著者
荒牧 勇
出版者
日本生理人類学会
雑誌
日本生理人類学会誌 (ISSN:13423215)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.173-177, 2014-08-25 (Released:2017-07-28)

As most of the corticospinal fibers cross over to the contralateral side, the right side of the body is controlled by the left primary motor cortex, while the left side of the body is controlled by the right primary motor cortex. However, because callosal connections between the two hemispheres and ipsilateral corticospinal pathways convey the same information to bilateral homologous muscles, interference can occur between the left and the right motor system when we use bilateral hand simultaneously. This interference could work as a cost-effective measure in symmetric movements and a resource-demanding measure in asymmetric movement. In this paper, I discuss how the brain represents cost-effective and resource-demanding bimanual interaction.
著者
宮原 祥吾 原田 健次 新海 陽平 稲葉 泰嗣 荒牧 勇
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.111_1, 2017

<p> 近年、脳の局所的な構造が運動・認知スキルと関連するという報告が相次いでいるが、スポーツ選手を対象とした報告は少ない。そこで本研究は、野球熟練者の投球コントロール能力と関連する脳部位の構造的特徴を明らかにすることを目的とした。C大学野球部のピッチャー9名(右利き)に対し、的の中心点を狙った右投げ投球、左投げ投球をそれぞれ30球ずつ行わせた。それぞれの条件について的中心からの平均距離を計算した。すべての被験者のT1強調MRI脳画像を計測し、Voxel Based Morphometry解析により、それぞれの投球条件において、的中心からの距離と脳灰白質容積の相関のある脳部位を同定した。その結果、いずれの条件においても、的中心からの平均距離と右頭頂葉の灰白質容積に有意な正の相関関係が認められた。頭頂葉は、空間的な運動制御に重要な役割を果たす脳部位であり、投球コントロール能力に頭頂葉の構造的発達が重要であることが示唆された。</p>
著者
宮原 祥吾 原田 健次 新海 陽平 稲葉 泰嗣 荒牧 勇
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第68回(2017) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.111_1, 2017 (Released:2018-02-15)

近年、脳の局所的な構造が運動・認知スキルと関連するという報告が相次いでいるが、スポーツ選手を対象とした報告は少ない。そこで本研究は、野球熟練者の投球コントロール能力と関連する脳部位の構造的特徴を明らかにすることを目的とした。C大学野球部のピッチャー9名(右利き)に対し、的の中心点を狙った右投げ投球、左投げ投球をそれぞれ30球ずつ行わせた。それぞれの条件について的中心からの平均距離を計算した。すべての被験者のT1強調MRI脳画像を計測し、Voxel Based Morphometry解析により、それぞれの投球条件において、的中心からの距離と脳灰白質容積の相関のある脳部位を同定した。その結果、いずれの条件においても、的中心からの平均距離と右頭頂葉の灰白質容積に有意な正の相関関係が認められた。頭頂葉は、空間的な運動制御に重要な役割を果たす脳部位であり、投球コントロール能力に頭頂葉の構造的発達が重要であることが示唆された。
著者
中澤 公孝 西村 幸男 荒牧 勇 野崎 大地
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本研究は「ヒトの中枢神経が有する障害後の再編能力を解明すること」を最終目的とし、①パラアスリートの脳の構造的・機能的再編を明らかにすること、②モチベーションが脳構造と可塑性に与える影響を明らかにすること、を大目した。当該年度は前年度に引き続き、下肢切断と脊髄損傷の研究を継続するとともに、先天性上肢欠損、高次脳機能障害、脳性麻痺を対象とした研究を実施した。下肢切断に関しては、断端周囲筋を収縮させる際の同側運動野の活動が運動経験に関連して増大することが明らかとなった。この結果は、パラアスリートに観察された同側運動野の活動を説明するものであり、高レベルの義足操作に同側運動野活動が貢献することを示唆する。脊髄損傷者の脳構造・機能解析も進み、完全対麻痺者において特異的脳部位の構造的特徴が明らかとなった。この結果は、障がい後の代償反応と使用依存的可塑性発現によって説明することができる。先天性上肢欠損は一例ではあるが、先天的障害に対する代償反応としての下肢支配領域の特異的拡張を見出し、学術的価値が高いことから国際誌に掲載された。高次脳機能障害者に対しては上肢トレーニングに伴う機能的変化と脳構造・機能の変化を縦断的に調べた。その結果、上肢機能改善と共に脳支配領域の拡張、半球間抑制の低下、皮質脊髄路興奮性の上昇などを認めた。脳性麻痺については、パラリンピック金メダリストの解析を進め、水泳トレーニングによる脳再編、脊髄反射の関与に関する新たな知見が得られたことから学術的価値が認められ、国際誌に掲載された。
著者
荒牧 勇
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.56, no.8, pp.563-567, 2017-08-10 (Released:2017-08-19)
参考文献数
22
被引用文献数
1
著者
荒牧 勇
出版者
中京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

スポーツと脳の構造の関係を明らかにするために、3つの研究を行った。1. 陸上競技の短距離選手と長距離選手の脳の構造画像を比較した結果、長距離選手は尾状核が発達していた。2.ハンドボール選手の試合中のミスの数と島皮質の灰白質ボリュームの大きさが相関していた。3.サッカーのリフティングを練習すると、物体の動きを知覚するMT/V5と左半身の運動を制御する左小脳が発達した。以上の研究結果から、1.競技種目ごとに特徴的な脳構造があること、2.個人の競技能力を予測する脳部位があること、3.スポーツの訓練により脳構造が発達することが明らかとなった。
著者
大家 利之 荒牧 勇 北川 薫
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
pp.12060, (Released:2013-07-08)
参考文献数
22
被引用文献数
1

Purpose: Recovery condition is classified into two major categories during short-duration (<6 s) intermittent sprint exercise: active recovery (AR) and passive recovery (PR). Performance in passive trials is superior to active trials during short-duration intermittent sprint exercise. The effect of AR intensity on performance during short-duration intermittent sprint exercise remains unclear. The purpose of this study was to compare the effect of recovery conditions (active vs. passive) and exercise intensity of the recovery period on performance, as well as muscle oxygenation during short-duration intermittent exercise. Methods: Ten subjects performed a graded test and ten 5-s maximal sprints with 25 s of PR or AR between sprints on a cycle ergometer. Exercise intensity of AR was adjusted to 15% (AR15), 25% (AR25), or 40% (AR40) of maximal oxygen uptake (VO2max), and these were randomly assigned. Peak power and percentage decrement in power were determined during the intermittent sprint exercise. Oxyhemoglobin (O2Hb) and deoxyhemoglobin were also measured using near-infrared spectroscopy. Results: Peak power values were significantly higher with PR than with AR40 (P<0.05). The percentage of peak power decrement was significantly lower with PR than with AR40 (8.4±2.9% vs. 10.9±3.6%, P<0.05). O2Hb variation was significantly higher with PR than with AR40 (27.9±9.6% vs. 20.6±6.0%, P<0.05). Conclusion: AR40 is associated with reduced sprint performance and lower muscular reoxygenation. Performance with AR is not inferior compared with PR if AR is less than 25% of VO2max during short-duration intermittent exercise.