著者
高山 守 榊原 哲也 西村 清和 小田部 胤久 中島 隆博 藤田 正勝 美濃部 重克 安田 文吉
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

哲学、芸術、国家の密接な関係が、「家族」、「理性の目的論」、「ケア」、「場所の記憶」、「国民文化」、「日本的な自然」、「自然の人間化」、「世俗化」、「啓蒙」、「近代の超克」、「新儒家」、「家」、「お店」、「かぶき(傾き)-歌舞伎-」、「道理」、「鬼神力(怨霊)」、「観音力」、「まつろわぬもの」等々の概念を媒介に、深層レベルで明らかにされた。
著者
山本 禎紀 藤田 正範 坂本 竜一 古本 史 安保 佳洋 SULONG Adnan 安保 佳洋
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
日本家畜管理学会誌 (ISSN:13421131)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1-9, 1996-07-23

乳量の高い泌乳牛に対して、一時的に飼料摂取量を変化させた場合の熱産生量と体温調節性生理反応の応答性について、秋の常温期と夏の高温期に調べた。熱産生量はTDN摂取に応じて直ちに反応し、常温期での平均熱産生量は明らかに摂取量に応じて変化した。しかし、高温期の熱産生量は常温期に比べて明らかに高く、摂取レベル間の差も常温期ほど明らかではなかった。飼料摂取と気温上昇に伴う体温調節性生理反応の発現順序は、直腸温と体幹部体表温の上昇につづく呼吸数の増加であり、放熱機能の稼動には、体熱量の増加や体温の上昇が必要不可欠であると考えられた。飼料摂取量と各反応レベルとは密接に関係しており、給与飼料量の制限によって体温の上昇をある程度抑制できるものと思われた。なお、心拍数と熱産生量との関係から、平均心拍数を用いた精度の高い熱産生量推定式を提示した(Y=-0.27+0.552X、r=0.95、PE(Sy・x/y^^-)=4.4%、Y=熱産生量(kJ/kg^<0.75>h、X=心拍数(/min))。日本家畜管理学会誌、32(1) : 1-9.1996.1995年10月9日受付1996年2月22日受理
著者
池上 哲司 朴 一功 村山 保史 加来 雄之 藤田 正勝 門脇 健 西尾 浩二 竹花 洋佑
出版者
大谷大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

清沢満之の東京大学時代未公開ノート解読を通して、西洋哲学が明治期の日本にどのような形で受容されたかを明らかにしようとした。フェノロサが行った哲学関係の授業についての英文聴講ノートの内容を調査・分析していく過程で、満之と同年入学の高嶺三吉によるフェノロサ講義のノートが発見された。そこで、フェノロサによる複数の哲学関係授業の時期と内容を確定するために、清沢および高嶺の聴講ノートを翻刻・翻訳し出版した。
著者
藤田 正一
出版者
公益事業学会
雑誌
公益事業研究 (ISSN:03873099)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.5-13, 1999-03

本穣において、私は、本学会大会の統一議題名の選定背景や統一論聴名と公誕事業研究の関係について考察し、それらが今後の公益事業研究の方向性や環化のためになんらかの参考になることを期して論究した。そこで、特筆されたことは、1980.J:手托以降の統一論題名がそれ以前の統一論題名と大きく異なってきたことからも理解されるように、80年代以降、日本においても公益事業研究が大きく転換してきたということである。しかし、その転換は、時流に流容れて転換したのではない。社会経満環境の大ぎな変化によって生じた課題を議案に提え、それらの課題受信統的公議事業論に縛られることなく解明したよで、動態的効率性と公共の季五益が適正に鞍備されることを基軸に据えて薬事査に公益事業譲を理議化してきた結果が、わが、鑓の公議事業研究の転換となったのである。かくして、近年、税護議的な公議事業摂認が少なくなってきているのであるが、よ記の公益事業罰究転換後の研究姿勢を基本としながら、伝統的公議事業識に縛られない鰯車議釣鵠露からの公議事業顎究も遵守していかなければならない。
著者
森山 郁子 平岡 克忠 藤田 正之 飯岡 秀晃 一條 元彦 加納 晴三郎
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.34, no.12, pp.2149-2154, 1982-12-01

現在,食品添加物は335種におよび,当然妊婦の摂取も不可避であるため次世代への安全性が調査されている.今回はその一環として,過酸化水素について,一般に食品の脱色剤または殺菌保存に汎用されているために,妊娠時摂取による胎児.新生児発育に与える影響及び,混合食品中の栄養素の変性をもたらす可能性を明らかにした.実験方法はwistar系妊娠ラットを用い膣栓確認を妊娠0日とした.急性毒性試験は非妊ラットに経口的に10,1,0.1%各濃度を2ml/kg,連続5日間投与した.臨界期投与は,粉末飼料に10,2,0.1,0.02%の割合で混合し摂取させた.胎児・新生児の影響は,妊娠20日目胎児摘出後体重と各臓器重量,外表所見を検討した.骨格所見はWilson法,内臓所見はDawson法により判定した.混合飼料中の残存過酸化水素量は,0.1NのKMnO_4の消費量から測定した.1)急性毒性試験は3濃度とも死亡例はないが,10%群の体重減少が著明であった.2)胎児発育は,10%投与群が3.73g±0.39(対照群4.07g±0.25)に低体重の傾向が著明であり,生存率は85%(対照群98%)であった.内臓所見は出血が高濃度群に20%,骨格所見は高濃度群に20%の形成不全を認めた.3)新生児の影響は,生後4週間の生存率でみると10%,2%,0.1%,0.02%群はそれぞれ0%,81.2%,84.3%,87.1%(対照群93.4%)であり,影響は生後にまで及んだ.4)混合試料の残存H_2O_2は24時間後に1/10に低下し,72時間後は,分解され消失した.急性毒性試験で死亡を認めないのは体内カタラーゼによる急速な分解作用によるが,胎児・新生児発育の影響は,過酸化水素が飼料中の栄養素を破壊し蛋白質,含水炭素,脂肪の変性と被酸化性ビタミンの不括化の結果,摂取栄養素の不均衡によると考えられる.
著者
星 仰 山田 貴浩 藤田 正晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.283-291, 1999-02-25
被引用文献数
1

近年, 合成開口レーダ(SAR)の画像データ解析において, 偏波特性を用いたボラリメトリーの技術が注目されてきている. 従来, ボラリメトリックSARは航空機搭載型のものがほとんどであったが, 1994年にスペースシャトル"エンデバ"に搭載されたシャトル搭載型映像レーダC(SIR-C)によって帰還衛星としては初めてL, Cバンドによる多偏波・多バンドの観測が実施されている. 本研究の目的は, テクスチャ特徴量の偏波特性から地表パターンの分類がどの程度可能であるかを究明することである. このために, SIR-CのLバンドとCバンドのデータを用いて, 偏波合成により作成される画像についてGLCM法によりテクスチャ特徴量を算出し偏波依存性を求め, また, テクスチャ特徴量の値と領域の平均ミューラ行列から算出される偏波シグネチャの値との対応をとる. このことから, 後方散乱係数のみでは分類が困難と思われる領域について, テクスチャ特徴量との2次元分布に拡張することによりカテゴリーの分布の分離状況を図示する.
著者
池 道彦 山下 光雄 清 和成 藤田 正憲
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

ハイテク産業での利用を中心に消費量が年々増加しているレアメタルによる環境汚染と資源としての枯渇防止を目的として、レアメタル還元・蓄積作用を有する特殊微生物の検索、それらを利用したレアメタル除去・回収バイオプロセスの構築を試みた。初年度は、セレン酸を元素態セレンに還元できるBacillus sp.SF-1株を利用したセレン含有廃水処理リアクターを構築し、1〜2mMの高濃度でセレン酸を含有する廃水を1日程度で元素態セレンまで還元できること、簡易な凝集沈殿処理や限外ろ過によって完全な処理・回収できることを示した。2年目には、SF-1株がヒ酸還元能を有することに着目し、ヒ素汚染土壌浄化のバイオレメディエーションプロセス構築の可能性を検討した。SF-1株は、ヒ酸塩還元に多様な炭素源を利用できる上、厳密な嫌気条件を必要とせず、有用な特性を持つことを明らかにした。また、ヒ酸塩、セレン酸塩、硝酸塩それぞれによって独立に誘導される別個の還元酵素を有する可能性が示唆され、セレン酸塩や硝酸塩が共存しても、ヒ酸塩還元が阻害されないことを明らかにした。さらに、同株が多様な固相中のヒ酸塩を還元できることを実証した。最終年度には、ラボスケールの回分式スラリーリアクター実験を行い、高濃度の菌体植種が不要であること、ヒ素溶出量が攪拌速度の影響をほとんど受けないことを明らかにした。これより、スラリーリアクターより低コストでの処理ができる連続式土壌充填カラムリアクターによってモデルヒ素汚染土壌浄化試験を行った。流入培養液の水理学的滞留時間1日の運転で、リン酸塩溶液による土壌洗浄と組み合わせることで300mg-As/kg-soil程度の汚染土壌を土壌含有量基準以下まで浄化できた。これら一連の研究により、微生物還元・蓄積作用を利用したヒ素汚染浄化・回収技術構築の可能性を示すことができた。