much high plateau stress and enough shape recovery rate compared to the conventional ingot metallurgy TiNi alloy used in the commercial stent devices. In the simulation of the stent radial force by a finite element analysis (FEA), it was clarified that the radial forces of Ti-52.0 at.%Ni (stent wall thickness; 80 μm) and Ti-50.5 at.%Ni (stent wall thickness; 200 μm) were equivalent. The improvement of plateau stress of TiNi alloys successfully reduced the thickness of the stent by 120 μm (60 %). In fact, the stent using Ni-rich TiNi alloy resulted in the thinned stent with a high radial expansion force. When implanting the stents made of Ni-rich TiNi alloy into the external iliac artery of pigs, no stent fracture was observed, and in-stent occlusion never occurred after 1-month and 3-month placement of the stents. They are similar biocompatibility to commercial stents because of the similar results of inflammation.
著者
和久 大介 佐々木 剛 米澤 隆弘 甲能 直樹 佐々木 浩 安藤 元一 小川 博
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.29, 2013

&nbsp;ニホンカワウソは環境省発行の第 4次レッドリスト(2012)で絶滅が宣言された.しかし,本種の分類学的位置づけは混乱したままである.本種は,大陸に現存するユーラシアカワウソ <i>Lutra lutra</i>と近縁種であることは複数の先行研究で認められているが,日本固有種 <i>Lutra nippon</i>かユーラシアカワウソの亜種なのか意見が分かれている.そのため,環境省のレッドリストで本州以南の個体群について <i>Lutra lutra nippon</i>と記載しているが科学的根拠があるわけではない.そこで我々研究グループは,神奈川県城ヶ島産のニホンカワウソ標本に残存していた筋組織から DNAを抽出し,ミトコンドリアDNAに基づいてカワウソ亜科と系統解析を試みた.標本サンプルから抽出した DNAは,薬品や長期保存による DNAの断片化とその量の減少が予想された.そこで,Multiplex PCR法により約 350-500塩基の断片を増幅し,ダイレクトシーケンシング法で配列を決定した.この方法でニホンカワウソの配列を 7,325塩基決定した.また,同じ方法でサハリン産ユーラシアカワウソと中国・重慶由来の飼育下繁殖ユーラシアカワウソのミトコンドリア DNA全長配列を決定した.決定したニホンカワウソ配列を,サハリン /中国 /韓国の 3地域のユーラシアカワウソの配列と ClastalW2.1でアライメントしたところ,ニホンカワウソに特徴的な塩基サイトがND1,co2,co3の 3つのアミノ酸コード領域で7塩基認められた.これらのニホンカワウソに特徴的な塩基サイトを含む配列データを系統樹推定に用いた.推定は RAxML ver.7.2.8プログラム上において進化モデル GTR+I+Gを用いておこない,ニホンカワウソとサハリン /中国 /韓国のユーラシアカワウソの系統類縁関係を評価した.