著者
玉瀬 耕治 藤田 正
出版者
奈良教育大学教育研究所
雑誌
奈良教育大学教育研究所紀要 (ISSN:13404415)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.143-152, 1982-03-23

本研究では、奈良県山間部の子どもを主な対象として、子どもからみた親の称賛・叱責の実態と子どもの学習適応性について調べた。主な結果は次のとおりであった。(1)親の称賛・叱責の類型では、両親ともによくほめよく叱るRW型がもっとも多く、次いで母親ではよく叱るがあまりほめないNW型が多く、父親ではよくほめるがあまり叱らないRN型が多かった。(2)称賛の内容では、"良い成績をとってきたとき"がもっとも多く、次いで"お使い"と"そうじ"、"ごはんのあとかたずけ"が多かった。叱責の内容では、"けんかをしたりあばれたり"がもっとも多く、次いで"宿題"と"テレビ"であった。(3)RW型とRN型の家庭の子どもは、NW型とNN型(ほめも叱りもしない)の家庭の子どもに比べて学習適応性検査(新AAI)の学習態度,学習技術,および学習環境の得点が高く、より好ましい状態にあることが示された。(4)学習適応性に関して、山間部の子どもは4年生と5年生では全国平均とほぼ同じ水準であったが、6年生では劣る傾向がみられた。特に、学習態度および学習技術に関する面と、"根気強さ"が劣ることがわかった。へき地教育研究室報告特集12
著者
砂川 紘子 大谷 淳二 佐野 良太 椿本 昇子 藤田 正 丹根 一夫
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR JAW DEFORMITIES
雑誌
日本顎変形症学会雑誌 = The Japanese journal of jaw deformities (ISSN:09167048)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.8-14, 2010-04-15
参考文献数
32
被引用文献数
2

Idiopathic scoliosis is a well-known orthopedic disease in childhood and the onset and progress are observed during adolescence. It is speculated that the progress of idiopathic scoliosis affects the maxillofacial growth and the function of the temporomandibular joint because the craniofacial skeletal is located on the top of the spinal column. Another reason may be that asymmetric craniofacial growth changes the head posture and/or spinal column. In this study, we examined the association of scoliosis with jaw deformity and temporomandibular joint disorders.<br>The subjects were 44 patients who underwent orthognathic surgery for treatment of a jaw deformity at Hiroshima University Hospital. We measured the Cobb angle, an indicator of scoliosis, and the curve of the spinal column in vertebrae thoracicae on the chest radiograph. Moreover, the lateral shift of points A and B, cant of the occlusal plane and ANB angle were measured on the postero-anterior (PA) plane and lateral cephalograms. Association between the curve of the spinal column and maxillofacial morphology was examined by correlation analysis. The degree of scoliosis was examined in association with the pathological status of temporomandibular joint.<br>The prevalence of subjects diagnosed with scoliosis was 22.7%. Among the scoliosis patients, 70% were female. In all subjects with a jaw deformity, a significantly positive correlation was not found between the following variables and the Cobb angle: ANB angle, lateral shift of points A and B, cant of the occlusal plane. Moreover, no significant association between the curve of spinal column in the vertebrae thoracicae and previous variables was revealed. In addition, there was no relationship between the degree of the scoliosis and progress of the temporomandibular joint disorder.<br>These findings suggested that the progress of scoliosis exerts no substantial influence on the growth of the maxillofacial skeleton and the progress of temporomandibular joint disorders.
著者
後藤田 正晴 永野 健二
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.845, pp.56-60, 1996-06-17

政治,経済,行政の現状に対する危機感は人一倍強い。住専問題で指導者層の倫理観喪失を見る。混乱の責任は政治と指摘,政府の大小と安保を軸に再編すべきと言う。一方で,国内で急速に高まる日米安保強化論には慎重さを求める。(聞き手は本誌編集長,永野健二)役所だけのほほんとしてちゃダメだ問政治も行政も経済も,100年続いたシステムがどうもうまくいかなくなっています。
著者
藤川 徳子 藤田 正雄 青木 淳一
出版者
日本ダニ学会
雑誌
日本ダニ学会誌 (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.2, no.Supplement, pp.1-121, 1993-04-25 (Released:2011-05-09)
参考文献数
532
被引用文献数
9 20
著者
稲垣 紀夫 藤田 正
出版者
奈良教育大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13476971)
巻号頁・発行日
no.14, pp.47-54, 2005-03
被引用文献数
1

本研究では、効果的な漢字学習方法の検討と、その学習過程のメカニズムを解明することを目的とした。実験では、漢字を直接書いて練習する「書字学習条件」と、紙面上に指で漢字を書いて練習する「空書学習条件」を新しく設定し、それらの学習方法が漢字の書き取りにどのような効果を持つのかについて2つの実験で検討した。特に「書字」と「空書」の違いについて、漢字学習法における学習過程のメカニズムを証明した。本研究で行った2つの実験結果により、(1)漢字学習に多く使われている書字学習法が、漢字の書き取りにおいて促進的な効果をもたらすことが証明された。また、先行研究において漢字を想起する場面でその有効性が示唆されてきた「空書学習法」が、漢字の学習においても有効であることが明らかになった。さらに、(2)「書字」と「空書」の学習法の違いは、「視覚情報の一時的な保持」、「筋肉運動的書字行為」、「書字結果の確認」の学習過程のうちの「書字行為の結果の視覚的な確認」の有無であることが明らかにされた。
著者
後藤田 正晴
出版者
文芸春秋
雑誌
文芸春秋
巻号頁・発行日
vol.80, no.2, pp.332-334, 2002-02
著者
橋本 直樹 野田頭 達也 藤田 正弘 高屋 誠章 熊谷 達夫 田中 正則 佐々木 睦男
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.323-327, 2000 (Released:2011-06-08)
参考文献数
26

症例は35歳の女性で, 下腹部腫瘤を主訴とし近医を受診, 卵巣腫瘍の診断で当院産婦人科にて両側付属器切除術が施行された. 組織診にて印環細胞癌と診断されたため, 当院内科にて胃内視鏡検査を施行し, 胃体中部大彎にIIc病変が認められた. 生検にて印環細胞癌と診断され, 当科にて胃全摘術3群郭清を施行, 再建はρ吻合, Roux-Y法で行った. 病理組織学的検討では深達度m, リンパ節転移n2 (+), 脈管侵襲はly (-), v (-) であった. 術後, 化学療法を施行し, 現在外来にて経過観察中である.一般にKrukenberg腫瘍は播種性転移として取り扱われているが, 本症例では肉眼的および腹水細胞診での腹膜播種は認められなかった. 検索した限りでは胃粘膜内癌によるKrukenberg腫瘍の報告は6例のみで, 本症例はまれであると考え報告した.
著者
藤田正憲
雑誌
衛生工学研究論文集
巻号頁・発行日
vol.27, pp.75-85, 1991
被引用文献数
2
著者
飯草 恭一 手代木 扶 藤田 正晴 山本 伸一 井家上 哲史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.81, no.10, pp.936-948, 1998-10-25
被引用文献数
12

捕捉・追尾機能を必要としない衛生通信および放送のための車載用として, チルト角45度, ビーム幅18度の円偏波コニカルビームを, 15GHzにおいて同軸円筒スロットアレーアンテナで実現した.アレー配列軸に垂直な方向においては, 一般に±45度の傾きのスロットをλ_g/4間隔(λ_gは外皮導体に切られたスロットの影響を含んだ実質的な管内波長)で配置したペアを素子単位とすることにより円偏波を実現できるが, チルト方向ではスロットの垂直成分と水平成分の射影が等しくないため, 軸比が悪くなる.そこで, スロットの傾き角とペアを構成するスロット間隔の調整による軸比改善法について理論的, 実験的な検討を行った.また, 開口面分布の振幅と位相はそれぞれスロットの大きさと位置によって調整されるが, スロットの移動によりチルト方向への光路長が変化し, アンテナパターンや軸比の劣化が起こる.そこで, この光路長変化を考慮したスロット移動量の補正についても明らかにした.
著者
井上 隆夫 石館 八重子 藤田 正雄 久保 正良 福島 美雪 永井 正博
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.98, no.1, pp.41-46, 1978-01-25
被引用文献数
1

Chemical constituents of the leaves and stem bark of Acer nikoense MAXIM. (Aceraceae) were examined. β-Amyrin, β-sitosterol contaminated with campesterol and stigmasterol, and β-sitosterol glucoside were obtained from both parts of the plant. β-Amyrin acetate, quercetin, quercitrin, and ellagic acid were isolated from the leaves, and scopoletin, (+)-rhododendrol (VIII), (+)-catechin, and two new glycosides named aceroside I (XI), C_<25>H_<32>O_8,mp 170-171° (from acetone), [α] D-7.7°, and epi-rhododendrin (XII), C_<16>H_<24>O_7,mp 81-84°, [α] D -15.5°, from the stem bark. The absolute configuration of VIII was proposed to be S from empirical rule on optical rotation-chirality relationship. Hydrolysis of aceroside I (XI) afforded acerogenin A (XIII) as its aglycone, whose structure has already been reported. The structure of epi-rhododendrin (XII) was elucidated to be (S)-4-(p-hydroxyphenyl) butan-2-ol 2-β-D-glucopyranoside from chemical and spectral evidences.
著者
藤田 正治 AWAL R. AWAL Ripendra
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

氷河湖の決壊で一旦洪水/土石流が発生すると下流域に多大な被害をもたらす。このような洪水の発生原因の80%は、末端氷河が氷河湖に崩落する際に発生する津波の越波により堤体が侵食破壊することによって生じる。これ以外にも,浸透,パイピング,すべり崩壊といった様々な原因で決壊する。この中でパイピングによる決壊のメカニズムについてはほとんど分かっていない。多くの天然ダムの形成事例を調査した結果,決壊には至らない場合でも浸透流が堤体内に形成され,裏法面から浸透水が湧出しているケースが比較的多く見つかった。これは,比較的水分を含まず流動化しない形で天然ダムが形成される場合においては,堤体は十分締め固まって堆積するのではなく,緩く堆積するために堤体内に水みちが形成され,いわゆるパイプとなってここから水が流出し,場合によってはパイプ内の水の掃流力によってパイプの侵食が生じ,パイプの拡大からパイピングへと進行すると考えられる。ただし,パイプの形成過程から現象を再現するのは困難なため,本研究では予め氷河湖の堤体内にパイプが形成されている場合を想定し,パイプの形成位置,河道勾配,初期湛水位,初期パイプの大きさ等とパイピングによって形成される洪水/土石流ハイドログラフとの関係等について水理模型実験を行い,これらを考究した。その結果,初期水位が高いほど,氷河湖の長さが長いほど,洪水のピーク流量が大きいことが分かった。また,初期パイプの大きさの違いによって,洪水ピークの発生時刻が異なる(小さいほうが遅い)が,ピーク流量はほぼ同様であった。堤体は1)パイプの拡大,2)パイプの拡大とヘッドカット侵食,3)パイプ位置の違いによるヘッドカット侵食により決壊し,種々の条件によってハイドログラフが敏感に変化する。パイプの拡大による管路流れから開水路流れへの遷移も,ハイドログラフに大きく影響する要因であることが判明した。
著者
羽田野 袈裟義 安福 規之 兵動 正幸 橋本 晴行 久保田 哲也 福岡 浩 里深 好文 山本 晴彦 高橋 和雄 宮田 雄一郎 鈴木 素之 牛山 素行 田村 圭子 後藤 健介 藤田 正治 牧 紀男 朝位 孝二 善 功企 守田 治 滝本 浩一 三浦 房紀 種浦 圭輔
出版者
山口大学
雑誌
特別研究促進費
巻号頁・発行日
2009

(1)災害概況:2009年7月の豪雨により防府地域と福岡県北半部の全域で土砂災害が多発し合計で27名が亡くなった.(2)土砂災害の実態:防府の土砂災害は,土石流中の巨礫堆積後の土砂流による埋没である.土質調査からマサ土地域での崩壊発生と間隙水圧の関係が示唆された.土石流の流動解析で石原地区の土砂流出量を評価し,砂防施設の有効性を評価した.(3)情報伝達と警戒避難体制の状況:防災・避難情報の収集・伝達や警戒避難体制の整備状況や土砂災害警戒区域の指定に伴う警戒避難体制の整備状況と問題点を明らかにした.
著者
村田 吉平 白井 滋久 藤田 正平 島田 尚典 Shrestha Bhushan Wangchuk Tenzin
出版者
日本育種学会・日本作物学会北海道談話会
雑誌
日本育種学会・日本作物学会北海道談話会会報
巻号頁・発行日
vol.36, pp.120-121, 1995

十勝農試では、小豆の品種改良の母本として、国内(33府県)、国外(韓国、台湾)の小豆遺伝資源を1984年から、現在まで約2300点を収集している。今回、小豆栽培の西端と推定されるネパール、ブータンで収集したものが、従来と異なった特性を有していることが明らかになったので報告する。
著者
藤田 正範 島田 昌之
出版者
広島大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2001

【目的】乳牛では乾乳の初期に古い乳腺細胞が脱離し、新しい細胞に更新される。しかし、暑熱の影響によりこの更新が進まないときには秋季における乳生産が抑制されることが知られている。本研究では、乳生産に及ぼす暑熱の影響を理解する研究の一環として、乳腺細胞の機能性に及ぼす暑熱の影響を解析することを目的とした。このために,夏季乾乳・夏季泌乳牛と秋季乾乳・秋季泌乳牛の生乳中乳腺細胞のプロラクチン負荷に対する乳腺細胞プロテインキナーゼ活性などの比較調査を行った。【方法】ホルスタイン種夏季泌乳牛8頭(試験期間内日平均気温;23。3℃)、秋季泌乳牛8頭(試験期間内日平均気温;10。9℃)を用いた。分娩1日と10日の14時に乳房静脈から採血し、分娩10日の8時に生乳を採取した。血漿中エストラジオール17-β濃度を高速液体クロマトグラフィーUV検出法で、血漿中プロラクチン濃度をEIA法で測定した。プロラクチン負荷に対する乳腺細胞のプロテインキナーゼ発現量の測定では、生乳から乳腺細胞を分離し、10^3個前後の乳腺細胞に100、500および1000ng/ml濃度のプロラクチンを添加培養後にプロテインキナーゼ活性を酵素法で測定した。【結果】夏季泌乳牛のTDN摂取量と泌乳量は、秋季泌乳牛よりも低い傾向にあった。分娩1日における血漿中エストラジオール17-β濃度は夏季泌乳牛で低い傾向にあり、分娩10日における血漿中プロラクチン濃度は夏季泌乳牛で低い傾向にあった。乳腺細胞のプロテインキナーゼ発現量は3段階のプロラクチン添加のいずれにおいても夏季泌乳牛で有意に高い値であった。以上の結果、プロラクチンの血中放出は暑熱により抑制される傾向にあるものの、乳腺細胞内のプロテインキナーゼ活性などの代謝機能性が亢進することにより、泌乳牛は暑さに対応して乳生産の機能性を維持するものと考えられた。
著者
佐藤 衆介 瀬尾 哲也 植竹 勝治 安部 直重 深沢 充 石崎 宏 藤田 正範 小迫 孝実 假屋 喜弘
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

1.行動変化を指標とした家畜福祉飼育総合評価法の開発:ドイツ語文化圏で使用されている家畜福祉総合評価法であるANI(Animal Needs Index)法を我が国の酪農及び肉牛生産に適用した。そして本法は、放飼・放牧期間に偏重していることを明らかにした。さらに、(1)改良ANI(Animal Needs Index)法並びに家畜福祉の基本原則である5フリーダムスに基づいた飼育基準を作成した。(2)評価法改良のため、身繕い行動並びに人との関係の指標である逃走距離に関する基本的知見を収集した。(3)福祉評価においては、動物の情動評価も重要であることから、ウマを使い、快・不快に関する行動的指標を明らかにし、それは飼育方式評価に有効であった。2.生理変化を指標とした家畜福祉飼育総合評価法の開発:ニワトリの脳内生理活性物質のうちエンドルフィン(ED)が快情動の変化を捉えるのに適していること、またEDがMu受容体を介してストレス反応の調節にも関与することを明らかとした。また、輸送時の福祉レベルを反映する免疫指標を検索し、末梢血のNK細胞数やConA刺激全血培養上清中のIFN-γ産生量が有用であった。3.家畜福祉輸送総合評価法の開発:RSPCAの福祉標準に基づき、我が国の家畜市場に来場する家畜運搬車輌を対象に、福祉性評価を実施した。また、国内における子牛の長距離輸送および肥育牛の屠畜場への輸送について、行動・生理・生産指標に基づくストレス評価を行った。RSPCAの標準に基づく評価では、国内の運搬車輌は概ね福祉的要件を満たしていたが、一部、積込路の傾斜角度とそこからの落下防止策に改善の余地のあることが明らかになった。国内輸送時のストレス評価では、明確な四季を有する我が国では、季節により牛に対して負荷されるストレス要因が異なることが確認され、季節に応じた福祉的配慮が必要であることが示された。