著者
菊地 真実 辻内 琢也
出版者
日本社会薬学会
雑誌
社会薬学 (ISSN:09110585)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.10-22, 2016-06-10 (Released:2016-07-06)
参考文献数
22

A questionnaire-based survey was administered to determine how community pharmacists recognize the necessity for and frequency of touching their patients during care giving. The questionnaire was sent to 400 community pharmacies that practiced home care, and 147 valid responses were analyzed. The survey suggested that acts recognized by pharmacists to require touching were measuring vital signs and helping patients take oral medications. It was thought that pharmacists needed to help patients in taking oral medications and also needed to determine issues related to oral intake. The survey also indicated that the frequencies of measuring vital signs and applying plasters to patients were high. Measuring vital signs was considered routine work, and applying plasters to patients was considered occasional work. Many respondents stated the need for practical study sessions on measuring vital signs. The frequency of measuring vital signs has increased because pharmacists have increasingly recognized this need. Additionally, females tended to touch their patients more frequently than males. However, there was no relationship between the frequency of examining bedsores and applying ointments on them and gender because it was thought that knowledge and experience were more important. The recognition of necessity for touching their patients was high but the frequency was comparatively low, and there was a discrepancy between the recognition of necessity and frequency. It was suggested that practical study sessions on when patients should be touched should be a high priority.
著者
栃原 きみえ 斉藤 一枝 坂倉 園江 菊山 弘子 済木 敦子 戸田 光子 菊地 真理子 原 淑子
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要 (ISSN:02867397)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.113-127, 1967-03-01

被服構成上もっとも重要な身体的因子の研究として静止時の生体測定を行った.まずスカート作製のために必要な41項目を定め,それぞれの長径,幅径,厚径,角度について測定し,それぞれの相関について検討したのでその結果を要約する.各周径の相関について1.ヒップの周径と各周径(各周径とも下半身長に対する割合)との関係については相関が認められ,ヒップ周径が大きくなるに従ってウエスト周径,腹部周径,太もも周径(両足),ひざ周径(両足),ふくらはぎ周径(両足),足首周径(両足)の割合もやや比例してふえて行く.ウエスト,ひざ,ふくらはぎ,足首はヒップより肉のつきかたが少く,腹部,太ももはヒップより肉のつきかたが多いと云う傾向がわかった.2.下半身長に対するウエスト周径,ヒップ周径とのそれぞれの相関について検討したが相関はみとめられなかった.下半身長に関係なく,ウエストやヒップの周径は大小さまざまであると云う一般的な通念をたしかめることが出来た.各幅径,厚径の相関について1.ウエスト,腹部,ヒップ,太もも(両足)(各周径とも周径に対する割合)それぞれの相関について検討したが相関はみられなかった.形態の上ではウエスト,ヒップ,腹部の順に丸い形に近くなり,太もも(両足)が一番偏平である傾向がわかった.2.下半身長と下半身長に対する各幅径,厚径の割合との相関について検討したが,相関はみられなかった.これは下半身長の大小に関係なく偏平な体型,丸い体型が存在するという一般的な通念を実証したものと云えよう.しかし,ひざ厚径は約10cm〜13cmの間に,ふくらはぎ厚径は約9.6cm〜12.5cmの間にあり,下半身長の増減に関係なく近似的な寸法である.各長径の相関について1.下半身長とヒップ丈,ふくらはぎ丈(両足),ひざ丈(両足)(各丈とも下半身長に対する割合)との相関はみとめられなかった.しかしふくらはぎ丈は下半身長の増減に関係なく約65cm〜70cmの近似的な寸法の中にある.2.身長と下半身長(身長に対する割合)との相関はわずかにみとめられた.身長が高いものほど下半身長の割合が大きくなる.つまり背の高いものほど下半身が長くて形がよいという結果が得られた.側面のウエスト・ライン傾斜角度について1.スカート作製上重要な側面のウエスト・ラインの傾斜角度については,後ウエストを基点とした前ウエストヘの傾斜角度は最少1.3°から最大17.8°で平均値は6.7゜で相当傾斜していることがわかった.脇を基点とする前への傾斜角度と後への傾斜角度を比較すれば後への傾斜角度の大きいものが多いことがわかった.2.側面のウエスト・ライン傾斜角度と下半身の各傾斜角度(骨盤傾斜角度,大腿骨傾斜角度,下肢傾斜角度,下半身側面傾斜角度)との相関はみとめられなかった.3.下半身側面傾斜角度と骨盤傾斜角度について 下肢傾斜角度との相関はみとめられなかった.しかし大腿骨傾斜角度とはわずかに相関がみとめられた.これは,下肢傾斜角度は後傾するもののみであるが大腿骨傾斜角度は前傾するものが存在するためにひざ関節で屈折している.従ってわずかながら相関の傾向がみとめられるのであろう.以上本学被験者の体型について種々検討を加えたが,このたびの測定は身体の静止時の実測長並びに角度であるから,これをもって直ちに被服構成にそのまま利用することは当を得ないことであろう.しかし被服構成のために必要な身体的因子の一部を解明する手がかりを得たことは意義あることと考える.この研究を基礎資料として更に次の段階の研究を進めることにする.終りに本研究に被験者として御協力下さった本学服飾の学生に感謝する.
著者
菊地 真人 川上 賢十 吉田 光男 梅村 恭司
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J102-D, no.4, pp.289-301, 2019-04-01

データを確率的に取り扱う問題において,統計的尺度の推定は手法の構成やデータ分析の基盤的役割を担う.本論文では統計的尺度の一つであるゆう度比を,離散的な標本空間から得た観測頻度をもとに推定する問題を扱う.素朴な推定方法は,ゆう度比の定義に従い,ゆう度比を構成する二つの確率分布を最ゆう推定して,その比を取ることである.しかし,低頻度からゆう度比を求めるとき,この方法は推定量を不当に高く見積もってしまう場合がある.そこで,ゆう度比の直接推定法uLSIFを応用し,ゆう度比を低めに(保守的に)推定する方法を提案する.提案手法は,最ゆう推定によって求めたゆう度比を正則化パラメータによって調整する枠組みである.実験では提案手法の振る舞いを明らかにし,その有効性を示した.更に,自然言語処理におけるブートストラップ法を利用した実験も行い,提案手法の実用性も示した.
著者
菊地 真人 山本 英子 吉田 光男 岡部 正幸 梅村 恭司
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D = The IEICE Transactions on Electronics (Japanese Edition) (ISSN:18810225)
巻号頁・発行日
vol.J100-D, no.4, pp.544-555, 2017-04-01

本論文では,観測頻度から条件付き確率を推定するという問題に取り組む.条件付き確率の推定は,データマイニングや実際の応用における基本的な操作であり,その推定方法によって手法の正確さが左右されることがある.一般に,確率推定では最ゆう推定値が用いられるが,低頻度に弱いという問題がある.この問題に対処するため,ベイズの枠組みがよく用いられる.ベイズの枠組みでは,データについての事前分布を推定し,事後分布の期待値を用いる.しかし,データをもとに事前分布を推定することは容易ではない.そこで,本論文では,事前分布として何らかの分布を仮定して事後分布の信頼区間を求め,その下限値を用いる手法を提案する.期待値は偏りのない推定値となる一方で,信頼区間の下限値は条件付き確率を保守的に見積もった推定値となる.実験によって,提案手法が低頻度に頑強であることを示す.更に,提案手法は事前分布として一様分布を用いた場合,ベイズの枠組みを用いた手法とほぼ同じ性能を獲得しうることを示す.
著者
大坪 昌弘 岩佐 弘一 菅原 拓也 菊地 真理子 伊藤 文武 辰巳 弘 岩破 一博 北脇 城
出版者
一般社団法人 日本女性心身医学会
雑誌
女性心身医学
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.110-116, 2014

【目的】うつ病性障害や不安障害で骨密度(BMD)が低くなるとされるが,その原因は多岐にわたる.閉経後の精神疾患女性においてBMD低下に影響する因子を後方視的に検討した.【方法】本研究は非介入試験である.2009年から2012年の初診患者のうち,大腿骨近位部および腰椎BMDをDXA法により同時測定した閉経後女性165名を対象とした.調査項目は年齢,初経年齢,閉経年齢,エストロゲン暴露期間(年),閉経後期間(年),身長,体重,BMI,分娩回数,喫煙の有無,飲酒習慣,骨折家族歴の有無,大腿骨近位部・腰椎(L2〜L4)のBMD・%YAM値とした.精神疾患の有無によりA群(あり:72名)とB群(なし:93名)に分け,統計解析により比較検討した.【成績】精神疾患(A群)の内訳はうつ病性障害15名,適応障害45名,不安障害12名であった.年齢,初経年齢,身長,分娩回数,喫煙の有無,飲酒習慣,骨折家族歴の有無について両群間に差はなかった.閉経年齢,エストロゲン暴露期間,閉経後期間,体重,BMIはA群で有意に低かった(p<0.01).大腿骨近位部,腰椎のBMD,%YAM値はA群で有意に低かった(p<0.01).大腿骨近位部%YAM値,腰椎%YAM値と有意に関連の度合いの強い変数はともに閉経後期間,体重であった(p<0.01).体重,閉経後期間を調整因子として共分散分析したところ,大腿骨近位部%YAM値,腰椎%YAM値の両群間の有意差は認めなかった.【結論】閉経後女性の骨密度低下は閉経後期間が長いことと低体重と関連するが,精神疾患と骨密度低下との関連はないことが示唆された.
著者
菊地 真実 辻内 琢也
出版者
日本社会薬学会
雑誌
社会薬学 (ISSN:09110585)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.81-96, 2015-12-10 (Released:2015-12-25)
参考文献数
25
被引用文献数
1

A questionnaire-based survey was conducted to clarify how community pharmacists recognize the legal validity of acts that involve touching their patients and to determine if the pharmacists had personal feelings of resistance toward particular acts. The questionnaire was sent to 400 community pharmacies that practiced home care and 147 valid responses were analyzed. The survey suggested that there were many pharmacists who had no objection toward measuring vital signs, such as temperature and blood pressure. Additionally, they recognized that it was necessary for doctors, other professionals, and patients to recognize their ability to measure vital signs. The survey also suggested that there were strong feelings of resistance toward invasive acts, such as insertion of an enema tube or a suppository. It was considered that these feelings were due to insufficient knowledge and experience, as well as uneasiness with hygiene issues. The necessity to participate in a practical study session was emphasized. When pharmacists recognized a problem with the legality of an act, their feelings of resistance, particularly toward examining bedsores and applying ointment on them, tended to become strong. Therefore, it was suggested that pharmacists may be able to perform the acts without feelings of resistance if the legality of the acts was clarified. Based on these findings, it is necessary to find a suitable rationale for performing each act, so that pharmacists will be able to perform the acts that involve touching their patients without feelings of resistance.
著者
菊地 真実
出版者
日本社会薬学会
雑誌
社会薬学 (ISSN:09110585)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.40-42, 2020-06-10 (Released:2020-07-01)
参考文献数
4
著者
小木 亜紀子 菊地 真 古谷 尊彦
出版者
The Tohoku Geographical Association
雑誌
季刊地理学 (ISSN:09167889)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.103-113, 1999-06-15 (Released:2010-04-30)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

北海道のアイヌ語地名について, 自然地理的分類を行い, 地名に表現される自然環境と, アイヌの人々との関わり合いについて考察することを目的とした。地名は, 崖・絶壁・崩壊に関する地名, 河川・澤の地名, 湿地・平地に関する地名, それらの修飾語である。これらの地名は約2,900ほどであり, そのうち河川・澤の地名は約2,300と総数の大半を占める。河川の地名分布は, 知床から室蘭にかけての海岸沿いの地域でpet地名が多く見られ, これは千島からの言葉の影響と考えられる。道北ではnay地名の多い地域があるが, 樺太からの影響として見るまでには至らない。渡島半島では, pet, nay地名があまり見られず, 本州からの大和言葉の影響と思われる。また十勝川, 天塩川における地名分布の事例は, pet, nay地名の多様なあり方を示している。抽出した全ての地名は, 語幹と修飾語に分けられ, 語幹は共通した環境を表し, それに特徴的な修飾語が組み合わされることによって, 地点地名表示となっている。これらは, アイヌの人々の自然と深く関わったライフスタイルを色濃く反映したものと考えられ, 北海道のアイヌ語地名と自然環境の関係について, より一層明らかにする必要がある。
著者
菊地 真
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.171-183, 2001-06-01 (Released:2009-08-21)
参考文献数
63

縄文時代の集落はなぜそこに立地しているのか.この問題について,集落立地と自然環境との関係,ことに水的適応の面から検討を行った.集落は基本的に,支谷谷頭に面する台地・段丘上という地形的位置に立地する.この立地はまた湧水地帯と重なる.集落は半径200m以内で湧水を得られる地形的条件にある.堅果類の水さらし加工は豊富な湧水の利用が効果的であるが,集落出土の遺物組成は,生業活動におけるそれら植物加工の重要性を示している.湧水と生業活動,集落立地との関係は,縄文人の水的適応の存在を表している.
著者
吉川 政夫 菊地 真也
出版者
東海大学
雑誌
東海大学スポーツ医科学雑誌 (ISSN:09153659)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.47-54, 1996

The purpose of this study was to examine the relation between the degree of anxiety and the sway of the center of gravity in the standing posture. Subjects were 58 undergraduates. Both state anxiety and trait anxiety of each subject were assessed by the STAI test. The sway of the center of foot pressure in the standing posture for 20 seconds was measured as postural sway by a stabilometer. Results were as follows : (1) The average magnitude of sway of the high trait anxiety group was significantly larger than that of the low trait anxiety group. On the other hand, such finding was not found in state aniety. Postural sway was related to trait anxiety rather than to state anxiety. (2) Such relation was detected not in the postural sway with eyes open but in that with eyes closed.
著者
野中 俊宏 菊地 真美 赤松 則男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.139, pp.7-12, 2000-06-16
被引用文献数
1

本稿では, 高感度の電子ペンによって得られる一次元の筆圧情報に基づく, オンライン署名照合の一手法について述べる.提案するシステムではタブレットを使用しないため, 紙の上に通常のペンで文字を書く場合とほぼ同じ条件でデータを採取することができ, 比較的安定した情報を得ることができる.照合プロセスは2段階で構成される.第1段階では, パラメータ的手法を用いて署名データをストローク単位で対応付け, 明らかな偽筆を棄却する.第2段階では, 対応付けられた領域ごとに関数的手法による照合を行う.被験者31名から得た真署名775個, 偽署名1085個について個人認証実験を行った結果, 等誤り率11.1%が得られた.