著者
高井 正成 西村 剛 米田 穣 鈴木 淳 江木 直子 近藤 信太郎 内藤 宗孝 名取 真人 姉崎 智子 三枝 春生
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

ミャンマー中新世末~前期更新世の地層から、複数のオナガザル科化石を発見し、さらに共産する動物相の解析を進めてミャンマーの新生代後半の哺乳動物相の変遷を明らかにした。また東ユーラシア各地(中国南部の広西壮族自治区、台湾南部の左鎮、シベリア南部のトランスバイカル地域、中央アジアのタジキスタンなど)の新生代後半の地層から見つかっていた霊長類化石の再検討を行い、その系統的位置に関する議論を行った。
著者
姉崎 智子 坂庭 浩之
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.59-63, 2011 (Released:2011-07-27)
参考文献数
8

群馬県において1999年から2010年の間に回収された30体のアナグマの剖検を行った結果,29体のアナグマの膵臓に腫瘤の形成と多数の線虫の寄生を確認した(感染率96.7%).腫瘤の大きさは1.0~6.8 cmと幅があり,中には複数の腫瘤が集まり1つのかたまりを形成しているものも確認された.寄生虫はアナグマ1頭あたり3~266匹が確認され,虫体の形態的特徴を観察した結果,Tetragomphius melisと同定された.T. melisに寄生されたアナグマに削痩などの傾向は認められないことから,線虫による宿主への影響は少ないものと推察された.本稿ではそれらの概要について報告した.
著者
本郷 一美 石黒 直隆 鵜沢 和宏 遠藤 秀紀 姉崎 智子 茂原 信生 米田 穣 覚張 隆史 高橋 遼平 朱 有田 VU The Long
出版者
総合研究大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

日本への家畜ブタ導入を判定する基礎資料として、現生および遺跡出土のイノシシ属の計測データを蓄積し、日本列島の南北におけるイノシシのサイズ変異の程度を明らかにした。また、東南アジア、琉球列島産の在来種ブタとイノシシおよび遺跡出土のイノシシ属のmtDNA分析を行った。日本在来馬の体格の変遷を探り、大陸のウマと比較するため、現生および中部~東北地方の古代、中世および近世の遺跡から出土したウマ骨格の計測データを収集した。
著者
佐々木 剛 和久井 諒 和久 大介 米澤 隆弘 姉崎 智子
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.49-56, 2013-09-20

日本国内でツキノワグマ(Ursus thibetanus)は本州,四国に生息し,現在5地域の個体群が絶滅の恐れのある地域集団とされている。群馬県でもツキノワグマが生息しているが,その捕獲頭数を定めた群馬県ツキノワグマ適正管理計画は,地域集団の構成を考慮しないまま実施されており,このままでは絶滅を招く危険性をはらんでいる。このことから,ツキノワグマの適切な保全を考慮した農林業被害等の防止対策を実施することが,希少野生動物とともに暮らす地域にとって重要な課題といえる。そこで本研究は群馬県ツキノワグマの遺伝的多様性を明らかにするため,群馬県で捕獲されたツキノワグマ30個体のミトコンドリアDNA D-loop領域706bpの配列を決定し,ハプロタイプ分析を行った。その結果,群馬県のツキノワグマから6つのハプロタイプを同定した。これらは先行研究により東日本に生息するツキノワグマで同定された38ハプロタイプのうち,E01, E06, E10, E11, E31, E34に該当した。ハプロタイプの地理的分布および集団構造解析から,群馬県では南西部集団,中之条集団,北東部集団の3集団が存在する可能性が示唆された。群馬県中央部から南東部にかけては平野が広がっており,ツキノワグマの生息は確認されていない。よって群馬県のツキノワグマ3集団は群馬県の西から東へ南西部集団,中之条集団,北東部集団の順に並んで存在していると思われる。つまり,中之条集団の西側で南西部集団と分かれる境界線があり,東側で北東部集団と分かれる境界線が本研究によって想定された。これらは適正管理計画のもとで人為的に設定された地域個体群(越後・三国地域個体群と関東山地個体群)とは異なる境界分布を示しており,今後ツキノワグマの自然集団を繁栄した適切な保全計画を実施するためにも現在の分布境界線を見直していく必要があることを本研究は提唱する。
著者
本郷 一美 山田 昌久 那須 浩郎 米田 穣 姉崎 智子 茂原 信生
出版者
総合研究大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は高精度の古環境情報を有効に抽出し、人工遺物や遺構などに関する考古学的な情報を統合する研究手法を確立することである。長野県のノンコ岩1岩陰と天狗岩岩陰遺跡において発掘調査を実施した。ノンコ岩1岩陰遺跡では、縄文晩期の遺物が出土した。天狗岩岩陰遺跡では、弥生時代前期から古墳時代前期までの文化層序が確認され、環境考古学的なデータを有効に抽出できた。人工遺物の他、多量の動・植物遺存体を採集し、C14年代測定、動植物遺存体の同定分析作業を実施した。