著者
伊藤 泰子
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.201-215, 2008-12-23

「聞こえない」状態を医学的障害としてみる場合は、「聞こえない人、聞こえにくい人、聾者、聴覚障害者、難聴者、補聴器装用者、人工内耳装用者」などの言葉で表される。そして、「手話を使う人」のみが聞こえないことを医学的障害として捉えるのではなく、手話を使う、聞こえないことを社会文化的な違いとして捉える言葉である。次に口話法優先教育か手話法優先教育かのどちらかを受けたかによって、「聞こえない人」はグループ分けできる。そして、これらのグループ分けは、社会での立場、すなわち、アイデンティティについてのグループ分けにつながる。「聞こえない人」は、異なる「社会での立場」によって分かれる。障害者として自助努力を強いる同化主義的社会、と公的支援を得られる手話言語をもった社会ではアイデンティティが変化する。人工内耳、補聴器、口話法訓練など自助努力をして「聞こえる人」の社会で生きるか、手話通訳支援を提供され、手話通訳者の養成や手話を公用語にしようとする法律などの公助努力が進められている社会に生きるかによってアイデンティティは異なる。本稿では異なる「聞こえない人」のアイデンティティがあることを検証することにする。
著者
後藤 泰子 柴田 ときは
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.21, no.7, pp.428-431, 1970-12-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
1

Samples of thirteen kinds of amino acid solution (1/100 mol) were heated for 120 min. at the pressure of 1kg/cm2, making analysis of amino acids by Beckmann/Spinco Amino Acid Analyzer 120-B every 10 min. to provide their heat decomposition graph.The work has yielded the following results.Glutamic acid has the highest heat decomposition rate of 68% in 120 min. The second highest decomposition rate, 8%, is obtained with tryptophan. Other amino acids, however, have the rates of under 3%.The experimental formulae which approximate the heat decomposition curves of respective amino acids wera pursued and differences in the modes of decomposition were discussed. The periods of half decay of both glutamic acid and tryptophan were obtained.
著者
工藤 泰子
出版者
日本国際観光学会
雑誌
日本国際観光学会論文集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.19-26, 2014

In 2013, the Great Sengu (major transfer of the deity to a new shrine building) was done at Izumo Taisha Shrine, for the first time in 60 years. Matsue Branch of the Bank of Japan estimated the tourist consumption in 2013 in Shimane Prefecture to be JPY25.8 billion. As for Matsue-city, the number of visitors to 9 main sightseeing facilities increased by 14%, during Golden Week (Japanese holiday season in early May) compared with previous year. However, we can't rest at ease. It was found that tourist visits are shifting to "matchmaking" places related to the legend of Izumo, from traditional facilities around Matsue Castle. We should not rely solely on attracting young ladies exploiting the recent history boom among them. We need to review the history of the city, and turn the existing resources into working tourist attractions. This study discussed how Matsue has developed as a tourist city in modern period.
著者
鯵坂 学 徳田 剛 中村 圭 加藤 泰子 田中 志敬
出版者
同志社大学
雑誌
評論・社会科学 (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.1-87, 2010-05

日本の大都市では2000年を画期として、長らく続いた人口の郊外化がおわり、人口が都心部に向かう都心回帰といわれる状況がみられる。その原因は、不況により都心地域の地価が下がり、オフィス需要が減少し、そこに大型のマンションが建てられ、新しい住民の居住が促進されたためである。本研究では、大阪市の都心区における新しい住民と古くから住んでいた住民との関係について、大阪市特有の地域住民組織である「地域振興会」(振興町会や連合振興町会)に焦点をあて、共同調査を行った。結果として、新住民のそれへの参加は少なく、旧住民中心に運営されてきた振興町会の側も新住民への対応に苦慮していること、新旧住民間の交流やコミュニティの形成が課題となっていることが判明した。
著者
沼田 加代 根岸 恵子 平良 あゆみ 佐藤 和子 飯野 理恵 中山 かおり 佐藤 由美 齋藤 泰子
出版者
北関東医学会
雑誌
The KITAKANTO medical journal (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.25-32, 2006-02-01

【背景・目的】高齢化率(50.7%)の高い山間過疎地域において, 40歳以上の住民に健康・生活に関する調査を行った.【対象と方法】40〜64歳は, 968人全住民を対象とし, 自記式質問紙調査を実施した.65歳以上には, 1/10年齢別層化無作為抽出による156人を対象に, 聞き取り調査を実施した.【結果】回答率は, 40〜64歳は87%, 65歳以上は98%であった.40〜64歳の特徴として, 喫煙者は3割おり, ブリンクマン指数600以上が喫煙者の半数であった.また, 飲酒者のうち毎日の飲酒が半数であった.肥満は3割おり, 男性の肥満の割合が高かった.65歳以上の特徴として, 罹患率は7割であった.また, 受診や買い物は「村外」が8割であった.将来は「今の自宅で暮らしたい」と望んでいる者は8割であった.【結語】喫煙・飲酒などの嗜好品への対策, 肥満対策, 住み慣れた自宅で生活するための体制整備など成人・老年期における健康づくりや介護予防事業の重要性が示唆された.
著者
工藤 泰子
出版者
日本国際観光学会
雑誌
日本国際観光学会論文集 (ISSN:24332976)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.65-72, 2016 (Released:2019-06-12)
参考文献数
13

There are 9 cities which have established the “Act on Construction as An International Tourism City” during the period of postwar reconstruction. They emphasized that they were especially important cities for national policy. The main purpose of establishing the acts was to gain financial support and free transfer of land for urban planning. In order to establish the act, the constitutional law required a referendum in each city, after passing the National Assembly. As for Matsue, it has enacted the “Act on Construction of Matsue as An International Culture and Tourism City”, having the approval of 76% of the referendum in March 1951. The aims of this paper are to clarify the characteristics of the act and the residents' consciousness towards the enactment.
著者
鯵坂 学 徳田 剛 中村 圭 加藤 泰子 田中 志敬 Manabu Ajisaka Tsuyoshi Tokuda Kei Nakamura Yasuko Kato Yukitaka Tanaka
出版者
同志社大学社会学会
雑誌
評論・社会科学 = Hyoron Shakaikagaku (Social Science Review) (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
no.91, pp.1-87, 2010-05-31

日本の大都市では2000年を画期として都心回帰がみられる。その原因は、不況によりオフィス需要が減少し、大型マンションが建てられ、新住民の居住が促進されたためである。大阪市特有の地域住民組織「地域振興会」へのインタビューを通して、大阪市における新住民と旧住民との関係について調査した。その結果から、新住民のそれへの参加は少なく、旧住民中心の振興町会側も対応に苦慮し、新旧住民間の交流やコミュニティの形成が課題となっていることが判明した。
著者
福留 奈美 小西 文子 五藤 泰子 野口 元子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017

【目的】高知県のおやつの特徴をとらえることを目的に調査した。本研究では、高知県全域でみられる甘味としてのサツマイモの利用と糯米・小麦を使用したおやつに着目し、多様性と分類を示す。<br /><br />【方法】日本調理科学会H24-26年「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」研究の一環として、昭和30~40年代の高知県の食事について聞き取り調査を行った。地域の食文化研究資料を収集し、聞き取り調査の結果と合わせて特徴的なサツマイモの加工品と糯米・小麦を使ったおやつを抜き出し、加熱・乾燥工程、名称の違い等について分類・整理した。また、レシピ情報や保護・継承活動の状況についても部分的に示した。<br /><br />【結果】高知県全域で干しいも「東山」が食べられており、温暖な気候で育つサツマイモの加工品は甘味が少なかった時代のおやつとして欠かせなかった。東山でも、ゆでてから厚めに切って干すものと小ぶりのいもを煮て丸ごと干すものがある。ゆで汁にも糖分が出るので煮詰めて「いも飴」にして食べた。1cm厚さに切って藁を通しゆでて干したものを「ゆでベラ/ほしか」と呼ぶ地域や、生のまま薄く切って干した「かんば」の利用、里芋と蒸してついた「けんかもち」、糯米と蒸してついた「いも餅/かんころもち/いものもち」等、加熱・乾燥工程にも多様性がある。県が推進する「土佐の料理伝承人制度」、地域の食育活動、『土佐の味ふるさとの台所』(1987年初版、2016年復刊)等のレシピ集やWeb情報等で多様なおやつが保護・伝承されてきた。しかし、「山椒餅」のように、地域の人びとが懐かしく思う当時の味は継承されず新たなレシピが独自に紹介される例もあり、当時の記録を残す作業の必要性を再認識した。
著者
井口 和久 市ヶ谷 敦郎 杉藤 泰子 関口 俊一 本山 信明
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会年次大会講演予稿集 2013 (ISSN:13431846)
巻号頁・発行日
pp.17-4-1-_17-4-2_, 2013-08-28 (Released:2017-05-24)

This report describes the subjective evaluation of the HEVC encoder for Hi-Vision. The encoder is developed for the purpose of communicating and reporting with limited bandwidth in case of a disaster. The subjective evaluation suggests that the image quality of developed HEVC encoder is approximately equal to the image quality coded by an AVC encoder for broadcasting, which is set to twice the level of the bitrates of HEVC.